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令和6年3月19日(火曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、沼田翔二朗教育長職務代理者、代田秋子委員、河添和子委員、日置英彰委員、小島秀薫委員
柿沼輝信教育次長、栗本郁夫教育次長(指導担当)、平山理恵総合教育センター副所長、田中俊行総務課長、高林和彦管理課長、下山裕子福利課長、西村琢巳学校人事課長、春田晋義務教育課長、天野正明高校教育課長、近藤千香子特別支援教育課長、松本佳祝生涯学習課長、橋憲市健康体育課長、角田毅弘総務課学びのイノベーション戦略室長、飯嶌幸義務教育課夜間中学準備室長、上原崇臣総務課次長、井澤悟志総務課行政係長、河内皐総務課主事
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名、取材者は2名であることを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に沼田教育長職務代理者を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第69号議案は表彰に関する案件であるため、第70号議案から第74号議案は教職員の人事に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(平田教育長)
初めに私から一言申し上げる。
平成31年2月1日に起こった、県立高校の生徒死亡事案について、平成27年4月に知事が設置した第三者委員会である、群馬県いじめ再調査委員会の調査結果が、令和6年2月26日に知事から教育委員会あてに送付された。
まず、お亡くなりになられた生徒さんのご冥福をお祈り申し上げる。そして、ご遺族に対し、心からお悔やみを申し上げる。生徒が命を絶つということはあってはならないことで、誠に遺憾である。
いじめ再調査委員会の答申を重く受け止め、いただいた提言をもとに、できることから速やかに、専門家の助言を得ながら、取り組みを強化していきたいと考えている。
教育委員会は平成31年4月に、第三者委員会であるいじめ問題等対策委員会による調査審議を開始して、令和2年11月に答申を受けた。この答申をもとに、取り組むべきことを学校及び教育委員会としてまとめ、それにしたがって、教育委員会と学校は対策を進めてきた。
当初に比べて体制が整ってきていると感じるところではあるが、常に見直し、改善を続けていかなくてはならない。繰り返しにはなるが、いじめ再調査委員会からいただいた提言を受け止め、取り組みをさらに強化していく所存である。
続いて、2月15日から3月18日まで開催された、令和6年第1回定例県議会について報告する。
教育委員会関係の一般質問では、県立学校の体育館へのエアコン設置について、非認知能力と学力の関係性、不登校への対応、教員採用試験の改善、伊勢崎特別支援学校、県立みらい共創中学校、部活動の地域移行などについての質問があった。
文教警察常任委員会においては、令和5年度関係では、GIGAスクール構想の推進、部活動の地域連携・地域移行、県立学校への太陽光発電設備の導入、教職員多忙化解消のための提言などについて質疑がなされた。
令和6年度関係では、当初予算関係、チーム担任制、県立高校の再編整備、スクールカウンセラー等の活動状況、英語教育などについて質疑がなされた。
教育委員会が関係する特別委員会では、第四期群馬県教育振興基本計画、インクルーシブ教育の推進、学校教育の無償化、県立学校へのコミュニティスクール導入などについての質疑がなされた。
なお、教育委員会関係の令和6年度当初予算や、条例議案などについては、原案のとおり可決された。
次に、前回定例会以降の出席行事についてご報告する。
2月14日には、伊勢崎市の教育支援センターへ沼田委員と代田委員に、同16日には、前橋市の教育支援センターへ日置委員と小島委員にご訪問いただいた。
そして、3月1日の県立学校の卒業式には全委員にご出席いただいた。
また、3月7日には、県立盲学校と県立聾学校へ沼田委員、代田委員、日置委員に訪問していただいた。お忙しい中、訪問等していただき、貴重なご意見をいただいた。誠に感謝申し上げる。
私からは以上である。続いて、各教育委員からご意見やご報告があればお願いしたい。
(沼田委員)
