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令和6年度第28回定例記者会見要旨(11月21日)

更新日:2024年11月21日 印刷ページ表示

■日時    令和6年11月21日(木曜日)14時04分~15時20分
■会場    記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
      記者:記者クラブ所属記者等16人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)

 令和6年11月21日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>

 モニター資料 (PDF:1.05MB)

会見項目

■知事冒頭発言

 1.はじめに

 2.知事の欧州訪問

 3.トイレコンテナ クラウドファンディング募集

 4.ヒューマンライツ・ムービーフェスティバルinぐんま

 5.「年収の壁」見直しの影響

■質疑応答

■知事メッセージ

知事冒頭発言

1.はじめに

 それでは定例会見を始めたいと思います。先週の11月15日の金曜日、三笠宮妃百合子殿下が薨去されました。殿下におかれましては、実は群馬県にも何度となくご来県をいただいて、県民に優しく接していただきました。御長寿をお祈りしておりましたが、誠に残念に思います。心より哀悼の意を表したいと思います。

 話は変わりますが、昨日、群馬県庁31階のソーシャルマルシェ&キッチンGINGHAMで、未来構想フォーラムのスピンオフ企画「未来構想フォーラムYouth Stage」を実施しました。このYouth Stageは、次の社会を担う群馬県内の学生と県の未来構想を共有し、意見交換を行う場とするために開催をさせていただいたものです。当日、大学生8チーム27名から、知事である私に対してですね、群馬県の未来に関する提案を発表していただいた。いわゆるIT系企業っていうかベンチャーなんかで言うとピッチってやつですね。これを披露していただきました。その後の意見交換会では、高校生を含めた学生の皆さんから、若い人たちから様々なご意見を頂戴しました。加えて今回もニコニコ生放送でライブ配信をいたしましたが、約3万9,000人。終わった時点でそのぐらい、もしかしたら4万人ぐらいいってるかもしれませんが、非常に多くの方々にご視聴いただいたというふうに思っております。ご参加、ご視聴いただいた皆様に、この場を借りまして、心から感謝を申し上げたいと思います。各地域で行った未来構想フォーラムとはまた別の視点で、学生の皆さんのですね、社会に対する興味関心、こういうものを伺うことができたと思っています。正直知事である私が初めて知ったこともあってですね、その意味でも非常に有意義なイベントだったんではないかというふうに思います。このYouth Stageでいただいたご意見は、他の未来構想フォーラムでもそうなんですが、しっかり受けとめてですね、今後の政策に生かしてまいりたいと思います。

 ちなみに今回もニコ生で4万人近い視聴があったというふうに申し上げたんですけども、各地域で行った未来構想フォーラム、途中から例のサイバーテロの問題でできなくなっちゃったんですが、多いところでは4万人を確か超える方々にライブ視聴いただいたってことなんですけども、これ実は大体1割(弱)は群馬県民なんですよね。例えば4万人視聴があった場所では、約4千人の群馬県民に聞いていただいてっていうことでですね、普通県でイベントやって、約4千人の県民に声を届けるっていうことはできませんので、その意味でも、このネット中継にこれだけの人が注目していただいてるというのは大変いいことだと思います。何か9割は県外ではないかっていう人もいますが、県外の人にこそ群馬県の状況をわかってもらうって意味で言うとですね、もう1回言いますが、私はこのネットの生配信っていうのはとても意味があると思っていることも、合わせて皆さんにお伝えしておきたいと思います。

 それでは会見の中身に入りたいと思います。スライドをご覧ください。はい、これが本日の会見の中身です。「知事の欧州訪問」、「トイレコンテナ クラウドファンディング募集」、それから「『年収の壁』見直しの影響」についてもですね、今日おそらくまた皆さんからご質問もあると思いますが、冒頭これは私の方から、しっかりと整理した考え方をもう一度改めて皆さんにお伝えをしたいと思っています。

 

2.知事の欧州訪問

 まず欧州訪問からです。先週、フランスパリからですね、リモートで記者会見を行いました。その際ですね、英国、ハンガリー、それからフランス訪問の確か前半まではご報告をいたしましたので、本日はフランス訪問の後半について、ご報告をさせていただきたいと思います。フランス訪問の主な目的は、ハンガリーに引き続き、群馬県と高崎市が掲げる堤ヶ岡飛行場跡地活用構想の実現に向けた知見を得るということでした。当初のねらい以上に群馬県の未来に繋がるいろんな情報を得ると同時にですね、新たな人脈も築くことができたと思います。非常に有意義な訪問だというふうに考えています。また、高崎市の富岡市長にもですね、フランスとハンガリーほとんどの行程にご同行いただきました。市長からもですね、各訪問先で、堤ヶ岡飛行場跡地を含めて群馬県と高崎市のPRをしたところ、強い関心を示していただいて、将来に期待が持てるそういう機会になったと。こんなコメントがありました。それを申し上げた上で訪問の結果についてご報告をさせていただきます。スライドをご覧ください。

