本文
平成11年5月31日
群馬県告示第372号
環境影響評価の対象とする環境要素は、群馬県環境基本条例(平成8年群馬県条例第36号)の趣旨にのっとり、別表第1(環境影響評価技術指針 別表第1・第2・第3)に掲げる環境要素とし、環境要素の細区分については、別表第2(環境影響評価技術指針 別表第1・第2・第3)に掲げる環境要素の考え方を踏まえ、対象事業に係る環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法の選定に影響を及ぼす対象事業の内容(以下「事業特性」という。)及び対象事業を実施する地域の特性(以下「地域特性」という。)に応じて適切に設定するものとする。
環境影響評価の対象とする行為は、対象事業に係る工事の実施、対象事業に係る工事が完了した後の土地及び工作物の存在並びに供用に伴い行われる事業活動その他の人の活動とする。
環境影響評価は、対象事業の内容が概ね特定され、かつ、当該対象事業の計画が変更可能な時期に実施するものとする。また、事前調査はより早期から取り組むものとする。
環境影響評価の対象とする地域は、原則として群馬県域のうち対象事業の実施により環境影響が及ぶ可能性のある地域とし、必要に応じて群馬県に隣接する地域を含むものとする。
環境影響評価に係る調査等は以下に示す手順により実施する。(別図参照)
事業特性に関する情報として、次に掲げるものを把握する。
把握に当たっては、対象事業内容を具体化する途中段階における検討(環境保全の配慮に関する)の経緯及びその内容について把握するものとする。
対象事業を実施しようとする地域及びその周辺地域の概況及び基礎的な環境特性を把握するため事前調査を実施する。
ア 事前調査の目的
事前調査は、環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法選定を行うために必要な地域の環境の状況について把握することを主たる目的とする。あわせて、事前調査を通じて得られた情報を事業計画策定に反映し、適切な環境配慮に努める。
イ 事前調査の対象項目
事前調査は、上記アの目的を達成するため、地域特性として別表第3(環境影響評価技術指針 別表第1・第2・第3)に示す環境要素の状況、それに関連する社会経済の状況、地域の環境保全の状況について実施する。
ウ 事前調査の実施方法
事前調査は、主に既存資料の収集・解析により実施するとともに、これらの出典が明らかにされるよう整理し、過去の状況の推移及び将来の状況について把握するものとする。
また、自然環境についての事前調査は、必要に応じて概略の現地踏査を実施する。
事前調査においては、対象事業を実施しようとする地域及びその周辺の環境要素について、その特性を把握した上で、以下の点を明らかにする。
(ア)対象事業を実施しようとする地域及びその周辺地域において、自然環境の保全、人の健康の保護、生活環境の保全の観点から、事業の立地を回避することが望ましい地域又は対象。また、それらと対象事業を実施しようとする地域の関係
(イ)対象事業を実施しようとする地域において、自然環境の保全、人の健康の保護、生活環境の保全の観点から、環境保全上留意すべき事項又は環境配慮の方向性
エ 事前調査結果の事業計画への反映
事前調査の結果明らかにした上記ウの(ア)及び(イ)の事項を踏まえ、この時点の事業計画において配慮しておく必要のある事項を検討し、事業計画に反映するよう努める。
その内容については、事前に配慮した事項として、方法書に記載する。あわせて、事業特性からみて配慮することが困難な事項についてもその内容を明記し、困難な理由を明らかにする。
なお、事前調査結果の事業計画への反映に当たっては、群馬県環境基本計画の内容との整合を図ることとする。
ア 環境影響要因及び環境影響要素の抽出
第1章第2の2に言う環境影響評価の対象とする行為を把握し、そのうち環境への影響が想定される行為(以下「環境影響要因」という。)及び環境影響を受けることが予想される環境要素(以下「環境影響要素」という。)を別表 第4要因要素マトリクス(PDFファイル:121KB)に掲げる環境要素の区分及び影響要因の区分に基づき抽出する。
