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ノロウイルス感染症について
ノロウイルスとノロウイルス感染症
ノロウイルスは、感染性胃腸炎を引き起こすウイルスのひとつです。
ノロウイルスによる感染症は一年中発生しますが、特に冬期に多く発生します。
また、人が集まる場所や家庭内で流行することが多い感染症です。
食品従事者がノロウイルスに感染していると、食品や食器などを介した食中毒を発生させることがあります。
衛生環境研究所の検査では、ノロウイルスは、多くの患者のふん便1g中に約20億個、おう吐物1g中に約2000万個存在していました。
ノロウイルスは感染力が強く、感染はわずか100個程度のノロウイルスで成立するといわれています。
また、症状が消えた後も1週間程度、時には1ヶ月ほどノロウイルスが排出されていることがあります。
このため、ふん便やおう吐物の処理に注意する必要があります。
どんな病気?
主症状は吐き気、おう吐、下痢および腹痛で、子供から高齢者まで全年齢で発症します。潜伏期間は12~48時間です。
特に、嘔吐は突然、急激に強くおこることが特徴です。乳幼児や高齢者ではおう吐が、成人では下痢が強くあらわれます。
通常、症状は1~2日続いた後に治癒しますが、時に脱水やおう吐物を喉につまらせることによる窒息など、重度の健康被害に陥る場合があります。
症状がある場合は、医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
また、施設内の集団発生や食中毒などが疑われる場合は、最寄りの保健所に連絡してください。
ノロウイルス感染症の拡大を防止するには?
手洗い・うがいの励行
ノロウイルス感染症は、患者のふん便またはおう吐物に含まれるウイルスによってヒトからヒトへと感染がおこります。
そのため、予防には、手洗いやうがいを日常的に習慣づけることが大切です。
食事の前や排泄の後には、石けんと流水で特に丁寧に手を洗いましょう。その際、手拭き用タオルを共用してはいけません。
上手な手の洗い方はこちら:手洗いをしましょう
ふん便やおう吐物の適切な処理
患者のふん便やおう吐物には大量のノロウイルスが存在しますが、感染はわずか100個程度で成立するといわれています。
症状が消えた後も1週間程度、時には1ヶ月ほどノロウイルスを排出していることがあります。
また、ノロウイルスは、乾燥すると容易に空中に漂い、これらが口に入って感染することがあります。
ふん便やおう吐物は速やかに処理し、乾燥させないことが大切です。
おう吐物の処理方法はこちら:おう吐物の処理方法
施設の消毒
手すり、ドアノブ、机、イス、引き出しの取っ手、蛇口など、患者が手を触れそうなところを定期的に消毒しましょう。
浴槽水などの管理
患者は、浴槽に入る前に体をよく洗いましょう。
下痢をしているときは入浴を控え、シャワーにしましょう。
リンク
- ノロウイルス感染症について(国立感染症研究所)<外部リンク>
- 感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について(厚生労働省)<外部リンク>
- ノロウイルスによる食中毒・感染性胃腸炎に注意しましょう
- 感染性胃腸炎について
- 手洗い方法
- 嘔吐物の処理方法
- 施設や家庭でできる感染性胃腸炎対策 ~嘔吐物処理の手順~ (Youtube)<外部リンク>