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令和2年7月21日(火曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、平田郁美委員、青木章子委員、武居朋子委員、益田裕充委員、竹内健委員
加藤隆志教育次長、村山義久教育次長(指導担当)、上原克之総務課長、鈴木佳子学校人事課長、栗本郁夫義務教育課長、小林智宏高校教育課長、矢島貢健康体育課長、齊藤克博総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課主幹
午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名であることを報告。
笠原教育長が今回の会議の会議録署名人に竹内委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第23号議案は教職員の人事に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(笠原教育長)
最初に、私から報告する。
1点目に、新型コロナウイルス感染症に関する学校の対応状況について報告する。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う県内の小・中学校、高等学校、特別支援学校の臨時休業措置については、3月初旬から5月末まで、約3ヶ月にもおよぶ異例の事態となった。6月1日から段階的な再開を経て、県立学校においては、6月29日までに全ての学校が全面再開し、通常登校となった。学校の再開にあたっては、「群馬県版 学校再開に向けたガイドライン」に基づいて、新しい生活様式に従った対応がとられるよう、徹底しているところである。これまでのところ大きな混乱はない。
臨時休業の期間中、児童生徒の学習を支援するため、動画・放送スタジオ『tsulunos』でオンラインサポート授業動画を作成した。6月30日現在、教育委員会から198本の動画を配信したが、そのほとんどがオンライン授業動画である。視聴回数でみると、1位が天文台の部分日食、2位が授業動画「ぐんまちゃんとジャンプ」、3位が授業動画「ダンスの運動」であった。多くの子どもたちに見てもらうことができたと考えている。授業動画については、放送して終わりとしないために、抽出ではあるが、児童生徒や保護者を対象としたアンケート調査を実施しているところである。また、文部科学省から要請があり、全国の子どもの家庭学習のために、放送大学で放送することが決定した。放映日時等の詳細はまだ明らかになっていないが、今月中か、夏休みに掛けての放送になると聞いている。
続いて、同じ新型コロナウイルス関連になるが、例年であれば8月末までに中学生を対象とした高校説明会や体験入学を行っているところだが、子どもたちに集まってもらうことが難しい現状を踏まえ中止とした。その替わりとして、各公立高校のホームページ上で、オンライン学校説明会を実施することとした。現在、各学校の特色ある取組を紹介する動画の作成を進めている。既に公開した学校もあり、今月中には全ての学校で公開したい。特に進路を考えている中学3年生やその保護者にご覧いただき、進路選択に役立てていただきたいと考えている。
2点目は、障害者雇用について報告する。先日、全国の障害者雇用率が発表された。昨年6月1日時点の群馬県教育委員会の障害者雇用率は1.34%で、全国45位、ワースト2位であった。法定雇用率は2.4%であり、来年度には2.5%に引き上げられることが決まっている。この結果は大きな課題と捉えている。今後、さまざまな方法で計画的に取り組み、早期に法定雇用率を達成する必要があると考えている。障害者の方々が、障害の特性に応じて、主体的に活躍できる環境を整備することも不可欠である。法定雇用率を達成することは容易なことではないが、学校現場や市町村教育委員会と連携し取り組みたい。
3点目は、群馬県いじめ問題等対策委員会についてである。県立高校の生徒死亡事案について、現在、第三者委員会による調査審議が行われている。前回の教育委員会会議以降、6月30日に第16回委員会が開催された。この委員会では、最終報告書のとりまとめに向けて、引き続き事実関係の検証等が行われたと報告を受けている。県教育委員会では、調査審議が円滑に行われるよう、引き続き全面的に協力したい考えである。