まず、先般行われた県議会での、次年度の予算について、事務局の皆さんにご尽力いただき、すべての議案が可決されたことに感謝を申し上げたい。次年度も、先生方及び児童生徒の皆さんが豊かに学んでいける環境を実現するため、見えないところでのご尽力だったと思う。引き続きよろしくお願いしたい。
私からは3点、ご報告させていただく。
1点目は、2月14日に訪問した、伊勢崎市教育支援センター「ほっとる~む・鹿島」での視察についてご報告する。
当日は伊勢崎市の三好教育長をはじめ、関係各位にご協力をいただき、子どもたちの様子の視察や、意見交換をさせていただいた。
意見交換では、かなり密にお話をさせていただいたが、その中でも、代田委員も含め、担当者の方と合意ができたのは、やはり福祉分野との連携がますます重要となるということである。
子どもたちの教育的な部分だけではなく、どうケアしていくのか。子どもたちの育っていく環境自体をしっかり捉えて、福祉分野とのますますの連携協働を教育分野が進めていくことの必要性について確認した。
2点目は、3月1日に、第123回高崎高等学校卒業式に出席させていただいた。当日は全日制280名、通信制51名の卒業生を見送ることとなった。
全日制の卒業生の答辞では、この学校で学んだことを1つ挙げるとしたら、他者との協働についてであるということを話されていた。特に、コロナ禍世代で、制限があった時代を経験した中で、色々な人たちが学校で行き交って学び、様々な授業や行事に取り組めたことは、協働を学ぶ3年間だったという内容であった。
通信制の卒業生の答辞の中では、後輩に向けてのメッセージが印象に残った。後輩に向けては、自分の価値は自分で決めてよいということを伝えていた。他人や社会と自分を比べて劣等感を抱くのではなく、自分で目標を定め、それに向かって努力することで、自分の価値は見いだされていくものであり、頑張りが見いだされていくものである。さらに、その頑張りは周りの誰かが、必ず見てくれているという内容であった。この後輩へのメッセージは非常に印象に残っている。
最後に、3点目は、3月7日に県立盲学校、聾学校を視察させていただいた。最初に盲学校、その後に聾学校の様子をそれぞれ拝見した。子どもたちの様子を見ると、生き生きと学んで過ごしているところに、とてもうれしさを覚えた。また、こういう学校が地域にあるということに、大変うれしく思ったところである。
盲学校の先生と意見交換をしたときに、課題としておっしゃっていたことは、盲学校は基本的に1学年1名という状態の中で、他者と協働して学ぶ授業を実施することがなかなか難しいということである。異年齢の子どもたちと協働して学べるような環境を作りたいけれども、カリキュラム編成の部分で課題となっているというお話をいただいた。
インクルーシブ教育を推進していく中でも、カリキュラムマネージャーの存在が重要であるということは文部科学省から示されていると思うが、その部分についても、盲学校、聾学校及び様々な学校の現場の課題感や工夫を確認しながら、カリキュラム設計をしていく必要があると感じた。
(代田委員)
私からも3点、ご報告させていただく。
まず、2月14日に沼田委員と同じく、伊勢崎市教育支援センターに訪問させていただいた。そこでは、児童生徒が通いやすい場所として自主性を高め、存在感の認識や自信に繋がる活動をしていた。常に学校との情報共有がなされていて、担任の先生の工夫で、クラスの友達とのやりとりを大事にされていることもうれしく思った。
次に、3月1日に行われた、伊勢崎工業高等学校の卒業式に出席した。今年からコロナ前と同じように、全日制、定時制の卒業生、在校生と保護者、来賓など、多くの方々が出席され、盛大に行われていた。
私の中で印象深かったことは定時制の卒業生代表の答辞で、年齢を超えて、生徒会や学校行事に一緒に参加できたことが楽しかったと述べられていた。それはなかなか経験できないことで、私自身もすごく羨ましく思うし、卒業後も彼らにとって、母校が誇らしく思えるのではないだろうか。高校生活の中で、全日制と定時制の生徒同士の、貴重な交流の場が設けられていることも初めて知ったことである。同じ保護者としても、無事に卒業を迎えられたことに感極まるような思いであった。
最後に、3月7日に県立盲学校、聾学校を訪問させていただいた。私が聾学校ですごく驚いたのは、スクールカウンセラーをPTAの予算でお願いしていると伺ったことである。
保護者のサポートができる場所として、第三者の方に話を聞いてもらうことが心の支えとなると思うので、PTA活動の発想のひとつとして、ただただすごいと思った。
