本文
湯浅一郎(1868-1931)は、安中の醤油味噌醸造販売を営む有田屋に生まれ、まだ西洋画が珍しい時代に山本芳翠や黒田清輝に学んだ本県を代表する洋画家です。
湯浅の《水鏡》は、師である山本芳翠の影響が強く表れた初期の代表作で、明治時代の日本洋画の作例として美術史的にも大変貴重な作品です。昭和2年以降所在が分からなくなり、長い間、戦火で焼失したと考えられてきましたが、このたび思いがけず、個人のコレクションから95年ぶりに発見されました。所蔵者の厚意により《水鏡》が群馬県立近代美術館に寄託されたことから、現在のコレクション展示で初公開しています。
あわせて《水鏡》と一緒に発見された《大原女》と、令和3年度に寄贈された《早春の風景》も初公開しています。
令和4年11月13日(日曜日)まで
群馬県立近代美術館 展示室2
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
月曜日
一般 300(240)円、大高生 150(120)円
※( )内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障がい者手帳等をお持ちの方とその介護者1名、群馬県民の日(10月28日)に観覧される方は無料
湯浅一郎《水鏡》1894年頃 油彩・カンヴァス 90.5×69.7センチメートル 寄託作品