なお、別表第4は、すべての事業に共通するものとして策定したものであるため、抽出に当たっては、事業特性、事前調査結果からみた地域特性に応じて環境影響要因及び環境影響要素の細区分の追加又は削除を行うこととする。
イ 影響評価項目の選定
抽出した環境影響要因が環境影響要素に影響を及ぼす過程を検討するとともに、事業特性及び事前調査結果からみた地域特性等から環境影響の程度を想定し、一定程度の環境影響が想定される場合に、環境影響評価を行う環境要素(以下「影響評価項目」という。)として選定する。
なお、この場合、環境汚染物質に係る項目についてはその具体的な物質名を、生物環境や人と自然との関わりに係る項目においては特に注目すべき対象の種、場所等を可能な限り明らかにする。また、必要に応じ専門家等の助言を受けること等により客観的かつ科学的な検討を行うものとする。
ウ 影響評価項目の重点化又は簡略化
選定した影響評価項目は、項目の特性及び想定される環境影響の程度を踏まえ、必要に応じ、以下の重点化又は簡略化の区分を行う。
エ 項目選定結果の整理
影響評価項目の選定結果について、以下の整理を行う。
選定した影響評価項目について、次に示す2の(2)、(3)及び(4)の内容並びに別表第5(環境影響評価技術指針 別表第5)を参考として、また、必要に応じ専門家等の助言を受けること等により客観的かつ科学的根拠に基づき、調査、予測及び評価の手法を検討する。
調査手法については、調査及び測定により収集すべき具体的な情報の種類(以下「調査対象」という。)、調査方法、調査地域及び地点を定めて調査を行う場合はその地点、調査期間及び時期等について検討する。
予測手法については、予測すべき情報の種類(以下「予測対象」という。)、予測方法、予測地域及び地点を定めて予測を行う場合はその地点、予測時期について検討する。
評価手法については、影響の回避・低減の方針及び対象並びに整合を図るべき基準等について検討する。
なお、別表第5は一般的な手法を示したものであるため、事業特性、事前調査結果からみた地域特性を踏まえ、影響評価項目の重点化又は簡略化の区分に応じて適切に選定する。この場合において別表第5に記載した手法と同等以上の信頼性のある手法であれば、その根拠を示した上でそれ以外の手法を用いてもさしつかえない。
また、手法の選定に当たっては、その選定理由を明らかにし、専門家その他の環境影響に関する知見を有する者の助言を受けたときは、その内容等を記載する。
事業の内容、事前調査結果、影響評価項目の選定結果並びに調査、予測及び評価の手法の検討結果を方法書としてとりまとめる。
方法書についての知事の意見(第1種事業にあっては、条例第8条第1項の意見を含む。)に基づき影響評価項目並びに調査、予測及び評価の手法を見直すとともに、必要に応じて事業計画の見直しを行う。
事業計画の見直しは、環境影響の回避・低減の観点から行う。
なお、調査、予測及び評価の手法は、その後の調査等の結果及び事業計画の検討状況に応じ、適宜見直しを行うものとする。
対象事業を実施しようとする地域の環境の現況について、予測、評価を行うに当たって必要な情報を得るため、上記(1)の調査手法に基づき調査を実施する。
調査手法の検討及び実施に当たっての基本的な考え方は次に示すアからオまでのとおりとする。
ア 調査対象、調査方法
調査は、影響評価項目の特性、事業特性及び地域特性を勘案し、予測及び評価において必要とされる精度が確保されるよう、調査対象並びに具体的な調査及び測定の方法を選定する。この場合において、地域特性を踏まえるに当たっては、当該地域特性が時間の経過に伴って変化することに留意する。
法令等により調査又は測定の方法が定められている場合には、これを踏まえ、適切なものを選定する。
イ 環境への影響の少ない調査方法の選定
調査の実施そのものに伴う環境への影響を回避し、又は低減するため、可能な限り環境への影響の少ない調査又は測定の方法を選定する。
ウ 調査地域及び調査地点
調査を実施する地域は、調査対象の特性、事業特性及び地域特性を勘案し、対象事業の実施により環境の状態が一定程度以上変化する範囲を含む地域、環境が直接改変を受ける地域及びその周辺地域とする。
調査地域の設定においては、その設定の理由を明らかにするものとする。
