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平成30年3月15日(木曜日)15時00分~16時30分
群馬県庁舎 7階 審議会室
氏名 | 所属 |
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須藤 英仁 | 群馬県医師会長 |
今泉 友一 | 群馬県医師会理事 |
長谷川 憲一 | 群馬県医師会(榛名病院院長) |
星野 祝子 | 群馬県PTA連合会常任理事 |
笠原 晶子 | 群馬県小学校長会 |
千明 哲也 | 群馬県中学校長会副会長副会長 |
坂田 和文 | 群馬県高等学校長協会副会長 |
石川 誠 | 群馬県特別支援学校長会副会長 |
森 和子 | 群馬県学校保健主事会長 |
田澤 桂子 | 群馬県養護教諭会長 |
野沢 弘子 | 群馬県学校栄養士会長 |
荒川 浩一 | 群馬大学大学院医学系研究科教授 |
氏名 | 所属 |
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村山 利之 | 群馬県歯科医師会長 |
武智 洋一郎 | 群馬県薬剤師会長 |
塩崎 政江 | 群馬県市町村教育委員会連絡協議会代議員 |
亀田 慎也 | 群馬県高等学校PTA連合会副会長 |
氏名 | 所属 |
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津久井 裕美 | 福利課長 |
上原 永次 | 学校人事課長 |
春田 晋 | 義務教育課教科指導係長 |
上原 篤彦 | 特別支援教育課長 |
津久井 智 | 健康福祉部保健予防課長 |
中村 広文 | 健康福祉部食品・生活衛生課長 |
栗原 修一 | 群馬県保健所長会長(太田保健福祉事務所長) |
小林 信二 | 健康体育課長 |
氏名 | 所属 |
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村山 義久 | 高校教育課長 |
浅見 隆康 | こころの健康センター所長 |
氏名 | 所属 |
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笠原 寛 | 教育長 |
須藤 正巳 | 健康体育課次長 |
新井 俊宏 | 健康体育課補佐(学校保健係長) |
木村 勤 | 健康体育課補佐(学校安全・給食係長) |
橋 憲市 | 健康体育課補佐(学校体育係長) |
堀部 真理子 | 健康体育課指導主事 |
生形 学 | 健康体育課指導主事 |
時田 和典 | 健康体育課 |
高橋 ちはる | 健康体育課 |
浦 道代 | 福利課健康推進係長 |
(1)子供の生活習慣や心の健康に関する取組について
内容(意見等)
報告事項
今期のインフルエンザ様疾患については、A型とB型が混在して流行しており、2月の最終日を含む週までに、臨時休業を実施した学校(園)の延べ数は、931校。今期のインフルエンザの初発及び警報の発令については、昨年よりそれぞれ1週間ほど早い状況である。3月に入り、り患者数は減ってきている状況であるが、まだ警報解除にはいたっていない。引き続き学校に対しては感染予防の注意喚起を行っていきたい。
平成29年度の学校管理下の熱中症の発生状況について。
平成29年度は226人が熱中症を発症し、そのうち114人が救急搬送された。グラフからも分かるように、過去5年間の発生状況については増減を繰り返し、昨年度に比べると今年度は37人増となった。来年度も、今年度同様、梅雨に入る前と2学期が始まる前に、各市町村教育委員会等に熱中症予防の通知をし、注意喚起を促していきたい。
平成29年度におけるアレルギー疾患に関する状況調査について。この表は、公立学校の集計であり、私学は含まれていない。在籍者数19万6千629人のうち、何らかのアレルギー疾患を持つ児童生徒等が7万1千205人で36.2%、調査を始めた24年度から毎年微増傾向にある。学校現場で状況を把握する環境や意識の高まりといったものも、影響していると考えている。
