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地域連携クリティカルパス

更新日:2024年1月26日 印刷ページ表示

 群馬県内では、どのような病院ががんの治療を行っているのでしょうか。このページでは、県内のがん医療の拠点となっている病院と地域の医療機関との連携の仕組み(地域連携クリティカルパス)を紹介します。

地域連携クリティカルパスについて

 群馬県内のがん診療になくてはならない仕組みとして、「地域連携クリティカルパス(以下、地域連携パス)」があります。医療関係者以外には、なじみの少ないこの仕組みについて、群馬大学医学部附属病院腫瘍センター長の塚本憲史先生に解説してもらいました。地域連携パスは、どのように患者さんの役に立っているのでしょうか。

地域連携クリティカルパスとは

(1)連携する群馬県内のがん診療

 県内では、計17のがん診療連携拠点病院がん診療連携推進病院を中心にがん診療を行っています。これらの病院は、地域医療機関(=地元の医療機関)から紹介されたがん患者さんをすみやかに受け入れ、十分な治療を施す必要があります。そして治療が終わり次第、紹介元に戻すのが原則です。
 しかし、治療が終了した後にも、その病院に通い続ける方がいます。このような方が拠点病院外来に増えると、医師はその診療にも時間を割かねばならず、新たな紹介患者さんの診療時間が十分取れなくなります。その結果、医師に過度の負担がかかり、疲弊をまねき、患者さんも満足な治療が受けられません。
 したがって、治療が終わった患者さんには地元の医療機関に戻ってもらう必要があります。

(2)地域連携パスで患者さんの不安解消

 しかし、患者さんも十分な情報がない状態で地元の医療機関に戻るのは不安だと思います。
 この問題を解決する手段が、治療後の診察、検査スケジュールを記載した診療計画書にしたがい、がん診療連携拠点病院と地元の医療機関とで連携して診療を行うことです。この診療計画書が「地域連携クリティカルパス」です。
 この活用により、患者さんのがん診療連携拠点病院への受診回数が減るため、医師は新規患者の診療、専門的ながん治療に専念することができます。一方、地元の医療機関では手術後の経過観察のほか、かぜ、生活習慣病などにも対応します。つまり担当医が複数存在することになり、患者さんにもメリットがあると思います。

(3)群馬県統一パス

 群馬県では、県内医療機関すべてで共通に使え、効率的な診療が行えるように、5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、肝がん、乳がん)の地域連携パスを県内で統一しました。
 パス対象者は主にがん根治手術などで病状の安定している方です。患者さんから同意を得た上で、がん診療連携拠点病院で診療計画を記載した「診療計画書」を作成します。退院後は、6か月から1年ごとの節目にがん診療連携拠点病院で診察・CTなどの検査を行い、その間は地元の医療機関で診察・内服薬処方を行います。もし病状に変化があれば、ただちにがん診療連携拠点病院に紹介します。
 がん地域連携パスの活用により、がん診療連携拠点病院の機能が充実します。患者さんは地元の医療機関からきめ細かい診療が受けられ、満足度も上がると思います。
 何卒ご理解、ご協力をお願いします。

執筆者紹介

群馬大学医学部附属病院
腫瘍センター
塚本 憲史(つかもと のりふみ)

塚本憲史先生の画像
塚本憲史先生

 

群馬県統合型医療情報提供システム<外部リンク>で医療機関を探す

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