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第33回群馬県行財政改革評価・推進委員会
開催日時
令和5年7月14日(金曜日) 10時00分~11時40分
場所
Web会議
出席者
佐藤徹委員長、木村委員、塚本委員、堀口委員、本木委員(5名) (欠席:新井委員、佐藤英夫委員、西部委員)
県側出席者 知事戦略部メディアプロモーション課3名、知事戦略部業務プロセス改革課4名
次第
- 開会
- あいさつ
- 議事
(1)前回委員会指摘事項への対応状況報告
(2)行財政改革大綱および群馬県庁DXアクションプラン令和4年度実績について
(3)個別テーマの審議
日本最先鋭のコンテンツ創出力と独自のメディアミックスを駆使した情報発信
(動画・放送スタジオ、ホームページ、SNS、テレビ、出版物等の活用及び分析等) - 閉会
議事概要(主な意見等)
1 前回委員会指摘事項への対応状況報告
業務プロセス改革課から資料1により説明。
主な意見等
(新井委員(欠席のため事前受領))
ICT職座談会でテレワークの実施状況やワークライフバランスに関する質問が多く出たということであれば、一定の手応えが得られたと考えられる。寄せられた質問は、FAQ(よくある質問と回答)にまとめて採用関連サイトに掲載するとよいのではないか。
Web会議の開催に関して、高機密の個人情報の取り扱いが必要であることは理解できるが、どの会議がそれに該当するのか、オンライン開催せず現状維持でいくための理由に使ってしまっていないかの見極めが必要。紙資料でも紛失等のリスクはある。安全な環境でオンライン開催できる環境の提供とリテラシーの向上に加え、対面・紙の使用によるリスクについても適切に認識・比較の上で開催方法の判断をしていかれることを望みたい。
(業務プロセス改革課)
Web会議の困難理由については委員ご指摘の点も踏まえて具体的に把握をしていきたい。
(堀口委員)
Web会議の開催困難理由として「セキュリティー上のリスク」と記載があるが、どのような事例を想定したものか。
(業務プロセス改革課)
会議において、高機密の個人情報、例えば戸籍謄本、生活保護受給の記録、個人の病状記録等を資料として取り扱う場合がある。対面会議では、会議後に配布資料の回収を行っているが、Web会議では電子ファイル形式で資料を配布することになるため、確実な回収ができないことを懸念している。
(堀口委員)
新井委員も指摘していたとおり、紙による資料配布にもリスクはあるため、それを踏まえて判断していただくとよい。
(佐藤徹委員長)
個別のケースについては深く掘り下げた検討が引き続き必要と思われる。事務局においては様々な事案を踏まえて方向性を打ち出していただきたい。
ICT職との座談会を開催して現状と魅力を伝えたとのことだが、具体的にどのような点を魅力として伝えたのか。
(業務プロセス改革課)
県のICT職としてこれまでとは異なる角度から仕事に携わることで新たな発見があることや、ワークライフバランスの観点のメリットを打ち出した。
(佐藤徹委員長)
座談会はよい取り組み。魅力の部分をうまくアピールできると先につながっていくのではないか。
2 行財政改革大綱および群馬県庁DXアクションプラン令和4年度実績について
業務プロセス改革課から資料2により説明。
主な意見等
(新井委員(欠席のため事前受領))
テレワーク・時間削減・有給の取得などは、上層部から取り組まないことには組織内に変化は起きない。また、効率化の積み重ねだけでは早く帰れるように、休めるようにはならない。一斉ノー残業デー等は形骸化しやすい仕組みであるが、人によって曜日を変え、週に2日は定時で帰る、定時で帰れるような声掛けをする役割も曜日ごとに持ち回りでする、等の仕組みは効果があることが多い。「働き方」というテーマにもう一歩踏み込んで良い段階なのでは無いか
(業務プロセス改革課)
一人一人の働き方の考え方について、直属の上司などが働きかけて、例えば週2日は定時で帰るなど、実践として取り入れていく必要があると感じた。
(堀口委員)
テレワークの週平均取得日数の実績が目標に対してかなり低い数値となっている。民間では、新型コロナが落ち着いて以降、顧客向け会議は対面に戻りつつあるが、社内やパートナーとの会議は引き続きオンライン開催の傾向にある。県においてはどのような状況か。
(業務プロセス改革課)
昨年度県庁ネットワーク更新を行ったことにより、パソコンを持ち帰り自宅回線から庁内システムに接続して在宅勤務を行えるようになった。今年度の第一四半期は在宅勤務の実施者も前年度比2倍強に増加しており、新型コロナ収束の影響は少ないと考える。
