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令和4年2月14日(月曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、益田裕充教育長職務代理者、竹内健委員、代田秋子委員、沼田翔二朗委員、河添和子委員
加藤隆志教育次長、村山義久教育次長(指導担当)、竹之内篤総合教育センター所長、内田善規総務課長、服部裕管理課長、木村勤福利課次長、鈴木佳子学校人事課長、栗本郁夫義務教育課長、天野正明高校教育課長、新井孝弘特別支援教育課次長、侭田浩一生涯学習課長、橋憲市健康体育課長、佐鳥秋彦総務課デジタル教育推進室長、吉澤隆雄総務課次長、齊藤克博総務課補佐(行政係長)、佐俣瑞穂総務課主幹
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は1名であることを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に益田委員を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第52号議案から第56号議案は議会に提出する案件であるため、第57号議案は附属機関の委員の委嘱に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(平田教育長)
始めに私から一言申し上げる。
まず新型コロナウイルス感染症に関する学校の対応状況等について報告する。当初、昨日2月13日までを期限として、本県の全域が適用されていたまん延防止等重点措置については、感染力が強いオミクロン株による感染の拡大が続いていること等から、3月6日までの3週間延長されることが、2月10日に国で決定された。
県立学校の対応については、感染リスクの高い教育活動を控えながら、原則として、通常登校を継続する。感染状況によっては、臨時休業等を検討するが、その場合、オンラインを活用した授業配信や面談を行うなど学習支援や生活支援を行う。また、部活動については、学校での感染拡大を防止するため、全国大会等を除き、休止を継続する。
次に、2月4日に知事から発表があった、令和4年度当初予算案について報告する。予算案は、総額8,187億600万円で、今年度比107%となり、新型コロナウイルス感染症対策経費の大幅な増加等により、平成20年度以降では最大の予算規模となった。このうち教育委員会関係予算については1,563億円となり、今年度比98.9%の微減となっている。
来年度の教育委員会関係の主要事業では、県独自に小1から中3の全学年で少人数学級編制を実施する「ニューノーマル GUNMA CLASS PJ(プロジェクト)」に引き続き取り組んでいく。また、ICTを積極的に活用して学習指導を行う教員を支援するため、小中学校に「オンライン学習サポーター」を配置する。このほか、伊勢崎地域特別支援学校再編整備や教育イノベーション推進体制構築に取り組んでいく。
前回の教育委員会会議以降の主な行事については、1月20日に開催された都道府県・指定都市教育委員研究協議会に、沼田委員及び河添委員にオンラインで参加していただいた。また、31日から2月1日に開催された全国都道府県教育委員会連合会第2回総会に、私と益田委員がそれぞれオンラインで出席した。
続いて、教育委員から意見や報告をお願いする。
(益田委員)
私は全国都道府県教育委員会連合会第2回総会にオンラインで出席した。新しい時代の学びの環境整備として、小学校における高学年の教科担任制の推進と35人学級の計画的な整備について、文部科学省から説明があり、各県の教育長及び職務代理者、あるいは教育委員の方々と協議を進めた。群馬県においては、既に高学年での教科担任制が推進されており、35人学級の計画的な実施も進んでいることを報告した。
(沼田委員)
私は、1月20日の都道府県・指定都市教育委員研究協議会にオンラインで参加した。第一部は文部科学省から行政説明があり、第二部はテーマ別に分かれて行われ、私は「学校における働き方改革と教職の魅力向上について」の分科会に参加した。
文部科学省から次年度の予算案の説明があったが、私自身が注目したのは「令和の日本型学校教育」の話である。これからの日本型学校教育をどうしていくのかが示されているが、平成、昭和の日本型学校教育はどんなものなのか、令和の日本型学校教育はどんなものなのかということを、私たちも改めて理解し、その方向に推進していかなければならないということを学んだ。