調査対象の特性に応じて調査地域内に調査地点を設定する場合は、調査対象及び特に環境影響を受けるおそれがある対象の状況を踏まえ、地域を代表する地点その他調査の実施に適切かつ効果的な調査地点を設定する。
エ 調査期間及び時期等
調査の期間及び時期は、調査対象並びに対象事業を実施しようとする地域の気象、水象等の特性及び社会的状況等に応じ、適切かつ効果的な期間及び時期を設定する。この場合において、季節の変動を把握する必要がある調査対象については、これが適切に把握できる調査期間を確保するとともに、年間を通じた調査については、観測結果の変動が少ないことが想定される時期に開始するものとする。
調査及び測定により収集すべき具体的な情報が既存しており、かつ、現地調査を行う場合には、当該情報と現地調査により得られた情報とを対照する。
オ 調査結果の整理方法
調査によって得られた情報は、出自及びその妥当性を明らかにできるよう、既存資料によるものについては当該情報が記載されていた文献名、現地調査等によるものについては調査の前提条件、調査地域及び調査地点の設定の根拠、調査の日時等について整理する。
調査結果については、予測及び評価に必要な情報が得られるように解析を行う。
希少生物の生息、生育に関する情報については、必要に応じ公開に当たってその種及びその場所を特定できない形で整理する等の配慮を行う。
対象事業が環境に及ぼす影響について、その内容及び程度を把握し、環境保全対策を検討するための情報を得るため、選定した影響評価項目について予測を実施する。
予測手法の検討及び実施にあたっての基本的な考え方は、次に示すアからカまでのとおりとする。
ア 予測対象及び予測方法
予測は、調査によって得られた情報の整理・解析結果を踏まえ、事業計画に係る環境影響要因に対する環境影響の程度を適切に把握する事ができるよう予測対象を設定する。
予測方法は、事業特性及び地域特性を勘案し、影響評価項目に係る評価において必要とされる水準が確保されるよう、数理モデルによる数値計算、模型等による実験、既存事例の引用又は解析等の方法のうちから、適切な手法を選定して行う。この場合、定量的に把握することを基本とし、定量的な把握が困難な場合は定性的に把握する。
イ 予測地域及び予測地点
予測の対象とする地域は、事業特性及び地域特性を十分勘案し、調査地域のうちから適切に設定する。
予測指標の特性に応じて予測地点を設定する場合は、予測対象及び保全すべき対象の状況並びに対象事業を実施しようとする地域の地形、気象及び水象の状況等に応じ、地域を代表する地点、特に環境影響を受けるおそれのある地点、保全すべき対象等への環境影響を的確に把握できる地点等を設定する。
ウ 予測の対象時期
予測の対象とする時期は、事業特性並びに対象事業を実施しようとする地域の気象、水象等の特性及び社会的状況等を十分に勘案し、予測対象ごとに環境影響要因による環境影響を的確に把握できる時期とする。
対象事業に係る工事の実施による環境影響については、工事中の環境影響が最大になる時期又は工事完了時を、対象事業に係る工事が完了した後の土地及び工作物の存在による環境影響については、工事完了後一定期間を経過し存在による環境影響がほぼ確定した時期を、対象事業に係る工事が完了した後の土地及び工作物の供用による環境影響については、供用時の活動が定常的な状態に達した時期及び影響が最大となる時期(最大になる時期を設定することができる場合に限る)を基本として、適切な時期に設定する。
ただし、対象事業に係る工事が完了した後の土地及び工作物の存在及び供用による環境影響が上記のような状態に達するまでに長期間を要する場合、対象事業に係る工事が完了する前の土地等について供用されることが予定されている場合又は対象事業に係る工事が完了した後の土地及び工作物の供用による環境影響の変動が大きい場合等においては、適切な時期に補足的な予測を行う。
エ 予測の前提条件の明確化
予測に当たっては、予測の手法に係る予測地域及び予測地点の設定の根拠、予測の手法の特徴及びその適用範囲、予測の前提となる条件、予測で用いた原単位及びパラメータ等について、地域の状況等に照らし、それぞれその内容及び妥当性を予測の結果との関係と併せて明らかにできるように整理する。
オ 将来の環境の状態の設定のあり方
