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保健師(感染症・がん疾病対策課・樋下田 真央)

更新日:2023年3月1日 印刷ページ表示

感染症・がん疾病対策課 樋下田 真央

保健師(令和3年度)写真
​掲載内容については、令和4年3月現在の情報です。

1 現在の仕事

 難病対策を担当しています。具体的には、難病患者の方が地域で安心して療養生活を送ったり、身近な医療機関で適切な医療を受けられるように、地域医療のネットワークを構築・整備しています。
 また、難病患者の方の療養生活を支援する保健所等の関係機関のサポートも担当業務の一つです。
 時には患者の方やご家族の方から直接相談を受けることもあります。その際には今までの職務で得た経験を活かし、「何に困っているのか」、「どんな希望があるのか」等を考えながら、相談者にとって良い状態に少しでも近づくことができるようお話を聴くことを心がけています。

2 職務経歴

職務経歴一覧
年度 所属 説明
平成26年度 東部保健福祉事務所保健課  結核の予防や療養者支援、長期療養児の支援
平成28年度 こころの健康センター  依存症の相談や家族教室の運営、精神科救急業務
平成30年度 太田保健福祉事務所保健課  精神保健福祉業務、指定難病医療給付事務
令和元年度 中央児童相談所  児童虐待の対応および再発防止のための家庭支援
令和3年度 現所属  「1現在の仕事」のとおり

3 県職員の仕事の魅力・やりがい

 県の保健師の仕事は、健康対策や感染症対策、精神保健など多岐にわたります。個別事例の支援を重ねながら地域の課題をみつけ、課題解決のための施策を計画・実践できるところにやりがいを感じています。
 業務の幅が広い分、様々な状況を経験することができ、相手と同じ目線に立って支援を行う「虫の目」と、広い視野を持って全体を把握する「鳥の目」の両方を使い、自分自身も成長しながら業務に取り組めることが、県の保健師の大きな魅力です。

4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等

(1)太田保健福祉事務所

 家庭訪問等を通して結核患者の方の服薬支援や、精神保健福祉に関する相談対応に携わりました。時には、患者の方やご家族の方と一緒に病院を受診したり、市役所へ同行して手続きを支援したりすることもあります。病気によって混乱し、関わりを拒否された方のケースでは、様々な関係機関と連携しながら、時間をかけて粘り強く支援を行いました。その結果、治療の必要性を理解してもらうことができ、「あの時『一緒に病院に行こう』と言ってくれて良かった。」と声をかけてもらえたときはとても嬉しく思いました。
 支援する上で大切なことは、病気や福祉サービスの知識は当然理解したうえで、実際に患者の方の生活の場に出向いて生活環境を確認することや、患者の方やご家族の方と対話を重ねてどんな状態になることが良いのかを一緒に考えることだと学びました。

(2)こころの健康センター

 依存症に関する相談や家族教室の運営、当事者への支援に携わりました。依存症は、本人だけでなく家族をも苦しめる深刻な病気であり、その特徴から他者に相談しにくく一人で抱え込んでしまいがちです。
 勇気をもって相談や教室にお越しいただいた方が「来て良かった」と少しでも思えるように、その空間がストレス軽減の場になったり、対応方法について正しい知識を得ていただけるように努めました。
 また、家族会の支援では、勉強会や講演会の企画をするための支援者や当事者のニーズ調査に難しさを感じつつも、やりがいを感じました。

(3)中央児童相談所

 児童虐待への対応と、再発防止のための家庭支援を行いました。児童虐待が起きる背景は複雑かつ多様で、単に指導すれば解決するものではありません。虐待で心と身体にダメージを受けた子ども親に寄り添いながら、再発防止に向けて様々な方法を検討する必要があります。
 児童虐待の件数は年々上昇しており、子どもの生命にかかわる重篤な事件もあり、気が抜けない日々でした。そんな中でも、子どもが安心して過ごす様子が確認できたり、親子の状態が良い方向に変化した時には、とてもやりがいを感じました。
 出産前から支援が必要な妊婦や新生児、乳幼児の対応、医学的見知が欠かせない事例等、児童相談所での保健師の役割は非常に大きいです。関係機関と連携し地域全体で親子を見守っていく必要性を感じました。

(4)災害派遣

 平成30年7月の広島県豪雨災害時に、被災地派遣を経験しました。被災地での支援は、状況が急速に変化し新しい事案が次々と増えるため、常に臨機応変な判断が求められました。
 災害時は、その地域に住む住民だけでなく、自治体も被災者であることを実感した経験でした。外部の保健師だからこそできる全体調整やコーディネート、何よりも各支援機関との情報共有の重要さを学びました。
 また、被災地での健康支援では、状況を多角的に捉えて支援方法を検討することの大切さを学んだと思っています。角度を変えて捉えることで支援方法が変わり、その結果も大きく変わる体験をし、保健師活動の奥深さを感じました。なによりも、被災者から「ありがとう」と声をかけてもらえたことは、かけがえのない経験となりました。

5 入庁前と入庁後の印象

 入庁前は、市町村との連携や施策づくりなどが多いイメージでしたが、実際には家庭訪問やケースカンファレンスへの参加など地域に出て活動することが多く、想像していたよりも県民との距離が近いと感じています。
 また、地域での生活支援にあたっては、多様な職種や機関の方が関わっています。それぞれの専門性を活かした支援やその連携の重要性を感じています。

6 今後の目標、これから挑戦したいこと

 現所属では、県内の事業所や保健福祉事務所から様々な分野の質問や相談を受けることが多いので、関係法令や参考文献等を随時確認し、知識を増やしていくことを心掛けています。今後は、理論的な裏付けに基づきアセスメントする力や関係機関と調整する力を高めていきたいと思っています。
 また、経験したことがない分野の業務にも取り組んでみたいです。

7 群馬県職員を志望した理由

 学生時代の実習で結核患者の方の家庭訪問に関わる機会があり、住み慣れた地域で安心して生活することへの支援の重要さを感じ、保健師の仕事に興味を持ちました。
 また、様々な地域で専門性を活かした支援活動ができることや、生まれ育った群馬県で、保健師としての幅広い視点で関係機関と連携し、県民の皆さんの健康を支えたいという思いから、県の保健師を志しました。

8 受験時に心がけたこと

 筆記試験対策は、国家試験の勉強や卒業論文の作成等と並行して取り組む必要があったため、分野を絞って勉強するなど、限られた時間で効率良く進めるよう意識して取り組みました。
 面接試験では「特別なことや良いことを言わないと!」と気負ってしまいがちですが、学生時代に得た経験はどれも貴重なものです。
 なぜ県の保健師になりたいのか、県の保健師になったら何がしたいのかを明確にし、その気持ちを大事にしながら、勉強に励んでください。

9 未来の後輩へ

 県の保健師は幅広い業務を担当し、それぞれの業務で県民の生活を支援する意義とその役割を担う責任を感じることができます。法律や制度から社会資源まで、最新の知識や情報を収集していく必要がありますが、学びも多く、次の支援に活かせるものばかりです。
 県民の健康を守るため、一緒に働くことができるのを楽しみにしています。

保健師(令和3年度)業務写真
県内の患者会や事業所からの意見や質問に回答します

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