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獣医師2(中部農業事務所・中島 翔一)

更新日:2023年3月1日 印刷ページ表示

中部農業事務所家畜保健衛生課 中島 翔一

獣医師2(令和2年度)写真
​掲載内容については、令和3年3月現在の情報です。

1 現在の仕事

 家畜保健衛生課では、群馬県の畜産の発展並びに振興を目的に、管内の農場で飼育されている牛、豚、鶏(家きん)などの家畜伝染病発生予防のための定期的な検査を実施しています。そのなかで、私は主に家きん業務を担当しており、管内の養鶏場を毎年訪問して、防疫対策が取られているか等の確認や、飼養状況が適切でない場合の改善指導を行っています。
 また、管内農場で家畜や家きんの調子が悪くなったり、死んでしまったりした場合には、原因を究明するために病性鑑定を行います。病性鑑定の結果は、家畜や家きんを飼養管理する農家にも伝え、その後の飼養状況を改善してもらうことで、安心安全な畜産物の生産を支援しています。
 このほか、万が一家畜伝染病が発生した場合に備え、実践的な防疫訓練も行っています。

2 職務経歴

職務経歴一覧
年度 所属 説明
平成24年度 家畜衛生研究所  家畜病性鑑定のうち、細菌培養などを行う微生物学的検査や家畜衛生に係る試験研究・調査に従事しました。
平成27年度 中部農業事務所家畜保健衛生課  家畜伝染病の予防、まん延防止のため、農場での検査材料の採材、抗体検査など各種検査の実施、検査結果の農家への報告などに従事しました。
平成29年度 畜産課  酪農振興のため、県計画を作成するほか、計画達成に向けた企画立案を行いました。また、国や県の酪農振興を目的とした各種事業を県内酪農団体や酪農家に周知するなど事業活用を推進する業務にも従事しました。
令和2年度 現所属  「1現在の仕事」のとおり

3 県職員の仕事の魅力・やりがい

 県獣医師の仕事は、その業務が多岐に渡っていることが魅力だと思います。例えば畜産に関する企画立案などのデスクワークが中心の職場や、農場において家畜の採血、検査、農家への指導を行う職場、家畜衛生や飼養管理に関する試験研究を行う職場などがあります。異動により、全く経験したことのない業務に携わることもありますが、その都度新しい知識が身に付いて自分自身の成長につなげることができ、常に新鮮な気持ちで働くこともできます。
 また、現在の業務では、検査のために管内の農場を巡回していますが、農家とコミュニケーションを取るうちに距離が縮まり、飼養管理などの相談を受けるようになると、信頼してもらえたと感じ、嬉しいです。
 さらに、自分が指導や助言を行った農場で病気になったり死亡したりする家きんの数が減ると、農家の役に立てているのだという実感が持て、非常にやりがいを感じます。

4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等

(1)家畜衛生研究所

 微生物係で、家畜や家きんの病性鑑定のうち主に細菌検査に従事し、疾病の原因を究明していました。また、国の研究施設で7ヶ月に渡る長期間、上記業務に係る研修を受講する機会にも恵まれました。本研修では、検査技術の向上のほか、各都道府県職員の獣医師と親交を図ることができ、現在でも情報交換などを行い業務に活かせています。

(2)畜産課

 畜産振興係で酪農振興に従事し、事業立案、予算の確保及び執行などを担当しました。予算の確保に当たっては、畜産関係所属以外の部署にも事業の必要性を理解してもらうことが求められたため、分かりやすい説明や資料作成を心掛けました。初めて経験する業務であり、担当になった当初は苦労しましたが、この経験を通して、説明力や資料作成能力を養うことができました。

(3)中部農業事務所家畜保健衛生課

 県内で豚熱が発生した際に、農場での殺処分作業の副リーダーとして防疫作業に従事しました。殺処分作業を円滑に進めるため、リーダーと協力し、ほかの防疫従事者への作業指示などを行いました。特に夜間の作業は、より慎重な対応が求められ効率が悪くなることから、思うように進まず悔しい思いもしました。この経験を活かし、日頃から防疫対策にしっかり取り組むとともに、こうした不測の事態には迅速な対応ができるよう、作業工程等の見直しを行っていきたいと考えています。

5 入庁前と入庁後の印象

 大学時代は病気についての知識が家畜衛生のために最も重要だと考えていました。もちろんそうした知識も重要ですが、入庁後、家畜の飼養管理について実態を把握していなければ、病気が発生した理由や発生後の予防対策などについて農家へ説明できないと気づき、業務を通して学び直しました。学ぶことは現在でもたくさんあり、日々新しいことを学ぶ楽しさを実感しています。
 また、入庁前は、獣医職の仕事は家畜衛生に係る試験研究や現場で家畜防疫に従事することが中心だと思っていましたが、それ以外にも予算確保、広報活動、他部署との連絡・連携など様々な業務があり、幅広い経験ができるので面白く感じています。

6 今後の目標、これから挑戦したいこと

 様々なことを経験し、広い視野を持ちたいと考えています。これまで家畜衛生や畜産振興に係る職場を経験してきたので、家畜の飼養管理や繁殖を学べる部署も経験し、色々な角度で考え、行動できるようになりたいと考えています。

7 群馬県職員を志望した理由

 就職活動を行う際にまず考えたのは、どの地域で働きたいかということでした。初めは、首都圏での就職も考えましたが、自分の考えを整理するなかで、やはり慣れ親しんだ地元群馬で働きたいという思いが強くなりました。
 また、公務員獣医師を志望したのは、本県での実習に参加し、県の畜産のため真摯に取り組んでいる先輩職員の姿を見たことで、自分も群馬県の畜産に貢献したいと思ったことが大きな理由です。

8 受験時に心がけたこと

 筆記試験対策は、市販の参考書で勉強しました。また、面接試験対策では大学の就職課を利用して助言をもらい、自分の考えを整理して伝える練習をしました。

9 未来の後輩へ

 県の仕事はチームでするものですが、個人の自発的な行動によってチームを動かし、県の家畜伝染病対策を強化したり、畜産農家を支援したりすることが可能なので、非常にやりがいがあります。もちろん、責任も大きいですが、上司のバックアップもあるので安心して働けます。
 また、将来的に出産、子育てを考えている方にとっても働きやすい職場となっています。
 県民に貢献しつつ自分の生活も充実できるなんて最高だと思いませんか。皆さんと働けることを楽しみに待っています。

獣医師2業務(令和2年度)写真
抗体検査のため鶏の採血をしています

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