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令和5年5月23日(火曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、代田秋子教育長職務代理者、沼田翔二朗委員、河添和子委員、日置英彰委員、小島秀薫委員
柿沼輝信教育次長(兼総務課長)、栗本郁夫教育次長(指導担当)、古市功総合教育センター所長、高林和彦管理課長、下山裕子福利課長、西村琢巳学校人事課長、春田晋義務教育課長、天野正明高校教育課長、近藤千香子特別支援教育課長、松本佳祝生涯学習課長、橋憲市健康体育課長、角田毅弘総務課学びのイノベーション戦略室長、飯嶌幸義務教育課夜間中学準備室長、上原崇臣総務課次長、井澤悟志総務課行政係長、河内皐総務課主事
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は2名、取材者は2名であることを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に代田教育長職務代理者を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第8号議案及び第9号議案は議会に提出する案件であるため、第10号議案は附属機関の委員の委嘱に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(平田教育長)
始めに私から一言申し上げる。
まず、新型コロナウイルス感染症に係る学校の対応状況等について、5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症へと移行した。
県立学校の対応については、これまでどおり基本的な感染対策は講じつつも、感染状況が落ち着いている平時においては、これ以外に特段の感染症対策を講じる必要はないこと、さらに、学校教育活動については、単にコロナ禍以前の姿に戻るのではなく、これまで制限されてきた学校教育活動のうち、真に必要なものを回復させるとともに、GIGAスクール構想の下で生み出されてきた多様な教育実践の工夫を取り入れていくことを、各県立学校等に通知した。
続いて、5月15日に、市町村の教育長に御出席いただき、県市町村教育長協議会を開催したのでご報告させていただく。会議では、「第3期群馬県特別支援教育推進計画」及び「令和5年度教職員のための相談窓口の開設」を報告するなど、市町村教育長との情報共有を図った。
また、前回の教育委員会会議以降の主な行事について、4月27日から28日の2日間、横浜市で開催された1都9県教育委員会全委員協議会に、各教育委員にご出席をいただいた。感謝申し上げる。
最後に、私の出席行事について、5月18日に、全国都道府県教育長協議会教育研究部会の令和5年度第1回研究会議が東京で開催された。文部科学省から「初等中等教育施策の動向について」の行政説明を受けたのち、部会に分かれ、「今年度の調査研究課題について」や「国の施策並びに予算に関する要望」などについて、各県の教育長と協議をした。
それでは、教育委員から意見や報告をお願いする。
(代田委員)
私は、1都9県教育委員会全委員協議会については、都合により欠席させていただいた。
(沼田委員)
私から2点お話をさせていただきたい。
1点目は、新型コロナウイルス感染症に関して、5月8日に5類感染症となったということで、コロナ禍がすべて終わったわけではないが、社会的にも学校的にも一区切りという状態だと思う。この3年間、子供たちが安心安全な学校に通える状態を作ってこられたのは、教育委員会事務局の皆さん、そして教職員の皆さんの本当に献身的な尽力があってこその3年間だったと思い、このタイミングで心から感謝を申し上げたい。
2点目は私自身が参加をさせていただいた、1都9県教育委員会全委員協議会についてのご報告をさせていただく。今回の協議会の協議事項としては、全体として教師不足に対する取組というのが大きな協議事項であった。この協議会というのは、コロナ禍で3年間オンライン開催だったが、神奈川県で久しぶりに対面開催ができたということであった。
内容としては大きく二つある。一つ目は、教師不足に対する行政説明をいただいた。特に文部科学省の担当者からは、令和3年度の5月1日時点で、全国3万2,903校あるうち1,591校が教師不足の現状であるということを皮切りに、それぞれの課題に対してどういう対応をしていくのか、どういう方向性があるのかということについての説明をいただいた。群馬県でも検討事項になっているかもしれないが、教員採用試験の早期化や複数回実施について、文部科学省としても対応策のひとつとして考えているとのことであった。
二つ目はスポーツ庁の担当者から、部活動の地域移行に関する行政説明があった。基本的なロードマップに関しての説明と、全国で取り組まれているグッドプラクティスというような、事例についてお話をいただいた。この事例の中で分析をすると、やはり地域の力が非常に重要だということがわかる。自治体の方々と一体になって取り組んでいるような事例が非常に多かったと思うし、その地域の民間の力もうまく活用しながら、全体で進めていたということが、事例の中にちりばめられていた要素だと考えている。