最後に、教育委員の出席行事についてであるが、残念ながら、新型コロナウイルスの関係で、例年行われている行事が全て中止となっている状況である。行事等に限らず、意見等があれば発言をお願いしたい。
(平田委員)
6ヶ月前にはこんな大変な事態になるとは考えもしなかった。コロナによって、子どもたちにとって本当に大切な学びの場が失われたことは、大きな問題だと感じている。
とにかく初めての事態である。対応は非常に難しいと思うが、教育委員会で力を合わせて、子どもたちの学びができるだけ豊かなものになるようにサポートしてほしい。報告にあったオンラインサポート授業動画について、短い期間に198本も作成し、それを多くの子どもたちに届けたこと。さらに文部科学省の要請を受けて放送大学でも放映されるまでになったことは、とてもよかった。大変な状況下でがんばっている現場の教職員に感謝をしたい。
(青木委員)
受験生にとっては今が一番大事な時期。それなのにこんな状況で、保護者も子どももすごく不安を抱えていると思う。少しでも不安を解消できるようにしてほしい。
(武居委員)
子どもたちの直接体験が失われていることが残念でならない。しかし、こうした中でも、各学校がいろいろと工夫して、できることからやりはじめている。ニュースなどでそうした報道をみるととても心強く感じる。
感染対策と体験活動を両立させることは、ものすごく難しいことだと思う。高校野球の代替大会が始まったが、いろいろなことにきめ細かく配慮していることがわかる。その中で、子どもたちは元気に自分たちの力を出し切っていた。今しか体験できないことを経験できることは、本当に大切なことだと思う。これからもいろいろな工夫により、直接体験の機会を設けてほしい。
(益田委員)
義務教育課が中心となって作った授業動画が、放送大学で全国に向けて放映されるという報告があったが、全国モデルにまで発展したことは大変すばらしいことである。
また、高校の説明会や体験入学が中止になったことと併せて、オンライン学校説明会を実施するという報告があった。高校教育課や高等学校の先生方が中心となった取組だと思うが、これもまたすばらしいことである。
事務局が、オンラインでできることを一生懸命に考えてくれていることを改めて感じた。
(竹内委員)
ひとつお聞きしたい。今、いじめは増える傾向にあるか。
(義務教育課長)
今の段階で、特にいじめが増えたという報告は上がってきていない。
(高校教育課長)
高校も同様である。
(笠原教育長)
新型コロナウイルスの関係で、例えば身近な人が感染したとしても、それがいじめにつながることがないよう、各学校があらためて子どもたちに指導しているところである。
(竹内委員)
普通のいじめと違い、犯人探しのようなことになってしまう。
(笠原教育長)
それが要素となり、新たないじめのきっかけになってしまう可能性がある。
(竹内委員)
そうなっていないか、それが心配だった。
(笠原教育長)
通常登校が始まったが、なかなか収束の兆しが見えてこない。学校現場では引き続きいろいろな工夫が必要だと思っている。市町村教育委員会とも連携を深めながら、取り組んでまいりたい。
それでは、続いて、各所属長から報告をお願いする。
学校人事課長、7月12日に行われた群馬県公立学校教員第1次選考試験について、受験者数や新型コロナウイルス感染症対策の実施状況等について、資料1により報告。
学校人事課長、児童生徒の学びをサポートするための学習指導員の配置について、資料2により報告。
高校教育課長、臨時休業が長期化したことによる影響を踏まえた出題範囲の削減について、資料3により報告。
高校教育課長、新型コロナウイルス感染症の影響で検査当日に受検することができなかった者に対する追検査の実施について、資料4により報告。
健康体育課長、関係団体が実施する代替大会の開催に向けた準備状況と県教育委員会の対応方針等について、資料5により報告。
(笠原教育長)
事務局からの説明は以上である。委員から質問等があるか。
(竹内委員)
資料1の「5今後の予定」で、高等学校農業の実技試験が予定されているが、農業の実技試験はどのような方法で行うのか。
(学校人事課長)
内容について、現時点では回答することができない。
(竹内委員)
実際にその場で農業の実技を行うということか。
(学校人事課長)
そのとおりである。実技試験については、美術や体育、音楽等でも実施している。
(笠原教育長)
過去の試験の内容で、説明できることがあるか。
(竹内委員)