環境の状態の予測に当たっては、当該対象事業以外の事業活動等によりもたらされる地域の将来の環境の状態(将来の環境の状態の推定が困難な場合等においては、現在の環境の状態とする。)を明らかにできるように整理し、これを勘案して行うものとし、将来の環境の状態は、県又は関係市町村が有する情報を収集して設定するよう努める。
なお、将来の環境の状態の推定に当たって国、県及び関係市町村による環境保全施策の効果を見込む場合には、その見込まれる効果を明らかにする。
カ 予測の不確実性の検討
科学的知見の限界、予測条件の不確定性等に伴う予測の不確実性について、その程度及びそれに伴う環境影響の重大性について整理する。
この場合において、必要に応じて予測の前提条件を変化させて得られるそれぞれの予測の結果のばらつきの程度により、予測の不確実性の程度を把握するものとする。
ア 評価の考え方
評価は、調査及び予測の結果を踏まえ、事業の実施により影響評価項目に係る環境影響が、事業者により最大限に回避され、又は低減されているものであるか否かについての事業者の見解を明らかにすることにより行う。
この場合において、評価に係る根拠及び検討の経緯を明らかにできるように整理する。
また、評価に際しては、群馬県環境基本計画及び環境の保全の観点からの国等の基準又は目標が示されている場合には、当該基準又は目標に照らすこととする考え方を明らかにしつつ、当該基準又は目標と調査及び予測の結果との間に整合が図られているか否かについても検討する。
なお、工事の実施に当たって長期間にわたり影響を受けるおそれのある環境要素であって、当該環境要素に係る環境基準が定められているものについても、当該環境基準との整合性が図られているか否かについて検討するものとする。
イ 項目ごとの評価の方法
影響評価項目ごとに、環境影響評価の実施を通じて検討した複数の計画案又は複数の環境保全対策案等について、それぞれの予測結果を比較検討することにより、実行可能な範囲内において最大限に影響の回避又は低減が図られているか否かを検討する。
また、環境保全の観点からの基準又は目標がある場合には、これの達成のために最大限の配慮がなされているか否かを検討する。
なお、影響評価項目ごとの評価は、必要に応じ、比較検討する複数の計画案又は環境保全対策案の内容により段階を区分して実施したり、影響評価項目の細区分ごとではなく環境要素の区分ごとにまとめて実施することができるものとする。
評価の結果に基づき、対象事業に係る環境影響を回避又は低減するための環境保全対策(以下「保全対策」という。)を検討する。また、やむをえず環境影響を生じる場合には、事業の実施により損なわれる環境要素と同種の環境要素を創出すること等により損なわれる環境要素の持つ環境保全上の価値を代償するための措置(以下「代償措置」という。)を検討する。
保全対策の検討に当たっては、群馬県環境基本計画の内容を踏まえることとする。
なお、保全対策を検討した場合には、再度予測を実施する。
影響評価項目ごとの調査、予測及び評価結果に基づき、結果の一覧表を作成するなどの整理を行い、影響評価項目選定の際の項目の重点化、簡略化の検討結果を勘案しつつ、対象事業に係る総合的な評価を行なう。
調査、予測及び評価の結果並びに予測における不確実性の程度を踏まえ、第3の事後調査に定めるところに基づき、影響評価項目ごとに事後調査の必要性を検討し、事後調査計画を策定する。
以上の過程により得られた結果をとりまとめ、準備書を作成する。
条例第20条第1項の知事意見(第1種事業にあっては、条例第17条第1項の意見及び第19条第1項の意見を含む。)への対応を検討し、必要に応じ事業計画の見直し及び保全対策の検討を行い、調査、予測及び評価を再実施する。
上記(1)の結果をとりまとめ、評価書を作成する。
評価書に記載した事後調査計画に基づき、事後調査を実施する。
事後調査を実施した時は、その都度、調査結果に必要な検討を加え、速やかに事後調査報告書を作成する。ただし、近接した時期に実施した調査は、まとめて報告することができる。事後調査の結果必要と認められるときは、追加の環境保全対策を検討し、実施するとともに、事後調査計画の見直しを行う。
事前調査に基づいて事前に配慮した事項、環境影響評価の過程で検討した環境保全対策及び事後調査の結果に基づき講ずる追加の保全対策(以下「環境保全措置」という。)は、次に示す考え方に基づき、回避、低減、代償の順に、事業者が実行可能な範囲において検討を行うこととする。
