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令和5年12月22日(金曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、沼田翔二朗教育長職務代理者、代田秋子委員、河添和子委員、日置英彰委員、小島秀薫委員
柿沼輝信教育次長、栗本郁夫教育次長(指導担当)、古市功総合教育センター所長、田中俊行総務課長、高林和彦管理課長、下山裕子福利課長、西村琢巳学校人事課長、春田晋義務教育課長、天野正明高校教育課長、近藤千香子特別支援教育課長、松本佳祝生涯学習課長、橋憲市健康体育課長、角田毅弘総務課学びのイノベーション戦略室長、飯嶌幸義務教育課夜間中学準備室長、上原崇臣総務課次長、井澤悟志総務課行政係長、河内皐総務課主事
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名、取材者は2名であることを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に河添委員を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第43号議案は議会に提出する案件であるため、第44号議案は教育委員会の表彰に関する案件であるため、第45号議案は附属機関の委員の任免に関する案件であるため、第46号議案は教職員の人事に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
傍聴人に対し、以下の資料を配付。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(平田教育長)
初めに私から一言申し上げる。
まず、先月は急遽欠席をさせていただき、ご迷惑をおかけして誠に申し訳なかった。沼田教育長職務代理者に議事進行を務めていただいた。本当に感謝を申し上げる。
それでは、令和5年第3回後期定例県議会について、ご報告をさせていただく。11月24日から12月14日まで第3回後期定例県議会が開催され、11月の教育委員会会議で決定・承認いただいた、教育委員会関係の補正予算、条例議案は原案のとおり可決された。
一般質問では、1人1台端末の更新に関する質問、新しい教育振興基本計画、コミュニティスクールのモデル校、公立学校における男性教員の育児参画、部活動の地域移行などについての質問があった。
文教警察常任委員会においては、子どもたちの体力・運動能力の推移やその要因、県立学校のトイレ洋式化、非認知能力の育成に係る具体的な取組、BYODなどについて質疑がなされた。
次に、前回の定例会以降の行事等についてご報告させていただく。
一つ目は、すでにご存知の方もいるかと思うが、高校生が食の日本一を競う、第12回うまいもん甲子園が、11月26日に都内で開催され、全国79校304チームが参加し、県立勢多農林高校が見事優勝を収めた。この大会は、ご当地の食材を使ったオリジナルメニューとプレゼンで競い合うもので、勢多農林高校3年生の3名が試作を重ねながら作り上げた、「群馬のお好そば焼き」というメニューで頂点に立った。生徒たちの努力はもちろん、ご家族、それから教員たちの支援もあったと思う。本当に素晴らしい結果であった。
二つ目は、11月と12月に、自然環境課尾瀬保全推進室が行う「尾瀬ネイチャーラーニング」モデル校指定事業の成果報告会の収録が、県庁32階のtsulunos(ツルノス)にて行われた。モデル校の沼田市立利根小学校と県立中央中等教育学校がそれぞれ収録を行い、私は、県立中央中等教育学校の収録に立ち会わせていただいた。
この事業は、沼田委員が関わっていて、子どもたち自身が尾瀬にどう関わるか、それを自分ごとにとらえるかということに焦点を当てるために、「尾瀬×自分の好きなこと」をテーマに、子どもたちが各自探究活動を行い、その成果をそれぞれがプレゼンしていた。収録の一部を拝見させていただき、それぞれの発表が生徒たち自身の研究になっていて、自分の言葉で、自分の成果を堂々と発表する姿にとても感動した。
小中高を通して、探究的な学びが進んでいるということ、そして、多くのプレゼンの機会を学校が設け、児童生徒が自分の考えを表現することが上手になっていると感じており、各学校、その他関係の皆様に感謝を申し上げる。
先日OECD(経済協力開発機構)が行う、義務教育終了段階にある15歳を対象に、習得した知識・技能を日常生活の問題解決に活用する力を測る、PISA(学習到達度調査)の結果が公表された。数学的リテラシー、科学的リテラシーそれから読解力について、いずれも、日本の15歳が世界のトップクラスの成績を収めた。
子どもの家庭の経済格差と成績は、どうしても関連性がついてしまうが、日本は諸外国に比べてその関連が小さいということ。また、コロナ禍があっても成績が下がらずに、回復力のある国であることなど、本当に嬉しい結果であった。
