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令和6年8月19日(月曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、河添和子委員、日置英彰委員、小島秀薫委員
高橋正也教育次長、栗本郁夫教育次長(指導担当)、古市功総合教育センター所長、小林謙五総務課長、高林和彦管理課長、酒井隆福利課長、西村琢巳学校人事課長、酒井暁彦義務教育課長、高橋章高校教育課長、近藤千香子特別支援教育課長、星野貴俊生涯学習課長、橋憲市健康体育課長、角田毅弘総務課学びのイノベーション戦略室長、羽鳥正総務課次長、井澤悟志総務課補佐(行政係長)、丸山裕美総務課副主幹
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名、取材者は3名であることを報告。
平田教育長が、沼田委員、代田委員から欠席の届出があったことを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に河添委員を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第21号議案は教育委員会表彰に関する案件であるため、第22号議案は人事に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(平田教育長)
まず私から一言申し上げる。
今回は、県外出張について、2件報告する。
まずは、「ぎふ総文2024」について報告する。7月31日から8月5日の6日間、岐阜県で、全国高等学校総合文化祭が開催され、総合開会式に出席したほか、弁論部門、美術・工芸部門、パレード、小倉百人一首かるた部門に出場した各校の生徒たちの様子を視察し、激励した。
作品や競技をとおして自分たちの力を最大限に発揮している生徒たちの輝く姿を見ることができ、明るい未来を見た思いがした。
次に、島根出張について報告する。
8月5日から6日の2日間、島根県に出張した。
まず、島根県教育委員会を訪問し、野津教育長ほか、県教育委員会の方々と意見交換を行ったのち、隠岐島にある島根県立隠岐島前高校を視察した。
隠岐島前高校は、普通科と令和4年度に設置された地域共創科からなる全日制の高校であり、『島留学』として、日本全国から生徒を募集しており、これまで200人以上の生徒の受け入れをしてきた。
新設された地域共創科では、「地域のリアルな現場での実践的・探求的な学習」の取組を進めており、生徒の積極性、発信力、自立して学ぶ力が育まれているとのことであった。
一時は、3学年で89名となった生徒数が、現在では150名となるなど、離島、少子化という大きな課題を、地域全体で解決しようとする姿勢が見られた。
こうした課題には、教育委員会はもちろん、地域全体が本気で解決に向けて取り組むことが非常に大事であるということを、身をもって、学んだように思う。
今後の本県の高校教育改革の1つの参考となる大変すばらしい学校であった。
次に、本県高校生等の活躍について報告する。
まず、甲子園・高校総体について。
8月7日から熱戦が始まった全国高校野球選手権大会だが、春夏連覇をめざした高崎健康福祉大学高崎高校は、2回戦で惜しくも敗れてしまった。
健大高崎高校も含め、来年の甲子園を目指して、多くの高校球児の活躍に期待したいと思う。
また、7月21日に北部九州を会場に開幕した全国高校総合体育大会では、以前にも紹介した、空手の女子・形・個人の部で、県立前橋工業高校の村山ほのかさんが見事優勝した。
今年の4月に私のところに来ていただいたときに、夏の総体で優勝したいと言っていただけに、本人もさぞうれしかったろうと思う。
村山さんのほか、多くの群馬県代表の生徒が健闘した。
次に、主な出席行事等について報告する。
各地区で開催された、いじめ防止フォーラムでは、前橋地区に日置委員、桐生みどり地区に河添委員、太田地区に代田委員、渋川広域圏に沼田委員に、それぞれ参加いただいた。
このほかの事務報告については、関係所属長から報告する。私からは以上である。
れでは、教育委員から意見、報告をお願いしたい。
(河添委員)
私は8月1日に、昨年度に引き続き桐生みどり地区のいじめ防止フォーラムに参加した。
運営に関わっている大間々高校の生徒会の皆さんに話を聞くことができたが、昨年度よりも、もっとこうした方が良いという視点で、バージョンアップさせていることがとてもよくわかった。例えば、まとめの作業の時に考える時間をより長くしてあげるための工夫や、顔の前でカメラを構えると小学生が意識してしまうから、胸の前でカメラを構えることなど、自分たちでできる工夫をしているとのことであった。また、そういったところにも自信を持って取り組んでいることを感じ、大変嬉しい気持ちになった。