分科会では、働き方改革の話があった。働き方改革に関しては、群馬県では、教職員の多忙化解消に向けた協議会において、様々な議論をされてきたと理解している。先月、長時間勤務についての調査結果や、協議会からの提言について話を伺った。先週末だったと思うが、上毛新聞にも協議会のアンケート結果が掲載されていた。群馬県においては、持ち帰り業務の部分が非常に大きく、解消していかなければならないということも、グループ協議の中で話をした。全国的に人手不足が叫ばれている中、働き方改革を推進していきながら、教職の魅力向上に努めていくことがますます重要になると感じている。
(平田教育長)
働き方改革は喫緊な課題である。先生方が生き生きしなければ、子どもたちは生き生きできないし、また、若い世代が先生になろうと思わなくなってしまう。他の都道府県から、取組や問題点について意見があったか。
(沼田委員)
グループ協議の中では、校種別の特徴があるということを整理した。小学校、中学校、高校、特別支援学校の、それぞれがどこに課題を抱えているのかということを冷静に分析しなければならないという話があった。
栃木県では、多忙化解消の推進に関してモデル校事業を実施しているという話があった。その報告会が、協議会の一週間後くらいにオンラインで開催されるという話を聞き、私も参加した。栃木県では、校種別にモデル校を決めて業務改善を行い、そのノウハウを横展開するという取組があったと聞いている。
(平田教育長)
働き方改革のモデル校を校種別に決めているということである。是非また情報共有していただきたい。
(河添委員)
私も都道府県・指定都市教育委員研究協議会に参加した。とても有意義で、楽しく研修会に参加させていただいた。沼田委員の報告と重なる部分もあるため、特に印象に残ったところを報告する。
行政説明では、「令和の日本型学校教育」の構築という中で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」に至った経緯の説明があったが、この二つが学ぶ側から見た学校教育として構築されているということが、ストンと自分の中に落ちた。
特に、改革の方向性の「履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる」の項目に、「個に応じた指導等に対する寛容さ等の特徴があるが、集団としての教育の在り方が問われる面は少ない」という点について、具体的な説明はなかったが、おそらく個別最適な学びを突き詰めていく中で欠かせない、集団として伸びていこうとする中にある目に見えない安心感や有用感、学びに向かう力に関わる集団力、それから、教師と子ども、子どもたち同士のよい関わり、そのようなものを伸ばすためには、教科指導力だけではなく、学級経営力や生徒指導力がとても大切であるということを改めて実感した。個別最適な学びやICT、リモート学習、教科担当制で、今までの集団力やチームで伸びようとするプラスアルファの部分が減ることがないようにやっていくことが必要ではないかという感想をもった。
分科会では、沼田委員と別のグループであったが、私も働き方改革に非常に興味、関心が高かったので、「学校における働き方改革と教職の魅力向上について」の分科会に参加した。各グループに文部科学省の担当官がファシリテーターとして入っており、とても有意義な時間となった。
特に、私のグループでは、部活動が教員の働き方改革の一丁目一番地というところで、ポイントを絞った話をした。その中で、文部科学省の担当官から、「土日にせっかく部活動指導員がいるのに、教員が出勤している状況があるのか。」という質問があった。私は小学校に勤めていたので、本当のところは答えられなかったが、まだまだ土日に教員が出勤している状況があるのではないかということを各県、指定都市の教育委員が答えていた。文部科学省の担当官も、これには驚いており、我々の感覚とずれているのではないかという感じがあった。
どの教育委員からも、部活動については学校から切り離し、完全に地域スポーツに移行していかなければ、教員の負担や、責任感から土日に出勤する状況は変わらないことを考えると、より進んだ対策が必要になってくること、解決に向けて是非国からメッセージを出していただきたいという意見が出た。文部科学省の担当官からは、検討していくという力強い言葉をいただいた。
その後も教職の魅力について話し合ったが、部活動を中心に話していたため、例えば「部活動は学校ではなく社会スポーツとなりました」というメッセージを発信することで、教職の希望者が倍増するかもしれないという意見もあった。
(平田教育長)
部活動指導員については、まだまだ数が足りていない部分や、各大会の規定などがある。
(健康体育課長)