部局ごとのテレワーク実施者割合を確認すると、高い部局は65%、低い部局は20%を切る状況と、かなりの差が開いている。低い部局についてもテレワークを広げられる余地があると考えており、個別に意見交換や投げかけを行い、テレワークを推進していく予定。そういった取り組みを通じて働き方改革を進めていきたい。
(堀口委員)
ICT職の内定辞退者の話があったが、どのような理由で辞退されたのか。
(業務プロセス改革課)
給与面の理由であった。
(塚本委員)
デジタル化推進等による省力化時間について、16万時間、412%も達成されている。職員にデジタル化の効果をアピールするためには時給換算するのも有効ではないか。
また、紙の使用量の削減は、DXのみならずGX・SGDsの面でもよい取り組みであり、アピールをしていくとよいと思う。
(業務プロセス改革課)
時給換算については、職員への働きかけの方法として参考にしたい。紙の使用量の削減は、コピー機の台数を減らす観点からの検討も始めている。今後、さらに進めていきたい。
(木村委員)
キャッシュレス決済対応窓口の追加について、具体的にどのような支払いの手続を想定したものか。私事であるが、娘の県立高校の受験料支払のために県の証紙での納付が必要で、平日の昼に指定販売所に出向いて購入しなくてはいけなかった。このような部分もキャッシュレス化が進むとよい。
(業務プロセス改革課)
委員のおっしゃるような、受験料や証明書発行のための手数料で県証紙を購入していただくものを想定している。証紙の減少や廃止に向けたためのステップとして、まずはキャッシュレス決済できる窓口を作って支払をキャッシュレスで行い、その後の手続を進めていただく想定である。ぐんま電子申請システムではペイジーが利用できるが、より広い決済手段を使えるように、様々な手続きのキャッシュレス化をさらに進めていきたい。
(佐藤徹委員長)
キャッシュレス決済対応はまだまだ道半ばで、やるべきことがたくさんあると思われる。
3 審議テーマ「日本最先鋭のコンテンツ創出力と独自のメディアミックスを駆使した情報発信」
メディアプロモーション課から資料3により説明。
審議の観点
- tsulunosの県民認知度向上の方策
- 効果的なメディアミックスの手法
- 映像による情報発信の有効性
主な意見等
(新井委員(欠席のため事前受領))
動画の再生回数は令和4年に大きく伸ばせたことが見受けられるが、何が効果的だったのか。
(メディアプロモーション課)
令和2年度及び令和3年度はtsulunosの再生回数のみが計上されているが、令和4年度以降は「ぐんまちゃん」のような独立チャンネルの再生回数も計上しており、その分の回数が増加している。とはいえtsulunos単体でも令和4年度927万回再生されており、前年度に比べて300万回近く増加している。
(堀口委員)
tsulunosは自治体のチャンネルとして、チャンネル登録者や視聴数においてかなり上位の実績となっており、すごいと感じている。その上で気になる点を2つ申し上げたい。
1点目として「tsulunos.jp」については、YouTubeチャンネルのコピーコンテンツのような内容であり、このサイトがそもそも必要なのかが気になった。
2点目としてtsulunosの認知度向上を目標にされているが、そもそもtsulunos自体の認知度が向上する必要があるのか疑問である。どちらかといえば、媒体を通して県民に対して適切な情報を伝えることや、県外の方に群馬県の魅力が伝わることの方が重要だと思う。認知度を目標設定するのが適切なのか疑問に感じた。
(メディアプロモーション課)
我々としてもtsulunos.jpについては悩んでいるところである。もともと、tsulunosに防災・保健福祉・観光プロモーションなど様々なコンテンツが混ざっており、多くのコンテンツから求めるものを探しやすくために構築したサイトである。整理は行ったが、それでも使い勝手があまりよくない状況である。
(堀口委員)
とにかくコンテンツの量を増やしていこうという方向性は正しく、今は混在していてもよいと思う。ただ、ユーザー視点で考えると、コンテンツがごちゃごちゃしていると、チャンネル登録の動機が減少する。コンテンツを整理したほうが良いと思うが、tsulunos.jpが最適な手段かは疑問である。
他のYouTubeチャンネルを見ても、サブチャンネルを作成して内容の棲み分けを行うのが一般的であり、独自のサイトを作る例はあまり見たことがない。tsulunos自体の説明サイトはあってもよいと思うが、YouTubeと同じ内容を更新していくと、コピーコンテンツとみなされSEOからの評価も低くなり、運用コストに比較して効果が薄いのではないか。
