本文
平成30年12月17日(月曜日)13時30分~15時30分
群馬県庁審議会室
群馬県高校教育改革検討委員会委員 20名(欠席1名)
同委員会ワーキンググループ委員(県立高等学校長)4名
次第、群馬県高校教育改革検討委員会設置運営要綱、群馬県高校教育改革検討委員会委員名簿、群馬県高校教育改革検討委員会ワーキンググループ委員(県立高等学校長)名簿、群馬県高校教育改革検討委員会幹事名簿、群馬県高校教育改革検討委員会ワーキンググループ幹事名簿、第1回高校教育改革検討委員会資料、「高校教育改革推進計画」、「群馬における今後の県立高校の在り方について報告」、参考資料
(委員長)
本委員会は、設置運営要綱第2条に、「『高校教育改革推進計画』の着実な推進及び『第2期高校教育改革推進計画』の策定に係り、本県高校教育の一層の充実に向けた諸課題と今後の在り方を検討するため、設置する。」と記されている。委員会設置の趣旨にしたがって、議事を進行してまいりたい。
(委員長)
それでは、次第の「5議事(1)本県におけるこれまでの高校教育改革の実施状況」から始めたい。
(事務局)
(高校教育改革検討委員会設置運営要綱に基づき、委員会の趣旨及び概要を説明)
(「本県におけるこれまでの高校教育改革の実施状況」を説明)
(委員長)
事務局の説明について、御質問等があればお願いしたい。
(委員)
学校の適正規模及び1学級当たりの定員については、どのような根拠があるのか。
(事務局)
適正規模については、教員配置や多様な進路希望への対応、学校行事や部活動等生徒の活動の活力の確保などの観点から1学年4から8学級としており、他県も同様の基準となっているところが多い。また、1学級当たり40人という学級定員については、法律で定められている。
(委員長)
適正規模や1学級当たりの定員については、今後、検討したい。
(委員長)
次に、「(2)検討テーマについて」に進みたい。
(事務局)
(「高校教育改革検討委員会における検討テーマ等(案)」を説明)
(委員長)
事務局の説明について、御質問や御意見等があればお願いしたい。
(委員)
小規模校の特色化の例として、「ぐんまチャレンジ・ハイスクール」、「ぐんまコミュニティー・ハイスクール」とあるが、どのようなものか。
(事務局)
議事(4)の「小規模校の在り方について」の中で、説明させていただくことでよろしいか。
(委員)
承知した。
(委員長)
ほかに、検討した方がよいテーマ等があればお願いしたい。
(委員)
「受入定員に関すること」とはどういう内容なのか。
(事務局)
高校の募集定員に関することである。毎年、中学校卒業者数に応じて設定しているが、更に少子化が進行する平成34年以降について、検討をお願いしたい。
(委員長)
私自身も疑問に思い、事前に事務局に確認したところであるが、設置運営要綱にある所掌事務の「その他高校教育改革に関すること」に包括されていた「受入定員に関すること」を独立させたとのことである。中学校卒業者数の急減により、喫緊の課題となっていることから、検討テーマとして独立させたとのことであった。
(委員)
「公私協調」とあるが、受入定員を含めた公立高校と私立高校の協調というとらえ方で間違いはないか。
(事務局)
「受入定員に関すること」についてであるが、これまで、公立高校の募集定員は、おおむね中学校卒業者数の7割程度を目安に、中学校卒業者数の増減に応じて定めてきている。これまでも、私立小・中・高等学校協会とは情報交換を行ってきているが、今後少子化の流れの中で、公立高校の募集定員についてどのような設定の仕方が良いのか検討していただくために、テーマを設定し、併せてワーキンググループの専門部会設置についても検討しているところである。
(委員)
平成24年から平成33年までの現行計画について、あと3年残しているところであるが、新しい計画を検討するに当たり、現行計画の検証はどうなっているのか。各項目について、どれくらい成果が挙がったのか、検証が必要であろう。これらの検証を示してもらわないとより良い検討にはならないと思うがどうか。
(委員長)
今回の会議はこれまでの取組を説明するという趣旨である。現行計画の検証については、参考資料の別冊で報告されており、この後、説明があると思う。
検討テーマについては、現時点ではこのような形で進めることとし、今後必要なものがあれば、後でも意見を頂きたい。
(委員)