さらに、学校が子どもにとって、居やすい場所になっていること、教師が自分を気にかけているかなどの項目についても高い状態であった。日本の子どもたちの素晴らしさ、それから日本の先生方に「ありがとう」という一言に尽きる。
一方で、自立学習について、「もしまたコロナ禍が起きたら、自分で勉強ができますか」等の問いに対しては、逆に加盟国の中でも低いところに位置していた。自立性、主体性の向上に、引き続き課題があるということが浮かび上がっている。
現在行っている、非認知能力育成のプロジェクト、また次年度からの新教育振興基本計画にも、この点を一番の柱としているので、努力を続けていきたいと考えている。
最後に、前回の教育委員会会議以降の主な行事についてご報告したい。12月8日の藤岡特別支援学校の創立10周年記念式典に日置委員にご出席いただいた。
私からは以上となる。続いて、教育委員から意見や報告等があればお願いしたい。
(沼田委員)
私から3点ご報告をさせていただく。
1点目は、11月21日火曜日に行われた、高崎市立東部小学校の体育の公開授業に参加をさせていただいた。授業内容は小学校5年生の器械運動で、跳び箱に取り組んでいた。
器械運動は、得意な子どもがいる一方、苦手な子どもはなかなかやりたくないと思うような分野だと思う。先生が相当な工夫をされていて、子どもたちが自分に合った課題を、自分のペースで取り組むということに重点を置いた指導、授業デザインをされていた。
得意な子どもは、前回の授業で跳べた段からさらに上の課題に取り組んでいて、苦手意識を持っている子どもは、自分のペースで2段や3段を飛ぶなどの形で進められていた。
素晴らしい点はいくつかあったが、例えば、動画の遅延アプリを使い、子どもたちが跳び箱を跳んだ3秒後に、自分の跳んだ姿を確認し、修正点を見つけてもう1回挑戦していた。児童が自分たちで必要なことを見つけて取り組んでいくような授業デザインをされていたところが、自立に向かった学習の最たるものだと感じた。
加えて、先生のご指導やご説明の中で、例えば、跳び箱を飛ぼうとするときの手のつけどころが理科でいう「支点」になっていることなど、教科横断的に学べるような指導をされていた。「算数や理科などの知識を、体育の授業で自分の身体で使ってみたらどうか」といった声かけをされていたところが、子どもたちにとって、まさに様々な分野を多角的に学びながら、学んだことを活用するという授業となっており、感銘を受けた。
2点目は、12月20日に県立太田高等学校の物理の公開授業に参加をさせていただいた。
この授業では、凸面鏡、凹面鏡の分野で、光の当て方によって、どのように光が屈折、分散されていくのかなどを学ぶ授業であった。
授業デザインを見ると、授業の最初の30分は、先生が今回学ぶ内容についてのポイントを重点的に伝え、生徒が1分10秒で隣の生徒に先生から教わったことで何が理解できたのかを伝えるという、瞬時にアウトプットして、表現するような活動を行っていた。
そして、残りの30分では学んだことを、二つに分け、授業内容を十分に理解した生徒は、発展的な課題に取り組み、まだ基礎的なことを学びたい生徒は、基本的な課題に取り組むという形で、二つの課題の中から生徒に一つを選ばせて、自分に必要なことを自分で学ぶという授業デザインをされていた。
自立に向けた学習の中で、先生がポイントとして教えることは当然あるけれども、プラスアルファで、生徒自身が自分に必要なことを自分で選択して取り組む時間もあり、まさに個別最適で協働的な学びを体現しているような60分間で、私は非常に感銘を受けた。
3点目は、ハートフルアート展に参加させていただいた。
私が行った日は最終日であったこともあり、県立特別支援学校の先生方が振り返りをされているところに、偶然出くわしたところであった。
先生方のお話では、やはりこういった発表などの舞台を開催することによって、地域社会の皆さんの理解を深めることができ、とても感謝しているとのことであり、先生方にとっても、子どもたちにとっても重要な機会であることがわかった。
子どもたちの作品を見ると、本当に独創的・創造的で、子どもたちにとって「つくる」という行為が自己表現に繋がっていて、自分が今、何を考えているのかを表すことで、作品がコミュニケーションツールの一つにもなっているということに、改めて気づかされた機会であった。
公開授業やハートフルアート展を開いていただき、関係者の皆様に本当に感謝をしている。
(河添委員)
私は行事等に参加させていただく機会はなかったが、自分の小学校に勤めていた経験や幼児教育に関わっている経験から、非認知能力の育成について調べていた。
まず、非認知能力はこれから益々重要になると考えており、非認知能力の育成と、その土台となる知識や技能などの認知能力、よりよい集団環境づくりなどについて学んだ。