今回の訪問で、関係の方々に丁寧にご対応いただき、改めて感謝を申し上げたい。
(河添委員)
私は3月1日に県立前橋高等特別支援学校の卒業式に参加させていただいた。大変素敵な学び舎の中、生徒の皆さんの未来に向かう前向きな心や、感謝の心が強く感じられた。そして、保護者の皆さんや職員の皆さんの愛情溢れる思いに包まれた、大変素晴らしい卒業式であった。
式の前に、校長室で情報交換をさせていただいた中で、中澤校長先生を初め、PTA会長さん、同窓会長さんとの温かな繋がりを感じ、私も短時間だったが、お仲間として招いていただき、うれしく感じた。まさに、そうした温かな繋がりを大切にするという校風が形となった、とても素晴らしい卒業式だった。
答辞も大変立派で、特に、学びを生かす社会人としての決意を大変強く感じ、胸が熱くなった。愛唱歌の「バーモス」の合唱も大変素晴らしかった。
また、式の終了後、同窓会の集まりがあり、同窓会長さんがご挨拶をするということで、私も一緒に参加をさせていただいたが、とても立派なご挨拶で、卒業生一人一人にとって、とても意味のある、目標となる姿を見せてくれていた。
私はもちろん毎日見ているわけではないが、前橋高等特別支援学校の校長先生をはじめとする、全ての先生方、保護者の皆様方が日々積み重ねてこられた、自立に向けての取り組みを強く感じることができた。
校長先生やPTA会長さんが、「ぜひ、この成長した子どもたちの姿を教育委員さんに見て欲しかったのです。」と言ってくださり、大変うれしく感じた。皆様に心より感謝を申し上げたい。
また、3月7日の聾学校、盲学校の視察には参加できなかったが、縁あって、聾学校の校長先生と情報交換をさせていただく機会があった。
日々、自らの成長に向けて頑張る子どもたち、支える保護者の皆さん、そして大きな組織でありながら、一人一人を大切にしながら、協働して丁寧にご指導に当たっている職員の皆さんの素晴らしさを、お電話からではあったが、感じることができた。
私からは以上である。
(日置委員)
私も2月3日のぐんま教育フェスタに参加した。先ほど沼田委員の話にもあったが、一番印象的だったのは、初めて生徒による発表が行われていたことである。その発表では、中学3年生たちが校則の改正案を出して、実現させるという内容であった。高校生へのインタビューを行ったり、近隣の学校の生徒会と話し合いをしたり、無関心な生徒もいれば反対する生徒もいたとのことであった。それらをうまくまとめ、最後には職員会議で提案して成立させたということで、その成功体験を生き生きと話していたことが本当に印象的だった。この事例を多くの学校に伝えて欲しいと思った。発表の最後に、指導をされた指導主事の方が感極まっている様子を見て、私も大変感動した。
次に、明治大学の齋藤先生の講演について報告する。内容は、アクティブな授業を作るにはどうしたらよいかというお話であった。齋藤先生の講演を受けて、我々自身もアクティブな授業に参加したような感覚であった。どうすればたくさんの人がいても、一人一人がアクティブで主体的な授業ができるのかということについて、様々なキーワードを意識して話をすることや、具体的なアイデアを出すことなど、先生方は学校現場で大変参考になるような話をたくさん聞くことができたのではないか。私自身も非常に勉強になった。
(小島委員)
私も2月16日に、日置委員と一緒に前橋市の青少年支援センターに視察に行った。
私が最初に到着したときは、生徒は誰もおらず、途中から1人の女子生徒がお母さんに連れられて来ていた。保護者の立場で見ると、やはり子どもが不登校になるというのは、大変なのだろうという思いはある。だが、企業で人を採用する立場からすると、子どもが不登校になっているということは、そこまで気にしなくてもよいのではないかという思いもある。というのも、企業が新規に職員を採用するとき、小中高で不登校だったかどうかなど誰も聞かない。就職してからでも、企業は必ずしもコミュニケーションを取れなければ成り立たないという職種だけではない。一方では営業職のように、口八丁で色々な人と会話をする必要がある職種があるが、もう一方では、製造業や私が所属している建設業では、他人とのコミュニケーションを苦手とする人間も多く働いている職種もある。
特に、現場で働く場合は、「口を動かす暇があったら、手を動かせ。」という考え方の人が多いから、別段、集団の中にうまく溶け込めるか、溶け込めないかは、必ずしも企業採用の要件になるとは限らない。だから職種の選択さえ間違えなければ、問題はないのではいかという気はする。
