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平成30年度食の現場親子リポーター記事(フルーツオンザヒル)

更新日:2018年10月31日 印刷ページ表示

「食の安全で地域活性」6年生の部 優秀賞

受賞者

高崎市立岩鼻小学校 6年 高橋 杏

取材先

フルーツオンザヒル

リポート作品

 赤・ピンク・オレンジ・緑・紫。鮮やかな色彩と、これまで見たことのあるアイスクリームの陳列とは異なる雑貨屋さんのようなかわいいディスプレイ。そこは、高崎市吉井にある小高い丘の上。前橋グリーンドームの約5つ分、2.7ヘクタールもの広大な果樹園とカフェのあるフルーツオンザヒルさんに今回訪問させていただきました。
 到着するとまず目に飛び込んでくるのは、見渡す限り一面のブルーベリー畑。その緑の中には無農薬で栽培された鈴なりの美味しそうな紫の実。8月4日猛暑日の訪問でしたが、その光景にしばし暑さを忘れるほどでした。
 畑の対面には花々に囲まれたカフェがあり、一つ一つ心を込めて作られた、保存料など食品添加物の含まれていないアイスバーが並んでいました。どれも違ってみんないい、全部食べてみたくなるほど見た目にも美味しいアイスたちでした。
 午前一時過ぎに起床し、畑の手入れとお店の準備、アイス作りは2時ごろからと教えてくださったのは、この農園を経営されている斎藤さん。早起きと早朝からのお仕事、朝の弱い私としてはとても大変な作業と思いましたが、「好きでやってるし、お客さんの喜ぶ顔が見たいからね。」と、満面の笑みで答えて下さいました。自分の趣味や好きなことを仕事にできる方は、ほんの一握りなのかもしれませんが、それはとても幸せなことなのだと斎藤さんの笑顔から伝わってきました。
 今は綺麗に整備されたこの畑のある場所は、農業の担い手がおらず、長い間、竹林として放置されており、開墾の際、広く根を張る竹の処理にとても苦戦したそうです。このような農地は耕作放棄地と呼ばれ、人口減少が続く全国各地に見られるようです。再度農業ができるまで改良し、その地域に新しい産業や雇用を創出することは、今後働く若い人が農業に興味を持ったり、地域の活性化にも繋がるのではないかと思いました。
 今回の取材では、ブルーベリーの摘み取り、フルーツゼリー作りの見学もさせて頂きましたが、日本が大切にするおもてなしの心と、安心して食べてもらえる工夫がそこにはありました。摘み取りの畑ではお客さんが安全に通行できるように草刈りと枝葉の手入れが行われ、ゼリーには無農薬栽培されたブルーベリーが使用されていました。来てくれたお客さんに様々な角度から楽しんでもらえる、正に、喜ぶ顔が見たいという斎藤さんの重いが表れているように感じました。
 IT化が進み、機械がお店の接客や会計をするようになりました。それはとても便利なことだし、人手不足の解消には貢献しています。しかし、今回の訪問先のような人の温かさを感じられる仕事は、とても魅力的だと思いました。私も機械に負けない安心安全、笑顔を提供できる人になりたいと思います。



調理師・製菓衛生師