食物アレルギー疾患を持つ児童生徒等は1万1千652人で、在籍者数の5.9%。そのうち管理指導表を提出している生徒は4,647人で、食物アレルギーのある生徒の39.9%。こちらも年々増加傾向にある。さらに、アナフィラキシーの既往がある児童生徒等が1,198人、そのうち管理指導表を提出している児童生徒等は1030人、86%となり、昨年度より増加している。
「校内食物アレルギー対策委員会」の設置率については、「県教育振興基本計画」において、平成30年度までに小・中・高とも100%の設置を目標としている。今期の設置率は、全体では99%となっており、未設置校については、設置に向けて準備しており、次年度には100%となる予定である。今後も、児童生徒が安全に、安心して学校生活が送れるよう、管理が必要な児童生徒に対しては、管理指導表の提出をしっかりお願いし、校内で組織的に対応できるよう指導していきたい。
薬物乱用防止に関する教育の推進について。文部科学省の方針として、「薬物乱用防止教室」を「中高については、年1回必ず開催する」こととなっている。また、「小学校においては、開催に努める」こととなっている。下のグラフは、平成28年度の小中高の薬物乱用防止教室の開催率である。中学、高校については全国平均を上まわっているが、小学校については、全国平均を下回っているが、全国平均に近づいてきているので、今後も、引き続き薬剤師会や薬務課、保健福祉事務所等、関係機関と連携して学校に対し開催の依頼をしていきたい。
性・エイズに関する教育の推進について。下のグラフは、学校における性・エイズ講演会の開催率の推移である。小中学校でおよそ80%、高校では、講師の予算措置もあることから、100%開催となっている。性・エイズに対する正しい知識や予防を教育する機会として、今後も医師会や関係機関と連携し、継続して開催を働きかけていきたい。
心臓、腎臓検診について。心臓検診については、法令で小1、中1、高1で実施することになっている。一次検診の心電図及び心音図について県内すべての児童生徒の結果を、群馬県では、心臓検診判定小委員会で、一律に目視で見て判定している。この結果を基にして、二次検診等の必要があると考えられる児童生徒について、受診勧告を行い、二次検診病院等で受診してもらっている。その受診率は全体で約90%と高い数値を維持しているが、約1割の児童生徒が未受診の実態があり、100%の受診率を目指すために、関係機関への周知・徹底に今後とも努めていきたい。
二次検診の結果を受けて、医師の指導や措置区分・管理区分に従って、学校現場で一人一人の児童生徒に適切な配慮をし、その子にあった学校生活が送れるように心がけている。ただ、検診結果の中で、例えば「過剰管理」や「過少管理」となっている区分で報告があがってきている状況もあるので医師会の先生方と連携して正しく記載していただくようお願いしていきたい。
なお、小学校4年生の心臓検診については、法令で定められてはいないが平成25年度から県立学校で小4での心臓検診を実施し始めたところ、平成29年度は県内19市町村で実施していただいており、全体では約50%の実施率です。実際、心筋症などの重症疾患例が発見され、早期の治療に結びつき、成果を上げているところです。今後の拡大に期待したいと思います。
腎臓検診・糖検診では、一次検診で「尿検査」を行う。「尿検査」は異常が見つかると2回実施するが、基本的に家庭で「採尿」してもらうことになっている。この採尿方法がいいかげんだと「偽陽性」となり、「有所見」となり、必要がないのに二次検診に回わってしまった例がいくつか見られた。各学校等で、「採尿方法」について、きちんと指導を行い、是非家庭・保護者への周知・啓発をお願いしたい。
平成29年度学校保健統計調査の群馬県の結果。群馬県においては、肥満傾向児の出現率が全国平均よりも高い状況がつづいている。全国平均と比較すると9歳を除くすべての年齢で上回っている。
裸眼視力の調査は、両眼の視力を測定し、その低い方の視力を報告することになっている。裸眼視力1.0を下回る者の割合は、小中高と学年が上がるにつれて高くなっている。パソコンやスマートフォンの普及と長時間使用、学習時の姿勢や照度などの影響が考えられるので、健康的な生活習慣を身に付けるなかで、視力を守ることも啓発していきたい。
