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平成30年6月19日(火曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
笠原寛教育長、小池啓一教育長職務代理者、藤原重紀委員、平田郁美委員、青木章子委員、武居朋子委員
北爪清教育次長、山口政夫教育次長(指導担当)、野村晃男総合教育センター所長、飯塚裕之総務課長、岩瀬春男管理課長、津久井裕美福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、船引忠雄生涯学習課長、古澤勝幸文化財保護課長、小林信二健康体育課長、阿部誠総務課次長、根岸政彦総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課副主幹
午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は1名であることを報告。
笠原教育長が、今回の会議の会議録署名人に武居委員を指名
議案審議に先立ち、笠原教育長から、第10号議案から第13号議案並びに第15号議案は附属機関の委員の委嘱及び任命等に関する案件であるため、第14号議案は審議会への諮問内容を決定する案件であるため、第16号議案並びに第17号議案は人事に関する案件であることから、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会の日程について、総務課長が説明。
(笠原教育長)
まず一点目は地震について、すでに報道されているところだが日曜日に本県渋川市で震度5弱の地震が発生した。幸い人的被害はなかったとのことであるが、県教育委員会関係施設については、ぐんま昆虫の森と県立図書館でエレベーターが停止、桐生女子高校で防火扉が作動したと報告があった。また、市町村立の学校では、防火扉の作動、体育館の照明カバーの落下、天井材の一部が落下するなどの被害があったと報告を受けている。
また、昨日、大阪で発生した地震では、本県の中学校6校の生徒約670人が修学旅行で関西方面に滞在していた。6校の内訳は前橋市立宮城中学校、伊勢崎市立境北中学校、みどり市立大間々中学校、大間々東中学校、笠懸南中学校、榛東村立榛東中学校である。全ての学校で生徒、先生方の無事を確認できていることが、各市町村教育委員会から報告があった。今日明日を含め、近日中に関西方面への修学旅行を予定していた中学校では、地震活動の推移を見守っているところである。なお、県立高校については、修学旅行を2学期に設定しているため、この時期に関西方面に滞在していた学校はない。特別支援学校では、太田高等特別支援学校が5月30日から6月2日にかけて関西方面に修学旅行に行っていたがすでに終了しており、その他の特別支援学校で関西方面への旅行を予定しているところはない。
この2つの地震の発生を受け、6月18日付で健康体育課から「地震に対する安全対策の徹底について」県内各市町村教育委員会、県立学校あてに通知を発出したところである。臨時の安全点検をしっかり実施し、地震発生時に学校・施設内で倒壊及び落下の可能性がある危険箇所について、速やかな改善あるいは指導を行うことを求めた通知となっている。以上、地震の関係で2点報告した。
3点目になるが、県議会関係について報告する。平成30年第2回定例県議会が5月25日から6月18日までの会期で開催された。本会議においては、補正予算で計上したSNSを活用した子どもたちの相談体制の構築に向けた取組、あるいは県立高校再編整備、特別支援学校高等部における就労に向けた取組などについて質疑がなされた。また、常任委員会では、さらにSNSを活用した相談事業について、また、文化財保護法の改正、さらには水源県群馬として、県内の水の関係で県内文化施設の浄化槽の設置状況について質疑があった。教員の多忙化解消に向けた取組、高校の文化部活動における外部指導者の関係について質疑がなされた。本議会において特別委員会の設置と廃止が行われ、今年度新たに「県産品需要拡大」「弱者・高齢者対策」「公共交通・観光振興」「ぐんまの雇用戦略」の4つの特別委員会が設置された。教育委員会ではこのうち、弱者・高齢者対策特別委員会に義務教育課、特別支援教育課、生涯学習課が、ぐんまの雇用戦略特別委員会には高校教育課、特別支援教育課が、関係課として参加している。なお、議案については全て提出どおり可決された。
最後に、前回の定例会以降、教育委員等に出席いただいた主な行事について報告する。5月22日に全国都道府県教育長協議会平成30年度第1回研究会議が東京で開催されたが、定例会と同日であったため、山口教育次長が代理出席した。会議の中では、平成29年度の研究成果として「校種間の連携」や「社会教育行政と多様な主体との連携・協働の在り方」などについて、各部会の研究担当県から成果発表があったとの報告を受けている。
5月24日には第1回県市町村教育長協議会を開催した。昨年度設置した「教員の多忙化解消に向けた協議会」の今年度の取組、また、4月1日付けで策定した「適正な部活動の運営に関する方針」について、県内各市町村の教育長と協議した。
