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令和5年3月20日(月曜日)午後7時から午後9時
県庁24階 教育委員会会議室(対面・オンライン併用)
開会
平田郁美教育長によるあいさつ
事務局から一人ずつ委員の名前を紹介した。
委員互選により大森昭生委員を座長に選出した。
以後の進行は座長に引き継がれた。
第4期群馬県教育振興基本計画(以下、「第4期計画」)策定の方向性について、配付資料により事務局が説明した。
また、関連して(ア)(イ)(ウ)についても説明した
(ア) 新・群馬県総合計画及び第2期群馬県教育大綱について
(イ) 本県教育施策の検証作業について
(ウ) 国の次期教育振興基本計画について
委員が1名ずつ自己紹介を行い、併せて教育に対する課題意識等についてコメントした。
経済協力開発機構(OECD)教育スキル局シニア政策アナリストの田熊美保氏から、「日本OECD共同研究」の枠組みに基づき、「OECDラーニングコンパス」に関する話題提供をいただいた。
事務局から事務連絡を行った。
(委員)
今までの学校や授業は、紙、鉛筆、黒板のようなツールに最適化されている。
ICT活用の効果を得られている学校では、教員が立てた大きな目標の下、子ども一人一人が自分なりの目標を立てて学んでいく。そうした学びを評価するには、「目標」の捉え方を「達成目標」から「向上目標」にシフトさせるような学力観の転換が必要である。
また、授業観の転換も重要である。そのためには、1人1台端末というツールとともに、教員がICTを使いこなすことで「仕事が変わる」ことを実感し、それを子どもたちにも伝えたくなる、というような「ICTの活用観の転換」が必要であると考える。
(委員)
子どもや若者に向けた主権者教育に関わる会社を運営しており、全国の7万人以上の子どもたち、群馬県では約1万人に主権者教育に関する授業を行うなど、「社会問題を考えて行動できる人」を増やすために活動している。
「始動人の育成」のためには主権者教育を充実させることが必要と考えており、これまでの取組で得られた知見や、ヨーロッパ各国のシチズンシップ教育を取材した経験なども、懇談会の場で伝えられればと思う。
(委員)
小児科医として様々な子どもを診察する中で、心の問題が身体に現れる事例が増えていると実感している。また、三重県の調査によると「死にたいと思ったことがある」と答える子どもがここ10年間で大幅に増加しており、国全体で対応すべき重大な問題である。
困難な状況にある子どもたちを支えていくためには、地域における関係機関同士の連携が非常に重要である。この観点も第4期計画の大きなテーマの一つにしてほしい。
(委員)
いじめ問題に関連して、いじめた側の児童生徒への適切な指導がなされていないと思われる事例が私の身近でも起こっていると聞いており、教員の指導・対応方法の見直しが必要と感じている。
また、教員の不適切・不誠実な言動により生徒や保護者に心の傷を負わせてしまうようなケースも現実に発生している。
これらは早急に解決すべき問題であり、学校現場のみに任せるのではなく、群馬県全体で考える必要があると考える。教育振興計画が学校現場で活用され、上記のような問題で苦しむ子どもがいなくなることを望む。
(委員)
私の地元では学校の統合が大きな問題になっており、地元住民への説明会を各地で行っているが、本当に様々な意見が出てくる。
そのような折に、「群馬県の子どもたちにどのような教育をしていくのか」という方向性を示す教育振興基本計画は非常に重要なものと考えている。懇談会での議論に当たっては、「誰一人取り残さない教育」という観点を大切にしていかなければならないと感じている。
(委員)
社会の状況が変化する中で、子ども達が教育を受ける基盤となる「家庭の力」だけでは、子どもたちを支えていくことが難しくなってきていると感じる。学校でも、子どもたちを支えるための多職種の連携が進められているものの、近年、不登校者や自殺者の数も増加傾向にある。
第4期計画策定に当たっては、子どもたちの「教育を受ける権利」をどのように守っていくか、ということや、地域・学校・家庭がどのように連携し、子ども達を支えていけばよいか、ということも柱の一つになってくると考えている。
(委員)
ここ3年間における高等学校の現場では、コロナ禍の影響で教育活動が制限される中で、1人1台端末の活用を進め、探究的な学習活動の推進などの取組を行ってきた。
一方、学校が社会の変化に追いついていないと感じることもあり、特に「生徒の多様化」には教員も試行錯誤しながら対応しているところである。
このような状況の中、現在の高等学校は「どのような生徒を育てるか」、「何をもって卒業したと認定すればよいのか」などの基準が曖昧であり、高等学校の存在意義自体が問われていると感じている。
(委員)
教員を長く務め、管理職、行政職も経験した上で、教育で大事なのは「環境を整えること」だと痛感している。
教職員が働きやすい環境を整備することは非常に重要であり、働き方改革を進めるに当たっては、個別の行事等が必要なのかゼロベースで考えること、行事を行う目的・目標・手段を明確にすること、そして、職員自身が成果を実感し、自分ごととして捉えていくことが大切であると感じている。
第4期計画で群馬県の教育の方向性を示し、群馬県の教職員が安心してその道を進むことができるよう、環境を整えていきたい。
(委員)
第4期計画策定に当たっては、国の次期教育振興基本計画と歩調を合わせることも重要となる。中央教育審議会にて国の次期計画策定に係る議論に参加した立場から、適宜、有益な情報を共有していきたい。
委員の意見を踏まえ、事務局が第4期計画の骨子案を作成する。次回は事務局の作成した案について協議する。
資料1(第4教育振興基本計画の策定について) (PDF:663KB)
別紙1(新・群馬県総合計画ダイジェスト版)(PDF:4.39MB)
別紙3(教育委員会の点検・評価(令和3年度対象)_概要)(PDF:181KB)
別紙5((国)次期計画概要版(答申)) (PDF:632KB)