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心理(西部児童相談所・山口 萌香)

更新日:2023年3月1日 印刷ページ表示

西部児童相談所 山口 萌香

心理(令和3・4年度)写真
​掲載内容については、令和5年2月現在の情報です。

1 現在の仕事

 児童相談所では、児童本人や保護者から寄せられる、児童に関する相談に応じています。相談内容は、障害相談(主に知的障害)、虐待対応、養育相談、非行相談など多岐にわたります。
 心理職は、相談に応じる中で、児童との面接や行動観察、心理検査等を通じて心理判定を行ったり、実際の支援として心理療法を行ったりすることが業務の中心となっています。必要に応じて、児童福祉司と一緒に児童の関係機関(学校、医療機関、施設など)が集まる会議に出向き、支援の対象となっている児童の情報共有や支援のアドバイスを行うこともあります。

2 職務経歴

職務経歴一覧
年度 所属 説明
平成29年度 中央児童相談所  児童の療育手帳判定や心理判定の業務を通じて、児童の状態のアセスメント(評価・査定)を行い、助言につなげる力を養いました。
令和3年度 現所属  「1 現在の仕事」のとおり

3 県職員の仕事の魅力・やりがい

 県の心理職の魅力は、「幅広さ」にあると思います。
 たとえば、配属先は児童相談所のほかにも発達障害者支援センターや心身障害者福祉センターなどがあり、子どもから大人まで幅広い年齢層の県民を支援することができます。業務においては、市町村、福祉施設、医療、教育、司法といった様々な領域の関係機関と幅広く連携を図ることもあります。その幅広さに対応していくのは大変な面もありますが、関係機関と協力してうまく支援のバトンをつなぐことができた時は、やりがいも感じられます。

4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等

(1)療育手帳の判定

 児童相談所では、18歳未満の方を対象に療育手帳(知的障害のある方へ交付される障害者手帳)の判定を行います。入庁してしばらくは先輩方の判定に同席しながら手法を習得するので、必要な手順については把握していました。しかしいざ自分が主導となって判定を行ったときは責任の重さを感じ、緊張で声や手元が震えたことをよく覚えています。判定結果を説明するときは、相談者によっては結果を受け止められない方もいます。そのため、相談者の心情に寄り添えるような言葉選びを心がけたり、自分の発言に責任を持って説明できるよう準備したりするようになりました。

(2)わくわくデイキャンプ

 中央児童相談所に所属していた際、野外活動等を通して小集団で児童の生活指導を行う「わくわくデイキャンプ」という事業の企画運営を担当しました。普段は個別の対応が多いため、集団イベントを企画運営することに苦手意識がありましたが、子どもたちの現状が把握できるよう企画内容を工夫しながら準備を進めました。当日は、自分が用意した企画に取り組む児童の意外な一面を見ることができたり、児童同士の交流やトラブルの状況を観察することができたりと、集団だからこそ見つかるその子の良さや課題、支援のヒントを得られ、工夫した成果を実感できました。

(3)施設入所措置の判定

 虐待や家庭の事情により、児童が家族と離れて生活する必要がある場合、児童相談所は児童福祉法に基づき施設入所や里親委託の措置を行います。その際に心理職は行動観察や心理検査などからその児童についての情報を集めた上で、措置が適当かを判定します。自分が担当した児童がどのような危機的状況にさらされ、どういった心理状態にあるのかを見立てた上で、施設入所のことを分かりやすく児童に告知し、適切な支援を施設職員に引き継ぐことができたときは、自分の積み上げてきたものがうまくつながったという達成感がありました。

5 入庁前と入庁後の印象

 大学院のときにお世話になった先生から業務内容を聞いていたこともあり、公務員の心理職は淡々と型の決まった業務を機械的に繰り返すというイメージがありました。実際に入庁して、たしかに心理検査など型の決まった業務はありますが、それ以上に、面接中の子どもの豊かな反応や家族の苦悩などをしっかりと拾い上げ、職員同士で話合いを重ねながら支援について検討する日々に、血の通った、人間味あふれる職場であると感じます。

6 今後の目標、これから挑戦したいこと

 面接や行動観察から児童の心の中の状態を見立て、その場で助言をすることはできるようになってきましたが、より深い問題を解消していくために、児童に自分の心とうまく付き合う知識を伝える心理教育や中長期的な支援プログラムを計画し実施できるようになりたいです。
 そのためにも、まだまだ知識不足やスキル不足を感じているところなので、常に専門性を高めていく姿勢を忘れずにいたいと思います。

7 群馬県職員を志望した理由

 心の状態を見極めるためには、その人がこれまで過ごしてきた文化や生活様式を共有できることが要点の一つだと考え、自分が生まれ育ってなじみのある群馬県の職員を志望しました。また、子どもから大人まで多くの方を支えることができる県の仕事の幅広さも魅力に感じました。

8 受験時に心がけたこと

 論文試験や面接試験で活かせるように、周りの人から県の政策について話を聞いたり、群馬県総合計画に目を通したりして、特に福祉分野や子育て分野における、群馬県独自の取り組みや群馬県が目指す姿について考えを深めておきました。
 面接試験では、自分がどんな人物であり県の心理職として何を目指すかといったことを説明するために、今までの経験や自分の考えを整理し、自信を持って話せるよう準備しました。

9 未来の後輩へ

 県の心理職は「幅広さ」が魅力と言いましたが、その分相談に来る人も様々で、対応する職員自身の幅広さ、視野の広さや柔軟性が必要です。あらゆることにアンテナを張り、吸収して得た知識や経験を心理職の視点から県民の生活を支えることに活かしてほしいです。
 また、県の仕事はチームワークが不可欠です。職員それぞれに得意分野があり、支え合いながら仕事をしています。最初は不安に思うかもしれませんが、先輩方の力を借りながら働くうちに、少しずつ自分の力も発揮していくことができるはずです。
 群馬県で皆さんと一緒に働けることを心待ちにしています。

心理(令和3・4年度)業務写真
心理検査を通じて子どもの心の中の状態を見立てていきます

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