平成29年度学校歯科保健調査結果について。26年度に策定された「歯科口腔保健推進計画」では、「12歳児の一人平均のう歯数の減少」とともに、「17歳における歯肉に炎症所見を有するものの減少」が目標になっている。
12歳児の一人平均う歯数は、減少傾向を示しているのがわかる。学校における歯科保健指導が定着していることが考えられる。しかし、思春期の歯周病予防対策などの課題解決については、引き続き歯科医師会等と連携して取り組んでいきたい。
小・中学校における「生活習慣病予防対策基本方針」について。群馬県では肥満傾向児の出現率が高いことから、肥満の予防・改善を目指し、「小・中学校における生活習慣病予防対策基本方針」を策定し、平成30年度から基本方針に基づく取組を県内の小・中学校で行うことになった。
基本方針の柱は2本で、1つは、学校における取組の充実。学校における保健・食育・体力向上などの取組を充実させる。もう一つは、県の医療機関と連携した高度肥満児のフォローアップ体制。学校・家庭・関係機関と連携し、「健康的な生活習慣の定着」に向け、学校の取組に対する支援をしっかりとしていきたい。
「がん教育総合支援事業」について。国においても「がん対策推進基本計画」のもと、がん対策が進められているが、その中でがん教育の必要性が指摘されている。これを受けて、文部科学省でも、平成26年度からモデル事業としての「がん教育総合支援事業」が開始されました。本県としてもこの事業に手を上げ、今年度が4年目の実施となった。
今後の全面実施に向けて、現在あげられている課題を解決しながら進めていきたい。今年度の実施状況等については、資料で御確認いただきたい。教職員に対する研修や外部講師の活用など、まだまだ課題が多くあるので、今後も国の動向を踏まえながら、来年度も取り組んでいきたい。
教職員の精神保健について。図1については、群馬県教職員の病気休職者数の推移を表している。
群馬県の教職員における精神疾患による病気休職者数は、ここ数年40人から50人で推移し、横ばいの状態にある。平成28年度における病気休職者数は116人で、そのうち「精神疾患による休職者」は、47人、40.5%を占めている。全国平均は63%で、群馬県は全国に比べて低い数値となっている。
平成28年度における「校種別在職者数に占める精神疾患による休職者数の割合」は、図2を御覧いただきたい。全国、群馬県ともに特別支援学校の割合が高くなっている。全体的に全国と比べると群馬県の教職員の状況は、よい状況ということになる。
「教職員精神保健審査会」実施状況について。精神保健審査会は、教育長の諮問に基づき、精神疾患により病気休暇等を長期に取得している教職員の職場復帰の適否について審査している。
開催回数は、年6回、委員は精神科医師3名・行政医師1名・公立学校長の代表4名で、それぞれの専門的立場から審議いただいている。表1は、審査結果の推移になっている。審査件数については10年間、以前に比べると減少傾向にある。審査については、平成24年度から復職審査の時に、学校長の出席をお願いしている。校長先生から学校での職場復帰訓練の様子などを直接説明していただくことで、学校での状況が審議に反映できるようになった。平成28年度の審査結果は、審査対象数である実人数は60人、審査延べ件数は161件であった。審査会1回あたり平均27件の審査をしていただいている。 また、実人数60人のうち、28年度末の現在で復職した方が18人でした。退職者10人、療養を継続している方が24人という状況である。
第69回関東甲信越静学校保健大会について。主題を「未来を創造し、たくましく生きる力をはぐくむ健康教育を目指して」とし、平成30年8月23日(木曜日)に高崎市・群馬音楽センターをメイン会場として開催する。開催にあたっては、現在の準備委員会から来年度、実行委員会を設立し、大会運営にあたる。
協議事項
(1)子供の生活習慣や心の健康に関する取組について