今年から、高校でも特別支援教育に関する通級指導の制度が始まったところであり、「特別支援教育の推進」をテーマとして追加してもよいと思うがどうか。
(委員長)
頂いたテーマについては今後、検討したい。また、新たなテーマについては、必要が生じたところで随時加えていきたい。
(委員長)
次に、「(3)スケジュールについて」に進みたい。
(事務局)
(「高校教育改革検討委員会のスケジュール予定(案)」を説明)
(委員長)
現行計画での取組状況の成果と課題については、参考資料(別冊)を見ればよいということでよろしいか。
(事務局)
参考資料(別冊)には、現行計画である「高校教育改革推進計画」の項目に対応して、「取組の方向」、「現状」及び「課題や今後の方向性」をお示ししている。また、同資料の後半では、「高校教育改革推進計画」の上位計画である「群馬県教育振興基本計画」の達成目標をお示ししている。
(委員長)
一つ一つ確認する時間はないが、現行計画のまとめがこの参考資料(別冊)に記載されている。我々も、これらを読んで勉強をしなくてはいけないということだと思う。
(委員長)
続いて、「(4)小規模校の在り方について」に進みたい。
(事務局)
(「小規模校の在り方について」、参考資料や別途配布資料を説明)
(委員長)
事務局の説明について、御質問や御意見等があればお願いしたい。
(委員)
中学校卒業者数の平成元年からの推移や、隣県である栃木県との比較等を見ると、群馬県としてはただ合理的に統合を進めてきたわけではないと思う。今回、テーマとして検討するに先立って、県教委としての基本的な考え方がどのようなものか教えていただきたい。小規模校の再編に舵を切っていきたいのか、全くニュートラルなのか、これまでと同様に小規模校の在り方を工夫して維持していきたいのかなど、基本的な考えがあれば示していただきたい。
(事務局)
はじめに、前提となる全体の枠組みについてであるが、中学校卒業者は、平成30年から急減期に入っており、平成45年までの見込みを踏まえると、全県的な高校の再編整備は不可避であると考えている。特に、3学級以下の小規模校については、生徒の活動が縮小することに加え、現行の法律では、学級数で教員数が決まることから、各校配置の教員数に大きな影響が出てくる。新しい計画については、これから議論をいただくことではあるが、現行の計画では、小規模校については基本的に統合という方向性である。ただし、学びの場の確保という観点から保持してきている2学級規模校もある中で、40人2学級の維持が難しくなった山間部の学校では、1学級にするということではなく、1学級定員を引き下げて32人定員とし、2学級のまま学校を残して活性化を図ってきた。そうした状況を踏まえ、今後、より一層少子化の状況が厳しくなる中で、新しい計画に向けて、議論をいただきたいと考えている。県全体で、再編整備と併せて、学級減による学校規模の縮小を図る必要がある中で、山間部の2学級規模校においては、より丁寧な議論が必要であるということ、現行計画の中で残された課題であること、こうしたことにより、先行して議論をいただくテーマとさせていただいた。
(委員長)
生徒が減っていくとき、学校を統合するのが基本的な考え方ということか。
(事務局)
適正規模以下の2学級、3学級規模の学校が、教育活動を行う上で苦しい状況にある中、統合により学校規模を確保して活性化を図るということは、教育活動の活性化や職員配置への影響を考えると適切な方向性かと思う。
(委員長)
統合した方がよいのか、少人数がよいのか、実際の状況を教えていただけると有り難い。小規模化することが困ることばかりではないと思うが、教育現場でどういうことが起こっているのか。
(WG委員)
嬬恋高校は、中之条高校の分校としてスタートし、村の熱い思いを受けて独立した学校である。伝統的にスケート競技が盛んであり、村には、スケートを軸に、村おこしをしたいという思いも強い。また、嬬恋高校がなくなれば、吾妻線の維持が難しくなるという考えもある。村との連携は強く、村のイベントに招待されたり、スクールバスに便宜を図ってもらったりしている。
嬬恋高校の今後については、村の関心が非常に高い中、平成27年度から、スケート競技において全国募集の制度が設置されたことで、村が寮を設置し、今年度初めて全国募集の生徒が入学した。今後更に女子寮も建設するとのことである。県内他地区からの生徒募集が厳しい中、県外からの生徒に頼るしかない状況もある。