 先週14日のパリでの記者会見終了後、フランス最大手のデジタル企業「ダッソー・システムズ」を訪問しました。これはものすごい実は大きな企業、グローバルに展開している企業です。ダッソー・システムズはですね、「3D EXPERIENCE」というデジタルツイン技術を持っているってことで有名なんですよね。この技術はどういうものかっていうと、3Dで現実の世界をですね、これがシンボルマークになっているんですけども、再現・拡張することで、インフラ管理とか災害対策などの政策立案に必要な、シミュレーション、分析、こういうものを可能にするものになっています。会談で私の方から、群馬県の魅力、デジタル・クリエイティブ産業の創設、堤ヶ岡飛行場跡地の活用構想などについてですね、いつもの通り、プレゼンをやってまいりました。堤ヶ岡飛行場跡地の構想はもちろんですが、その他の群馬県の取り組みについてもですね、このダッソー・システムズとは連携ができるんじゃないかと、こんな感触も得てまいりました。ダッソー・システムズの幹部からはですね、まずデジタル・クリエイティブ産業の創設、これすごく面白いコンセプトだと、これは新しい挑戦だと思うけども、非常に興味深いということをですね、評価をしていただきました。今後ダッソー・システムズとの間に築いた関係を大いに生かして、群馬県の発展に結びつけていきたいと思っています。次のスライドご覧ください。

 その後、パリからクレルモン・フェランに移動しました。ここに移動してですね、15日は丸1日かけて、フランスを代表するグローバル企業の1つで、皆さんよくご存じだと思いますが、群馬県に日本法人の本社を丸ごと移転してくれた「ミシュラン」を視察させていただきました。視察ではまずミシュラン博物館に向かい、フランスを代表するグローバル企業の1つであるミシュランの歴史、特色、未来に向けての展望などについてですね、詳細な説明を受けました。その後ミシュラン本社に移動し、エリック・フィリップ・ヴィネス上級副社長らとですね、こうして会談を行いました。会談で私の方から群馬県の魅力、在日フランス商工会議所が群馬県に拠点設置を決めたこととか、群馬県とフランスの関係が深化していることについて、プレゼンをさせていただきました。ミシュランからも、これまでの実績について説明があったほか、日本とフランスの文化の違い、日本人の現況、こんな幅広い話題で盛り上がったということもご報告をしておきたいと思います。本社での会談を終えると、訪問のハイライトともいえる、ミシュラン主導による官民共創のまちづくり「パルク・カタルー」というものをですね、これすごい大きな街になっているんですけども、このパルク・カタルーを視察しました。パルク・カタルーっていうのは、ミシュランを中心に発展してきた歴史的な工業地域をですね、常にイノベーションが起こる地域に変えると。こういうことを目的とした大プロジェクトです。事業規模の大きさ、最先端のエコシステム構築に向けた取り組みを目の当たりにしてですね、やっぱり群馬県にミシュランの本社が来たっていうことで非常に身近には感じてるんですが、このグローバル企業の1つであるミシュランの底力、存在感、こういうものをですね再認識をいたしました。すでにある資源とか施設を官民共創で変革して、その地域に根差していくっていう新しい企業城下町の姿を見ることができました。これ堤ヶ岡飛行場跡地のまちづくりに生かしていけると思います。そして、ハンガリーで視察した、何にもないところから開発を行うってこれグリーンフィールド型っていうんですけども、このまちづくりとの違いもですね、よく分かったということで、これも非常に中身のあるいい視察だったなというふうに思っています。フランス訪問の結果は以上っていうことになります。