インフルエンザ様疾患による臨時休業について。今年は1つのクラスでも2回くらい学級閉鎖を行ったところもあった。それ自体は問題ないが、お母さん方から、すごく休む日が多くなって大変だという話があった。仕事はどうするか、どこに預けるか、小さい子とかもそうだけれど、病児保育というもののもあるが、使いたいときにはいっぱいになってしまっていて予約を取ってもキャンセル待ち。今後は、安心して育てられるような施設を充実させるべきではないかと今年は特に感じた。この会で解決できる問題ではないが、今後は考えなくてはいけない。
心臓検診の受診率は極めてよい。むしろ、そんなに重い疾患でないのに何となく心配だからという理由で多少の制限を強くして管理する事例があった。逆にQT延長症候群で生死に関わることがあるのに管理不要ということが若干あった。医療サイドのことなので、それに関しては県医師会で心臓検診の委員会を開いたり、研修会でそういうことがないよう努力したい。小学校4年生の心臓検診は19市町村で約50%。なかなかこれから増えていかない。人口が多いとかなり財政的な負担があるというようなお話も伺っている。しかし、小学校4年生でに命に関わるような重症な心筋症なども今ままで、4人くらい発見されている。その検診がなければ見つからなかったということ。半分の小学校4年生は心臓検診を受ける機会がないので、是非機会あるごとに声をかけていただきたい。郡市医師会にお願いしていきたい。
腎臓検診に関しては、年齢が上がると受診率が低くなる。今までは、1次検尿を(±)以上を異常と考えていたが、(+)以上を異常と考えても差し支えないということで、再来年度からは(+)以上を異常として2次検尿にあがるようにしたい。必要なく病院に行かなくていいように、問題のある方が2次検尿を受けるシステムに変えさせていただく。再来年度から、受診率も高くなるのではないかと思っている。また、腎臓検診は1次検尿ですごく異常があった場合、直接3次検診に行くような流れがある。ところが、4割の方は「異常なし」という結果になったのは、朝一番のおしっこをとってないということが1つの要因ではないかと思っている。活動期のおしっこを採ってしまうと異常でないのにタンパク尿が出ることがあるので、そのような方が対象となってしまっている可能性がある。正しい検尿が大切であるということが腎臓検診の委員会でも指摘があった。
がん教育について。群馬県はがん教育総合支援事業を最初から手をあげて、群馬県としては先進県として他県と比べるとがん教育は進んでいる地域になっていると思う。しかし、がん教育は、学校の保健体育の時間で、学校の先生のみの授業では、足らない所もある。専門医である医師やがんの経験者が一緒に入って授業をやった方が、より印象深い授業になるのではないか。それが大切になると思うので外部の講師の方が入れるシステムづくりもしようと思う。群馬県は長い間、がん教育総合支援事業を受けているので提言をまとめる時期になってきていると個人的には思っている。それができないと、今後各地域で協議会を開けない。例えば、がんの専門医のリストをあげるといっても、県の協議会でリストアップすることは難しい。各地域で協議会を開いて、その地域の講師にどのように学校に来ていただくかということが大切。そのようなことを今後はやっていければいいのではないか。
学校におけるアレルギーについて。平成29年度、学校において実際に発症した報告は、最終報告ではないが、徐々に増えている。特に花粉症と果物アレルギーを合併するような新規発症者が、どうしても多くなる。口の中がいがいがするようなお子さんたちが、初発として出てきている。また、運動誘発アナフィラキシー、運動をするとアナフィラキシーが出るようなお子さんが、どうしても新規に出てしまう。それに対する対応というのはなかなか防ぎようがない。教職員の先生方に、発症する可能性があるんだということを知っていただけるとありがたい。
管理指導表の提出が、十分でない御家庭もある。例えば、「小さい頃に少し症状があって、その後出ていないのでいいんだろう」あるいは、「そばアレルギーを実際には持っているが、学校では提供されないから」と安心している。しかし、校外学習など、色々なところでそばを摂取する可能性がある。今回の対策委員会では、そばやピーナッツを食べて症状が出ていないお子さんに対しても、管理指導表を出していただこうというような話があった。
