1 日時
平成25年9月13日(金曜日)9時30分から11時45分
2 場所
群馬県立高崎商業高等学校
3 出席委員
11名(原委員(会長)、遠藤委員、宝田委員、松村委員、茂木委員、今井委員、鈴木委員、朝岡委員、太田委員、木村委員、丸茂委員)
※欠席委員 1名(鈴木誠委員)
4 次第
- 開会
- あいさつ
群馬県教育委員会教育長あいさつ及び委員委嘱
- 委員及び幹事自己紹介
- 会長・副会長選出
- 群馬県産業教育審議会長あいさつ
- 学校概要説明(群馬県立高崎商業高等学校長)
- 授業・施設・設備等視察
情報処理、原価計算、文書デザイン、コミュニケーション英語1
- 生徒活動発表
"CHALLENGE INNOVATION" ~ピンチをチャンスに~
- 審議(議事概要参照)
社会の変化に対応した産業教育の在り方について
~次代を担う職業人材をどのように育成するか~
- 閉会
議事概要
会長
- 本日は今年度第1回の審議会であり、新任の委員さんもいるので、委員全員から意見をいただきたい。
A委員
- 私はこの学校へ来るのは初めてである。今日見学をして、私たちの頃より教室が狭いという印象を受けた。
- 授業は、私が高校生の頃には想像もつかない内容であり、たいへん勉強になった。私たちも勉強しなければならないとは思っているが、今の若い人たちはパソコン等の機械を使いこなせてすごいと思う。
- 英語については、今日教えていた先生が本校の出身ということであるが、日本語はまばらに入る程度で、すべて英語で授業していてすごいと思った。
B委員
- 真面目な良い生徒であると思った。学校の中で、髪型とか服装の規則が決まっているのか。
校長
- 商業高校なので、お客様の前に出られる格好を基準として指導している。
B委員
- パソコンが入っている教室は涼しいが、それ以外の教室は、エアコンが無くて苦労しないか。私は、開け放した教室は開放感があっていいと思っている。これからの学校は、エアコンを取り付ける方向になるだろうが、それだけ電力消費が上がるので、必要な所のみ取り付けるべきである。
- プログラム言語は、かつては大学でもフォートラン等を教えていた。最近はコボルやベーシックを教えていないのか。
校長
B委員
- それで十分だと思う。
- いずれにしても生徒の印象がすごくよかった。
C委員
- 生徒の研究発表がとてもよかった。また、やまといものジュースはとてもおいしかった。生徒が農業の収入を増やしてあげたいというようなことを言っていたが、やはり農業はそのような位置付けであると感じた。これから先、私たちはもっと収入を拡大し、産業として成り立つように努力していかなければならないと感じた。
- 先生方の声がすごく大きいことに好感をもった。その反面、生徒たちの声が小さいことが気になった。生徒の声が大きければもっとよいと思った。
D委員
- 将来が楽しみな生徒たちであるという印象を受けた。普段、大学レベルのプレゼンテーションを目の当たりにしているが、今日の商研部のプレゼンテーションは、大学のレベルであると思った。
- 授業もすばらしい取組をしていると思うが、その一方で、高崎商業のレベルは本県の中でも高いレベルにあると思うので、もう少しそのあたりも考えていく必要があると感じた。
E委員
- 二つ気づいたことをお話したい。一つは、校長の学校概要説明の中で、 全商検定1級3種目以上取得者が全国6位ということで、年々順位が上がっていてすごいと思った。どのような指導をしているのか聞かせてもらいたい。
- もう一つは、コンピュータ室は整然として綺麗であるが、歩いていたら線が出ているところがあって危ないと思ったので、危険防止のためにきちんと管理しておく方が良いと思った。
校長
- 前任の校長が、「日本一を目指そう」と生徒や職員に呼びかけていた。チームとして取り組んでいくという全体的な取組がそのような結果をもたらしてきたと思う。ただ、私はさらにその先にあるものを考えていくと、先ほど御指摘のあった、人前できちんと話せる、声が出せるということも重要と考えている。
F委員
- 質問であるが、男子だけ、もしくは女子だけの教室と、男女一緒の教室があったが、何か決まりがあるのか。
校長
F委員
- 専門高校の生徒は目標をもっている生徒が多いと思うが、普通高校では将来の職業について考えている生徒が少ないのではないかと思う。授業の中で職業について学ぶことがあるのかお聞きしたい。
- 実際に働いてから辞める人がいる中で、高校では職業観や職業について学ぶということがあるのかどうか、また、そのことについてどう考えているのか、教えていただきたい。
幹事1
- 現在、キャリア教育として、勤労観・職業観等を育むことを普通高校も含めて力を入れて取り組んでいる。また、総合的な学習の時間や、日ごろの授業においてもキャリア教育を推進している。普通高校でもインターンシップを取り入れている学校もある。普通高校についても、これから非常に大事なところなので力を入れていきたい。
F委員
- インターンシップではなく、夏休みにアルバイトをしたいという生徒がいるかと思うが、許可を得ればできるのか。
幹事1
- アルバイトについては、原則として禁止となっている学校や、届出により許可している学校など、学校によって対応は違う。
F委員
- 目標をもって労働を実体験するということは大事なことだと思う。
幹事1
- アルバイトの機会を生かして、学校がアルバイト先と連携して、勤労観・職業観の育成につながるようにサポートすることは大事だと思う。