 この副社長はですね、日本にもおそらく随分長い間滞在されたのかもしれませんが、日本語もすごく流暢で、これR&Dの実は担当されている副社長なんですけど、こういう人がやっぱりいるっていうことは、日本とフランスの関係にとっても、日本と群馬県にとってもですね、すごく大切だなということを強く感じました。それからミシュラン博物館も、ミシュランの歴史、現状から展望までいろんな、情報を得ることができるんですけども。私出張してお土産買ったことって1回もありません。ただ今回はですね、ミシュラン博物館のギフトショップでミシュランの帽子を買った。なんでかというと、ミシュランの帽子をかぶって、副社長のところに行きたかったからです。もう言うまでも無いことなんですけども、お土産買ったことは1回もありません。今回だけど考えてみたら、初めてギフトショップで物を買ったんですけども、ミシュランの帽子、それから夜眠る時に寒くて、トレーナー忘れたのでミシュランのトレーナー。それからハンガリーで足が冷たいので買った黄色い靴下。これしか買わなかったんですけど、考えてみたら今までの出張で初めて買ったものなんで、一応報告をさせていただきます。出張自体は今回もですね、本当に真剣勝負でやってまいりました。はい。フランス訪問の結果は以上です。

 在フランス日本大使館の皆さんはじめ、多くの方々に訪問サポートしていただきました。駐日フランス大使も外務省にいるころから存じ上げていましたけども、夕食会をやっていただいて、その時にもいろんなフランスの情勢もご説明をいただいたということで、改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。今回の訪問はですね、イギリス、ハンガリーと合わせると11日間という大変長い行程となりました。訪問の成果をですね、デジタルクリエイティブ人材の育成とか、堤ヶ岡飛行場跡地活用構想の実現とか、こういうことにしっかり活かしていきたいと思います。今後も知事自らが先頭に立って、群馬県のさらなる活性化に向けて、自治体独自の地域外交を進めてまいりたいと思います。群馬県の未来は、私は外にあるというふうに思っていますので、どんどん自ら出かけていってですね、群馬県の発展に繋がるような、そういういろんな人脈とか、あるいは企業誘致に繋がるような、そういう道筋をですね、しっかりと開拓していきたいというふうに思っています。

 ちょっとブログを読んでいただいている関係者の方もいると思うんですけども、今回最長の出張だったんですが、11日間は長すぎると。決して中身が薄かったわけじゃないんですけど、最後の1日は元気な私と宇留賀副知事もぼろぼろっていうか、もうくたくたになってしまったもんですから、これからはやっぱりちょっと、どんなに必要な出張も何とか10日以内に収めようかなということも感じました。ただ何度も言いますが、記者の皆さんにいつもここで出張の報告もさせていただいて、ご質問もいただいているんですが、群馬県の出張にですね、無駄な日程はただの1日もありません。ミシュランの帽子を買ったことはですね、ぜひご容赦をいただきたいと思います。これ帽子かぶって行っただけで、何となく副社長がにっこりしていましたんで、本社の前ですね。これ戦略的な動きだったということは、ちょっと県民の皆さんにも言い訳をさせていただきたいというふうに思っています。

 

3.トイレコンテナ クラウドファンディング募集

 続いて、「トイレコンテナ クラウドファンディング募集」についてちょっとご報告したいと思います。群馬県では近未来構想の1つに「レジリエンスの拠点」を掲げて、群馬県避難ビジョンに基づく、災害時のトイレ環境の向上に取り組んでいます。現在群馬県は、トイレトレーラー皆さんご存じだと思いますが1台所有しています。能登半島地震の際には、発生後速やかに被災地に派遣して、安全で清潔なトイレを提供させていただきました。被災地の方々からは大変感謝していただいたと。ある県の知事から聞いたんですけども、もうそこではですね、このトレーラー「ぐんまちゃん」と呼ばれていたらしい。ぐんまちゃんの大きな絵が書いてあるから。これもう「ぐんまちゃん、ぐんまちゃん」って大人気でしたよと。他の県の知事から教えていただいたんで間違いないと思います。このトレーラー本当に作ってよかったと思うんですが、このトレーラーの活躍も踏まえて、作ったんじゃなくて買ったのか、それを改造したのか。いずれにせよ、さらに災害発生時のトイレ環境の向上を図るために、このトイレトレーラーの評価とか活躍を踏まえてですね、新しい取り組みを実施しますので、これを今日ご報告したいと思います。スライドをご覧ください。