学校でせっかく対策委員会で個別取組プランをつくっていただいても、処方薬を学校に持ってきていないお子さんもいた。エピペンだけでなく、内服薬も管理していただく必要がある。
高校生に関しては、例えば症状が出たときにどこを受診するかというと内科の先生を含めた医療機関になることが多い。小児科の先生はアレルギーを専門にしている先生が多くいるが、内科の先生は幅が広いので症状を治めるだけで、終わってしまうこともあるということを御指導いただいた方がよいか。
肥満について。学校と医療機関の連携ということで、来年度から高度肥満の方が受診するという体制になりますので、今後の成果に期待したい。
長期休職される先生の中には、50代の方もいる。中堅になって仕事が増え過重労働となるケースもある。一方で20代で、先生になってまもなく担任を持つなどするので、困ったときに先生方の協力体制がなかったり、父兄の対応などに困ったりと深く傷ついてしまう方もいる。
また、特別支援学校の休職者の割合が多いが、必ずしも特別支援学校だからとか、特別支援学級だからでは無い。少人数クラスの方が受け持ちやすいのではないかいうことで対応していただいて、配置していただいている。先生によっては、そのことがストレスになって傷を深めてしまうこともある。協力して、お互いに助け合えると何とか、うまくいくのではないかと思う。
色々な規律や規則もあると思うが柔軟に対応していただいて、先生方が協力できる体制を校長先生を中心につくっていくことで、先生方の働き過ぎや傷つきを防ぐことができると思う。いずれにせよ先生方の仕事については最近、部活についても見直しが行われているようだが、先生方の負担を過剰にしてしまうと、結果的に子供たちにしわ寄せがくるということになるので、そのようなことを感じている。
がんの教育については、総合支援事業で取り組んでいるが、がんとともに精神疾患の患者の社会への影響が大きいと諸外国で言われている。精神障害への教育というのは遅れていて、かつては教科書に精神疾患は治らないといった記述もあり、このところ、教科書に正しいことをしっかりと記載するべきだといった動きがあった。精神疾患については、早くからタイミング良く教えていくことが大切。がん教育に経験者に来ていただいてというお話もあったが、精神疾患への理解も同じようにしていった方がよいと考えているので、同じく進めていってもらいたいと強く思っている。子供たちの多様性についての狭い了見でずっと育っていってしまうと、大人になっても変わらなくなってしまうので、子供のうちから多様な考え方の人を敬遠するのではなくて、そういった考え方や人を受け入れていくことが重要だと考える。
大切なことだと思う。肥満なども学校に在籍している間は、部活動などをして体を動かす機会があったのに、就職して社会人になると機会が減り体重が増えてしまうなどといったことが多くある。高校生に対しても、適切な生活習慣について教育していく必要があると考えている。
高校の場合は、各学校において生活習慣や健康教育の課題に違いがある。特に、学力や経済力の差によって、食事の問題、それから生活習慣の問題、自己管理ができないとなると学校が果たす役割というのは大きくなる。学校にいる間に、いかに教育できるかが大切になる。
不登校の子供たちについて。高校の場合は、出席日数や授業日数等もあるので、小中学校のように別室登校で何とかすることが難しい。高校在学中に立て直すことは難しいといったことを感じている。
これは、どこの学校でも課題であると思う。
特別支援学校の代表として出席させていただいる。感染症については、現在各地域、学校で医療的ケアを必要とするお子さんの受入を開始しているので、肢体不自由のお子さんや、知的の学校においても体の不自由なお子さんが感染した場合に重症化することが心配される。予防の例として、年間を通した手洗い、うがいの励行や手洗いの手順を学校で統一して行っている学校もある。また、マスクを11月から全員着用させ、マスクを嫌がるお子さんもいるので12月には全員着用できるよう工夫している。特別支援学校の特徴として、通学区が広範囲に渡るのでスクールバス通学や放課後のデイサービス利用などもあるので、情報交換を大切にしている。