例えば、学校であれば学級など、子どもたちが安心感や信頼感のある周囲との関わりの中で学ぶことは大きい。望ましい集団づくりや環境づくりはとても大切であり、今までの公教育の仕組みの中での実践を生かしながら、さらにどのように進めるとよいかについて考えていた。
また、子どもたちの主体性という部分を考えると、小学校では生活科や特別活動、総合的な学習の時間、高等学校では探究の時間などを、どのように進めていけばよいかということも考えた。
今月は、自分なりに調べたり、考えたりした期間となった。非常に勉強になった部分もあるが、わからない部分もあるので、また事務局の皆さんと協議を進めていきたいと思う。
(日置委員)
先ほど教育長から紹介があったように、私は12月8日に、藤岡特別支援学校の創立10周年記念式典に参加した。
藤岡地区には長い間特別支援学校がなく、藤岡特別支援学校は多くの署名を集めて10年前に作られた学校である。
その時には、設立運動が市内で広く展開され、「藤岡市に特別支援学校を作ってください」といった内容の横断幕をかけていたようで、感謝の気持ちを忘れないよう、今でも学校に当時の横断幕が飾られているということが非常に印象的であった。
式典では、学校の10年間の歩みの動画が放映され、子どもたちが目を輝かせて様々な活動をする姿が印象に残っている。
その後、生徒たちによる、「世界に一つだけの花」の楽曲に合わせたダンスが披露され、特に圧巻だったのは、その後の和太鼓演奏である。藤岡特別支援学校が設立された当時の先生がオリジナルの曲を作ったことで、卒業生は皆、その曲を演奏できるとのことであり、同窓会長も演奏に加わっていた。非常に力強く、躍動感のある演奏を聴くことができ、非常によかったと思う。
それから、来賓の方々とお話をした中で、設立時の校長先生から当時の話を色々と伺うことができた。
特別支援学校は様々なニーズに応えなくてはいけない場所であり、設備面で多くのことを想定した時に、藤岡地域の工務店の方々が非常に協力的で、様々なアイデアを出していただき、開校前の段階で本当によい準備ができたということ。また、地域のデイサービスの方々も色々と参加していただいたとのことで、藤岡地域の方々と一体となって、素晴らしい校舎、素晴らしい学校ができたというお話が、とても印象に残っている。
(小島委員)
私は11月29日に桐生市立中央中学校で行われた、プログラミング(情報)の公開授業に参加した。授業が終わった後の先生方の議論についても、視察させていただいた。
今回、公開事業に参加した理由は、純粋な教育的観点というより、企業人的な課題として、会社の役に立つ部分があるのかという興味もあった。
授業内容は、グループに分かれ、チャットで通信するプログラムを作るという課題に取り組んでいた。
私も初めて見たが、「スモウルビー」というソフトを使い、命令文をマウスで移していくと、プログラムができてしまうというシステムであった。
生徒同士が和気あいあいと話し合いながらプログラミングを作っていて、教える人と教えられる人という授業形式ではなく、皆で建設的に考えるといような形式で、非常に参考になった。
私自身、授業を見ながら非常に色々なことを考えていたが、最初に、コンピュータープログラミングを技術・家庭の教科で学ぶということに驚いた。ただ、先ほど控え室で、代田委員は普通に学校で習っていたとのお話を聞いて、自分が学校にいた時代が昔すぎただけということが分かった。
企業人の立場で見ていると、プログラミングを教えることについて、企業など社会で働く時に一番役に立つのはソフトの使い方ではない。ソフトウェアを開発するような会社はまた別として、一般企業でパソコンを扱う際には、Excelのプログラミングができればほとんど用は足りてしまう。
授業の中では、「アクティビティ図」と呼んでいたが、何をインプットして、どう考え、何をアウトプットするかという、フローチャートのような図を作れるようになることが一番重要である。
その基礎を習得できれば、与えられたデータが何で、パソコンにどう動いてほしいのかということについて、明確に原因と結果を押さえた上で、誰がどういうデータを入力すればよいかというような組み立てが頭の中でできるようになり、Excelでもプログラミングを作ることができる。
また、授業が終わった後には、技術の先生方が集まって議論する場で話を聞いていた。
基本的には、プログラミングソフトをどう教えるかということについての議論が多かったような気がする。
ソフトを基本に考えると、ソフトが進歩していくスピードはものすごく早いので、頻繁に教えるソフトが変わり、先生はその度に知識を蓄える必要が生じ、大変だろうと思う。
そう考えると、授業というものが、常に先生が「教える人」で、生徒が「教えられる人」である必要があるのかという疑問が浮かぶ。
おそらく「スモウルビー」というソフトにしても、先生が一生懸命マニュアルを見ながら勉強している間に、子どもたちにソフトだけ配付しておけば、自分たちで色々な仕組みを見つけて、裏技でこんなことができるなど、どんどん勉強が進むのではないか。スマートフォンにしても、自分は必ず「どうして取扱説明書がないのか。」と言うが、高校生や大学生は説明書がなくても、自分で使ううちに使い方を学び、新しい機能を見つけることもある。
