群馬県立学校施設長寿命化計画の趣旨等
1 趣旨
- 少子化の進行により中学校卒業見込者の急減な減少が見込まれるため、学校規模の適正化及び適正配置等を検討していくとともに、特色ある学校づくりが必要となる。
- 従前の建替えによる更新では財政的な負担が大きいため、適切な維持保全を行い、既存施設をより長く効果的に使うことが重要となっている。
2 目的
- 学校施設の老朽化対策、教育環境の質的改善等を実施する再生改修及び予防保全による長寿命化を推進するとともに、ライフサイクルコストの縮減、財政負担の平準化を図る。
3 位置付け
- 群馬県公共施設等総合管理計画の「分野別・類型別計画」とする。
4 計画期間
- 平成29年度から平成38年度までの10年間とする。。
5 対象施設
- 県立の高等学校、中等教育学校及び特別支援学校を対象施設とする
学校施設の現状と課題
1 児童・生徒数の推移
- 高等学校等では減少傾向にあり、特別支援学校では増加傾向にあるため、教育的・社会的要求に応じて再編を行う必要がある。
2 学校施設の耐震化・老朽化の状況
- 耐震化改修を重点的に行った結果、平成27年度で耐震化改修は完了した。一方で、施設を保全するために行う計画的な修繕等への対応が遅れていたことから、早期かつ計画的な対策が必要となっている。
3 施設機能の不足
- 既存施設は高度成長期に建設されたものが多く、施設機能に不足も生じているため、社会的な要求に応じた整備も必要となっている。
学校施設整備の基本的な方針等
1 教育環境の確保
- 部位、部材ごとに行う工事では長期化を招き在校生への影響が大きくなるため、棟ごとに改修を行う大規模改修を実施していく。
- すでに施設機能に支障をきたしている部位、部材については、緊急的な対応工事を実施していく。
- 大規模改修工事が完了した時点で予防保全へ切り替え、計画的な更新・修繕を進めていく。
2 点検・改修履歴の整理・蓄積
- 点検・改修履歴をデータベース化することなどにより、より適切な改修工事を実施する。
基本的な方針等を踏まえた施設整備の水準等
1 改修等の整備水準
- 単に建築時の状況に戻すだけでなく、建物の耐久性を高めるとともに、社会的な要求に応じるための改修を行う。
2 維持管理の項目・手法等
- 施設の維持管理の基礎となる点検業務を重視し、事故や機能不全の恐れを早期に発見し、事後保全から予防保全への転換を図る。
長寿命化の実施計画
1 改修等の優先順位付けと実施計画
(1)劣化損傷状況等調査
- 平成25、26年に実施した劣化損傷状況等調査で判明した建物の現存率※を用いて、建替等の緊急度の判定を行う。
※建物の新築時に対する現存の価値を示す数値。新築時を100%とする。
(2)集約化と再編
- 中学校卒業生徒数は、今後10年間で15%程度減少すると想定されるが、教育環境の多様化から単純にその分の教室面積を削減することは困難である。
- 今後行われる高等学校の再編整備と共に、空き教室及び潜在的空き教室が生じている施設について、建物の集約化を図るなどして床面積の縮減を行っていく。
(3)既存施設の有効活用
- 状態は良いが今後の利用が見込めないといった施設について、他の用途への転用や機能の複合化を図り、既存施設のさらなる有効活用を行う。
(4)実施計画の策定
- 劣化損傷状況等調査の結果、地域別の均衡及び高校再編や縮減対象施設の検討などを、今後改修工事を行う上での優先順位として設定する。
- この優先順位を基に、10年間の年次計画を策定し、大規模改修を実施していく。
2 長寿命化の見通し及び効果
- 耐用年数ではなく、建物の老朽化の指標である現存率を参考に、建物の棟ごとに計画的に大規模改修を行っていくことで、財政負担の平準化及び軽減を図る。
- 現存率80%超を施設の適切な維持に必要な数値とし、これを保てるように、予算の範囲内で計画的に大規模改修等を実施していく。