事業の全部又は一部を実施しないこと若しくは事業の全部又は一部の位置を変更すること等によって、環境影響の発生を回避する。
事業の程度又は規模を制限すること、事業の実施方法を変更すること等によって、環境影響の発生の程度を低減する。
事業の実施により損なわれる環境を同一の場所で修復、再生する。
また、事業の実施により損なわれる環境と同種の環境を異なる場所で創出するなどにより、損なわれた環境の価値又は機能等を代替する。
(1)検討に当たっては、環境保全措置の内容、実施期間、実施主体等の実施の方法を極力具体的に示すとともに、環境保全措置の効果及び不確実性の程度、環境保全措置の実施に伴い生ずる恐れのある環境影響、環境保全措置にもかかわらず存在する環境影響の程度を明らかにすること。
また、環境保全措置についての複数案の比較検討、実行可能なより良い技術が取り入れられているか否かの検討等を通じて、講じようとする環境保全措置の妥当性を検証し、これらの検討の経過を明らかにできるよう整理すること。
この場合において、当該検討が段階的に行われている場合には、これらの検討を行った段階ごとに環境保全措置の具体的な内容を明らかにできるように整理すること。
(2)代償を講じようとする場合には、環境影響を回避又は低減することが困難である理由を明確にするとともに、事業の実施により損なわれる環境影響要素と代償により修復等される環境影響要素のそれぞれについて、十分な調査を実施し、内容を十分に検討するものとし、代償措置の効果及び実施が可能と判断した根拠を可能な限り具体的に明らかにできるようにすること。
事後調査は、事業者自らが予測評価後の検証を行うことにより、予測評価や保全措置の効果の不確実性等に対応した追加の保全措置を適切に講ずるとともに、事業者自らによる環境影響評価結果に基づく適正な事業実施、知事による適切な指導及び今後の予測評価技術等の向上に資することを目的とする。
事後調査の対象とする項目は、予測評価を実施した項目の中から、予測評価等における不確実性の程度や影響の重大性に応じ、また、必要に応じ専門家等の助言を受けること等により客観的かつ科学的根拠に基づき、次に示すアからカに該当するものを選定する。
事業者は、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合において、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるときは、工事の実施中及び土地又は工作物の供用開始後において、事後調査を行わなければならない。
調査の時期は、予測時点を基本とし、影響の出現に時間を要するものや影響の程度に経時的な変動が想定されるもの等については、必要に応じて一定期間のモニタリング調査等を行う。
事後調査の調査地点、調査期間及び時期、調査又は測定の方法等は、環境影響評価の手法に準じて設定する。
ただし、調査、予測及び評価の結果を踏まえ、簡略化が可能であると考えられる場合には、その理由又は根拠を明らかにした上で、簡略な手法を採用することができる。
事後調査の結果は、環境影響評価の結果と比較検討する。その結果が当該環境影響評価の結果と著しく異なる場合には、事業の状況等を勘案し、その原因を検討する。
事後調査の結果が環境影響評価の結果と著しく異なり、環境への影響が大きい場合には、必要に応じ専門家の助言を受けること等により客観的かつ科学的根拠に基づき、追加の保全措置を検討し、実施する。
その場合においては、追加の保全措置による環境影響の変化について予測評価を実施する。
また、追加の保全措置を実施する場合、又は環境影響の継続的観察が必要と認められる場合には、再度、事後調査計画を策定し、実施する。
ア 事業者の氏名及び住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
イ 対象事業の目的及び内容
ウ 事前調査結果
エ 選定項目
オ 選定項目ごとの調査、予測及び評価手法
カ 環境保全対策の検討方針
今後検討する保全対策の範囲、今後の計画策定において特に配慮する事項等