むしろ、生徒に好きなようにソフトを使わせて、生徒から先生が教わる形式でもよいのではないかと思う。先生だからといって、教えられないということを恥に思う必要は全くない。
例えば生徒から先生に、「このソフトでこういうことができる」ということを伝えれば、先生がそのことを全体に教えさえすれば、いつも先生が生徒に教えなくてはならないと考える必要は全くないのではないか。
「スモウルビー」でも、これから「ラージビー」に変わるかもしれないし、個別のソフトの使い方をどう教えるかと考えるよりは、ソフトの使い方は生徒に任せて、先生としてはアクティビティ図を、頭の中でどう作るかということを教えることができれば、少なくとも企業側の人間が求めている教育としては十分であるということを思った。
色々なことを考えさせられた50分間であり、その後の先生方の議論であった。参加することができ、非常に有意義な時間となった。
(平田教育長)
各教育委員からご報告いただいたことは、本当に示唆に富んでおり、事務局も含め、教育についての深い議論ができるような内容であった。考えさせられるような問いかけをしていただき、ありがたいと思う。
今後とも、様々な機会を通して、これから群馬県の教育をどのように進めていくかということについて、各委員からご助言をいただければ幸いである。
ほかに委員から意見等があるか。なければ、関係所属長から報告をお願いする。
学校人事課長、資料1により報告。
特別支援教育課長、資料2により報告。
健康体育課長、資料3により報告。
(平田教育長)
ただいまの報告について、委員から質問等はあるか。
(日置委員)
資料2について、昨年に比べ、高校進学希望者数が185人減っているというのは何か理由があるのか。
(高校教育課長)
BYOD への移行については、今後、金銭的な補助等も含め、理解が得られるような取組を検討していきたい。
(高校教育課長)
高校進学希望者数は、通信制高校を除いた数となっており、通信制高校を希望する生徒が増加した結果、高校進学希望者数は減少している。
なお、ここで言う通信制高校には、県立高校の通信制、広域通信制高校も含まれる。
(沼田委員)
提言R6についてお聞きしたい。今回の提言は提言R5の内容から、さらに加筆されたと思う。我々は、今年の8月に、太田に出向いて、学校の管理職の皆さんと多忙化解消について議論させていただいた。そのときに、提言R5はとてもありがたい存在であり、働き方改革や多忙化解消を進める上で、重要な一つの拠り所になるというお話があった。
提言R6もそういった意味では、学校の管理職の皆さんからすれば、さらに多忙化解消に向けて取り組んでいくための拠り所となると、私は理解している。事務局としては、この提言がどのように扱われると、より効果的であるかということについて、考えを教えていただきたい。
(学校人事課)
基本的には、この提言に記載した内容について、周知され、実行されれば、かなり効果があると考えている。
提言R5については、周知が多少うまくいかなかった部分もあると思っており、市町村教育委員会や地域等、様々な団体に対して周知に努めたいと考えている。
(沼田委員)
河添委員にお聞きしたい。河添委員は今年度、提言R5や教員の多忙化解消について、様々な意見をおっしゃっている。
以前、隣の学校で行っている行事などが、自分の学校では行っていないというような差が出ると、行事の削減などの多忙化解消はなかなか進みづらいというお話があったと思うが、今回のような提言が出されると、学校の管理職の立場からすれば、一律でやっているものだから、学校行事を削減するような取組のきっかけになりやすいと言えるのか。
(河添委員)
私も管理職を離れて3年になるが、その当時も教員の働き方改革を進める動きがあり、その内容を校長室に掲示して、色々な外部の方が来たときに、取組についての説明をしていた。
その頃は、スローガンのような、代表的な文言が書かれている1枚紙がよいと思っていたが、提言R6には具体例が多く出ていて、県全体として進んでいく方向性が書かれているところが非常にわかりやすく、各取組のきっかけになりやすいと思う。
進め方の工夫としては、いくつかの小学校から1つの中学校に進学する地区もあるので、同じ中学校区ごとに連携を図って、取組を進めていくことは有効であると思う。
また、自治体によっては、市町村教育委員会と校長会の代表などが連携し、リーダーシップを発揮して来年度の活動を見直すため、方向性を決める会議を開催しているようである。
そういった取組は、今回のような提言がきっかけになりやすく、そういった観点からも、提言R6は働き方改革に非常に効果があると言える。
(沼田委員)