 群馬県では、先月可決された補正予算を踏まえてですね、新たにトイレコンテナ、これですね、3台導入いたします。そしてその経費の一部については、クラウドファンディングによる支援を募りたいと思います。前回のトイレトレーラー導入の際にもですね、クラウドファンディングによる支援を募って、目標金額の730万円を大きく上回る、915万円の資金協力をいただいています。今回も災害時のトイレ環境の重要性などについて考えるきっかけにしてもらえるように、クラウドファンディングによる、これですね、支援を募るということにさせていただきます。今回の目標金額は、前回よりもちょっと上ですけど3,400万円です。「ふるさとチョイス」、「ふるなび」、「さとふる」、この3つのプラットフォームで、ふるさと納税制度を活用した寄付の募集を掲載しております。募集期間は来年の2月12日の水曜日までとさせていただきます。趣旨にご賛同いただける県民の皆さんはじめ、全国の皆さんにご協力をいただきたいと思います。クラウドファンディングの詳細は、このスライド記載のですね、QRコードから群馬県公式ホームページをご確認ください。次に、導入するトイレコンテナの運用方法をちょっと説明させてください。スライドどうぞ。

 トイレコンテナは普段は県内の公園などに設置しておいて、災害発生時には被災地に派遣するということで、平時と有事の両面で有効活用していきたいと思います。設置場所は、高崎市の「観音山ファミリーパーク」、渋川市の「木暮組スポーツパーク赤城」、太田市の「ぐんまこどもの国」です。この3ヶ所です。このように県内にバランスよく配置することで、有事には県内35市町村へ概ね1から2時間程度でですね、トイレコンテナの派遣が可能となります。また日常の利用頻度なども考慮した配置としていますので、平時にも多くの方々にご利用いただけるというふうに考えています。群馬県では、今後も引き続き、災害時のトイレ環境の向上をはじめ、レジリエンスの拠点を目指す取り組みを進めてまいります。

 

4.ヒューマンライツ・ムービーフェスティバルinぐんま

 続いて、「ヒューマンライツ・ムービーフェスティバルinぐんま」の開催についてお知らせします。スライドをご覧ください。群馬県では、映画を通じて様々な人権課題への理解を深めていただくことを目的に関係機関と連携し、令和3年度からヒューマンライツ・ムービーフェスティバルというものを開催しております。これまでも多くの方々にご参加いただいておりますが、今年度も開催が決定いたしましたので、お知らせをしたいと思います。

 今年度は、12月8日にオンラインで開催します。定員は先着500名ということで、参加を無料とさせていただきます。放映する作品はですね、枝優花監督が2021年に制作した22分の短編作品「息をするように」です。監督は高崎出身で、バルセロナ・アジア映画祭で最優秀監督賞を受賞したこともある、今注目を集める若手映画監督の1人です。「息をするように」は、自らのアイデンティティに悩む高校生の姿が非常に美しい映像で描かれている、そういう作品です。また今回の作品の放映とあわせて、枝監督による人権への思いに関するトークもですね、配信をさせていただきます。参加申し込みは、12月5日木曜日まで受け付けます。申し込み方法などは、スライド記載のこのQRコードからご確認をいただきたいと思います。ぜひ多くの皆さんにご覧をいただいて、人権について考えるきっかけにしていただければというふうに思います。

 

5.「年収の壁」見直しの影響

 最後に、年収の壁見直しによる群馬県への影響。今日なんか何人か、この件を聞くというようなお話も伺いましたが、そういう質問も出てくると思いますけども、もうこの冒頭の説明の中で少し皆さんにお話をさせてください。

 実はこれについてはですね、先週パリからのオンラインの会見で、いろいろお話をさせていただきました。とにかくパリの出張もすごく忙しい中で、この一報みたいのが入ってきてですね、いろいろ議論して、いろいろな協議をして会見に臨んだんですけども、ちょっとなかなか時間がなかったりしたこともあってですね、あそこで大急ぎで何か会見をしてお話をさせていただきましたが、少し私の言葉の足りないところもあったし、また、やや誤解を呼ぶような点もあったというふうに思っています。あの時にいろいろお話をさせていただいた、いろいろ県の方から集めた情報でお話をしたんですけども、その後も少しもうちょっと、細かく分析もできましたので、改めてこの問題に対する知事の考え方というものをですね、今日はより丁寧に皆さんにご説明をさせていただければというふうに思っています。

 年収が103万円を超えると所得税が発生する、いわゆる年収の壁の見直しについて、昨日、自民党、公明党、国民民主党の3党で合意が行われたというふうに報道されている、そう伺っております。今後政府の総合経済対策に明記されて、令和7年度税制改正の中で、非課税枠の引き上げ幅とか、財源などが具体的に議論される見通しだと。そういうふうにこれも報道されております。本日は、年収の壁見直しの群馬県への影響について、もう1回言いますが、より丁寧に少し県民の皆さんにご説明をさせていただくとともに、特に知事の考え方についてですね、正確にこれはですね、発信をさせていただきたいと思っています。スライドご覧ください。

