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重粒子線治療の推進について
県では、平成22年に群馬大学と共同で整備した重粒子線治療施設について、より多くの方に重粒子線がん治療を提供できるよう、普及啓発を行い、治療を受けやすい環境整備に取り組んでいます。
重粒子線治療について
重粒子線がん治療に関する詳細は、以下の群馬大学のホームページでご確認ください。
- 群馬大学重粒子線医学センター<外部リンク>
重粒子線治療の概要
- 平成22年6月1日から群馬大学重粒子線医学センターにおいて、一般向けの先進医療が開始されました。先進医療に係る技術料は314万円と決まりました。
- 重粒子線治療は、従来の放射線治療に比べて病巣に集中して照射でき、周囲の正常な細胞への影響を極力抑えられるという特長があり、また、細胞を殺傷する能力も2倍から3倍強いことから、体への負担が少なく、治療日数を減らすことができます。
- 平成22年3月の治療開始以来、治療実績は延べ4,700人(令和3年3月末時点)を超えており、主な適応疾患としては、骨軟部腫瘍や頭頸部腫瘍、肺がん、肝臓がん、膵臓がん、直腸がん、前立腺がん、子宮頸がんなどがあげられます。
- このうち、骨軟部腫瘍(切除非適応なもの)、頭頸部腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)、肝臓がん(切除非適応なもの)、膵臓がん(切除非対応なもの)、直腸がん(手術後に再発したもので、切除非対応なもの)、子宮頸がん(切除非対応なもの)、前立腺がん(転移のないもの)については、健康保険等が適用されます。これらの治療以外は先進医療として行われます。
施設整備の経緯等
この重粒子線治療施設は、平成22年に県と群馬大学が共同で整備したもので、国内では3カ所目に整備された施設です。同様の施設は現在、国内に7カ所あります。
なお、県が整備する部分に関し、前橋市をはじめとした県内の各市町村からの支援が群馬大学に対して行われています。
- 平成18年8月:群馬県と群馬大学との間で「重粒子線照射装置の整備に関する協定書」の締結
- 平成19年1月:着工
- 平成20年10月:施設の完成
- 平成22年1月28日:装置の完成
- 平成22年3月16日:治療の開始
- 平成22年6月1日:一般向けの治療(先進医療)の開始
- 平成28年4月1日:骨軟部腫瘍(切除非適応なもの)に健康保険適用
- 平成30年4月1日:頭頸部腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)、前立腺がん(転移のないもの)に健康保険適用
- 令和4年4月1日:肝臓がん(切除非適応なもの)、膵臓がん(切除非対応なもの)、直腸がん(手術後に再発したもので、切除非対応なもの)、子宮頸がん(切除非対応なもの)に健康保険適用
治療費について
1 治療費について
重粒子線治療は一部の疾患が保険適用になりましたが、その他の疾患については、学会が作成した疾患別統一治療方針に基づいて、引き続き先進医療として治療が行われます。
先進医療による重粒子線治療の場合は保険の適用とならないことから、314万円の先進医療費については全額自己負担となります。ただし、診察や検査、入院などの通常の治療と共通する部分に係る経費については健康保険等が適用されます。
(1)保険診療による重粒子線治療
保険診療による重粒子線治療の場合は、重粒子線治療の医療費についても通常の医療と同様に、自己負担割合に応じて1割から3割の自己負担が必要となります。治療や検査の内容などによって、費用の違いがあります。
保険診療においては、高額療養費制度(医療機関や薬局の窓口で支払った額が、月の初めから終わりまでで一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度)が適用になります。あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受ければ、医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとにひと月の支払額が自己負担限度額までとなります。
保険適用となる疾患
- 骨軟部腫瘍(切除非適応)
- 頭頸部腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)
- 前立腺がん(転移のないもの)
- 肝臓がん(切除非適応なもの)
- 膵臓がん(切除非対応なもの)
- 直腸がん(手術後に再発したもので、切除非対応なもの)
- 子宮頸がん(切除非対応なもの)
(2)先進医療による重粒子線治療
先進医療による重粒子線治療の場合は、重粒子線治療の費用については全額自己負担となり、通常の治療と共通する部分については公的医療保険が適用され、一部自己負担となります。
先進医療部分(全額自己負担)
先進医療の費用は全額自己負担となり、健康保険や高額療養費制度による助成は利用できません。
保険診療が適用される部分
先進医療部分の他に、通常の治療と共通する部分(診察、検査、投薬、入院など)の費用については健康保険等が適用されますので、一部負担金(3割など)を支払っていただくことになります。