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木質チップによるマルチング指導指針

更新日:2022年11月2日 印刷ページ表示

1 目的

 木質チップをマルチング処理する場合について、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)に定めるものの他、その利用にあたっての基準を定めることにより、木質チップの適正な利用を促進し、生活環境の保全を図ることを目的とする。

2 定義等

(1)マルチング(mulching)とは

 植栽した苗木などを浸食や乾燥から保護するとともに防草効果により競争種を排除し、生育を促進するため、土壌の表面を木質チップ、わら、化学繊維シートなどで被覆すること。
※マルチ(mulch):(移植した植物の)根おおい(を施す)。耕地で植物の根の周辺を覆うビニールやわら

(2)本指針における用語の意味は次のとおりとする。

  • 木材:廃棄物処理法に定める廃棄物に該当しない木質材
  • 木くず:解体廃材、バーク、廃木材等の木質廃棄物
  • 木質チップ:木材及び木くずを破砕機等を使用して切断、破砕をしたもの

(3)廃棄物処理法における廃棄物の判断

 廃棄物処理法上、廃棄物を利用するためには、その性状、排出の状況、市場での取引形態、取引価格の状況及び占有者の意思等から、廃棄物であるか否かを総合的に判断することとされており、社会通念上合理的に認定し得るよう客観的に明らかにされなければならない。

3 マルチングの利用目的

 木質チップのマルチング利用目的は次のとおりとする。

  • 植物の生育促進、雑草抑制(雑草の発生、進入抑制)
  • 地表面の侵食防止、強風による飛散防止
  • 地表面の踏圧、及び土壌水分の蒸発防止(保湿・保温)
  • 地表面の乾燥、凍土、凍結を防止
  • 歩道、公園等のクッション材

【参考】

  • 木質チップのマルチング使用用途例
    • 雑草抑止材の撒布(平地、山林、法面)
    • 堆肥の撒布(田畑)
    • クッション材の撒布(公園)
    • 遊歩道材の撒布(公園)
    • 家畜敷材の撒布(畜舎)
    • 土壌雨侵食防止(造成地、道路法面)
    • 芝種子吹付け、法面緑化(緑化)
    • カラーマルチ撒布(公園、庭園、緑化地帯)
    • スキー場(滑走期間拡大)

4 使用方法

(1)使用目的については、以下の観点からその使用に合理性が認められること。

  1. 土地の用途において必要と認められる目的で使用されていること。
  2. 使用量がその目的を達成する必要最小限であること。
  3. 使用にあたって周辺環境に支障を生じないよう対策を講じること。
    1. 汚水の発生がないこと。
    2. 飛散流出がないこと。
    3. 悪臭の発生がないこと。
    4. その他生活環境上の支障を生じさせないこと。

(2)マルチングの使用方法は次の基準に適合すること。

  1. 法面・公園マルチング等
    設計厚=80〜100mm以下(撒きだし厚=100〜125mm以下)
  2. 森林内マルチング
    設計厚=150mm以下(撒きだし厚=200mm以下)

(3)マルチングに使用する木質チップの性状

  1. 原材料の使用制限
    伐採材・伐根材等生木に限る。
    なお、建築廃材については、防腐材や合成樹脂が付着し選別が困難なことから、マルチングに使用しないこと。ただし、明らかに防腐処理、塗装、接着剤等が付着することがない場合で、生木と同等の性状を有すると認められる場合はこの限りではない。
  2. サイズ
    破砕材のサイズは2インチ破砕材が望ましい。

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