生徒が少なくなると、学校行事や部活動の活動の幅が制限され、生徒には大きな影響がある。また、教員配置が少なくなるなど、小規模化で学校の活力は低下する。小規模校は、教員の特別配置で持ちこたえており、それがなければ維持は難しい。
スキーやスケート、野球といった限られた部活動ではあるが、熱心に励んでいる生徒もいる。県からは、全国募集に加え、定員引下げや連携型中高一貫教育など、様々な施策を講じてもらっており、それにのっとって頑張っているという状況である。
(委員長)
高校の生徒だけの問題ではなく、地域を含め広く現状を説明いただいたが、何か御質問や御意見があればお願いしたい。嬬恋高校についてだけでなく、小規模校全体や、あるいは生徒が少なくなる中で、人口減という問題に高校教育がどう対応するかという問題だと思うがどうか。
(事務局)
今、3地域で実施している連携型中高一貫教育について補足説明させていただきたい。「高校教育改革推進計画」の41ページに、用語解説として、中高一貫教育についての説明を掲載している。中高一貫教育には、6年間一体的に教育を行う中等教育学校、同一の設置者による中学校と高校が一貫して教育を行う併設型中高一貫教育校、連携型中高一貫教育校がある。連携型中高一貫教育は、村や町の中学校と県立高校が、平素から、例えば高校の先生が中学校に行って授業をする、中学校の先生が高校に来るといった取組を進めながら、入試の面でも、連携先の中学校から、簡易な形の入試で高校に来てもらうという仕組みである。嬬恋地区については、平成15年から実施しており、このような教育を丁寧に行ってきた地区である。
(委員)
「群馬県における今後の県立高校の在り方について報告」の29ページ、30ページに今後の方向性が示されており、特に30ページには「地域に信頼される学校づくりを推進する」、「地域から必要とされる学校を目指さなければならない」といった記載がある。高校の出口の部分で、高校生たちが卒業して地域に根付いているのか、それとも出てしまっているのかが一つ気になる点である。小規模校は、高齢化率がかなり高い地域にあり、福祉が地域から必要とされている状況があるかと思う。そうしたところも踏まえた教育になっているのかということが一つ疑問に思っているところである。
入口の部分で、中高が連携していくことも大切であるが、高校を卒業してどうなるのか、という出口の部分が重要であり、その学校に行って地域の仕事に就きやすいだとか、関連することを学べるということなどがあれば、生徒や保護者も、地域に必要な学校と考えるのではないかと思う。実際の出口がどうなっているかについて、分かる範囲で教えてほしい。
(委員長)
高校によって千差万別であると思うがどうか。
(事務局)
高校を出て就職する子供たちのおおむね90%は、群馬県内で就職している。今、学校別のデータは持ち合わせていないが、全体としては、就職は県内でという傾向がある。ただし、就職先の確保が山間部で難しければ都市部でということはあるかと思う。
(委員長)
時間的な制約はあるが、こういった視点を提示しておきたいというようなことがあるか。この委員会の趣旨は、大所高所から、今後の高校の在り方について、いろいろな分野の方々から御意見をいただき、議論するということかと思う。
(委員)
今、小規模の高校についての議論がされている中で、地区別学科別配置状況を見ると、話題になっている高校は西毛と北毛のいわゆる中山間地域に点在していることが分かる。これは間違いなく、過疎の問題や人口問題とリンクしているということであり、農業の世界で言えば中山間地農業と平坦地農業のうちの中山間地農業の問題と似ている。小規模の9つの高校が、群馬県全体から中学校卒業生を、適切な言い方ではないかもしれないが、どう取り入れるか、減少する中学校卒業生を県内の高校にそれぞれどう行ってもらうかについて、どのようなイメージをしているのか。
人口が東京に集中しているように、県内では、どうしても前橋や高崎、太田といった都市に人口が集中する傾向がある中で、小規模の9つの高校だけをどうしたらよいかという視点だけでなく、群馬県全体の人口問題として広げて見たときに、中学校の卒業生が3万人以上いたときから1万人位までになってしまうという状況の中で、事務局はどういうイメージを持っているかについて、教えていただきたい。
(事務局)
