本文
平成30年9月11日(火曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、小池啓一教育長職務代理者、藤原重紀委員、平田郁美委員、青木章子委員、武居朋子委員
北爪清教育次長、山口政夫教育次長(指導担当)、野村晃男総合教育センター所長、飯塚裕之総務課長、岩瀬春男管理課長、津久井裕美福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、船引忠雄生涯学習課長、古澤勝幸文化財保護課長、小林信二健康体育課長、阿部誠総務課次長、根岸政彦総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課副主幹
午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名であることを報告。
笠原教育長が、今回の会議録署名人に平田委員を指名。
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第25号議案及び第26号議案は教育委員会の表彰に関する案件であることから、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(笠原教育長)
最初に私から、何点か話をしたい。
まず、一点目は、北海道胆振東部地震についてである。御承知のとおり9月6日に北海道胆振東部地域で地震が発生し、多くの方がお亡くなりになった。改めてお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様方にお見舞いを申し上げる。一日も早い復興を願うところである。
この地震に関連することだが、本県の嬬恋高校のスケート部の部員12人と引率の先生が強化合宿及び競技会への参加のため、8月下旬から本日9月11日までの予定で帯広市に滞在していた。帯広市は震度4であったが、生徒や先生への被害はなく、ほどなく全員の無事が確認できた。その後、予定していた競技会が地震の影響で中止になったことから、車やフェリーを乗り継ぎ、9日夜には全員が本県に戻る事ができたと報告があった。また、9月7日付けで文部科学省から今回の地震で被災した児童生徒等の就学機会の確保について通知が発出された。一時避難、あるいは、転学を希望する児童生徒の受入れを求めるもので、これまでも大規模災害の際には同様の通知が発出されてきたところである。現在までに具体的な希望は寄せられていないが、希望があった際は速やかに対応できるよう、市町村教育委員会とも連携を取りながら対応を進めていきたいと考えている。
二点目は、本日の新聞等で報道されているとおり、座間市の事件の容疑者が起訴された。本県の高校生が事件に巻き込まれ、尊い命を奪われた大変痛ましい事件であった。本県の児童生徒が二度とこのような事件に巻き込まれることがないよう、県教育委員会でもしっかり取り組みたいと考えている。今年、高校生を対象にSNSを活用して相談を受ける事業を開始した。夏休み期間を含む8月20日から9月23日までの間、県内の高校生からの相談をLINEで受け付け、専門の相談員が対応している。子どもたちにはSNSに頼らない人間関係づくりをしっかりと進めてもらいたいと思っている。子どもたちが相談しやすいよう、色々なチャンネルを使っていきたい。座間市の事件から現在までのところ大きな事件は発生していないが、相談内容の結果を分析し、今後の子どもたちの心の問題に対する取り組みに生かしていきたい。繰り返しになるが、二度と悲惨な事件に子どもたちが巻き込まれないような取り組みをしていきたいと考えている。
もう一点が、藤岡中央高校におけるハンマー投げ事故についてである。これまで報告してきたとおり、昨年12月20日、未来に大きな可能性をもった生徒が校内での部活動中に死亡するという、大変大きな事故が起きた。この事故について、専門家による事故検証委員会を設置し、事故原因の検証及び再発防止のための協議を進めてきた。8月30日に渡辺委員長から事故検証委員会の報告書の提出があり、私が代表して受け取った。報告書では、今回の事故の詳細な検証、また、再発防止に向けた提言をたくさんいただいたところである。報告書は9月2日に、亡くなられた生徒のご両親に報告をさせていただいた。また、9月8日には、学校長と私で御両親を訪問し、改めてお詫び申し上げたところである。本件についても、二度とこのような事故を起こしてはならないという強い決意を持って取り組んでいきたい。また、高校や中学校の部活動にあたっては、市町村教育委員会や先生方とも認識を共にし、このような悲惨な事故を二度と起こさないという強い決意を持って、子どもたちが安全に活動できるよう努めていきたい。今後、年内を目途に、練習中の注意点などを盛り込んだ競技別の安全対策ガイドラインを作成し、学校現場で活用するなど、取り組みを進める予定である。
