1 期日
令和5年9月13日(水曜日)午後7時から午後9時
2 場所
県庁24階 教育委員会会議室(対面・オンライン併用)
3 出席者
- 委員(9名中9名出席)
高橋純委員、たかまつなな委員、溝口史剛委員、茂木三枝委員、青木美穂子委員、
大森昭生委員、藤澤都茂子委員、二渡諭司委員、吉田悟委員
- 事務局(職員24名出席)
4 協議事項
(1)開会
開会
(2)あいさつ
平田郁美教育長によるあいさつ
(3) 議事
ア 第4期群馬県教育振興基本計画(教育ビジョン)の総論について
配布資料により事務局が説明し、意見交換を行った。
イ 第4期群馬県教育振興基本計画(教育ビジョン)の各論について
配布資料により事務局が説明し、意見交換を行った。
(4) その他
今後の予定等について事務局から事務連絡を行った。
5 委員の主な意見
(1)教育ビジョンの総論について
ア 事前に募集した委員意見を踏まえた修正案について
(ア)最上位目標~学習者像の表現について
(A委員)
- 学校の先生と話すと、新しい用語が出るたびに、それを「到達目標」のように考え、例えば、「県教育委員会や文部科学省がまた新しい用語を提案してきて、また仕事を増やした」というような反応をされる方がいらっしゃる気がする。
- 物事について、何かに「到達する」又は何かを「達成する」必要があると考えるのではなく、「今あることを継続して、高め続けた先に『ウェルビーイング』や『エージェンシー』がある」というような「向上目標」の考え方ができるとよい。
- (修正後の事務局案は)「向上目標」になっていると思う。
(イ)資料2 5ページ 『生きるための基盤に困難さを~』という言葉について
(B委員)
- 「生きるための基盤に困難さを抱えている」という表現にした場合、「生きる」という言葉が、非常に強いものになってしまう。
- 福祉の立場から「基盤」という言葉を考えると、心も体も環境もすべて含まれると感じていたが、職種や立場によっては「物質的な生きる基盤」を想像される方がいるかもしれない。なので、「社会生活を円滑に営むうえで困難さを有する子ども」という表現を提案した。
- また、もう一案として、「メンタルヘルスの諸問題や生活の基盤に」という表現もよいと思う。
(C委員)
- 自分が提案した「本来持つ”しなやかな力強さ”を発揮し難くなっている~」という表現で伝えたかったのは、「今はうまくいっていないかもしれないが、本来は力を持っている」というポジティブなメッセージ。
- 「本来持っている強みやレジリエンスなどを、持っているけど発揮できない状況」という表現の方が優しいかな、と思っている。
- 対人支援というのは、マイナスになっているところをみんなが補ってあげる、ということよりも、「本来持っている力を引き出させる」という形で関わる方がよい。
(D委員)
- 「生きる基盤」や「メンタルヘルス」、「社会生活」というのは、子ども・若者支援の関係でも議論しているテーマで、本当に部局横断的に対応していかなければならない。
- ただ、教育分野の計画としてどこまで表現できるか、ということも気になる。「生活の基盤」まで学校や教員委員会が支えられるか。
- 学校や教育委員会の責任としては、「学びに向かう基盤」というくらいの表現が適当ではないか。
(C委員)
・臨床の現場からすると、「学ぶどころではない」子どももいる。安心感が損なわれた状態で家庭で過ごしている子にとって、「(学校が)安心安全な場になって欲しい」という思いがあるので、学びに限定して欲しくない気持ちがあった。
(D委員)
・例えば、長くなるが、「様々な背景要因によって、本来持つそのしなやかさや力強さを発揮しづらいために」、「学びに向かう基盤に困難さを抱えている」というような形でまとめてはどうか。
(E委員)
- 該当箇所に「児童生徒」という表現があるが、法令によって「児童」の定義が違う。
- 重点政策で、「様々な背景要因」として「貧困や虐待」を入れる場合、小学生、中学生、高校生に限らず幼児教育も含むため、「子ども」という表現が適当ではないか。
(ウ)「SOSを出しやすくする体制の整備が必要」との意見について
(D委員)
・具体的な制度に関することは、「各論」に記載した方がよいのではないか。
(C委員)
・記載する箇所はどこでも構わないが、どこかに入っていれば各論につながると思うので、事務局案に異存はない。
(2)教育ビジョンの各論について
(D委員)
- 「キャリア教育・職業教育の推進」という項目に関して、キャリア教育は職業教育より幅広く、一生涯を考えるということで、「探求的な学習」に近いところがあると思う。
- 職業教育とキャリア教育を並列にすると、キャリア教育が矮小化されてしまうように感じる。
