群馬県では、子どもの貧困や貧困の連鎖の解消に向けた効果的な施策につなげることを目的に、県内の子ども及びその保護者に対して実態調査を実施しました。このたび、調査結果をとりまとめましたので公表します。
1 調査結果報告書 公表URL
https://www.pref.gunma.jp//page/646882.html
2 調査の目的
群馬県内の子ども及びその保護者に対して意識や行動の調査を行い、経済的な困窮等が子どもの生活や成長、保護者の生活や意識、行動に与える影響等を明らかにすることにより、子どもの貧困又は貧困の連鎖の解消に向けた効果的な施策につなげることを目的とする。
3 調査の概要
- 調査対象:群馬県内の中学2年生とその保護者(対象40校)
- 調査方法:中学校経由でアンケート票を配布・回収(Web回答又は用紙で回答)
- 調査期間:令和5年12月11日~令和6年1月19日
- 回答率:下表のとおり
回答率
対象 |
配布数 |
回収数 |
回収率 |
有効回答数 |
有効回答率 |
中学2年生 |
1,140 |
1,007 |
88.3% |
998 |
87.5% |
保護者 |
1,140 |
857 |
75.2% |
848 |
74.4% |
4 調査・分析結果の概要
- 世帯収入の水準や世帯の状況(親の婚姻状況)によって、子どもの学習・生活・心理など様々な面が影響を受けていた。
- 特に、収入が低い水準の世帯(等価世帯収入が「中央値の2分の1未満」の世帯)やひとり親世帯が親子ともに多くの困難に直面している。ただし、等価世帯収入水準が「中央値の2分の1以上だが中央値未満」の、いわば収入が中低位の水準の世帯でも、多様な課題が生じていた。
- 収入の水準が低い世帯やひとり親世帯では、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、同感染症流行前と比較して生活状況がさらに厳しくなっている可能性がある。
5 主な調査項目
(1)収入の状況
- ひとり親世帯のうち87.1%、母子家庭のうち87.7%の世帯で収入が中低位の水準にある。
- 特に、母子家庭の半数以上で収入の水準が「中央値の2分の1未満」に該当している。
等価世帯収入の水準
(2)保護者の状況
・収入の水準の低い世帯やひとり親世帯ほど暮らしの状況が厳しい傾向にあるほか、心理的に不安定であると自覚する者の割合が多く、また生活への満足度も低いなど、世帯収入の水準や世帯の状況により、多くの項目で影響が見られる。
(3)子どもの状況
- 収入の水準の低い世帯やひとり親世帯ほど、成績については「下のほう」、「やや下のほう」との回答割合が高い。また、進学を「高校まで」と考える理由として「早く働く必要がある」との回答が、「中央値の2分の1未満」の世帯やひとり親世帯で割合が高く、経済的理由で希望する進路を断念せざるを得ない等、将来の進路への影響が懸念される。
- 保護者の状況と同様に、子どもにも世帯収入の水準や世帯の状況により、多くの項目で影響が見られる。
報道提供資料 (PDF:360KB)