6月12日には、教育委員と教育事務所長との意見交換会を実施した。この会では、策定作業を進めている第3期教育振興基本計画の中でも、特に指標について、具体的には学力の育成を中心に意見交換をしたところである。教育振興基本計画の策定は、教育委員会の今年度の大きな課題と考えている。引き続き、さまざまな場面で意見交換を進め、計画づくりを進めたいと考えている。
私からは以上である。教育委員から報告があれば、発言を願いたい。
(小池委員)
私からは教育事務所長との意見交換会について報告したい。今年はかなりテーマを絞った議論ができたと思う。新たに策定する第3期教育振興基本計画については、以前からさまざまな課題があった。特に指標については、近年では数値目標を設定していた。指標はただの数値ではなく、検証可能で、その後の結果をみて次に生かせるものでなければならない。各教育事務所では、それぞれの地域を担当しているので、県全体の教育の質の保証と同時に、地域ごとの特性に合わせた教育を考えなければならない。その点も含めて、いままでになく突っ込んだ話ができたと思う。
これは教育事務所の課題ではないが、基本計画の各施策は、それぞれの担当課の積み上げではなく、各課が連携したものでなければならない。評価においても、各課を単独で評価するのではなく、各課の施策が繋がった結果どうなったのか、何が分かったのかという、担当課を超えた連携に対して行われるよう工夫してほしい旨を私から申し上げたところである。事務局には、よい計画ができるよう、これからも努力していただきたい。
教育事務所長との意見交換会について、教育長と小池委員からも話があったように、今回はテーマを絞り、学力の育成、その中でも「基礎的・基本的な知識・技能を活用し課題解決を図る力の育成」と「しっかりとした学習習慣・生活習慣の確立」について意見交換を行った。テーマを絞ったことで集中して議論することができた。それぞれの教育事務所長からは、各地区の特色について忌憚のない意見を聴かせていただいた。各地区が抱える悩み、問題点、第2期教育振興基本計画がどのように実行されているのかなどを聴くことができた。第3期教育振興基本計画の指標を策定する上で、いいタイミングであったと思う。各地区では、必ずしも県の計画がそのまま実行できるわけではない。実状に応じて指標を少し替える方法もあるのではないかという意見があった。第3期教育振興基本計画を策定する上で、県が掲げた目標をそのまま各地区に下ろすだけではない方法を取ることができるか、事務局の腕の見せどころと思う。
(平田委員)
教育事務所長との意見交換会の中で、学校ごとに状況が違うため、学校ごとに目標を立てて、先生方はそれに向かって頑張っていると話があった。県の教育振興基本計画は学校目標の上にあるので、あまり細かいことまで計画で決めてしまうと、先生方がどれに力をいれて行けばいいのか伝わらなくなってしまう。教育振興基本計画は、県の何に力をいれて指導してほしいかというメッセージを伝えるものであるという意見があったが、本当にそうだと思った。
成果指標について、学習指導要領が変わり、基本的な知識・技能、思考力、表現力、学びに向かう力が重視されるようになった。これをどうやって数値目標にしていくのか、工夫が必要だと感じている。指標をどう設定するかは、そのまま県として何に力をいれて指導していくのかというメッセージになる。大事に作っていただきたい。
(青木委員)
教育事務所長との意見交換会に参加し、小池委員の「指標とは検証が可能なものである」という点、また、藤原委員の「各地区の特色を生かす」という点、それぞれそのとおりと思った。ただ、そうした工夫が子どもたちにとって格差にならないようにしてほしい。また、県や学校が一生懸命考えてくれていることはすごく分かったが、目標が子どもたちの重荷にならないようにしてほしい。スポーツで言えば子どもはプレイヤーに当たると思う。プレイヤーにプレッシャーを掛けすぎては上手くいかない。保護者としては子どものことを第一に考えた計画にしてほしい。
(武居委員)
教育振興基本計画の中でも、学校教育における学力の育成は非常に大きなテーマだと思う。ここに焦点をあてて意見交換ができたことは意味があったと思う。いろいろな意見が出されたが、その中で学校教育に対する考えが広がった気がする。それを指標としてどうするか、どう評価につなげるかと考えたとき、必ずしも数値である必要はないのではないかと思った。また、指標を目指した時に、学校教育の中で具体的な目標としていた子どもの姿が霞んでしまわないような指標になっていくことが重要だと感じた。
(笠原教育長)
それぞれの委員から教育事務所長との意見交換会について報告いただいた。
繰り返しになるが、今年度は第3期教育振興基本計画の策定が大変大きな課題だと考えている。この関係については、県庁内だけでなく、外部の有識者による懇談会も設置し、いろいろな意見を聴く仕組みが既にできている。今後、これらの方々から、更に突っ込んだ話を聴けると思っている。教育委員には内容を逐次伝えるので、計画の策定について引き続き取り組んでいただきたい。
それでは引き続き、所属長から関係の報告をお願いする。
学校人事課長、平成31年度採用公立学校教員選考支援応募状況について、資料1により報告。