部活動指導員は中学校に配属している。河添委員がおっしゃるような形で、平日の指導からの継続で、土日も部活動指導員だけではなく、顧問の先生も一緒に関わっている実態がある点については認識している。
地域部活動への移行については、令和5年度から段階的に進めていくという国の方針が出ているため、本県としても部活動運営の在り方検討委員会の中で検討しているところである。明確な方針はまだ出ていないが、着実に進めていかなければならないという認識で取り組んでいる。
(平田教育長)
中学校の教員の勤務時間が長い理由の一つに部活動があることは承知している。
それでは、関係所属長から報告をお願いする。
義務教育課長、みどり市教育委員会教育長から、公立小学校、公立中学校の廃止及び義務教育学校の設置について届出があったことを、資料1により報告。
義務教育課長、甘楽町教育委員会教育長から、公立幼稚園の廃止について届出があったことを、資料2により報告。
資料3別紙 「ハーモニー」リーフレット(PDFファイル:579KB)
義務教育課長、本県における外国人の子どもたちへの教育実践を共有し、県内どの地域でも活用できるポータルサイト「ハーモニー」を更新・充実させることについて、資料3により報告。
高校教育課長、令和4年1月31日に行われた令和4年度公立中等教育学校入学者選抜の結果等について、資料4により報告。
高校教育課長、令和3年度の県立高等学校、県立中等教育学校、県立特別支援学校の卒業式の期日について、資料5により報告。
高校教育課長、令和5年度の県立高等学校、県立中等教育学校、県立特別支援学校の入学者選抜日程及び令和4年度フレックススクール秋季入学のための入学者選抜日程等について、資料6により報告。
(益田委員)
ぐんまの外国につながる子供たちの学び応援サイト「ハーモニー」について、大変素晴らしい取組を提示いただいた。かつて、群馬県の外国につながる子どもたちは、散在地域が非常に多く、実際にその散在地域にどのようなことができるかということが、大きなテーマであると聞いた。それに対して、どう進めていけばいいのかを考えたことがあったが、今日提示いただいたことは、まさにその課題に答えていると思い、感服した。
また、先日行われたぐんま教育フェスタにおいて、長期研修員の皆さんの大変素晴らしい研究発表を伺った。長期研修員の研究成果も、この中に取り入れられているということである。一つの積み上げてきたものが、この中に集積されていると感じた。
(竹内委員)
「ハーモニー」の対象は、何年生くらいを想定しているか。
(義務教育課長)
基本的には、教員が指導するための資料として、教員向けに作成している。また、進路ガイダンス動画は、中学生とその保護者を対象にしている。特に、進路ガイダンス動画は、幅広く多くの外国人の方に見ていただき、理解していただきたいと考えている。学校はもちろん国際交流協会にもアピールをして、いろいろなところで活用してもらえるように、今後周知していきたい。
(竹内委員)
ある程度の年齢に達していないと、よその国の言葉は難しい。我々が外国に行ったとき、この国はどういう国であるのか、わからないまま行く。従って、この中で、日本というのはこんな国であるとか、日本人はこんな特徴があるということに、触れてもらえるとありがたいと思う。日本人に話しかけても近寄ってきてくれないと思うことがあっても、日本人は恥ずかしがり屋だということが一言あれば、理解されると思う。そういった日本人の特徴にも触れてもらえるとよい。
(義務教育課長)
日本全体についての紹介のようなものは扱っていないが、日本の教育制度や、小学校や中学校でどういうものが必要かということについては、多言語で作成したものがある。今回は、それを進路面についても作成したものである。
(代田委員)
「ハーモニー」についての感想である。日本人と外国人、誰もが見てもわかりやすい内容で、また、進路ガイダンスについても、共通の認識を持ち、これまで曖昧だった情報も正確に把握できると思った。
また、県立学校の卒業式については、まん延防止等重点措置の適用期間中ということもあり、例年通りとはいかない面もあると思うが、盛大に行うことができればよいと思う。
(高校教育課長)
このところ縮小して開催しているが、できるだけ盛大に行うことが望ましい。各校が実態に合わせて工夫して行うことになっている。
(平田教育長)
今回の卒業生は、高1の最後の時期から二年間我慢してもらった学年になる。できるだけ盛大に送りたいと心から願う。
(沼田委員)
「ハーモニー」については、私も本当に素晴らしい取組だと思う。その外国ルーツの子どもたちが取り残されないような教育環境を作るということが、結果的に日本人の子どもたちが取りこぼされないということにも繋がると思っている。この対象は、ぐんまの外国につながる子どもたちであるが、その波及効果は計り知れないと思う。