続いて、前回教育委員会以降の行事等について報告する。
まず、9月4日に第2回産業教育審議会が県庁で開催され、私が出席した。教育委員会から今後の産業教育の在り方について諮問し、審議会で協議を進めているものである。今後、審議会から答申をいただく予定である。
次に、9月6日から7日まで、1都9県教育委員会教育委員協議会が神奈川県で開催され、藤原委員が出席した。会議では「人生100年時代に向けた生涯学習・社会教育の推進について」をテーマに活発に議論したと報告を受けている。
報告は以上である。二学期が始まり、今までのところ夏休み中に大きな事件・事故に巻き込まれたという報告はない。これから運動会など子どもたちが活動する場面が増えるので十分に注意していただきたい。また、6月に通学途中の児童がブロック塀の下敷きになり死亡した事故を受けて、通学路の安全確保について市町村教育委員会や各県立学校で調査を進めてきたところである。県管理課の建築技師等、専門家が現地確認を行った結果を踏まえ、緊急度の高い所からしっかりと安全対策を進めていく予定であることを併せて報告する。
それでは、委員から出席いただいた行事について感想等をいただきたい。
(藤原委員)
1都9県教育委員会教育委員協議会に出席してきた。今回は神奈川県が幹事県であった。来年は栃木県で開催することが決まり、再来年は順番で行くと群馬県で開催する見込みである。
協議に先立ち、文部科学省生涯学習政策局生涯学習総括官から行政説明があった。テーマは「人生100年時代に向けた生涯学習・社会教育の推進について」であった。最初に2030年度の社会像について説明があり、その後、時代に求められる生涯学習・社会教育の在り方について説明を受けたところである。文科省が分析する2030年の社会像として次のような話があった。一つは人口減少と少子高齢化の進展による地域社会の変容である。1995年から2055年までの60年の間に、14歳未満の年少人口は半分に、15歳から64歳までの生産人口は6割減少し、65歳以上の老年人口は2倍になる。また、2007年に生まれた子どもが107歳まで生きる確率は50%で、人生100年時代になることが予想されている。二つ目はsociety5.0の到来である。2030年代は、第4次産業革命と言われるIoT(Internet of Things)やビックデータ、人工知能等はじめとする技術革新が一層進展し、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報化社会に続く、人類史上5番目の新しい社会society5.0の到来が予想されている。地域社会も大きく変容し、今ある自治体のうち49.8%に当たる896自治体が消滅する。こうした時代の生涯教育・社会教育の果たすべき役割は、大別すると2点ある。一つは、人づくりと住民参加のまちづくりである。実現には新しい地域づくりに資する社会教育が必要である。もう一つは、知識やスキルが生涯を通じて身につけられる環境の整備とリカレント教育の充実であると話があった。行政説明の後、同じテーマで1都9県の教育委員で協議を行った。協議の内容だが、各県ともまだ人生100年時代における生涯教育に対する方針が確定しておらず、現状の生涯教育についての報告で終わってしまった。私からも第2期群馬県教育振興基本計画に掲げる生涯における多様な学びについて、県民カレッジや社会教育施設の活用状況を中心について報告したところである。今後、第3期群馬県教育振興基本計画を策定するための前段として、今回の協議は有益であったと感じている。
(笠原教育長)
これから第3期教育振興基本計画の策定作業の中で、生涯学習は大きな柱になると考えている。今後もさまざま意見をいただければと思う。
それでは、引き続き、所属長から関係の報告をお願いする。
健康体育課長、県立藤岡中央高等学校におけるハンマー投げ事故検証委員会から提出された報告書について、資料1により報告。
(笠原教育長)
本件については、今後、被害生徒の御両親との話し合いが行われる予定である。御両親の意向を踏まえながら、県教育委員会としてしっかりと対応していきたいと考えている。教育委員にはその都度、報告していきたいと考えているので御承知置き願いたい。
それでは教育長事務報告については以上とする。
特別支援教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
特別支援教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は教育委員会の表彰に関する案件であるため非公開で行う旨の発言があり、傍聴人は退室した。
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後1時35分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。