だから就職という観点では、不登校で普通の学校に行っていないということは特段気にすることはないし、前橋なら「にじの家」という教室に行っているという、ただそれだけの事である。親として、不登校をそれほど負担に感じる必要はないと私は思う。不登校支援も、もう少し気を楽にしてはどうだろうかと感じる。
ただ、私が一番心配していることは、不登校生徒が社会人になるときに、引きこもりになってしまわないかということである。いわゆる引きこもりになってしまうと、社会的損失がものすごく大きい。データとしてあるのかわからないが、不登校と引きこもりに相関関係があるのかなどを調べると、意味のある取組となるような気がする。
今の教育体制では、当然のことではあるが、横割りになっていて、義務教育で不登校児童・生徒を支援し、高等教育でまた新たに不登校生徒を支援している。それぞれしっかり支援してくれていると思うが、縦軸で一人の子どもが小学生から高校を卒業するまで継続して支援できていない。それができるのは、おそらくご両親だけである。本当にそういった支援の仕組みでよいのかという思いはあり、教育委員会で考えることではないかもしれないが、一人の子供を一貫した縦軸で支援するという観点からの工夫が必要なのではないか。
どこまで不登校児童・生徒の保護者の皆さんが心配されているのかはわからないが、職業選択ならいくらでも選択肢はあるから、あまり気負わずに支援すればよいということについては伝えてあげたいと思う。
そして、3月1日の沼田高校の卒業式については、もうすぐ、沼田女子高校と統合して新高校になるということで、卒業生、在校生ともに、新しい学校に対する期待感のようなものと、名残惜しさのようなものが入り交じった雰囲気であった。保護者の皆さんも、何となくそういう雰囲気で式に臨んでいて、温かい卒業式だったという感想を持った。
(平田教育長)
各教育委員からご報告いただき、感謝する。
ほかに委員から意見等があるか。なければ、関係所属長から報告をお願いする。
学校人事課長、資料1により報告。
学校人事課長、資料2により報告。
義務教育課長、資料3により報告。
高校教育課長、資料4により報告。
高校教育課長、資料5により報告。
高校教育課長、資料6により報告。
総合教育センター副所長、資料7により報告。
(平田教育長)
ただいまの報告について、委員から質問等はあるか。
(沼田委員)
1つ意見と、2つご質問がある。
1つ目の意見は、事務報告1の動画に関して、私は毎日YouTubeを更新すると、教育委員会の新しい動画が表示され、自然と見ているような状態であり、毎回素晴らしいと思っている。今回の動画で、私が素晴らしいと思ったのは、教職の魅力そのものを伝えていくという動画ではあるのだけれども、教職を目指す学生などの不安を解消していくという側面が非常に強かったという点である。学校の先生が忙しいということは、当然、学生の耳には入っており、教育実習に行っても「これだけ忙しいのか」と思っているはずである。しかし、そんな業務の中でも、周りの先生たちとサポートし合って、支え合っているという動画内でのインタビューのコメントは、次の世代にとって、不安があっても解消できるという希望に繋がるのではないかと思う。私はそのメッセージ性がとても素晴らしいと思った。
次に、2つ質問がある。
1つ目は事務報告5について、高校入試一本化の影響については、この後検証していくとのお話であったが、現時点で感じている影響だとか、現場の様子、あるいは、中学生から聞こえてくる声などがあればお聞きしたい。
2つ目は、事務報告7の教育フェスタに関して、次年度の研修体制を変えようとしているという話があったが、お話しいただける範囲で、その具体的な内容をお伺いしたい。
(高校教育課)
入学試験を一本化したことについて、特に大きな影響はなく、去年と状況が変わったということない。志願状況については、昨年度までと比べると少し平準化し、極端に倍率が高かったり、低かったりという学校が少なくなった。先ほど、事務報告5で申し上げたとおり、再募集の実施校も昨年度より減っている。
また、一本化については、少し試験のスケジュールを早期化するというねらいもあり、それは中学生の受験対策が長期間にわたって続くという部分を解消するという目的であった。
一方で、合格発表があった後に中学校の卒業式があるという点は今までと大きく違うところで、中学生の精神状態が心配されたが、今後、しっかりと聴き取って検討したいと思う。私が個人的に話をしたり、聞き取ったりしたところでは、それほど大きな影響がなく、むしろ「先に結果が出て、気持ちを切り換えて卒業式に望めた。」など、前向きな声が聞こえている。
