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食肉衛生検査所の令和6年度事業概要(令和5年度実績)
はじめに
コロナ禍の生活から経済活動が平常化するなかで、日本国内も諸外国からの多くの観光客が認められるようになりました。訪日の目的は買いものより、食や体験へ関心が集まっているとの分析もあり、飲食店がにぎわいを見せるようになりました。一方では、食中毒の発生件数も増加傾向にあり、観光名所の流しそうめん使用水を原因としたカンピロバクター大規模食中毒の発生や、また輸入馬肉の加工による腸管出血性大腸菌O157の食中毒も広域化、複雑化して発生するなど食の安全を脅かす事故も多発しており、食肉・食品衛生の確保がますます重要となっています。
当検査所は、家畜・家禽の1頭・1羽毎の疾病検査とともに、食肉・食鳥肉に残留する有害物質の検査及び処理工程における衛生管理の指導に日々取り組んでいます。近年のグローバル化による流通経済の拡大により、動物福祉(アニマルウエルフェア)を含む国際的な動向の変化は、食肉衛生においても影響をし、食肉の輸出促進に伴う関連業務の更なる増加、HACCP制度化への対応と、食肉衛生に関わると畜検査員・食鳥検査員の役割と期待が、これまで以上に高まっています。
また紅麹などの品質管理が重要なサプリメント形状の機能性表示食品の社会問題も発生しましたが、単に過去の食経験・食文化による安全判断だけではなじまない食品、例えば食肉関連では、生鮮食肉と見分けのつかない加工食肉(結着・テンダライズ・タンブリング処理)、細胞培養肉など、既存の食品・食肉の衛生管理に加え、新たな衛生管理の評価が必要になるものも、国内外を含め多く流通される可能性もあります。
今後とも、新たな問題にも対応できるよう職員の知識、技術の向上に努め、関係者と連携を図りながら、安全で衛生的な食肉・食鳥肉の提供をして参りたいと思います。ここに令和6年度の群馬県食肉衛生検査所の事業概要をとりまとめましたので、御活用いただければ幸いです。
令和6年10月 群馬県食肉衛生検査所長 塩野 雅孝
目次
1 食肉衛生検査所の概要
2 と畜検査業務の概要
- 年度別と畜検査頭数
- 月別と畜検査頭数
- と畜場別検査頭数
- とさつ禁止・解体禁止及び廃棄(全部・一部)頭数
- 輸出牛肉処理施設に係る業務
3 食鳥検査業務の概要
- 年度別食鳥検査羽数
- 種類別・処理場別・月別食鳥処理羽数
1)大規模食鳥処理場
2)認定小規模食鳥処理場 - 食鳥検査結果に基づく廃棄処分羽数
4 精密検査業務の概要
- 精密検査の実施状況
1)検査区分別精密検査実施状況(牛海綿状脳症を除く)
2)牛海綿状脳症スクリーニング検査実施状況 - 食肉衛生に関する検査・調査
1)残留抗菌性物質の調査結果
2)残留有害物質モニタリング調査
3)牛肉の放射性物質スクリーニング検査 - 検査の業務管理基準(GLP)について
- 学会・研究会等への報告
5 その他業務の概要
6 付表
- と畜場の概要
- と畜関係手数料
- 食鳥処理場の概要
- 食鳥検査手数料
- 令和6年度事業概要(令和5年度事業実績)(PDF:2.9MB)