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平成28年度小水力発電有望地点調査の結果について

更新日:2024年3月18日 印刷ページ表示

 群馬県では、砂防堰堤の落差を利用した小水力発電の有望地点調査を平成28年度に実施しました。

はじめに

  • 本ページ記載の情報は、あくまでも平成28年度時点の調査結果を掲載したものです。
  • また、取水可能量や発電所の設置などについて、関係機関(県の関係機関を含む)との調整・協議を済ませたものではありませんので、実際に事業化を検討するにあたっては、事業主体が、事業可能性について詳細かつ具体的な調査・確認を行うとともに、必要な手続き等について関係機関に確認する必要があります。
  • なお、各小水力発電モデル地点及びその付近において、他の事業主体が事業化の準備を進めているか否かは、調査していません

1.調査目的及び概要

 群馬県における小水力発電の導入を推進するため、民間企業等による事業化検討の一助となるよう、県内に多数ある砂防堰堤の落差を利用した小水力発電の可能性について調査を行いました。

2.調査内容

  • 群馬県内の砂防堰堤2,436基の中から、堰堤の高さが一定以上あること、高い位置から取水できるよう満砂又はそれに近い状態となっていること、土石流危険渓流等に指定されていないこと、想定した流量による最大出力が一定以上見込めることなどの条件を設定し、検討候補地として28地点を抽出しました。その後、現地調査を実施し、発電所の設置スペースの有無、堰堤付近の地形の状況などを確認し、導入可能性のある地点として13地点を選定しました。
  • この13地点について、地点毎の状況に応じた小水力発電モデルを仮想して、発電電力量や売電収入、発電事業の経済性(投資回収年数)の見込みを試算するとともに、関係する法規制や協議先となる機関を調査しました。

3.調査結果(概要)

  • 上記の13地点について、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」による価格・期間で売電した場合の概算収支を試算したところ、期間内に投資回収が見込まれたのは5地点となりました。
  • ただし、この調査で仮想した小水力発電モデルは、堰堤上部で取水した後できるだけ堰堤に近い場所で発電、放流する設計としているため、取水位置をより上流に変えて落差を増やすなど、実施内容を見直すことで投資回収の見込みは変動すると思われます。
調査結果一覧
モデル番号 堰堤名 設置者 所在地 河川名 発電モデルによる概算収支
想定最大出力 建設費概算 年間平均経費 年間売電収入 経済性
(想定投資回収年数)
※注
1 川場谷沢砂防ダム 群馬県 川場村 薄根川 82.67kW 163,480千円 10,952千円/年 16,266千円/年 13年
2 山地堰堤 群馬県 桐生市 桐生川 41.77kW 124,330千円 8,328千円/年 7,541千円/年 回収困難
3 戸室堰堤 群馬県 高山村 名久田川 52.56kW 179,530千円 12,027千円/年 8,595千円/年 回収困難
4 沼尾川砂防ダム 群馬県 渋川市 沼尾川 63.72kW 421,750千円 28,253千円/年 3,947千円/年 回収困難
5 森砂防堰堤 群馬県 下仁田町 鏑川 5.22kW 76,570千円 5,129千円/年 1,324千円/年 回収困難
6 三室沢砂防ダム 群馬県 昭和村 片品川 10.60kW 96,570千円 6,469千円/年 2,351千円/年 回収困難
7 皆沢川堰堤 群馬県 桐生市 皆沢川 8.94kW 68,780千円 4,607千円/年 1,976千円/年 回収困難
8 相間川下流砂防堰堤 国交省 高崎市 相間川 25.65kW 125,250千円 8,390千円/年 4,457千円/年 回収困難
9 霧積砂防堰堤 国交省 安中市 霧積川 37.63kW 145,300千円 9,733千円/年 6,537千円/年 回収困難
10 坂本ダム 国交省 安中市 碓氷川 89.71kW 178,100千円 11,931千円/年 15,589千円/年 15年
11 片品上流砂防堰堤 国交省 片品村 片品川 503.76kW 526,220千円 35,252千円/年 84,543千円/年 8年
12 沼尾砂防堰堤 国交省 中之条町 白砂川 241.83kW 374,920千円 25,115千円/年 47,058千円/年 10年
13 烏川上流砂防堰堤 国交省 高崎市 烏川 51.13kW 125,100千円 8,381千円/年 8,883千円/年 20年

※注:kW=キロワット
※注:平成28年度時点の固定価格買取制度における売電価格と期間(20年間)を基に全額自己資金で実施した場合を想定し、投資額を回収できる年数を試算しました。なお、「回収困難」の地点は、固定価格買取制度における売電期間(20年間)内での回収は困難と見込まれました。

4.調査結果(地点別)

5.調査結果の使用にあたっての注意事項

  • 各地点における小水力発電モデルは、既存資料と現地調査に基づいて仮想したものであり、概算収支はいくつもの仮定条件の下に試算したものです。
  • また、取水可能量や発電所の設置などについて、関係機関との調整・協議を済ませたものではありません
  • 実際に事業化を検討するにあたっては、事業主体が、事業可能性について詳細かつ具体的な調査・確認を行うとともに、必要な手続き等について関係機関に確認する必要があります。

6.参考資料(外部リンク)

7.小水力発電の事業化を御検討の方へ

 群馬県内で事業化を検討される方、より詳しい調査資料の閲覧を希望される方は、下記のお問い合わせ先に御連絡ください。