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化学(中部環境事務所・松本 理沙)
中部環境事務所 松本 理沙
掲載内容については、令和2年3月現在の情報です。
1 現在の仕事
廃棄物処理法に基づく許可審査業務を行っています。廃棄物には、事業活動に伴って排出される産業廃棄物と、私達の生活から排出される一般廃棄物とがあり、他人が排出した廃棄物を運搬したり処分したりするためには、県や市町村の許可が必要となります。
それらのうち、産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業及び廃棄物処理施設の設置に係る許可を担当しており、申請に対する審査や、基準に基づいた適正な処理が行われているかの立入検査を行っています。その他、廃棄物に関する相談や問い合わせへの対応、不適正処理の監視も行っています。
また、浄化槽に関する業務も担当しています。浄化槽は、下水道が無い区域の事業場や家庭からの排水をきれいにするための施設であり、浄化槽の管理者には、浄化槽法により点検・清掃・検査が義務付けられています。適正な管理が行われていない浄化槽の管理者への指導や、浄化槽保守点検業者の登録審査業務を行っています。
2 職務経歴
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
平成22年度 | 衛生環境研究所 | 公共用水域(河川・湖沼等)に係る試験検査や調査研究を担当。 |
平成25年度 | 県央第一水道事務所 | 浄水場で水質の管理業務や試験検査を担当。 |
平成30年度 | 現所属 | 「1現在の仕事」のとおり |
3 県職員の仕事の魅力・やりがい
県の化学職の業務内容は、環境保全、水質管理(上水道・下水道)、廃棄物、試験検査や研究など多岐にわたります。群馬県の環境を守り、より良くするために、多方面の分野からアプローチできるところは、県職員ならではの魅力だと思います。
また、様々な業務を経験することで、視野を広げられるところも魅力の一つです。私自身、人事異動を機に、担当する分野が全く変わったことがありました。最初は分からないこともありましたが、疑問点は上司や同僚に相談することで解消でき、経験を積むほど新たな知識が増えて、自分自身の成長につながったと感じています。
4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等
1.河川環境調査の実施(衛生環境研究所)
衛生環境研究所で実施した「河川環境調査」が印象に残っています。対象となる河川について、水質をはじめ、周辺の動植物の生息状況や地域住民の河川への親しみ度合いなどを調べ、その河川がどのような特徴を有しているかを評価しました。調査には地域住民の方にも参加してもらい、一緒になって作業を行うことで、改めて地域の河川に興味を持ってもらうことができ、また、河川環境の保全に対する機運の醸成を図ることができました。
2.水質の管理業務(県央第一水道事務所)
水質管理の業務を行っているときに、上司から、「“安心”かどうかを決めるのは私達ではない。その水を飲む住民の方だ。」という言葉を掛けられました。私たちは水質検査を行い、基準に照らし合わせて“安全”かどうかを判断しますが、その水を住民の方に“安心”して飲んでいただくためには、県と住民との間に信頼関係がなくてはなりません。上司の言葉で、日頃から県職員として誠実な対応や丁寧な説明を心がけていくことの大切さを再認識しました。
3.廃棄物の不適正処理に関する苦情対応・業者指導(中部環境事務所)
苦情を受けて廃棄物処理施設へ立ち入りした結果、基準に適合しない処理が行われていることが確認され、直ちに稼働の停止と施設の維持管理・運転方法の改善を指示したことがありました。後日、その業者から改善報告書の提出があり、施設の再稼働の可否について判断することになりましたが、その判断が業者や住民に及ぼす影響の大きさを考えると、非常に大きな責任を負っているのだと改めて実感しました。
5 採用前と採用後のギャップ
入庁前は、庁舎内での業務がほとんどという印象を持っていましたが、入庁後は許可審査業務であれば立入検査、試験検査業務であれば試料採取など、外へ出て行う業務も意外と多いと感じました。
6 今後の目標、これから挑戦したいこと
まずは、現在携わっている廃棄物処理法に基づく業務の知識をより一層深めるとともに、水質汚濁防止法や大気汚染防止法などの関係法令についても勉強し、多面的に物事を考えられるようになりたいです。
また、将来的には、前所属で経験した試験検査業務に再び携わり、分析に関する知識やノウハウを習得し、「分析のプロフェッショナル」を目指したい気持ちもあります。
7 群馬県職員を志望した理由
生まれ育った群馬県での就職を考えており、大学3年生の時に大学を通じて群馬県のインターンシップに申し込み、後に最初の配属先となった衛生環境研究所で2週間お世話になりました。そのなかで、上記4(1)に記載した河川の環境調査に参加し、環境保全に対する住民の意識を高める取組に興味を持ち、そうした取組に、自分も群馬県職員として関わりたいと思いました。
8 受験時に心がけたこと
筆記試験対策は、これと決めた市販の参考書一冊を繰り返し解いて備えました。
面接試験対策に関しては、私はサークル活動や社会活動などの特別な話題がなく不安でしたが、学生生活の中の些細な体験であっても、「その時自分はこう考え、こう行動し、結果こういうことが得られた」と具体的なエピソードを交えて自分の強みを説明できるよう準備しました。
9 未来の後輩へ
化学職は人数の多い職種ではありませんが、経験豊富な先輩方のサポートがあれば、解決できないことなどありません。ぜひ一緒に頑張りましょう。
相談や問い合わせに対し、丁寧な対応を心掛けています