中学校側も、卒業式までの指導が昨年度以上に充実したという、どちらかというと好意的な捉え方が多いと感じるが、今後、よく検証したいと思っている。
(総合教育センター副所長)
次年度の体制について、今までは長期研修員1人に対して、指導主事が1人付いて研究を指導するというような体制であった。
長期研修員とは、各学校から教員が1年間総合教育センターに通って研究をするというもので、教育フェスタでもメインで発表をしていたのは、この長期研修員である。
長期研修員が自分で学校や教員生活の中からテーマを探し、指導主事の指導のもと、そのテーマで1年間研修をするというのが今までの体制であった。次年度からは、係ごとに1つずつ、大きなテーマを研究するという体制となる。
係長のリーダーシップのもと、指導主事がベースとなる研究を行い、それを長期研修員により、学校での授業や行事の中で実践していくという、組織的に大きなテーマを追いかけるという形にしたいと考えている。
テーマについては、まだ仮ではあるが、スチューデント・エージェンシー・ハイスクールや、スコットランドの教育も含めた非認知能力に関する研究、教員の魅力度アップに関する研究、プログラミング教育、インクルーシブ教育、幼稚園と小学校のかけ橋教育、「つなぐん」や「つなサポ」に関する研究など、県の重要課題であり、今やるべきものについて、よりそれに迫るような研究を進めていきたいと、今まさに準備を進めているところである。
(平田教育長)
総合教育センターは、まさに群馬県の教育をリードしていく存在として、今まで以上に進化しようとしているということで、本当に感謝をしている。
(代田委員)
事務報告3の公立幼稚園の廃止について、前橋市の廃止された幼稚園から転園される子どもたちとその保護者の負担はある程度あるのかということと、転園した後のサポートについて、どのようなことをされているのかお伺いしたい。
(義務教育課)
転園の負担感も含め、事前説明や個別相談等もされていると聞いている。3つの園にそれぞれ転園することも進んでいるようで、特に課題等は聞こえてきていない。
(代田委員)
おそらく通園や、新しい友達になじむことができるかなど、いろいろとご心配はあったかと思うが、市教委で事前によく準備をして、サポートしていただいたと理解した。
(河添委員)
事務報告1について、今まさに教職を目指そうとしている、学生さんをはじめとする皆さんにとって、この動画は先生方の生の姿を見せていて、とてもよいと思っている。
もう1つ、事務報告2の教員採用試験の募集要項も、同じように素晴らしいと感じていて、この募集要項の1枚目にある教育長の言葉がとてもよく、この教師という仕事は本当に素敵な仕事であると言い切っていただいている。また、大切な教え子たちの存在が、自分を勇気づけ、明るい未来を感じさせてくれるという内容を、教育長自らのご経験のもと、言い切っていただいている。
そして、働き方改革や業務改善に、全国に誇れるような取組を進めているということを打ち出していて、教職を目指すかどうか迷っている人達に、動画とこの教育長の言葉をよく見てくださいと、自信を持って言えると感じた。
なぜかというと、今、私の身近に悩んでいる人からの相談がいくつかあり、群馬県の教員採用試験を受けようか迷っているとのことである。
例えば、「他県で大学に通っているが、他県から群馬県の教員採用試験を受けると不利なのか。」とか、「自分は声が小さいから、もっと大きい声を出すようバイト先で指摘されることがあるが、やはり先生はハキハキと大きな声で話せないと適任ではないのだろうか。」など、本当に悩んでいる人の声を聞くので、私は他県の大学に通っているからといって不利ということは一切なく、今は子どもが主役で、子どもに寄り添い、サポートをしっかりとできる先生を求められていて、声が大きいことを求められるわけではないとお答えした。
このような不安感は、ほかの方も持っているかもしれないので、Q&Aのような形で、どこかに載せられるとよいと思っている。他県を調べると、Q&Aを載せている県もあるが、群馬県ではそういったQ&Aは作成等されているか。
今の方向性で進めていただき、これから群馬県の教職を目指す方がどんどん増えてくれることを願っている。
(平田教育長)
動画は、学校人事課が学生の声を聞いたり、あるいは新任の先生方の声を聞いたりして、本当に知恵を絞って作ったものである。お褒めいただき、本当にありがたい。
(学校人事課長)
