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森林(吾妻環境森林事務所・千木良 一道)
吾妻環境森林事務所 千木良 一道
掲載内容については、令和5年2月現在の情報です。
1 現在の仕事
森林土木事業に関する工事の計画・発注・監督を担当しています。森林土木事業は治山事業と林道事業の2種類に分かれており、それぞれ目的や基準が異なります。治山事業は、荒廃した山林の復旧や、荒廃の予防のためにダムなどの構造物を施工するもので、保安林の機能の維持を図っています。林道事業は、適切な森林整備を行うために、市町村からの要望に基づき森林内に林業用の道路を敷設する事業です。治山事業は森林の安定化を、林道事業はより使いやすい道を作るという目的があり、それぞれの目的に即した設計及び監督が求められますが、どちらの事業も共通しているのは、施工業者との調整がとても重要な要素であるという点です。このため、互いに誤解のないよう、適切なコミュニケーションを心がけるようにしています。
2 職務経歴
年度 | 所属 | 説明 |
---|---|---|
平成30年度 | 利根沼田環境森林事務所 | 造林・間伐補助金、林地開発規制、保安林規制、ぐんま緑の県民税事業 |
令和3年度 | 現所属 | 「1現在の仕事」のとおり |
3 県職員の仕事の魅力・やりがい
森林職の仕事は、工事関係の業務を扱う森林土木事業とそれ以外の業務を行う一般林業に分けられます。森林土木事業は工事の設計や監督業務など、技術職員ならではの専門的な業務を中心に行い、一般林業は補助金や許認可などの事務的な業務と、林業普及業務があります。どちらもやりがいのある仕事であり、異動によって、これらの多岐にわたる業務に携わることができるのは県の森林職特有の魅力であると感じています。
4 これまでの仕事で印象に残った業務やエピソード等
- 利根沼田環境森林事務所に所属していた際は、補助金の査定や審査を担当していました。具体的には、森林を適切な密度で整備し、その後の適切な維持管理に寄与する取組を行う団体等に対し、検査確認のうえ補助金を支出するという業務でした。制度とその目的を理解しなければ、漠然と補助金を支出するだけになってしまうので、団体等が適切な事業を行えるよう相談に乗ったり、時には指導を行ったりすることで、より公共のためになることを意識しながら業務に取り組むことができたと感じています。
- 現所属に異動してきて、初めて森林土木事業に携わるようになり、工事の種類や事業の目的など、一から覚えなくてはならないことが多く困惑していました。しかし、森林職向けの研修や周囲のサポート等を受けることで、業務に必要な知識を得ることはもちろん、徐々にスケジュール管理や施工業者との調整もできるようになっていきました。年度終わりに、初めて担当した現場が完成したときは、年間を通した業務の成果を目にすることができ、大きな達成感を得られました。
- 県の森林事務所では、「治山林道研究発表会」という、新しい工法や調査手法などを、担当となった事務所が県内の森林土木担当職員の前で発表するというイベントがあります。現所属に異動となり、新工法を扱う現場の担当となったため、私がその発表者に選出されました。年間を通して発表のための資料を少しずつ収集し、所属内で発表をして修正案を出してもらうなどしながら、発表へ向けて資料を完成させていくのは、とてもやりがいのある業務でした。本番は、大きな会場において大勢の職員の前で発表を行ったため、とても緊張しましたが、所属での練習成果もあってスムーズに発表することができました。終わった時は肩の荷を下ろしたような安心感と、やりきったことに対する達成感を同時に得られました。
5 入庁前と入庁後の印象
入庁前、森林職は基本的に現場に出ていることが多いという印象でした。しかし、実際には許認可に関する事務などのようにデスクワーク中心の業務もあれば、工事関連の事務など現場に多く出る業務もあり、森林職といっても様々であると認識を新たにしました。
6 今後の目標、これから挑戦したいこと
森林職として採用されたからには、専門的な知識や技術について幅広く吸収していきたいと考えています。異動によっては、現状と全く異なる業務に携わることもあるので、他所属の業務などについても日常的に情報収集し、様々な状況に対応できるような人材を目標に努力していきたいと考えています。
7 群馬県職員を志望した理由
大学で地元の群馬県を離れ、他県の農学部で森林を学んでいました。就活期に差し掛かり、大学で専攻した木材の利用拡大や振興を生かすことができる職種に就きたいと考えていたところ、群馬県職に就職した先輩からの話を聞く機会があり、群馬県職員の仕事に魅力を感じ、また以前から地元での就職を希望していたこともあって志望しました。
8 受験時に心がけたこと
面接では、大学での研究内容や学会発表での成果など、自分がやってきたことや得られた経験を、他人にわかりやすく説明するために、大学の公務員講座での面接練習等に参加し、実際に話すという経験を積み重ねました。
9 未来の後輩へ
群馬県職員を志望するということは、群馬県という土地に思い入れがあったり、魅力を感じたりして選んでくれているのだと思います。そういった前向きな志望理由が、そのまま県職員になったときに業務へのモチベーションにつながってくると、実際に仕事をしながら感じております。森林職に限らず、群馬県をよりよくしたいという同じ目的を持って、皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。
現場確認をしながら工事を進めています