期間を設けて何かを育てるようなわけではなく、その場で技術的な手法を見るような内容か。
(学校人事課長)
その場で見ることができるような内容である。詳しくは改めて説明したい。
(益田委員)
資料2の学習指導員の配置について質問する。たくさんの方にサポートに入ってもらえれば、学校にとっても助けになる。658人分の予算を確保したということだが、これは相当な人数である。我々もいろいろなところで紹介したいと思う。勤務条件は1日5時間で週5日を月4週が基本とあるが、どこまで相談に乗ってもらえるものか。あまり勤務時間が長いと、講義を受けている学生などは応募が難しい。変更が可能であるならば、勤務条件の相談に応じるということを、もっと前面に押し出したほうがいい。
また、期末手当の支給ありと書いてあるが、これは誤植ではないのか。本当に支給されるのか。
(学校人事課長)
会計年度任用職員として採用する。週20時間以上の勤務であれば期末手当も支給される。そうした理由もありリーフレットでは勤務時間を週25時間としている。週20時間以上であれば例えば1日5時間で週4日などの変更も可能である。また、週20時間に満たない場合、勤務条件は異なるが、例えば1日3時間で週5日、1日5時間で月水金のみ勤務などの変更も可能である。できる限り相談に乗りたいと考えている。
(笠原教育長)
例えば、大学の学生で、1人で週25時間は無理だけど、2人で調整してというのも可能か。
(学校人事課長)
可能である。ただ、通勤手当は人数分しか計上していないので、あまりたくさんの方がそうした勤務形態になると、手当分の予算が不足してしまう可能性がある。
(益田委員)
では正しくは、期末手当の支給がされる場合があるということか。
(学校人事課長)
厳密に言えばその通りである。リーフレットのとおり1日5時間で週5日を月4週以上勤務すれば支給される。1日3時間など、週20時間に満たない勤務の場合は支給されない。
(笠原教育長)
原則のとおり勤務してもらうことが一番だが、それが難しい方は相談に応じる。ただし、手当などは変わってくる場合がある。そうした説明をしっかりする必要がある。
(青木委員)
年齢制限はあるのか。
(学校人事課長)
特に年齢制限はない。ただ、あまりに高齢だと難しいかもしれない。すでに学校に来てくれている地域の方には60歳以上の方もたくさんいらっしゃる。
(笠原教育長)
学校とすれば、児童生徒と直接関わる人のことなので、学校支援センターの活動などですでに関わりのある方がよい。顔も分かっているし、安心して任せられる。学校から徒歩圏内にお住まいの方や、教員を志望している大学生などには、ぜひ応募してほしい。
(学校人事課長)
ある校長は、9月に教育実習に来る予定の大学生に声を掛けてみると言っていた。
(武居委員)
地域の方の推薦や校長先生の希望は反映されるのか。
(学校人事課長)
公募なので面接や任用は教育事務所が行うが、申込書には具体的な学校名を記入する欄がある。
(笠原教育長)
校長から、「応募してうちの学校に来てください」と働きかけることはできる。
(武居委員)
これは地域の方に学校を知ってもらうよい機会である。これまでは予算的に難しかったが、これで一気にできるようになった。
(益田委員)
武居委員のご指摘はまったくそのとおりだと思う。1日5時間というのは1時間目から5時間目までというイメージなのかと思うが、小さい子どもがいて、子育て中の方などであれば、勤務はお昼までで終わる方がよいと考えていらっしゃるだろうと思う。そういう事も考慮していただきたい。
(笠原教育長)
お互いのニーズがうまく合う形で働いてもらえるならそれでよい。授業中だけでなく、朝の準備や、放課後の補習を手伝ってほしいという場合もある。
(学校人事課長)
いろいろな形があるので、まずは相談して欲しい。
(笠原教育長)
学習指導員については、多くの方にご協力をいただかなければならない事業である。委員もぜひPRに協力してほしい。
それでは、教育長事務報告は以上とする。
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び関係課以外の課長は退室した。
学校人事課長、原案について説明。
異議なく、原案のとおり決定。
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後1時49分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。