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平成31年2月12日(火曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、藤原重紀教育長職務代理者、平田郁美委員、青木章子委員、武居朋子委員、益田裕充委員
北爪清教育次長、山口政夫教育次長(指導担当)、野村晃男総合教育センター所長、飯塚裕之総務課長、岩瀬春男管理課長、津久井裕美福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、船引忠雄生涯学習課長、古澤勝幸文化財保護課長、小林信二健康体育課長、阿部誠総務課次長、根岸政彦総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課副主幹
午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名、取材者は1名であることを報告。
笠原教育長が、今回の会議録署名人に平田委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第44号議案から第50号議案は議会に提出する案件であるため、第51号議案は附属機関の委員の任命に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(笠原教育長)
最初に私から報告する。
すでに2月7日に知事記者会見で公表されたところであるが、2019年度当初予算案及び組織改正について報告する。
まず、当初予算の関係では、総額が約7,511億円であり、教育委員会の関係では、ぐんま少人数クラスプロジェクト(さくら・わかばプラン)や、桐生・みどり地区の新高校整備、藤岡特別支援学校高等部の校舎整備、新学習指導要領に対応するための県立学校ICT環境整備、さらには教員の多忙化解消に向けたスクールサポートスタッフや運動部の部活動指導員の配置等の関係が予算に計上されている。詳しくはこの後の議案審議で改めて説明する。
次に、組織改正については、2020年に北関東4県を中心に開催する全国高等学校総合体育大会の開催準備のため、健康体育課内にある全国高校総体推進室の「式典・宿泊・競技係」を再編成し、「式典・宿泊係」と「競技・高校生活動係」の2つに分割するとともに、人員を増員し体制強化を図ることが発表されたところである。
続いて、前回の定例会以降の主な行事について報告する。
1月28日・29日に、全国都道府県教育委員会連合会の平成30年度第2回総会が東京で開催された。藤原委員には、教育委員協議会が行われた28日に出席いただいた。私は、翌日に教育長協議会が行われたため、両日とも出席した。28日に行われた教育長と教育委員の合同研究協議会では、協議会の海外調査についての中間発表を行ったのち、4つの分科会で「基礎学力の定着」をテーマに議論したところである。29日の教育長協議会の総会では、「小中学校における学校事務職員の活用について」及び「一年単位の変形労働時間制導入に向けた課題等」の2つのテーマで行われ、各都道府県の教育長と意見交換を行ったところである。また、同日午後には教育長協議会第1部会の平成30年度第3回研究協議会が開かれ、「外国語教育の充実に向けた取組について」について、調査担当県である岐阜県から研究報告書(案)の説明があり、これに対する意見交換を行ったところである。
2月2月には、総合教育センターにおいてぐんま教育フェスタが開催された。平田委員、青木委員、武居委員、益田委員に出席いただいた。私も出席したが、総合教育センターの研修員による成果発表等が行われたところである。さまざまな取り組みについて、多くの先生方、また保護者の皆様に知っていただくことができる良い機会となった。
それでは、委員から出席いただいた行事について感想等をいただきたい。
(藤原委員)
全国都道府県教育委員会連合会の総会について報告する。
まず、連合会総会に先立って、教育委員協議会の第2回総会が行われた。役員の改選があり、会長に東京都教育委員会の遠藤氏が選出された。
続いて、教育長協議会・教育委員協議会の合同研究協議会が行われた。この中で、文部科学省初等中等教育局参事官から「高等学校段階における基礎学力の定着について」をテーマに行政説明があった。これは、この後に行われた分科会の意見交換テーマ「基礎学力の定着について」と連動したものである。内容は、主にsociety5.0の社会に求められる人材像と学びの在り方について説明するものであった。Society5.0の社会は、人工知能等が活躍する時代である。その中で時代を切り拓く能力を確実に育んでいくために、新たな学習指導要領に改正が行われる。次の時代に向けた準備をしっかりしてほしい。現在、小中学校では、国が実施する全国学力・学習状況調査があることで、PDCAサイクルが確立している。毎年の実施結果からは、成績下位の都道府県の正答率の上昇、都道府県単位の学力格差の解消など、調査実施の成果が見えてきている。高等学校においても、これからの時代を切り拓く能力に結びつく基礎学力を育んでいくための指導の改善が必要となる。このため学びの基礎診断等の活用によるPDCAサイクルの確立が課題となる。概ねこのような話であった。