実際に周知され、推進していくためには、保護者の皆さんの理解が相当に必要だという前提があると思うが、保護者の皆さんに向けた通知文のようなものを、別途発出する予定はあるか。
(学校人事課)
資料1の最後のページを活用し、保護者あて通知をしていただきたいと考えている。
(沼田委員)
実際に提言を出されたら、どのように保護者あて通知するかは、学校の管理職の皆さん次第であると思う。
この提言の内容を保護者の皆さんにお伝えして、保護者の皆さんと管理職の皆さんが適切にやりとりをしながら、理解を深めていく過程が、さらに重要であると私は理解している。
そういった部分の重要性について、各学校や各市町村の教育委員会の皆さんに、事務局からご説明をいただけると、よりスムーズに進むのではないかと感じた。
(学校人事課)
おっしゃるとおりである。私が以前勤めていた高校では、提言R5が出されたとき、その中に、児童生徒の欠席連絡はICT化することが記載されていたため、ICT化について職員やPTA等の保護者の方々に提言R5を基に説明したところ、「それであれば、ICT化を進めよう。」と理解を得られた。
そのような具体例を示しながら周知をしていきたい。
(平田教育長)
今年の8月に太田で行われた、地区別教育行政懇談会において、教育委員の皆さんもお聞きになったと思うが、教員の業務削減を学校から保護者や地域の方々にお願いしづらい現状があるというご意見をいただいていた。そういった意見も踏まえ、提言R6については、教育委員会向けの2ページ目の一番下のところに、周知へのご協力をいただくよう、お願いする旨を記載した。
提言R5では、学校を通して保護者や地域の皆様に周知するようお願いをしていたが、今回は各教育委員会から直接周知する方法もあるということを示している。
周知はなかなか難しい部分もあるが、最も大事なことでもある。提言R6についても、色々な機会を通して周知を図っていきたいと考えている。貴重な意見に感謝を申し上げる。
(日置委員)
提言R6の周知に関連して、私も今年の地区別教育行政懇談会に出席したときに、地域に対しては、まだ周知や理解が進んでいない学校が多く、例えば、学校が休みの日に行っていた地域行事等を、今年も協力をお願いしますと言われた際に、なかなか学校が断りにくいとの話を聞いた。それを学校ではなく教育委員会など、ほかの機関から直接周知を図ることは、1つの方法であると思う。
これまで、学校現場では色々な面で働き方改革を進めているが、進んでいない部分は、休日の地域行事への教師の動員や、作品等の募集事務であるとの話が印象に残っている。今回の提言ではそういった部分も記載されており、よりよいものになっていると思う。
(河添委員)
日置委員のおっしゃるとおりで、保護者、地域、関係団体の皆様向けの資料の左下のところに、休日の地域行事への引率業務削減について、非常に見やすい位置に記載され、ありがたいと思う。
私の聞いたところによれば、提言R5は、保護者向けにプリントとして配られた学校、ホームページに掲載した学校、特に配るまではしなかった学校など、学校によって対応は様々であったようである。
提言R6は、各教育委員会を通じて保護者に周知するという道筋があるとのことだが、少なくとも保護者の目には100%届くということを期待している。
また、関係団体にはどういったタイミングで、どういった周知を想定しているか、教えていただきたい。
(学校人事課長)
具体的には、各種関係団体をいくつか選定して、提言R6について県教委から説明したいと考えている。
いずれにしても、提言R5は周知が課題であったと認識しており、その点については改善していきたい。
(河添委員)
学校が今まで、地域や関係団体に直接頼まれてきたことについて、「今年からはできません。」と言うことは、本当にハードルが高いことだと思われる。
地域や保護者に周知が図られていないうちに、それを言うことが非常に難しいのであって、周知ができて、お互いに理解できている場合に、ようやく成立するものだと思う。ぜひよろしくお願いしたい。
提言R6では、周知に力を入れてくださるとのことなので、それが学校の職員にとっても、子どもたちにとっても、保護者、地域の皆様にとっても、よりよいものになっていくよう願っている。
それには、県教育委員会と市町村教育委員会が、ある程度リーダーシップを持って、学校と協力して進めて行くことが一番理想的だと思う。
私も一緒に進めたいと思う。何かお手伝いできることがあれば協力させてほしい。
(平田教育長)
各委員から貴重なご意見をいただき、感謝する。
ほかに質問等はあるか。なければ、教育長事務報告は以上とする。
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
高校教育課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時7分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。