Q&Aに相当するものはないので、作成を検討したいと思う。
大学での説明会について、以前は一方的な説明会であったものを、ブース等を設け、個別質問や相談などの対応を行うようにしているが、他県の例も参考にしながら、今後考えていきたい。
(平田教育長)
おそらく、他県の大学まで私たちが行くことは難しいので、Q&Aがあると他県の学生等もより情報に接することができると思う。質問項目も含めて、早急にご検討いただきたい。
(日置委員)
教員採用について河添委員のお話とも関連しているが、動画は私も見て素晴らしいと思い、早速、自分の勤務する大学にも共有したところである。去年から大学の特別選考が始まり、今年もいろいろと変革して、少しでも質の高く、やる気や熱量のある先生を採用したいということで、工夫していることは素晴らしいと思う。
特別選考で合格した人が入っていないので、評価をすることはまだできないが、GPAのよい学生はよい先生になったのか、もしかしたら別の項目を重視した方がよいのかなど、これからの取組について伺いたい。
これまでの取組を調べ、分析しながら検討することはこれからも続けていただき、ただ入りやすいだけではなく、質の高い教員の確保はどうしたらよいかということが、次の問題になってくるのではないかと思う。
(平田教育長)
特別選考は令和6年度採用となるので、まだわからないところではあるが、まさに大事なご指摘だと思う。
(日置委員)
他県の大学から受験した人が、なぜ群馬県が受けやすいと思ったのか、群馬県に戻ってこようと思ったのかなど、特に近隣の県から受験した方への詳しいアンケート調査等をすると、次にすべきことが何か、見えてくるように思える。
(平田教育長)
貴重なご意見に感謝申し上げる。また、大学に共有していただいたことは大変ありがたい。事務局には検討をお願いする。
(小島委員)
私は教育委員であるが、民間企業の経営者でもあるので、あまり素晴らしい宣伝をしてもらって、優秀な学生が皆、教員になってしまうと少し困ってしまう。
基本的に、だんだんと学生の数も少なくなっており、学校に限らず、どこも人材が確保できなくなってきている。そういう意味では、労働環境の改善は大いに図っていくべきだと思うが、なかなか人が集まらないということに関してはそこまで嘆かなくてもよいと、個人的には思っている。
特に、今年は出生者数が80万人を切ってしまったような話である。民間企業の場合も、賃金を上げなくてはならないが、賃金を上げて人数を減らすと、残業時間に絶対的な規制がある状況であり、自分で事業計画等を作っていても「何をすればいいのか。」という感覚である。
そのため、新規採用はなかなか大変なところではあると思うが、あまり他県の人に群馬県に就職してもらうようなスタンスではなく、まずは群馬県内で改善していこうという、自分を見つめながらのスタンスでよいのではないかと思う。
(平田教育長)
群馬県の高校生のうち、例えば、東京都の大学などに進学する方々がいる。その方々には、群馬に就職するか、それとも東京に就職するか、あるいは、他の県に就職するかという選択がある。
もちろん、その方それぞれの人生ではあるが、私はできれば群馬県で就職してもらいたいと思っている。
群馬県の教育はとても素敵であり、先生方は本当によくやってくれていると思っているので、そういったよさを伝えていきながら、群馬県に帰ってきてもらうための取組を継続したい。
人材が減るということは小島委員のおっしゃるとおりで、大学生はどんどん減っていくので、倍率が上がるということは、基本的には、もう有り得ない話であると思う。大事なのは、いかにやる気溢れる、優秀な方々に受験していただくかというところである。
丁寧によさを伝えながら、働き方改革、労働環境の改善も重要であると思うので、なかなか正解のない課題ではあるが、引き続き頑張っていきたい。
ほかに質問等はあるか。なければ、教育長事務報告は以上とする。
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
高校教育課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
※この資料に計画本体を添付したものを使用。本計画については下記URLよりご確認ください。
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時46分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。