この説明の後、「基礎学力の定着」をテーマに、各都道府県の教育長・教育委員が4つの分科会に分かれ、意見交換を行った。私は第2分科会に出席した。同じ分科会に出席した教育長・教育委員22人から、学びの基礎診断について、認定ツールをどのように取り入れるべきか都県ごとの意見がだされた。群馬県でもそうだが、大半の都県では、各学校にそれぞれ特色があることから、学校の判断に任せて取り組んでいるとのことであった。その中で、山形県から、平成28年度から3年間、文部科学省の委託を受けて取り組んでいる「高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための調査研究事業」について話があった。山形県では、多くの高校が認定ツールを活用しているが、学校によって基礎学力が大きく異なることが課題になっている。進学校もあれば、中には中学校の復習から始めないと高校の学びに進めない学校もある。把握された基礎学力の結果を踏まえて、教育委員会としてどのように授業改善を支援すればよいのかが見えづらく、新たな課題となっているとのことであった。その他、各県の意見は後日、議事録としてまとめたものが送られてくるとのことなので、参考に検討を進めてほしい。
この後、全国都道府県教育委員会連合会の第2回総会が行われ、文部科学大臣の代理として、浮島智子文部科学副大臣がみえられた。挨拶の中で、文部科学省として特に力を入れている4点について話があったので、項目だけ報告する。1点目は学校における働き方改革、中でも勤務時間の管理について、2点目は教育の無償化、3点目は新時代の学びを支える先端技術の推進、4点目は障害者の活躍推進とのことである。以上を報告する。
(平田委員)
ぐんま教育フェスタについて報告する。たくさんのプログラムがあり、全部を見たかったが、残念ながら一部しか見られなかった。その中で、教育研修員の発表では、高校教育について今後の「探求」の在り方に関する研究と、小学校外国語主任のための研究の2つに参加し、話を聞くことができた。見学した2つについては、長期で研修されている先生方が、現場の先生にすぐに役に立つ研究を行っていた。探求でも、外国語でも、年間の指導、準備、教材の選び方など、現場の先生方に使いやすく、解りやすくということを意識しながら情報の共有を図っており、とても助けになるだろうと思った。特に高校の「総合的な探求の時間」については、この4月から新学習指導要領の移行期間となることを受けて、多くの高校で授業が始まることと思う。SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)やSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)の指定を受ける学校や、実業高校では以前から取り組んでいることだが、そうでない学校では敷居が高いものだと思う。発表では全国の先行事例を丁寧に集め、実際に視察に行き、関係者の話を聞くなどして、始めるにあたり配慮すべき点などをとても丁寧に説明されていた。ひとつの形にまとまっている点も、現場の先生方の大きな力となってくれるだろうと思った。探求の時間は、現在、大学で取り組んでいることを高校に下ろそうというもので、いわゆる高大接続とも関係する教科だとあらためて感じた。大学では、デュプロマポリシーという、こういう人材を育てますといった目標を立て、それに基づいてカリキュラムポリシー、アドミッションポリシーを定めなさいと強く言われる。高校の探求においても、学校の教育目標を、高校の先生を中心に、きちんと考え、それに応じて探求の計画を作って行くというように、新学習指導要領の目玉の一つになるような新しい取り組みであると感じた。ただ、それが現場に下りたとき、経験のない学校にとっては、すごく大変なことだと思う。今回のような長期研修の先生方の研究は、現場の先生を助けるものだと感じた。
(青木委員)
私はプログラムの中で、生徒指導・教育相談に興味があり、そちらを見学させていただいた。研究内容は、通常学級における子どもと親それぞれの悩みの聴き方、支え方の提案であった。途中からの見学であったため、内容をきちんと把握していないところもあるが、結論はSNSに頼らない、互いに支え合う人間関係づくりができる児童生徒の育成を目指して、児童、生徒、保護者、教職員それぞれに向けた指導・支援を提案する「ハートフルプログラム」の紹介であった。これは、児童生徒に対し、3種のリーフレットを使って、教職員、保護者の共通の理解、協力体制を作ろうというものである。親と子、先生と保護者、児童生徒と先生の係わり方など、ロールプレイのシナリオがあり、それを実践するというものである。少し機械的で、温かみがないような印象も受けたが、3者が話し合いの場を持てる点にはメリットがあり、きっかけづくりには良いとも感じた。いじめ防止フォーラムでも役立つと思う。こういった内容の取り組みには、保護者も興味があるので、ぜひ保護者にも紹介してもらいたいと思う。
(武居委員)
