本文
セレウス菌(Bacillus cereus)は芽胞(※注)を形成する菌で、土壌、空気及び河川水等の自然環境をはじめ、農産物、水産物及び畜産物などの食料、飼料等に広く分布しています。
セレウス菌食中毒は、この菌に汚染された食品を摂食(食べる)することによって起こる食中毒で、その症状からおう吐型と下痢型の2つに大別されます。
国内で発生頻度の高いおう吐型は、セレウス菌に汚染された食品中で産生された毒素の摂取によって起こります。下痢型は、食品とともに摂取したセレウス菌がヒトの小腸で増殖し、産生される下痢を引き起こす毒素によって起こります。
※注:特定の細菌が増殖に適さない環境下になったときに変化する形態で、加熱や乾燥に対して強い抵抗性があります。
焼飯類、米飯類、めん類などの穀類及びその加工品が最も多く、次いで弁当、調理パンなどの調理食品です。おう吐型食中毒では、チャーハン、ピラフなどの焼飯類による事例が最も多く、次いで焼きそばやスパゲッティなどのめん類の事例が多くあります。
潜伏期間30分~6時間後に、吐き気、おう吐などの症状を引き起こします。
潜伏期間8~16時間後に、腹痛、水様性の下痢などの症状を引き起こします。
セレウス菌は耐熱性(90度60分の加熱に抵抗性)の芽胞を形成するため、加熱調理された食品でも、室温で放置すると増殖します。よって、次の点に注意しましょう。
セレウス菌食中毒(食品安全委員会・PDF:323KB)<外部リンク>