本文
保育士・児童指導員(しろがね学園・高橋 優香)
しろがね学園 高橋 優香
掲載内容については、令和3年3月現在の情報です。
1 現在の仕事
しろがね学園には、知的障害がある児童が入所しており、生活や余暇の支援などを行っています。学校以外の時間を過ごす場所であるため、4交代制で勤務しています。
私の係では重度障害の児童を対象に、心の安定や楽しみ、出来ることを増やすなど、個々の児童に合わせた目標に向けて支援をしています。
また本学園では、児童の発達を促す専門的支援法に取り組んでおり、その一つに音楽療法があります。私も音楽療法班に所属し、音楽を通した支援を行っています。
児童支援とともに、日頃から、保護者や学校関係者と児童の情報共有をすることも重要な業務の一つです。
2 職務経歴
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
令和2年度 | 現所属 | 「1現在の仕事」のとおり |
3 県職員の仕事の魅力・やりがい
児童の成長を近くで感じられることが大きなやりがいです。自分の言動一つで、児童の反応に様々な変化が起こることがあり、より良い対応方法があったのではないかと自分を省みることも多々あります。
しかし、そのような出来事にも先輩に助言をいただきつつ、児童一人ひとりの特性やその時の状況を考え、振り返ることで児童を深く知ることにつながっていきます。自分が関わることで子どもの反応が変わったり、支援によって子どもの変化を感じられることは、大きなやりがいとなっています。児童と関わる瞬間一つ一つが大切だと思える魅力的な仕事です。
4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等
(1)新入所児童の担当
新しく入所する児童の担当として、学園での支援内容の方針をまとめる入所支援計画を立てました。最初は分からないことが多く不安もありましたが、先輩方から丁寧に教えてもらうと同時に、いただいた意見を参考に、支援計画を作成しました。
多方面から児童を理解し、今どのような支援が必要か考える視点や、安心して生活できる環境作りの重要性を学び、「担当児童のために自分は何ができるのか」と将来を見据えた支援を行う責任を強く自覚しました。
(2)音楽療法
しろがね学園では上述のとおり、児童の支援に音楽療法を取り入れています。音楽を通した支援は、歌う・演奏することだけではなく、体を動かすことや他者とのコミュニケーションをとることなど多くの活動があり、音楽療法を導入する目的も児童ごとに異なります。主担当として初めてセッションを実施した後の「楽しかった。今度はいつするの。」という児童からの言葉は私自身の励みとなりました。今後も先輩方とのセッションを経験するなかで、児童の状況に合わせて内容を変えたり、新たな試みを取り入れるなど挑戦していきたいです。
(3)四季行事係でのクリスマス会
四季行事の係員として、クリスマス会を担当しました。どのようなクリスマス会にするか、同僚にアンケートを取り、それを基に話し合いながら、内容を考えていきました。職員への役割分担やスケジュールの周知、アレルギー対応の食事の確認などを行い、児童が楽しめるよう企画しました。準備で忙しい期間でしたが、児童一人ひとりの顔を思い浮かべながらプレゼントを選ぶ時間は有意義なものとなりました。
色々な人の協力があってこそ行事が開催できることを実感するとともに、児童が楽しんでいる笑顔を見られたときは充実感が得られました。
5 入庁前と入庁後の印象
様々な児童支援の方法があることに驚きました。一人ひとり児童の状況は異なり、支援方法は多岐にわたります。一人ひとりに合わせた支援は、覚えるまでは大変でしたが、分からない時は先輩方に確認しながら少しずつ慣れていきました。
また、入所支援計画の作成や所属内での事務処理のほか、外部との連絡調整など、任せられる仕事の幅が広いと思いました。
6 今後の目標、これから挑戦したいこと
一年目の現在は、仕事を覚えることで精一杯ですが、今後は、より多くの知識を身につけ、児童の現状に合わせた適切かつ多様な支援を考えられるようになることや、どのような状況にも常に冷静に対応できるようになることが目標です。
また、児童が精神的に不安定な状態になった時などには、その行動の原因や背景について考える習慣を身につけることで、対応の幅を広げていきたいです。
先輩方の対応から学び、児童との関わりの中で経験を積み、保護者や関係機関と連携しながら、円滑に学園退園後の生活につなげられるようにしていきたいです。
7 群馬県職員を志望した理由
しろがね学園が、音楽療法や動作法など、専門的な支援方法をしていることに大きな魅力を感じました。そのような現場で、支援方法を学びながら子どもたちと関わりたいと考えるとともに、生まれ育った群馬県の福祉に貢献したいと思い県職員を希望しました。
8 受験時に心がけたこと
筆記試験は、自分がこれだと思った参考書に絞り、大事だと思う部分を重点的に繰り返しました。
面接試験では、児童や福祉に関する情報や、それらに対する考えをまとめておき、自分の言葉でどれほど面接官の方々に伝えられるかが重要だと考えていました。また、実際の面接を想定した面接練習を行い、相手に自分はどう見えているのか確認して、試験に臨みました。
9 未来の後輩へ
仕事をする中で、児童を理解したいと思ってもうまくいかず、大変だなと思うことはあります。しかし、それ以上に児童たちの成長や支援をしていく中で現れる変化に、驚きとやりがいを感じることのできる仕事です。分からないことも聞きやすい環境で、先輩方に相談しながら支援に取り組むことができます。ぜひ、笑顔あふれる児童たちが集まる支援の現場で、一緒に働きませんか。
音楽療法も児童の目標に合わせて、内容を変えながら支援をしています。