(メディアプロモーション課)
堀口委員ご提案の方法も一つのやり方と考えている。これから検討を進めて結論を出していきたい。
tsulunosの認知度向上については、名前やスタジオ自体の認知度を上げるというよりも、群馬県の情報を知りたいときに、県のホームページを見るのと同様に、動画で調べるきっかけとして群馬県の公式YouTubeチャンネルを見てもらいたいという思いである。
(塚本委員)
大変な力作であり、職員一人一人がクリエイターになる研修を行い、発信力向上の素晴らしい体制を作っておられるところに感心しながら拝聴した。すでに取り組んでおられることかもしれないが、気づいた点を2点述べたい。
まず認知度については県民のみならず、日本全国と両方を取ってみてもよいのではないかと思った。他県や他の地域など世の中で話題になると、逆輸入のように、県民の方もすごく格好いいものがあるんだなと認識するきっかけになるのではないか。
また、群馬県の情報を知りたいという方々だけではなく、関心事ややりたいこと、例えば、「ダム」や「ブルーベリー狩り」等の様々なキーワードでネット検索をする人もいると思う。そういう人たちにも訴求できるよう、キーワードを加えると、結果的にtsulunosにたどり着き、さらには群馬県への来訪者を増やすことにつながるのではないか。
(メディアプロモーション課)
YouTubeは県境や国境に関係なく一気広まっていく部分があるため、県民に寄り添った情報と共に、群馬県をブランドリフトして行く情報も当然必要である。県外の方にとってはいかに面白いか魅力があるかが、視聴動機に繋がると思う。面白いものを作って再生回数が回ると群馬県自体のブランドが上がっていくと考えているので、何を作っていくかを、高度化事業で挑戦して行きたい。
(堀口委員)
今後、県職員以外も群馬県のコンテンツを作って自発的に群馬のプロモーションをできるような環境にするのも一つの方法かと思う。YouTubeの動画を県のいろいろな施設で撮ってもらったり、申請手続きを簡略化してすぐに作れるようにしたりすれば、いろいろな方が作ってくれるのではないかと思う。前橋の臨江閣は爆破シーンが撮影できる数少ない重要文化財と聞いていて、うまくPRすることで撮影での利用も増えるかもしれない。そのように自由度を高めてコンテンツを作れる環境を醸成するのが良いかと思う。
また、短期的に数字がとれるコンテンツはやはりある程度リスクが伴うものになってくると思う。ガイドライン整備の中でリスク許容度をどの程度に設定するかも考えるとよい。
(佐藤徹委員長)
tsulunosの活用によるローコスト化の説明があったが、イニシャルコスト・メンテナンスコストを含めてどう考えているのか。どのスパンで見るかによってコスト削減の評価が分かれるかもしれないが、担当部局としての現時点の評価を教えてほしい。
また、堀口委員からも指摘があったとおり、県民認知度向上を目標にするのかは、考え方が分かれるところかと思う。また、再生回数を上げる面白いコンテンツを作るだけではなく、県の総合計画等の重要政策をしっかりと県民に伝えて理解を深めていただくことも一方で重要なことと考える。各部局で総合計画の施策を担当していて、これだけ動画に対する職員のスキルアップが図られているのであれば、今申し上げた両面からアプローチして行くということも考えられる。まだまだtsulunosには伸びしろや可能性があると期待している。
(メディアプロモーション課)
立ち上げまでの数字は今手元に資料がないが、tsulunosの運営費は、開設当初からほぼ年間1000万円程度で運営している。内訳は機器の修理、軽微なメンテナンス、アナウンサー職員の雇用費である。
tsulunos開設前は、内容にもよるが、動画作成1本あたり約30万円~50万円、多いものでは100万円程度の予算を要していた。芸術性の高いもの、遺跡撮影・空撮等の特殊技術が必要なものは今後も外部委託を予定しているが、それ以外は、職員が自作できるため、人件費はかかるものの、全体費用削減につながっていると考えている。
tsulunosの認知度については、ぐんま広報と同程度まで高めたい願望はあるが、まずは基礎固めとして再生回数向上に尽力して行きたいと考えている。総合計画について、tsulunosのショート動画で紹介したり、担当部局と連携したりしながら進めたい。
参考:配布資料
資料1 前回委員会指摘事項への対応状況の御報告 (PDF:528KB)
資料2 行財政改革大綱および群馬県庁DXアクションプラン令和4年度実績について (PDF:550KB)
資料3 日本最先鋭のコンテンツ創出力と独自のメディアミックスを駆使した情報発信 (PDF:1.73MB)