その上で一つ質問がある。この素晴らしい取組を進める立場から、もっとこういうことをしたいとか、実は困っているけれども手打ちがないというようなものがあればお聞かせいただきたい。
(義務教育課長)
サイトについては周知をして活用したいと考えているが、外国人の子どもの日本語指導や学校対応というところは非常によくできるようになってきているので、キャリア全体を見通した中で、子どもたちがもっと先を読めるようなアドバイスなどをできればいいと考えている。
(沼田委員)
そういった面で言うと、今は小学校、中学校での取組になっているが、これから高校の段階に関連していくという理解でよろしいか。
(平田教育長)
高校の入試のところまできているので、当然その後の高校ということも考えられるかと思うが、例えば、ここに何かコンテンツが足されるということや、あるいは高校教育課として何か考えていることがあるか。
(高校教育課長)
今後検討していきたい。
(沼田委員)
県立学校の卒業式に関連して、要望と意見がある。
群馬県においては、男女別の名簿としている高校が、約3割あるという話だったと思う。そう考えると、卒業式のような公式な場において、男女が別に並ぶ学校が3割を占めるというイメージになると思う。3週間後に迫った卒業式や、既に3年間男女別名簿で過ごした学校においては、すぐに変えることはできないとは思うが、次年度以降、公式な場においても、男女別名簿ではなく、混合名簿にしていく取組を推進してほしいと強く思う。
混合名簿にする理由は、性的マイノリティの子どもたちに配慮するという観点ももちろんあるが、ジェンダー平等を実現するために、男性が優位で女性が下位というような無自覚な構造を変えていくには、日常的に使う名簿から変えていく必要があると思っている。もちろん、運営都合上、例えば体育や修学旅行、有事の際に男女を別にすることはあってしかるべきだと思うが、平時において、混合名簿をスタンダードにしていくことは必要になってくると思うので、卒業式に関連して検討いただければ大変ありがたい。
(平田教育長)
高校教育課では、基本的には混合名簿にしていく流れであるという理解でよいか。
(高校教育課長)
混合名簿が増えてきているので、今後も働きかけをしていきたい。
(義務教育課長)
小中学校についても混合名簿になってきている。ジェンダー平等の趣旨を踏まえ、混合名簿について周知している。
(平田教育長)
男の子が前で女の子が後というのは、私の年代では当然のことであった。ただし世の中は変わっていくので、無自覚のうちに男女を分けるということが与える影響は小さければ小さいほどよいと思う。混合名簿にしないことのやりやすさはあると思うが、学校の考えを尊重しながら、平時においては混合名簿とするということを基本的な方針としていく。
(河添委員)
「ハーモニー」がやはり素晴らしいと思う。これだけ温かく計画的で、そして分かりやすくしてもらっているので、是非見てみたいと思う。
益田委員からも話があったが、私も先日の長期研修員の発表を聞いた。市町村教員委員会の皆さんから「ぐんまのかけはし」を早くアップしてほしいという要望が多くあった。皆さんのニーズに寄り添って開発した皆さんに本当に感謝をしたい。
一点質問したい。「ぐんまのかけはし」は、長期研修員と指導の方が作成されたものなのか、ある程度県が関わりながら開発されたものなのか教えてほしい。
(総合教育センター所長)
昨年度からの引き継ぎを受けるとともに、義務教育課等と連携を図りながら、指導主事と一体になって作成にあたってきた。
(平田教育長)
総合教育センターの長期研修については、一年間をかけて、県全体の子どもたち、県全体の教員のためにという視点がはっきりとしていて、素晴らしい研究がたくさんあった。「ぐんまのかけはし」も本当に素晴らしかった。
以上で教育長事務報告を終了する。
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
管理課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
管理課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
生涯学習課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時42分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。