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森林(森林保全課・村野 章人)
森林保全課 村野 章人
掲載内容については、令和3年3月現在の情報です。
1 現在の仕事
山地に起因する災害から県民の生命・財産を守るため構造物によって防災・減災の役割を果たす治山事業の予算管理等の業務を担当しています。私の担当業務では治山事業の実施に当たり、国からの補助金を活用することが多いため、申請に際し、適切な事業計画を立てて国に対して内容を説明しています。また、集中豪雨や台風により災害が起きた場合は、速やかに復旧工事の工種等の検討を行い、迅速な対応を心がけています。
2 職務経歴
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
平成26年度 | 西部環境森林事務所 | 治山工事の設計・現場監督 |
平成28年度 | 渋川森林事務所 | 治山・林道工事の設計・現場監督 |
平成30年度 | 福島県 | 治山工事の設計・現場監督 |
令和元年度 | 現所属 | 「1現在の仕事」のとおり |
3 県職員の仕事の魅力・やりがい
近年、気候変動の影響により、山地災害が激甚化・頻発化しています。その中で治山事業のような防災・減災対策は県民の生命と財産を守るために非常に重要な仕事であり、やりがいも多く感じられます。
また、林業の専門職を採用している市町村は少ないため、地域に密着しつつ、県全体を見渡す仕事ができることも県職員の魅力です。
4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等
(1)渋川森林事務所
林業専用道の設計・監督を担当しました。
私が担当した林業専用道は、主に木材の輸送等を行うための道路でした。林道事業の設計をする機会はそれほど多くはなかったので、貴重な経験を積むことができたと同時に、林業の振興に貢献できたと感じました。
(2)福島県
1年間福島県に派遣となり、東日本大震災で津波被害を受けた地域での海岸防災林工事を設計・現場監督をしました。震災から、既に7年近く経過していましたが、必要な工事は依然として多く、時には1人で地元の自治体や業者との打ち合わせに参加することもありましたが、自分の力で乗り越えられたことは自信につながりました。
また、大規模な事業であり、福島県に派遣されていた1年間で、群馬県で1人が担当する年間の予算よりも約10倍の金額を執行しました。事業規模も大きかったため、無事に事業完了に至ったときは、安堵したと同時に達成感を得たことをよく覚えています。
(3)森林保全課
現在の所属において、林野庁に対して治山事業計画を説明し、国からの補助金を申請する業務を担当しています。
毎年1月に林野庁へ資料を持参し、100件以上の治山事業計画を説明します。計画は、県の地域機関から、各自治体の要望をまとめたうえで提出されます。1人で全ての案件に対応することはできないので、他の職員と手分けをして事業計画について精査を行います。
ここで事業の必要性を上手く説明できなければ、採択とならないため責任は重大ですが、とてもやりがいを感じています。
5 入庁前と入庁後の印象
入庁前はデスクワークが多いという印象でした。しかし、入庁後は、地域機関に配属になりましたが、工事の監督をするために、現場に行くことが多いです。
また、集中豪雨等による災害現場の状況は常に変わるため、その場で技術的な検討をすることも求められることは、入庁前には想像していませんでしたが、早期復旧に向けて、スピード感を持って対応しています。
6 今後の目標、これから挑戦したいこと
これまで、主に治山業務を複数の職場で担当してきましたが、それでも技術的な知識がまだ浅いと感じています。治山業務には様々な工種があり、実際に自分で施工したことのないものあります。状況に合わせて適切な判断ができるように、現場での経験を重ねていきたいです。
7 群馬県職員を志望した理由
大学時代には砂防工学を学んでいたため、防災に関わる工事に興味があり、関東圏で森林面積も多い群馬県を志望しました。また、所属していた大学の研究室の先輩も、公務員を志望する方が多かったことも本県を志望することにつながりました。
8 受験時に心がけたこと
筆記試験では、森林・林業白書を読み、林業の現状を勉強するように心がけていました。
また、面接試験では自分の卒論やこれまでの研究内容をわかりやすく説明できるように準備しました。
9 未来の後輩へ
森林職は、木材の生産や林業の担い手確保・育成、森林体験イベント、森林・林業に関する展示・研修など、県庁内部だけではなく外部の方とコミュニケーションを取りながら行う業務から、治山工事など自分の知識・経験を駆使し、工事方法を深く検討できる分野まで、幅広く携われることが魅力です。みなさんと一緒に働ける日を楽しみにしています。
補助金の申請に必要な事業計画について検討しています