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嘔吐物の処理方法

更新日:2024年12月4日 印刷ページ表示

感染性胃腸炎を起こすノロウイルスや病原性大腸菌などは少量でも感染し、嘔吐や下痢を発症することがあります。
周囲の人が感染しないよう嘔吐物があった場所は消毒しましょう。

リーフレット(嘔吐物の処理方法) (PDF:1.38MB):嘔吐物の処理方法が裏表1枚で印刷できます

施設や家庭でできる感染性胃腸炎対策 ~嘔吐物処理の手順~ (Youtube)<外部リンク> :嘔吐物処理手順を動画で御覧いただけます。

自分と周りの人が感染しないためのポイント

  • 個人防護具を正しく使う​
  • 嘔吐物を広げないようにふき取る
  • 嘔吐物があったところを消毒する
  • 作業後に石けんで手を洗う

あらかじめ準備しておくもの

 ガウン、エプロン、マスク、手袋、シューズカバー、次亜塩素酸ナトリウム、希釈用バケツ、計量カップ、古タオル、古新聞、ゴミ袋、ゴミ箱の画像

  • いざという時にあわてないよう、必要物品はまとめておき、複数セット準備しておく
  • 保管場所は職員間で情報共有する
  • 濃度が下がるのを防ぐため、次亜塩素酸ナトリウムは冷暗所で保存する
  • 作業中に破損した場合に備え、個人防護具(特に手袋)は多めに準備する
  • 定期的に中身を確認し、消毒薬の使用期限が切れていないか、個人防護具が劣化していないかを確認する

誰かが嘔吐してしまったら

  • 周囲の人を離れた場所へ移動させる
    =病原体に曝露させない
  • 嘔吐物を古新聞などで覆う
    =病原体を飛散させない
  • 窓を開けて換気する
    =空気中に漂っている病原体を減らす
    (消毒剤の塩素臭がきついので換気して作業する)
  • 嘔吐した人に対する対処を行う

※嘔吐物は半径2メートル程度周囲に飛散している可能性があるため、ビニールひもなどで目印をつけておくとよい
 汚染区域と清潔区域の境界にビニールひもなどで目印をつけておく画像

処理方法(2人1組で作業する場合)

嘔吐物を処理する人(処理者)と作業を補助する人(補助者)の2名で対応すると効率的です。

1. 個人防護具(ガウンまたはエプロン、マスク、手袋、シューズカバー)を身に着ける
 ​※消毒薬が飛散した場合に備え、補助者もエプロン、マスク、手袋をつける

  • 長い髪はまとめる
  • エプロンのひもは後ろで結ぶ
  • 指輪や腕時計は外す

 ​個人防護具を身に着けた画像

2. 0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液を調製する
 消毒薬の調製方法
 希釈用バケツ、計量カップは専用にし、必要な液量に応じて、あらかじめ線を引く画像

3. 古タオルなどをビニール袋に入れ、消毒薬をしみ込ませる
​ ※補助者は汚染区域の外で作業する
 古タオル等に消毒薬をしみ込ませる画像

4. 廃棄用容器(バケツ・段ボール箱など)にビニール袋をセットする
 ※​段ボールをゴミ箱代わりにすると、箱ごと捨てられて便利
 段ボール箱にビニール袋をセットする画像

5. 作業しやすいように必要物品を配置する
 嘔吐物を入れるビニール袋は口を広げておき、消毒薬をしみ込ませた古タオルなどを配置する画像

6. かぶせてあった新聞紙を用いて嘔吐物を取り除く
 作業しづらい場合はペットボトルを使って新聞紙の上から0.1%次亜塩素酸ナトリウムをかけてもよい画像

※汚染を広げないように外から内へ向かって拭く
 拭いたら戻らない
 一方通行で拭く画像

7. ふき取ったら近くに置いたビニール袋に捨てる
 ビニール袋に捨てる画像

8. ゴミ袋の口を閉め、ゴミ箱に捨てる
 袋の中の空気を勢いよく抜かないようにし、汚染区域から出ないようにしてゴミ箱に捨てる。袋の空気を勢いよく抜くと、病原体が出てくる可能性があるため危険。画像