「高校教育改革推進計画」の12ページに、学校・学科等の適正な配置について記載があり、14ページからは、地区別の再編整備の方向が記載されている。現行の計画では、12ページの「取組の方向」(1)にあるように、前橋地区から桐生・みどり地区まで、県内を8地区に分けているが、更に、人口減少の状況の著しい藤岡・多野・富岡・甘楽地区を藤岡・多野地区と富岡・甘楽地区に、渋川・吾妻地区を渋川地区と吾妻地区に分けて、10地区での検討を行った。それぞれの地区で、中核となる普通科高校の整備やバランスの取れた学校、学科・コース等の配置に努め、各地区で、子供たちのニーズを充足できるように再編整備を進めてきている。全県一区であるので、地区間の移動は自由であるが、基本的には、地区別の再編整備をベースとしたのが現在の計画であると考えている。
(委員)
そういった意味では、9つの高校については、それぞれが所属するブロック、地区の中で、再編・統合を含めて、どういうふうに今後考えていったらよいかというイメージでよいか。
(事務局)
これまでの計画の中では、地区別に高校の適正配置を検討をしてきたが、小規模校として共通する課題等もあり、地区別に見る部分と県全体で見なければならない部分があると思う。全てを地区別の検討に還元することも難しいと考えている。
(委員長)
実際問題として、高校教育を見るというのは、社会の全ての要素に関わるので、本当に大変なことだと思う。
委員の皆さんは、いろいろなバックグラウンドをお持ちの方々であるが、高校教育の現場を知らない方は、例えばこれから統廃合するとしたときに、それが良いことなのか悪いことなのか、それがどういう効果を生むのかが分からないといったこともあるかと思う。我々の役割は、こういうことをやるとこういう効果がある、その一方でこういうマイナスがあるので、どういう考え方でどっちを選択すべきかということを議論することにあるのではないかと思う。
また、教育のテクニカルな問題は事務局や高校の先生方がよく御存知なわけであり、どういう教育をすればどういう生徒の反応があるかということも、先生方しか分からないことである。小規模校についても、生徒の思いや村の思いなど、いろいろな視点があり、そういったことを含めて広く議論するのがこの委員会の役割であると考える。
2回目からは、どういうことをやったらどういう問題があるかということを事務局から提示いただいた上で、どっちが正しい選択であるかを議論するといった進め方が、意見も出やすくてよいと考えるが、どうか。
(委員)
今、委員長から話があったように、個別の具体例の提示があって、その中で基準などを考えるときなどに、参考としてどのような意見がありますかと問われると反応しやすいと思う。例えば、同じ小規模校でも、地元の熱い思いがある学校もあるだろうし、どちらかというとそうではなくて、受験の偏差値ランクの下の位置にあることから、生徒が遠くから通っている学校もあるとするならば、同じ尺度で見ることはできない。
セレクトしていくという基準の考えが必要であるのならば、それに沿った形で事務局からの提示があると、意見を述べやすいと思う。
(委員長)
どう進めたらいいか、皆さんから御知恵を拝借いただけると有り難い。
(委員)
基本的には、ある程度、方向性があった方が選びやすいと思う。
小規模校の話について素人なりに考えていることをお話しすると、高校に1時間以上かけて通学する生徒は、全県一区の中では当たり前になっていると思う。そのことも踏まえた上で、小規模校が山間部にあって、どうしても「通学難民」になってしまう可能性があるのであれば、その高校は何としても残さなければならないし、スクールバスなどの代替措置を考えなければならないだろう。ただし、ここにある9校のうち、過半数の学校については統合できる可能性もあるのではないかと思う。定員引下げを行っていない2学級規模の高校に関しては、現在、定員の充足率は90%、100%であるが、今、60数校ある学校の中で、これから更に学級数を230まで、約2割、3割減らしていくとなったとき、結構シビアかつドライに、ここにいる人たちで大所高所から判断して行かざるを得ない面があるのではないかと思う。実行に移すとなると、いろいろな感情が地元や地域などから出てくると思うが、これだけ大きなことを10年間のビジョンの中で決めていくとなると、そういった判断も必要になるのではないかと思う。
(委員長)
時間となったが、委員長の力不足で、どういう視点、ポイントで、どう議論したかというまとめは難しい。これを踏まえて、2回目以降の進め方をもう少し考えていきたい。本日の御協力に感謝申し上げる。