肥満については、毎月身体測定を行い、肥満傾向の場合は、毎週、体重や体脂肪計測を行い、健康管理に努めている。また、長期休業中には、生活の様子を記録できるよう家庭に配布し、家庭とも連携している。
中学校で保健体育の教員をしている。中学校では、肥満予防と体力向上を兼ねて取り組んでいる。また、不登校が気になるところで 小学校から引き続きの子供もいれば、中学校での学習や課題提出など適応が難しい子供やつらいことから逃げるといった傾向の子供が多くなってきている。不登校の原因としては、ネットゲームが1つの要因であると考えられる。不登校の子供の中には何時間もネットゲームをやっていて睡眠不足から生活習慣が乱れて登校できなくなるケースもある。ゲームやスマートフォンによる姿勢の悪さも気になるところである。
養護教諭会では、年に1回全員が集まる研修会を開催している。今年度は小、中、高、特別支援学校と4部会に分かれて実践発表、研究協議を行った。発表された内容は生活習慣病の予防対策、歯科保健活動、喫煙防止教育、心の健康に関する指導、ストレスマネジメント教育など今まさに子供たちが抱えている健康課題に対して発表いただき協議した。これらの実践を県内の養護教諭で共有して、資質の向上に努めている。取組のポイントとなると集団指導と個別指導の充実と継続的な実践、関係機関との連携になる。現在勤務している中学校では食、睡眠、運動の生活習慣を見ると小学校に比べると個人差が大きく二極化になってきていると感じる。全体が悪い訳ではなく、身に付いていない子供は、個別指導をしっかりしていかないと改善ができないと感じている。来年度から実施される生活習慣病予防対策基本方針の取組は、肥満というところにスポットが当たっているが、段階に応じた対策が示されており、個別指導の充実につながる。現在、各市町村の養護教諭会でスムーズな導入に向け準備している。健康教育はあきらめずに、粘り強く続けていくことが重要であると改めて感じている。
学校栄養士部会から学校における学校給食の献立内容について、今まで取り組んでいる内容をお話させていただく。第3次群馬県食育推進計画に基づいて重点課題の1つでもある食文化の継承に向けた食育の推進に着目し、平成28、29年度の2年間かけて、地域や家庭で受け継がれてきた伝統食、行事食のレシピ作成に取り組んだ。ユネスコの無形文化遺産にも登録されている和食に特化したものがたくさんある。和食は生活習慣病予防対策のかむことやだしのとり方にも特化しながら作成し、生活習慣病予防の対策で課題にしているものについても活用していだくために紹介し、活用方法を提案している。
中学校では睡眠不足が大きな問題になっている。子供たちは、音楽やテレビなどではなくYouTubeや仲間でオンラインゲームなどをやっている。そうなると朝、起きられない。また、食事への関心よりも、ゲームに夢中になりトータルして生活の乱れが起こっている。食事も偏食や小食傾向が見られる。野菜、魚を食べず、カロリーの高いものを食べているため、肥満傾向につながっていると考えられる。中学校では、部活動をやるので、ある程度は調整されるが、ただ根本的な解決策にはなっていない。幼少期からの根の深さを感じている。小学校では、野菜チャレンジを行ったり、中学校では、味付けや切り方を工夫するなどして取り組んでいる。メディア対策として、メディアを利用するルールを児童会、生徒会中心に作成した。北橘地区で2年間、健康教育推進事業の指定を受けて取り組んだ内容をリーフレットにまとめ、県教育委員会に届ける予定。
小学校の熱中症及びアレルギー対策については、各学校で細心の注意を払って取り組んでいる。子供たちの意識も高くなってきていて、1年生でもお水を飲まなくてはとか、遠足などの時も友達にお菓子をあげてはいけないとか、そういったことは定着してきているので、やはり学校、家庭などで繰り返し教えていくということは、知識につながっていくと思っている。肥満度の話が出たが、やはり二極化が見られ、運動習慣のものすごくある子と全くない子とに分かれている。運動習慣のない子は、結局肥満度が上がっている傾向にある。学校としては何とか運動習慣を付けるような働き掛けをしている。体育の授業や休み時間の工夫、食育の充実、栄養士に協力いただいて食育の授業をしてもらっている。教職員も多忙ではあるが、外部との連携も欠かさずに充実した取組ができるよう努めている。