9. 処理者は手袋を交換する
 手袋を裏返しに外して捨てる。補助者は汚染区域の外にビニール袋を敷き、新しい手袋を置く。画像処理者は新しい手袋をつける。画像

10. 古シーツなどに消毒薬をしみ込ませる
​​ ※補助者は汚染区域の外で作業する
 消毒薬をしみ込ませる画像

 ※​新聞紙などのパルプ製品では次亜塩素酸ナトリウムの効果が下がりやすい*。このため、古シーツなどの布製品を使用する。
(*出典:小林義正ら:医療関連感染 8(1),17,2015.)

11. 嘔吐物があった場所とその周囲(半径2m程度)を消毒する
 タオルやシーツに消毒薬をしみ込ませて覆い、10~30分放置する画像

 ※消毒薬を使えない場合は加熱する
 スチームアイロンを使う、またはペットシーツの吸水面に熱湯をかけ、レジャーシートやバスタオルをかぶせて保温する画像

12. 個人防護具を外して捨てる
 (1)シューズカバーを外す
 シューズカバーを外して、清潔区域に足を置く。最後に立っていたところも消毒する。画像

 (2)手袋を中表に外す
 手袋を中表に外す手順画像

 (3)エプロンは内側を巻き込むように外す
 首のひもを引きちぎり、外を内側にして折り畳む。前に強く引いて腰ひもを切る。画像

 (4)マスクは表面を触らずひもを持って外す
 マスクを外す画像

13. 廃棄容器のビニール袋を外し、しっかり口を閉める
 汚れている面を触らないようにビニール袋を外す画像

14. 石けんで丁寧に手を洗う
 手を洗う画像

15. 10分以上の消毒が終了(10~30分経過)したら、置いてあった布類(古シーツなど)を廃棄する
 ※次亜塩素酸ナトリウムが染み込んでいるため、手袋をつけて作業する
 ※金属面を次亜塩素酸ナトリウムで消毒した場合は、腐食防止のため、さらに水ぶきする

消毒薬の調製方法

消毒薬(次亜塩素酸ナトリウム溶液)を約3L作成する方法を紹介します。
作りたい濃度を確認し、下表を参考に作成してください。
汚物がある場合は0.1%(=1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒します。
なお、商品によって原液の濃度が異なります。原液の濃度に合わせて希釈倍率を変えてください。

次亜塩素酸ナトリウム希釈一覧

作りたい濃度

考え方

作成

原液の濃度

希釈倍率

原液

汚れたトイレ・床
0.1%
(=1,000ppm)
1%の場合 10倍にする 330ミリリットルを 水3リットルに入れる
6%の場合 60倍にする 50ミリリットルを 水3リットルに入れる
12%の場合 120倍にする 25ミリリットルを 水3リットルに入れる
まな板・ふきん
0.05%
(=500ppm)
1%の場合 20倍にする 170ミリリットルを 水3リットルに入れる
6%の場合 120倍にする

25ミリリットルを

水3リットルに入れる

12%の場合 240倍にする

13ミリリットルを

水3リットルに入れる

汚れた衣類・清掃
0.02%
(=200ppm)
1%の場合 50倍にする 60ミリリットルを 水3リットルに入れる
6%の場合 300倍にする 10ミリリットルを 水3リットルに入れる
12%の場合 600倍にする 5ミリリットルを 水3リットルに入れる
次亜塩素酸ナトリウム液商品名一覧
濃度 商品名(例)
1% ミルトン、ミルクポン、ピュリファン
5~6% ジアノック、ハイター、ブリーチ
6% ピューラックス、次亜塩6%「ヨシダ」、アサヒラック、テキサント
10% ピューラックス-10、ハイポライト10、アサヒラック、アルボースキレーネ
12% ジアエース、アサヒラック

参考:500ミリリットルのペットボトルを利用した希釈方法
 ペットボトルの画像
​ 500ミリリットルのペットボトルのキャップ2杯分の6%原液を加え、水で一杯にすると約0.1%の消毒薬が完成します。

外部リンク

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