(C委員)
- デジタル化が進む中で、ネガティブな側面もある。ネットリテラシー教育が遅れているところがあると思うので、今後は充実させてほしい。
- また、医療・福祉の分野で「トラウマインフォームドケア」という概念が広まっている。「目の前の困っている子どもの背景に、もしかしたら心の傷つきがあるかもしれない、ということを念頭に支援を行う」というもの。教育の計画でこの概念を取り入れると、先進的だと思う。
- 更に、相手を傷つけないで自己主張をする、という「アサーション」という概念を子どもたちに身に付けてほしいと思う。
(D委員)
- 総論で良い議論がなされてきている中で、各論を見ると、普通の教育振興基本計画になっている、という印象がある。
- 群馬県が今、力入れている取組、特徴的な取組等が、もう少し見えるとよい。
- 計画の性質上、網羅的に施策を掲載する必要があるのは理解できるが、総論の特徴を表す施策などをいくつか挙げるとよいのではないか。
(C委員)
- 教育に深く携わっていない立場からすると、網羅的に書いてある方が、教育関係の方々にどんなことをお願いできるのかが分かる。
- レストランのメニューのような形で、網羅的に書いてある方がよいと思いつつ、「おすすめ」に当たるような内容も分かるとよい。
(D委員)
- 公表時に、総論まではよくまとまっているが、具体的に何をするかと問われると、「どれも大切な取組です」という形になる。
- 教育に関することは全て大切だが、今回の計画を象徴するようなものが欲しいと感じる。
(F委員)
・網羅的になること自体はよいと思う。5年間の取組方針の宣言のようなものであり、「今年度はここを重点に取り組む」というように示すことができる。加えて、前回の計画から変わった点が見えるとよい。
(D委員)
- 「B:群馬の教育を推進する基盤となる4つの重点政策」を5つに変えることはできないのか。「教職員の採用」や「働き方向上」などは、今後5年間で重点的に取り組まなければならないトピックだと考えられ、目立たせる必要がある。
- また、案では人的体制と物理的な施設整備等が同じ項目にあるが、分けた方が伝わりやすい。
(C委員)
- どこまで具体的な用語を書くのかが気になる。
- 例えば、早期に虐待を発見するということを学校に期待したいが、それを直接書くことが難しいならば、「学校が子どもたちのSOSに気付くための力を付ける」という表現もあり得る。
- 虐待防止というメッセージを教育振興基本計画に入れるのが適しているのか、また、教員による性加害のような問題もあるが、計画で触れるのは難しいのか。この辺りの加減が分からない。
(D委員)
・この場で決める必要はないので、どこまで表現できるかの検討が必要。
(A委員)
- 最後には文章で書かなければいけないので、箇条書で表すのであれば網羅的になる。
- 箇条書きでない方法が許されるのであれば、それぞれの項目を、何かのストーリーや大小関係、包含関係などで表すことができないか。
- 「対話」や「交流」はあらゆる施策と関係しているので、そのような包含関係などを用いて表していく方法があるかもしれない。
(E委員)
- 「A:学習者像の実現のための重点政策」のうち、「(1)ひとりひとりの自律的な学びを支援し、変化の激しい社会に対応できる資質・能力の育成」の項目について、小項目の(1)「ひとりひとりの自律的な学びの支援」については、この一文で一つの力の育成のように感じる。
- A-(1)の資質・能力の育成は、「学習指導要領の三つの柱」に関係すると理解をしている。どうしても、学力というと知識・技能に偏りがちな印象もあるが、現在定義されている学力はそうではなく、学びに向かう力、思考・判断・表現力なども重要である。
- これらの要素をA-(1)の小項目に反映する方が、現在の案より適切かと思う。
- また、資料2の5ページにあるコンピテンシーの定義について、「資質・能力の獲得だけでなく」と書いてあるが、「組み合わせて活用できる力」がそもそも「資質・能力」である。
- そのため、「知識・技能の獲得だけではなく、それらを組み合わせて活用できる力」という表現の方がよい。
6 結び
委員の意見等を踏まえ、事務局が第4期計画の原案を作成する。次回は事務局の作成した案について協議する。
7 当日の配布資料
次第 (PDF:343KB)
委員名簿 (PDF:89KB)
資料1_第3回 委員意見 (PDF:726KB)
資料2_最上位目標~教育ビジョン全体イメージ (PDF:3.15MB)
資料3_各論再編整理について (PDF:1.38MB)
資料3-1_各論委員意見一覧 (PDF:916KB)
「第4期群馬県教育振興基本計画策定懇談会について」へ戻る