その後大きく二つの取り組みに対する、分科会があった。分科会ではそれぞれの都道府県の教育委員が、あらかじめ決められたグループに分かれて会議を開催し、この教師不足に対する取組について、各県教委の取り組んでいることを意見交換した。様々な話があったので、まとめることはできないが、群馬県としては「提言R5」のお話をさせていただいたところ、他の都県の教育委員の皆さんは相当に驚かれていて、その取組はとても重要であるというコメントをいただいた。群馬県が本質的な取組をしているということを、他県の教育委員の皆さんのコメントから、私自身も改めて認識をさせていただいた協議会となった。
(河添委員)
私も教師不足をテーマとして開催された、1都9県教育委員会全委員協議会に参加をさせていただいた。
どの要素もとても勉強になったが、特に印象に残ったことは分科会と情報交換会である。
分科会では各都県の状況を伝え合う中、自らの県の取組と比較しながらお話を伺うことができ、私自身とても良いヒントをいただくことができた。他県と比較で特に感じたのは、先ほど沼田委員からもお話にあった、群馬県教育委員会の働き方改革「提言R5」について、とても素晴らしい取り組みであるということだ。県の教育委員会のリーダーシップが、他の都県に先んじていると感じた。
各都県がいろいろな取組を紹介する時に、働き方改革には今後、保護者や地域の皆様への理解を促していくことが大切というところを併せて発表していた。ところが、群馬県はすでにその部分に踏み出していて、保護者や地域の皆さんへ啓発し、ホームページにも掲載して、学校や地域、保護者がいつでも見て参考にし、振り返ることができる。こういった群馬県の取組は、やはりアイデアがあって、覚悟があって、とても良いと感じて帰ってきた。
もう一つ課題として感じたことは教師不足、働き方改革、教師の負担軽減策の三つは、とにかく切っても切れないものであるということだ。最終的には教師の人員増、あるいは1クラスの児童生徒数を軽減しなければならないのは、想像に固くないところだが、山梨県では県が独自に25人学級を実施しているとのことであった。これには他の9都県の委員全員が羨望のまなざしで、25人学級にしたいが、どうやって実施したのかというところを質問していた。もちろん25人学級の実施には大きな予算が必要であるということは理解しているが、教師の良いコンディションを維持するためには、非常に有効であるとのことであった。
教師を増やすということ、また、教員の良いコンディションを維持していくことは、子どもたちのより良い成長や、教師の負担軽減に繋がるということを改めて実感した1日だった。
(日置委員)
私は4月27日の1都9県教育委員会全委員協議会に参加したことに関して報告させていただく。
全体会では、先ほど2人の委員に報告していただいたとおり、教師のなり手不足や、部活動の地域移行がテーマであった。ほとんど話がかぶってしまうので、私は部活動の地域移行のことについてお話させていただく。
部活動を地域移行が進められている理由の一つには教師の負担軽減があると思う。その一方で、少子化で部活動に参加する生徒が少なくなり、全体の参加率も下がっているという理由もある。このままだと学校単位で部活動運営をするのが、そろそろ困難になってくるということである。さらには、地域移行をすることで、より良い街づくりの一環となり、地域住民にとっても良い効果を生むということ。そのような地域移行とすることが、非常に大事だということであった。
すでに休日の部活動を地域移行している地域はたくさんあり、アンケート結果では、子どもたちからは非常に好評であるということだ。人材確保の面などは非常に難しいところもあると思うが、これは早急に進めていくべきであると感じた。
それから分科会では、教師のなり手不足について、とにかく教師の魅力を上げるにはどうすればよいかということが話題の中心となっていた。大学生だけではなく、高校生の時からいろいろとアプローチをかけているという県もあった。
前の2人の委員のお話にもあったが、やはり群馬県の提言R5のことをお話しすると、時間外の電話対応には応じかねますとか、夏休みのプール開放についても検討させてもらいますとか、非常に具体的なことについて、群馬県が直接、保護者などに対して伝えているということに関して、すごく高い評価があったということを報告したいと思う。
それから、教育施設の視察では、神奈川県立図書館を視察した。ここは昨年の9月に新しくできた図書館で、今の県民に向けた新しい図書館はどういう設計がされているのかと思い、注目していた。いろいろな部屋があり、例えばパソコン等を持ち込めない静寂読書室、毛の長い絨毯の敷かれたゆったりとできるラウンジ、長期で貸し出せる作業室など、目的が細分化され、県民の様々なニーズに合わせて設置されていると感じた。飲食可能なスペースが設けられていたり、民間の珈琲店が入っていたり、改修前は利用者が少ないという問題があったらしいが、視察時は平日であったにもかかわらず利用者が多く、様々な工夫に感心して見てきたところである。
(小島委員)
私も4月27日の1都9県教育委員会全委員協議会に出席をさせていただいた。
全体会で文部科学省から、教師不足と働き方改革の説明。それからスポーツ庁から、部活動の地域移行の説明があった。聞いていて何となく納得がいかないというか、違和感があったということで、説明の後で質問させてもらった。その趣旨は、基本的に給特法を改正するつもりはないのかという、その1点である。