ア 事業者の氏名及び住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
イ 対象事業の名称、目的及び内容事業の内容には、方法書に記載した事項のほか、環境影響の予測評価において必要な事業の内容、工事の実施方法及び工程等について記載する。
ウ 方法書に対する県民等意見の概要
エ 方法書に対する知事の意見
オ 県民等意見及び知事意見に対する事業者の見解
ウ及びエの意見により、方法書の内容を変更したり、準備書中に反映した事項についてはその箇所を明らかにする。
カ 選定項目
方法書の内容に必要な修正を加えて記載する。
キ 選定項目ごとの調査、予測及び評価の手法
方法書の内容に必要な修正を加えて記載する。
ク 選定項目ごとの調査、予測及び評価の結果
選定項目ごとに、調査結果の概要、予測及び評価の結果を記載する。
この場合、環境影響評価を行ったにもかかわらず環境影響の内容及び程度が明らかにならなかった項目に係るものを含む。
なお、調査結果や予測条件の詳細等については、資料編として取りまとめる。
ケ 環境の保全のための措置
環境影響評価の過程で検討した保全対策と、そのうち環境影響評価の結果採用することとした環境の保全及び創造のための措置を一覧できるよう整理する。
評価の結果、やむを得ず代償のための措置を講ずることとした場合は、回避・低減のための措置が講ずることが困難な理由、代償措置の内容、当該措置の効果、当該措置を講ずることによる環境影響等について記載する。
コ 対象事業に係る環境影響の総合的な評価
サ 事後調査計画
(ア)事後調査の項目及び選定理由(影響評価項目のうち、事後調査の対象としないものについては、その理由を記載)
(イ)項目ごとの調査内容、調査対象時点・時期・頻度等、調査地域及び調査地点、調査方法等
(ウ)事後調査報告書の提出時期又は頻度
(エ)その他必要な事項
事後調査を事業者以外のものが行う場合、実施主体の名称・住所等について記載する。
工事中及び供用後の影響に関する苦情等の連絡先並びに苦情等への対応の方法について記載する。
(オ)専門家等の助言を受けた場合はその内容等
シ 環境影響評価の全部又は一部を他の者に委託して行った場合には、その者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
ア 事業者の氏名及び住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
イ 対象事業の目的及び内容
事業の内容には、評価書に記載した事項の概要を記載する。
ただし、評価書の公告以降に、環境影響評価の手続の再実施を要しない変更等を行った場合は、変更内容を明らかにする。
ウ 対象事業の実施状況
対象事業の進捗状況又は対象事業に係る土地もしくは工作物の供用の状況を記載する。
エ 環境の保全のための措置の実施状況
オ 事後調査の項目及び手法
事後調査計画のうち、実施した(当該報告書に記載した)事後調査の項目及び手法、事後調査を行うこととした理由を明らかにする。
その項目ごとに、調査の実施日時、実施者、実施地域及び地点、実施方法等を記載する。
カ 事後調査の結果
実施した事後調査の項目ごとに、調査の結果を、予測結果と比較検討が可能なように整理する。
キ 調査結果の検討結果及び今後講ずる措置
調査結果が予測結果と著しく異なる場合のその原因の検討結果、追加の環境保全措置等を検討した場合のその内容及びその効果等の予測結果、事後調査計画を見直した場合見直し後の事後調査計画等を記載する。また、事後調査の結果の公表の方法を明らかにする。
なお、専門家等の助言を受けた場合はその内容等を記載する。
ク 事後調査の全部又は一部を他の者に委託して行った場合には、その者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
ケ その他
必要に応じて、今後住民からの苦情等が発生した場合の対応方法、今後の自主的な環境管理計画及び住民等への情報公開方法等について記載する。
附則(平成18年9月29日)
附則(平成25年3月28日)
この技術指針は、平成25年4月1日から施行する。
平成11年5月31日 策定
平成18年9月30日 改定
平成25年4月1日 改定
令和元年7月25日 改定