教育フェスタに参加して、特別支援教育、道徳、小学校の外国語指導の発表をそれぞれ見学した。特別支援教育では、特別支援学校で行っている教科指導について、指導要領がありながらも、知的な特別支援学校においては、教科指導を体系的に行うことが難しい実態がある。一人一人の実態は場面ごとに大きく違ってくるため、把握が難しく、指導要領の示す内容とのマッチングが難しいという面がある。どの学校でも難しいと感じていることを改善しようとする提案であり、参加者も多かった。大変参考になった。
道徳は「こころのマップ」の活用の提案であった。こころのマップは「考え、議論する道徳」の授業を可能にするワークシートであると思った。非常に有効だと思う。ワークシートでは、一人一人の子どもが自分で考える過程を大切にしており、例えその時間にねらいとする価値に到達できないとしても、そのワークシートを基に対話することによって、よりよい生き方について、自身が悩んだり、迷ったりする経験ができる。その時間の経験は次学年で同じ価値項目が出てきた時、さらにスパイラル式に自身の考えを深めていくことにつながるので、非常によい提案だと思った。
小学校の外国語は、平田委員からも報告のあったとおり、現場の先生方がすぐに使える内容であった。小学校の外国語主任は、必ずしも英語が専門ではない方がなる。この方が校内の研修をはじめとした校内の推進体制をどのように構築していけばよいかという点について、非常に解りやすく提案されていた。発表を聴きに来ていた方は管理職の先生が多いようであったが、皆さん非常に熱心に聴き入っていた。これから外国語教育が本格的に始まるのだなと感じた。
研修員の先生方が、今日的な課題を自分たちの課題と捉え、研究テーマに取り上げて、新しい部分を切り開いていこうとする熱意が感じられ、心強さを感じた。どの会場も参加者が多くまた熱心に話を聞いておられ、発表の後の質疑にも積極的に参加されていた。参加者もこれからの教育をどのように組み立てていったらよいのか、研修員の先生と一緒に模索していると感じた。非常に意義のある発表会であったと思う。
(益田委員)
教育フェスタについて、全体を通して感じたことは、野村総合教育センター所長を始め、所員が一丸となって作り上げた一日であったと思う。多彩なプログラムが準備されていたが、一つ一つが大盛況であったと思う。これまでの委員の報告と重複する部分は割愛し、私からは、前橋育英高校の山田耕介先生の特別講演について報告する。
山田先生が講演されるということで、会場は満席だった。若い教員の方の中には、メモを取る方がたくさんいた。とても感動的な講演であった。丸一日、充実したプログラムを体験させていただき、ありがとうございました。
(笠原教育長)
私も教育フェスタに参加した。一つ一つじっくり見ることはできなかったが、我々と課題を共有しながら考えてくれている点が、とてもありがたく感じた。昨年度、いじめ防止フォーラムについて委員から少し中身を見直した方がよい旨の意見をいただき、今年度はSNSに頼らない人間関係づくりというテーマを設けて実施した。こうしたことを総合教育センターでもしっかりと受け止めていただき、さらに研究を深めていただいた点について、連携した取り組みを考えていただいていることを実感した。引き続き総合教育センターと教育委員会の連携も更に深めていくことで、県内の先生方の課題の共有が図れていくものと考えている。
全国都道府県教育委員会連合会の総会について、益田委員もいらっしゃるので一点報告したい。これまで、全国教育委員会連合会や教育長・教育委員の各協議会として、国立系の教育大学で構成される日本教育大学協会との正式な意見交換を行ってこなかった。教員養成や教育の現場で抱えている課題について、大学と教育委員会がしっかりと共有し、連携を深める必要があることから、新たに意見交換の場を設けることとなった。今回の総会において、その最初の意見交換が行われたところである。引き続き、さまざまな課題について意見交換をしながら、よりよい教育、よりよい教員養成に役立てたい考えであることを報告する。
それでは引き続き、各所属長から報告をお願いする。
高校教育課長、平成31年度群馬県公立中等教育学校等入学者選抜の結果について、資料1により報告
高校教育課長、平成30年度県立学校卒業式の期日について、資料2により報告
高校教育課長、2020年度(平成32年度)県立学校入学者選抜日程等及び2019年度(平成31年度)群馬県公立高等学校入学者選抜フレックススクール秋季入学のための入学者選抜日程等について、資料3により報告
(笠原教育長)
それでは、事務報告は以上とする。
義務教育課長、原案について説明
(笠原教育長)
これまで、幼稚園や保育園と教育委員会との直接的な関わりは、学校と比べると少なかった。今回のプランでは、対象を0歳児からとし、改めて幼児教育全般について小学校との接続も含めて取り組んで行こうとするものである。幼稚園や保育園の先生方にも協力いただき、内容の検討を進めてきたものである。
以上の審議の後、異議なく原案のとおり決定
文化財保護課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり承認
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時15分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。