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各テーマごとに設定した成果目標のひとつ「食品安全検査における食品の規格基準適合率」では、1,812検体中8検体が基準違反ということだが、具体的に何が違反だったのか。
食品衛生法の規格基準違反事例について、アイスミルクの大腸菌群陽性が2検体、「しゅんぎく」の残留農薬基準超過が1検体、「いちご」の残留農薬基準超過が1検体あった。食品表示基準違反事例については4検体あり、乳が3検体、卵が1検体のアレルギー表示欠落によるものであった。
「農薬の適正使用対策」において、農産物直売所等を巡回調査したということだが、直売所では、定年退職した人が自分の農地で野菜を栽培して余剰分を直売所に出荷している例が多々あると思われる。農業者以外の生産者に対する指導はしているのか。また、農薬栽培履歴は適正に管理されているのか。
具体的な数値を把握しているわけではないが、直売所に出荷する人を対象に、農薬の適正使用に関する研修会を開催し、周知徹底を進めているところである。
生産段階における自主衛生管理の推進において、本県では農場HACCPの導入状況が遅れている現状にある。実績評価では「概ね良好」ということであるが、2020年東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたって、可能な限り積極的な導入について検討していただきたい。
農場HACCPにおいては、指導者を増やす等、農場に対して指導出来るよう努力はしているが、農場HACCPを導入する農家も一定の水準に達していないという現状もあるため、関係団体と連携しながら引き続き支援を行ってまいりたい。
学校給食施設におけるアレルゲンのコンタミ等についてはどのような指導を行っているのか。
県内給食施設188か所(H28年度)に対して3年に1回の割合で巡回指導を行っており、学校給食における衛生管理基準の徹底について担当指導員が確認、必要に応じて改善指導を行っている。
農薬の適正使用に関して、農産物に対するスピードスプレーヤ等を用いた農薬散布法があるが、その性質から他の農地への農薬飛散リスクがある。隣人という人間関係上、なかなか文句を言い出しにくい部分があるというのを聞いたことがあるため、行政が介入する必要性を感じる。
行政では、農薬の適正使用の推進を図るため、生産者に対する栽培講習会を通じて、農薬の飛散防止について呼びかけていると同時に、隣人同士で農薬の飛散の恐れがあるときは、お互いに情報交換するよう呼びかけているところである。引き続き、農薬基準値超過事案が起こらないよう啓発活動を推進してまいりたい。
本日欠席の委員からも御意見・御要望等をいただいているので紹介する。
施策評価に関して、人口10万人あたりの食中毒患者数の評価は、人数という観点だけになってしまうが、食中毒の場合は、その症状の程度や被害の大きさも評価できるような基準になると、より良いと思うという。
計画の最終年度である平成31年度には、いただいた御意見等を参考に、計画の4年間で群馬県内で発生した食中毒に関する総合的な評価を行いたい。
昨年、県はパンフレット「正しく知ってる?食物アレルギー」を発行した。各界から構成される委員の意見をもとに作成しただけあって、大変わかりやすい内容となっている。
ついては、このパンフレットを各方面で活用するため、印刷のための予算を十分に確保して欲しい。
我々食品事業者にとっても、まずは消費者が自ら正しく食物アレルギーを理解してもらうことを望んでいる。我々事業者もこのパンフレットを活用したい。
パンフレットの在庫はまだ沢山あるため、要望があれば、適宜、配布させていただく。増刷については、必要に応じて検討していきたいと思う。
また、平成30年度は食物アレルギーの小冊子を作成する予定である。こちらも、消費者や事業者の皆様に広く配布させていただきたい。
個別事業-食品の適正表示推進者育成講習会開催について、我々事業者にとって、自治体が講習会を開催してくれることは大変ありがたい。食品表示はまだまだ複雑なところもあり、社内教育の重要性は感じているが、是非、継続して開催して欲しい。
また、開催に際して、回数ではなく、受講者数を増やすことに力点を置いて欲しい。
これまで、フォローアップ講習会は、育成講習会を受講した者のみを対象としていたが、平成29年度からは食品表示について基本的な知識を有すれば、育成講習会を受講していない者でも、受講することができるようにし、受講者数の増加を図った(今日現在の受講者数;事業者265名、行政23名、係員6名、計294名受講)。
また、今後、新規受講者を対象としていた育成講習会も、一度、受講したことがある者も、再度、受講することができるよう検討し、さらに食品の適正表示推進者数の数を増やしていきたい。
群馬県自主衛生管理認証制度の施設数が増えていないのは、収益に直結しない等の理由で、事業者のモチベーションが上がらないことが課題のひとつであると思われる。それに対してどのような対策を検討しているか。
平成28年度は2件の増加であったが、平成29年度は新規に5件増加している。また、審査機関から審査員を増やして欲しいという要望が出ているため、審査機関を対象とした研修会等を通じて要望に対応してまいりたい。
また、HACCPに関する研修会を食品事業者向けに開催する中で、御指摘いただいた点を踏まえて、認証制度について周知を行ってまいりたい。
「正しく知ってる?食物アレルギー」(パンフレット)について、口腔アレルギー症候群の記述があるが、口腔アレルギー症候群のことを知らない人は案外多いと思われる。
場合によっては重篤な症状につながるため、これから花粉症を発症する患者が多くなる季節を迎えるにあたって、幅広い年齢層に周知していく必要がある。
今後、一層、幅広い年齢層へ周知してまいりたい。
「群馬県食品自主衛生管理認証制度の推進」の実績評価が「やや不十分」であることについて、将来の食品衛生法改正を見据え、HACCP導入に向けた積極的な取組を行っていただきたい。
HACCP導入については、食品衛生業界も望んでいることである。現在、事業者間でHACCPに対する理解が不十分であること、具体的実効性の目安が定まっていないこと等から実績評価が「やや不十分」という結果になった。今後、法改正に向けて国から自治体に向けてガイドラインが示される予定であるが、県ではガイドラインを十分見極めて、後戻りしないよう取組んで参りたい。引き続き、県ではHACCP講習会の開催や入手した情報については発信に努めていく。御理解頂くとともに御意見をいただきながら取り組んでいきたい。
HACCPについてはやらざるを得ないため、方向性を十分に見極め、準備を進めていただきたい。
また、すべてに共通して言えるのは「教育」の重要性である。出前講座を含め、生産者に対する農薬の適正使用に関する研修会等は引き続き行っていただきたい。
(質問・意見なし)
(1)平成30年度群馬県食品衛生監視指導計画(案)について
(2)「ぐんま食の安全情報」公式フェイスブックの開設について
(3)「正しく知ってる?食物アレルギー」(パンフレット)について
以上