義務教育課長、平成30年度いじめ防止フォーラムの実施について、資料2により報告。
高校教育課長、平成30年度フレックススクール秋季選抜について、資料3により報告。
総合教育センター所長、平成29年度研修実施結果報告について、資料4により報告。
(笠原教育長)
質問があればお願いする。
(藤原委員)
研修のうち、長期社会体験研修について質問したい。この研修は何人まで参加可能か。
(総合教育センター所長)
長期研修と長期社会体験研修を合わせた人数で決まっており、内訳は県に任されている。長期社会体験研修は応募者が少なく、昨年度は4人だけであった。人数は増えない傾向にある。
(藤原委員)
長期社会体験研修を受けた方の発表を聞いたことがあるが、時間の使い方の問題などが大変参考になったと力強く報告していた。参加者が増えると良いと思うが、研修の期間は1年と決まっているのか。半年という訳にはいかないものか。
(総合教育センター所長)
群馬県のシステムを変えれば可能であるが、今は1年としている。
(藤原委員)
期間が長いから希望者が少ないのではないかと思うが、復帰が年度の途中だと学校が困ってしまうのか。
(学校人事課)
人の入れ替えが難しくなり、やりづらい。半年間、学校でどのような勤務をするのか、また、研修で居ない半年の代理をどうするのかという問題が生じてしまう。1年だと人事異動で調整しやすい。
(藤原委員)
やはり1年スパンでないとやりづらいか。逆に1年間だから希望者がいるのかもしれない。
もう1点、公立学校の教員選考試験の応募状況について、中学校教員への応募が70人近く減少している。この点についてどう評価しているか。教員の多忙化が指摘されているが、そうした点が影響しているのか。
(学校人事課長)
現状では考察できていない。他県も同様の傾向にあり、全体として受験者は減ってきている。大学の卒業生が減少しており、特に理数系の方が民間に流れているようである。何がどう影響しているのか、はっきりした原因はわかっていない。
(藤原委員)
多忙化が原因で、教員の魅力が低下しているのではないかと危惧して質問した。
最後に、いじめ防止について。SNSに頼らない人間関係づくりを目指すという説明があったが、いじめ防止フォーラムで使用するパンフレット『人間関係づくりプログラム』を見るとSNSに頼らないという文言が出てこない。先生方は理解されていると思うが、大切なところなので、もっと強くメッセージを発信してほしい。
(小池委員)
公立学校教員選考試験の応募状況について、小・中学校の倍率が3.8倍となり、4.0倍を切っている。これは深刻な数字であり、このまま放置はできない。ただ、平成31年度採用は募集人数が多いのでその影響があるのではないか。
(学校人事課長)
昨年度から50人増やしている。この影響はあると思う。
(小池委員)
そうであれば、今後これ以上に増えることはないと思うので、それほど心配する必要はないかもしれない。
中学校の選考試験のやり方を変えたことの影響について、学校人事課ではどう考えるか。
(学校人事課長)
まず大学の卒業生が年々減っている影響があると思う。また、小・中学校を括りで採用しており、全体ではマイナス26人と、若干の減少に留まっている。変更が何か大きな影響を与えたとは考えていない。教員の必要数や試験の結果を鑑みて、教員の質の確保についても考えていきたい。
(笠原教育長)
応募状況には注意を払いたい。試験方法もあるが、教員自体の魅力が無くなってしまうようでは、応募が少なくなってしまう。魅力を感じられる職場づくりと併せて検討していきたい。
それでは教育長事務報告については以上とする。
高校教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
高校教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
特別支援教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
高校教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
生涯学習課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
文化財保護課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
文化財保護課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
健康体育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、笠原教育長から、これからの審議は教職員の人事に関わる案件である旨の発言があり、関係者以外は退室した。
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
学校人事課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時24分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。