校長先生をはじめ、担当の先生方とともに、子どもたちみんなが会の運営に力を発揮しているというすばらしいフォーラムであると思った。
話し合いのテーマは、「集団の良い雰囲気づくりがいじめ防止に繋がる」というものであった。そのとおりであると思っていたので、大変興味深く、応援しながら参加した。
最後のまとめも非常によくできていた。ピュアサポートからの流れも大変効果的であり、一人一人が、明日から学級や部活動等の集団を、自分にとっても、誰にとっても、より居心地の良い場所にするという思いを持って臨んでいくだろうと感じた。
また、いじめ防止の取組は、エージェンシーを発揮していくためのより良い環境と関連があり、今後も子どもたちが、先生方と共に学級や部活動等の集団をつくる上でとても大切になると感じたので、そういった点においても、非常に良いものであると思った。
(日置委員)
7月26日に前橋地区のいじめ防止フォーラムに出席した。
小学校、中学校、高校、特別支援学校の児童生徒65名が、8班に分かれて、「互いに支え合える人間関係をどうすべきか」ということをテーマに、話し合いを行った。
小学生から高校生まで、年齢の離れた子どもたちが1つのテーブルで、議論を進めていくため、なかなか難しいかと思ったが、どの班も司会の高校生が、小学生の意見も上手に引き出し、議論を深めているのはとても印象的であった。
参加していた子どもたちは、児童会や生徒会に携わっている子どもが多く、それぞれの会の中で、自ら行っているいじめ防止に関する活動について様々な紹介をしていた。例えば、あいさつ運動、標語やポスターの作成などがあり、子どもたちは、他校で行われている活動を自校で発表し、これからのいじめ防止活動に生かしていきたい、と話していた。
(小島委員)
9月18日に、藤岡地区のいじめ防止フォーラムに出席する予定である。
(平田教育長)
ほかに委員から意見等があるか。なければ、関係所属長から報告をお願いする。
学校人事課長、資料1 (PDF:105KB)により報告。
義務教育課長、資料2 (PDF:481KB)により報告。
高校教育課長、資料3 (PDF:507KB)により報告。
(平田教育長)
ただいまの報告について、委員から意見や質問があるか。
(河添委員)
多忙化解消に向けた意見交換部会について質問である。群馬県は、他県に比して、様々な角度から多忙化解消に向けた取組を進めていると感じている。資料における「今後の予定」の「11月8日 多忙化解消に向けた協議会」であるが、今年特に協議の中心となる内容があれば教えてほしい。
(学校人事課長)
提言R5、R6については業務の削減等々について議論しているが、さらにプラスアルファとなる内容を議論したいと考えている。
例えば、業務状況調査結果などを活用していきたい。
(河添委員)
地域住民や保護者、様々な関係団体の皆さんへ、提言R5、R6の取組の周知を進めているところではあるが、さらに1歩踏み込んだ議論も必要であると思うので、ぜひ進めていただければありがたい。
もう1点、「いじめ再調査委員会からの提言を受けた対応」について質問したい。私も何年か前まで学校現場にいたため、SOSの出し方に関する教育は、SOSの受け止め方と一緒に行っていたと記憶している。資料3の(4)『「互いを認め、共に生きる」ために』の中に、「SOSの受けとめ方教育を実施する」という記載があるが、この内容について、具体的に教えてほしい。
(高校教育課長)
委員指摘のとおり、子どものSOSは、その出し方だけではなく、友達がSOSを出しているときにどう対応するか、という受け止め方も大切である、と考えている。これに関する教育は、高校だけではなく、小、中学校でも同じように取り組んでいる。
県立高校については、スクールカウンセラーが全校に配置されていることから、「心の教育授業」ということで、すべての県立高校で、年間3時間、あるいはそれ以上、取り組んでいる。当該授業では、教育相談担当の先生がスクールカウンセラーと内容を相談し、専門的な見地から資料を作成し、SOSの出し方、受け止め方を生徒に指導している。
(河添委員)
承知した。今後もぜひ進めてほしい。
(日置委員)
資料2の中で、「ICT機器を活用しながら」との記載があるが、私自身、時々授業を見に行くと、ICTを使って効率よく意見交換をしている状況が、最近よく見られるようになったと感じる。資料2の結果からも見られるとおり、群馬県は、ICT活用実績が全国平均を上回っており、すばらしいと感じた。
