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病院薬剤師(心臓血管センター・新井 咲紀)
心臓血管センター 新井 咲紀
掲載内容については、令和2年3月現在の情報です。
1 現在の仕事
調剤業務やミキシング業務、院内製剤業務、薬剤管理指導業務(現在はICU担当)、入退院支援センター業務などを行っており、それらのほとんどの基本業務に1年目から携わっています。
また、感染制御チームや抗菌薬適正使用支援チームにも参加しており、TDMの実施やラウンド等を行っています。
2 職務経歴
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
平成28年度 | 現所属 | 「1現在の仕事」のとおり |
3 県職員の仕事の魅力・やりがい
薬剤師としての知識や技量を存分に生かすことができるのが病院薬剤師だと思います。薬学の知識と臨床を結びつけるのは難しいですが、反面とても楽しく、自分の提案した薬物治療が著効したときにはやりがいを感じます。
また、県職員は産育休や育児・介護のための時短勤務などの福利厚生が整っていることも、病院薬剤師と家庭の両立を考えたときに魅力的です。
4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等
1.病棟業務
現在はICUを担当しています。朝のカンファレンスに参加し、現在入室中の患者さんの病態を把握しています。また、注射剤の配合変化や内服薬の簡易懸濁の可否、周術期の休薬や術後開始薬の確認のほか、入院された患者さんの持参薬を確認したり、容態の安定している患者さんには現在の使用薬について説明したりと業務は多岐にわたります。ICUでは一般病棟よりも他職種のスタッフと交わる機会が多く、より臨床的な薬学の知識が求められるためスタッフや患者さんの期待に応えられるよう日々努力しています。
2.抗菌薬適正使用支援チーム
抗菌薬の使用を適切に管理・支援するチームで、医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師で構成されています。週に1回ラウンドを行い、対象の患者さんを経時的にモニタリングし、抗菌薬の効果を評価しています。最近では、抗菌薬を使用する際には事前に医師から投与設計の依頼が来るようになり、医師との信頼関係が構築できているのを実感しています。
3.入退院支援センター業務
入院前にあらかじめ患者さんが現在使用している薬や副作用歴についての聞き取りを行うほか、入院時に中止すべき薬の説明などを行っています。個室で落ち着いて面談を行い、治療や薬に関して不安なく入院していただけるように支援しています。
5 採用前と採用後のギャップ
学生時代に11週間の病院実習を経験しており、概ね予想通りの業務を行っています。しかし、服薬指導記録作成や集計業務などのデスクワークが多いことや他職種との円滑なコミュニケーションが重要であること、さらに、自分の業務が治療に与える影響は予想以上に大きく、責任のある仕事を担っていることを実感しました。
6 今後の目標、これから挑戦したいこと
抗菌薬適正使用支援チームの一員として、より安全かつ効果的な抗菌薬を提案できるようになるため、日本病院薬剤師会が認定する「感染制御認定薬剤師」の取得を目指しています。その第一段階として、これまでに日病薬病院薬学認定薬剤師を取得しました。
7 群馬県職員を志望した理由
大学は他県へ進学しましたが、地元への愛着もあり、働くなら群馬県内でと考えていました。また、4つの群馬県立病院はすべて専門分野に特化した高度な医療を提供しているところに魅力を感じ志望しました。
8 受験時に心がけたこと
教養試験・論文試験対策として、公表されている例題や市販の参考書で出題傾向を把握しました。
面接試験対策では、大学の進路相談室やインターネットを利用して頻出質問を把握し、それを元に自分の考えをまとめました。また、どんなに緊張していても笑顔で落ち着いて回答できるように、家族や友人にも協力してもらいながら繰り返し練習しました。
9 未来の後輩へ
病院への就職を考えた際、大規模病院に目が行きがちですが、1年目から様々な業務に携わることができ、他職種との距離感が近い中小病院も魅力的だと思います。また、循環器・がん・精神・小児の4分野において、より専門性の高い知識を身に付けることができるのは本県の県立病院ならではだと思います。県立病院で一緒に働いてみませんか。
病態や検査値から薬剤選択が適切か確認し調剤します