G委員
- 私は、塾を25年間やっていた。その時に、自分の意思で言葉を述べられる生徒を育てたいと考えていた。英語の授業で生徒たちが笑顔で話し合いをしていたことや、私たちが教室に入った時に笑顔で迎えてくれたことは良いことであり、これから社会に向かっていく子どもたちには必要なことではないかと思う。その反面、授業の内容により仕方がないかと思うが、先生の声に対して生徒の声が小さい授業があり、気になった。
- 私は福祉の仕事をしているが、別の委員から指摘のあった、コンピュータのコードが出ていたことは気になった。きちんとリスクを承知していなければならないのではないかと思う。また、仕方のないことだが、校舎の段差が非常に大きいので、急いでいたりすると事故につながる恐れもあると思った。
- 先程のプレゼンテーションでは大きい声も出ており、聴衆に向かって笑顔が向けられていた。私たちに注意を向けてくださいという、発言力の表れだと思うので、とても良かった。
H委員
- 私は、現在県内のニート状態の若者を支援している。ニート状態の若者の特徴は、高学歴で普通高校出身者が多いということである。全国的に見ても専門高校の卒業生はニート状態になる確率が低いようである。社会につながるということから、自己肯定感が養われており、実践的な学習を通して、コミュニケーション能力という一番大切なものが培われていくのではないかと思う。
- これまで約1万人の若者と会っているが、若者に社会に参加することができるような支援をしていきたいと思っている。
I委員
- いつも参加して感じるのは、高校生は大人だということである。実際の生徒を見てみると、昔の元服が終わる年齢になると本当に大人だと感じる。大人として見ることによって、可能性は無限であると実感した。
- 本校の生徒は真剣な態度で学んでいると思った。ただ、自発的に手を挙げて発言したり、先生が指名した時にはもう少し元気よく発言したりして欲しいと感じた。
- とても優秀な生徒がいることが実感として伝わってきた。これからは、群馬県だけではなく、日本全体ではどうか、世界ではどうか、という視点が必要になってくる。そうしたことを教えつつ、競争や勝ち負けではなく、自分らしさや自己評価などの確立が必要なのだと思う。生きる力や人間力の養成など、今教育界がそういう方向に向いていることは素晴らしいことだと思う。
- 私はプレゼンテーションに興味がある。生徒のプレゼンテーションは、活動と内容、表現方法が素晴らしい発表であった。機会があれば発表した生徒にこの活動を通して何を感じたのか、自己評価はどうかなど、話を聞きたいと思った。
J委員
- 伝統ある高崎商業は、非常に優秀な企業人を育成していることを感じた。本日のテーマである社会の変化に対応した産業教育の中での人材育成ということになると、私が育った時代には、本日見学した授業で学んでいたタイピングや表計算は無かったが、何の不自由も無かった。これらはあくまでもツールであるので、社会インフラの変化に対応するものである。表計算のOR等は、集合の概念を数学で習ったので理解ができているのだと思う。このような教育の中で、数学的な考え方と、国語力を反映するようなものと連携して、基本的な考えを作り出すようなことが大切ではないかと思う。
- 私の会社は開発の仕事をしており、設計は日本メーカーではなく、オール韓国であり、非常に優秀である。そういう人たちと戦っていかなければならない。 基礎教育はとても重要であり、これだけの素晴らしい人材がいるので、そのときにしかできない勉強の仕方を工夫していただきたい。
会長
- どの教室にいっても「みっちり勉強 はっきり挨拶 しっかり清掃」という大変素晴らしい標語がかかっていた。これは現在の校長になってから作ったのか。
校長
会長
- 私の会社では、声が小さかったり、ただ頭を下げるだけでなく、相手の気持ちにつながるようにはっきりと挨拶するように指導している。本日の生徒は優秀な生徒であった。
- やまといものジュースをいただき、このようなおいしいものがあったのかと驚いた。高崎商工会議所としても、せっかく高商から始まったことなので、何か取り上げていきたい。
B委員
- 卒業生が社会に出て行く時に、職業に対する魅力や厳しさも伝えてもらいたい。
- 先程のやまといもジュースはおいしかった。原価計算を考慮したことも良かった。さらに人件費や外国との比較などに広げられる題材であり、素晴らしいと思った。グローバリゼーションの視点から、自分のポジションを意識して実践していただきたい。
- 群馬県の県民性や、群馬県としてどのような人材が必要かなどを考え、売りになるような人材育成が必要である。高崎商業ならばこれは絶対負けないというものが必要である。昨日、経済産業省のプロジェクトチームに参加した。その中で韓国や中国との関係についての話題があった。日本の売りは信頼性である。群馬県全体でもお願いしたい。外国に出て戦える力を身に付けさせてもらいたい。
会長
- 県民性については、人柄が良いということがあると思うが、少し人が良すぎる、宣伝が下手すぎるのではないかと思う。
- せっかく就職した若者が簡単に辞めてしまうことがある。それぞれの専門家が検討し、高校、大学から正しい勤労観を育成することが大切ではないかと思う。
- 中小企業が学校を卒業した生徒に期待するのは即戦力である。大企業は入社した社員を1ヶ月や2ヶ月教育できるが、中小企業にはそのような余裕はない。入社した社員にすぐいろいろなことを期待してしまうのも原因の一つではないかと思う。