また、資料にはないが、今年度からこの質問紙調査にて、「わからないことや詳しく知りたいことがあったときに、自分で学び方を考えて、工夫することはできていますか」という設問が加えられ、群馬県の結果は、小学校で+1.8、中学校で-2.2ポイントと、概ね全国平均値となっていた。私は、この設問は、群馬県教育委員会が目指す「ひとりひとりがエージェンシーを発揮し、自ら学びをつくり、行動し続ける『自律した学習者」の育成」という目標の実現に向けた一つの指標になるのではないかと感じた。
(義務教育課長)
資料2の、「今までに受けた授業で、自分の考えを発想する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組立てなどを工夫して発表した。」という設問においては、小学校+6.8ポイント、中学校+5.5ポイントと全国平均を上回る結果であった。この結果から、子どもたちなりに様々な工夫をして発表する機会が増えている状況が読み取れ、まさにこれが、エージェンシーを発揮する場面であると感じている。このような場面を数多く設けられるように、9月10日、11日に開催する令和6年度全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会においても、話をするつもりである。
(小島委員)
全国学力・学習状況調査については、教育委員就任以前から新聞で結果を確認していた。当時は、一般県民として、自分の自治体の全国順位が気になっていた。
しかしながら、群馬県教育委員会は、調査の正答率に表れない部分を重要視しようとしている。したがって、今後は、全国順位よりも、全国の教育委員会がどのようなことを重要視しているのか、あるいは群馬県教育委員会が重点を置いて実施している施策を、広く県民に周知する方が有意義であると感じた。
(平田教育長)
貴重な意見に感謝する。
点数による順位だけではなく、それぞれの細かな項目まで情報が含まれているので、その項目ごとに、今までのわれわれの取組との関連性や、あるいは他県の取組など、そういったことについて丁寧に調べてこその調査結果であるという意見だと理解した
(小島委員)
そのとおりである。
(義務教育課長)
おっしゃるとおり、数多くの質問項目があるので、各小中学校や市町村で重点的に取り組んだ内容に焦点を当て、結果を分析し、翌年にその項目のポイントが上がれば、現場も嬉しいと思う。
9月の令和6年度全国学力・学習状況調査を活用した授業改善説明会では、調査結果を取りまとめる際の工夫について、伝えていきたいと考えている。
県教育委員会でも、ICTに関する項目、エージェンシーを発揮する姿に関する項目、教育ビジョンの指標に関する項目に分けて結果を分析している。分析の中では、本県の結果が優良な項目がある一方、課題となっているものもあるので、来年度以降はそれらの項目において結果の向上が見られることを期待している。このように各小中学校等でも分析していただくと、良いのではないか。
(小島委員)
そのような方向で検討を続けていただきたい。
(総務課長)
私も同感である。
特に、児童生徒質問紙における「今までに受けた授業で、自分の考えを…」という項目から読み取れる内容は大変有意義である。子どもたちが自信を持って、肯定的に回答できるということは、子どもたちが一生懸命努力していることを表していると考える。さらに、誰が何をどのように発表しても、しっかりと受けとめてくれる学級風土があり、安心して発表できているということとも関わっていると思っている。このとても重要な項目の結果が向上しているのであれば大変喜ばしい。
教科分析部会と質問紙調査分析部会において結果を分析する際に、子どもたちのよりよい成長を伝えていくことで、子どもたちが自信を持てるようになればよいと思っている。
(平田教育長)
ほかに何かあるか。なければ、以上で教育長事務報告を終了する。
総務課長、原案 (PDF:4.89MB)について説明
異議なく、原案のとおり決定
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
生涯学習課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
ここで、平田教育長から、これからの審議について、第22号議案は人事に関する案件である旨の発言があり、関係課長以外の課室長は退室した。
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時00分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。