今の民間企業の状況は、2024年問題といわれる、給与ではなく労働時間が問題となっている。労働基準法は残業時間自体を全体的に減らさなくてはいけないというのが趣旨であるが、教師などの特殊な公務員は基本的に適用除外となる。その考え方は、公務員は民間企業のように言わなくてもちゃんとやるだろうということが前提で、労働基準法の適用外になっているのだと思う。その労働基準法の中で、残業時間を少なくしろと言っているにもかかわらず、教育の現場では今なお、部活動にかかる時間の扱いは労働時間なのかそうではないのかもはっきりしない状況である。仮に労働時間だとすれば本来時間外手当を出さなければいけないのに、時間外手当は出さずに部活動手当でお茶を濁されているような気がしたため、質問をさせてもらった次第である。
回答としては、今後の検討事項であるといった趣旨であったが、今日のテレビを見ていたら給特法について、中教審に諮問するという内容を目にした。ようやく検討が始まるかもしれないという印象を少し持った。
分科会でも、他の委員の皆さんがおっしゃったとおり、それぞれの都県の委員からいろいろな意見が出た。とにかく働き方改革ということで、労働時間を少なくするということが主な議論であった。特に私の印象に残ったのは、静岡の大学の学長をされていた委員の意見である。その委員がおっしゃっていたのは、先生方自身が忙しくしている部分もあるのではないかということだ。かなり印象的だったことは、1年生から3年生までの成績をそれぞれつける必要があるのだろうかという話があり、本来当然にやらなくてはいけないと思っていた業務ですら、根本的に見直したらどうかという問いかけだったと思う。
そういう意味ではやはり、周りから改革を進めるだけではなく、学校現場としても、教師自身としても、日常の業務から見つめ直したほうがよいと感じた。
(平田教育長)
各委員から非常に貴重なご報告、またご意見をいただいて、誠に感謝申し上げる。
最初に沼田委員からコロナウイルス感染症の対応に関して、教育委員会はもちろん、各学校に対して労いの言葉をかけていただき、本当にありがたいことである。本当に様々な苦労をして、大変な3年間であったかと思うが、そのようにねぎらっていただき、学校も大変喜ぶと思う。コロナ禍はもう、なかったことにはならない。例えば、子どもたちの心身に影響を及ぼしたところもあると思う。しかし、良い面ももちろんあった。なかったことにはならないということを前提に置いて、これからまた様々なご協力をいただきながら、できることをできる時から、時を置かずにやっていきたいと思う。今後ともよろしくお願いしたい。
また、委員の皆様からいただいたご報告の中に、提言R5で地域や保護者に教育委員会が直接お知らせをしたということについて、他の都県から良い評価をいただいたことや、部活動の地域移行に関係して、少子化で部活動が保てないということ、先生方の多忙化解消ではなく、より良い街づくりというような視点や、子どもたちにとても好評であったということ。それから給特法に関係して、民間を含めた、我が国全体の労働環境がどうなっていくかという視点、また先生方自身や学校自身も、本来当たり前と思っていたところから見直すべきではないかというような意見があったことなど、多くのお話をいただいた。
いずれも大変貴重なご意見であり、情報であり、心より御礼申し上げる。教育委員の皆様には、またお力をお借りしながら、より良い群馬県の教育を作っていきたいと思う。ご一緒によろしくお願いしたい。
それでは、関係所属長から報告をお願いする。
学校人事課長、令和5年度市町村立学校児童・生徒数及び実学級数(令和5年5月1日現在)について、資料1により報告。
高校教育課長、令和5年度公立高等学校入学者選抜結果について、資料2により報告。
(平田教育長)
ただいまの報告について、委員から質問等があるか。
(小島委員)
資料2の令和5年3月公立高等学校等卒業者の進路状況について、全国的な傾向や、近県の傾向との比較は行うのか。
(高校教育課長)
現時点では、近県を含めた全国の情報が入ってきていない。おそらく夏以降となる。学校基本調査の結果が出れば、比較はできる。ただ、大学進学が増えているというのは、全国的な傾向である。
(日置委員)
大学に進学した人が今年は現役が6,469名で、全体で6,692名ということは、浪人した人が220名くらい大学進学していると思う。その前年の進学努力継続中の人が多分450人ぐらいだったと思うが、半分ぐらいの人は結局、頑張ったけど辞めていったということになるのだろうか。そういった人がそんなにたくさんいるのかというのが疑問である。
(高校教育課長)
それについては追跡をしてないため、詳細は不明である。
(平田教育長)
他に何かあるか。なければ、以上で教育長事務報告を終了する。
高校教育課長、原案について説明
異議なく原案のとおり決定
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
総務課長、原案について説明
異議なく、原案のとおり承認
総務課長、原案について説明。
異議なく、原案のとおり承認。
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後1時47分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。