整形外科で運動器検診に実際に携わらせていただいている。運動器検診を実施してから2年が経過し、大変、有意義な検診であると思っている。姿勢が悪い子供が多いことや、運動器検診の中に組み込まれてはいないが偏平足の子供がたくさんいると感じている。足の不調を訴える方がたくさんいるので、このあたりも組み込んでいければいいのかなと思っている。実際に保護者の立場から申し上げると、「○をつけると受診しなくちゃだめなんだよね」「受診したところで整形外科の先生からは問題ないと言われるので行かなくてもいい」という声は同級生の保護者からたくさん聞く。忙しい中、保護者の方も連れて行くことが大変なので、問題ないなら連れて行く必要はないという一部の声を聞く。運動器検診は大変有意義な検診だと思う。実際、運動機能が下がっている子供も多くいて、本当はストレッチをやらせてあげたいのに受診してくれないことがある。色々な場面をとらえて啓発する必要がある。
運動器検診マニュアルには、ストレッチの仕方が載っているので、それを行うといいと思う。けがを予防するためにもストレッチは効果があるのでしっかり周知したい。
中学校での部活動にも関わってくる。中学生は筋力トレーニングよりストレッチをメインにした方がよいと言われているので是非、部活動で取り組んでいただきたい。
運動後の筋肉のケアや運動習慣がすごく大事になってくる。そこを学校現場で周知する必要がある。今までの話から二極化がすごく進んでいると感じる。栄養に関して、食べたいものがすぐに手に入る時代になり、外で遊ぶ楽しさよりも家の中でゲームをして楽しむことを選んでしまう子供たちも多くいる。そこをどう調整していくかが教育現場の1番のジレンマだと思う。やはり、体を動かすことや頭を働かせることを習慣付けていかないと、これから先どうにもならない社会になってしまう懸念がある。そこで、教育長、いかがか。
様々な観点からお話しいただき、ありがとうございました。今、委員の皆様もお感じになっていると思うが、なかなか子供たちをほおっておいたのでは、いい生活習慣が身に付かない。やはり、昔と違って地域へ出て行って体を動かすことが難しい状況になっている中で、学校で、子供たちにしっかりした習慣付けができるかが重要になってくる。また、保護者の皆様の協力をいただいて、いかに取り組んでいけるかも重要である。また、地域で連携してシステマチックに考えていかないといけないと感じている。学校現場から、実際にどうしたら保護者の方にしっかり伝わるか等も御意見をいただければと考えている。
熱中症については、昨年、県内の中学生で大変、大きな事故がございました。まだ、そのお子さんは治療を続けられている。やはり子供たちの様子を観察する注意力を学校の先生方に高めていただくことは必須なことだと思う。保護者の方々と子供たちの体の状況を普段からしっかりと情報交換できるような信頼関係づくりにも、改めて県教育委員会として取り組んでいきたい。また、今回の大きな事故の検証も該当の教育委員会でやっていただいているので、そこから浮かび上がってきた問題についても、県内の学校関係の皆様にも情報共有をしながら進めていくというところは、しっかりやらせていただく。部活動や体育の授業等の中で、子供たちの安全が脅かされることがないような取組を第一に考え、どのようにしていけばよいかを考えながら取り組んでまいりたいと思うので、是非、御意見等いただければと思う。
ネットの問題についてはWHOが「ゲーム障害」という疾患としている。この問題は、デジタル教科書の導入と直結するので、群馬県全体として考えるか、デジタル教科書をどうするかや健康被害、健康障害があるので、きちんとまとめあげることが必要ではないか。また、健康教育に学校医が活用されていないと感じるので、うまく連携しながらやっていってもらいたい。
課題はたくさんあるが、これからの群馬県を、日本を背負っていくには、体も心もしっかりしていかないといけない。その基礎をつくるのは学校であると思っているので、是非、皆様に協力いただきながら、群馬県の教育を推進していってもらいたい。