 年収の壁の見直しはですね、給与所得者の手取り収入の増加、あるいは年収の壁によって働く時間を制限していた方々が働きやすくなって、人手不足の解消になると。こういうメリットがあることはこれは事実です。一方で、先週の記者会見でもお伝えしましたが、年収の壁が仮に103万円から178万円に引き上げられ、万が一国から減収分の補填が無い場合、もう1回言いますね、万が一国から減収分の補填が無い場合は、群馬県では、県に限って言えば、360億円の減収が見込まれています。こうした減収の試算というのはですね、まずちょっと皆さんに断っておきたいと思うんですけど、財務省とか、総務省から何か指示があったとか働きかけがあったから、やったわけではありません。私のところには財務省からも、総務省からも一切連絡が来ておりません。やっぱり知事の性格っていうのをよく知ってるのかよくわかりませんが、これはですね、財政にどの程度の影響があるのかっていうこと把握するために、群馬県が独自で行ったものだと。このことはまず明確にしておきたいと思います。減収による群馬県への影響についてご説明したいと思います。このスライドをご覧ください。

 令和6年度当初予算の規模は7,816億円です。うち、県税交付税などの一般財源の総額は、約6,100億円ということになります。そのうち、皆さんにわかっていただきたいことは、県職員などの人件費、県債の償還のための公債費、社会保障関係経費、こういった必ず支出しなければいけない義務的経費の財源というのは、約5,100億円を占めているんですね。そして政策的な事業に活用できる一般財源は実質的に約1,000億円なんです。そのため、仮に年収の壁が178万円に引き上げられたとします。そして何度も言ってるように、万が一国による財源の補填措置が全く行われない場合、約1,000億円の一般財源から、360億円という大きな金額が減ることになります。3割ですよね。使えるものの。この財源には、子ども医療費無料化をはじめとする、福祉医療費補助、鳥インフルエンザなどの家畜防疫対策など、様々な事業の経費が含まれています。これまで群馬県ではワイズスペンディングの視点で、事業の見直しとか民間活力の活用などによって財源確保に取り組んでまいりました。そのことはこの会見でも何度も申し上げてます。その結果、子ども医療費無料化など、思い切った施策を知事として実施することができたということなんですね。もちろん、今後も財源確保の取り組みはもう進めてまいります。もちろんです。ただ、年収の壁の見直しによって、医療、福祉、県内産業を守るための財源が不足して、県民生活に影響を与えざるを得なくなるような、そういう事態を知事として危惧しているということなんですね。

 ヨーロッパで、パリで会見したときも、少しそこら辺突っ込まれたんですけども、県民の皆さんの所得が増加することについては賛成なんです。これはいいことなんです。ただし、国民民主党が今の方々が言ってるような、減税によって手取りが増えることによって、消費が増えて、それで経済が回っていくっていうこの考え方については、残念ながら明確なエビデンスはありません。群馬県としては、もう1回言いますね、年収の壁見直し自体にはいいこともあると思うので、このこと自体に反対してるわけじゃない。これについては賛成と言ってもいいと思います。しかしながら、これが全く政府の財源措置無く実施されるときは、非常に影響があるっていうことで大変心配しておりまして、これは当然減収による地方財政の影響というものは、知事としては考えていかなければならないと、こういう立場であることはですね、皆さんにちょっとご報告を改めてさせていただきたいというふうに思っております。当然、ヨーロッパで会見を行ったときも出たかもしれませんが、政府に対しては、減収分の補填とか、具体的な財源の確保策っていうものを、しっかり明確に示した上で、検討を進めていただきたいと思いますし、私にできるいろんなルートで、そのことは要望させていただきたいと思ってます。

 何か報道によれば、こういう、今言ったような3党合意の流れになってきてるということが書いてありますし、こういう流れになってくるかもしれませんが、石破総理の方から、慎重に議論を進めたいと。やはり地方、税収の影響みたいのもあるので、慎重に議論を進めたいということですので、そのことを期待しておりますし、もちろん自公、与党自公についてもそうですが、国民民主党の玉木代表にもですね、ぜひ地方の財政には、なんかもう深刻な影響が出ないようにですね、ぜひそこも考慮しながら、このことを進めていただきたいなというふうに思っています。最後にもう一度言いますが、手取りが増える、県民の方々のここに該当する方々の手取りが増える。それによって人手不足が解消される。これはとてもいいことだというふうに思っています。そもそもずっとやはり、皆さんの賃金が上がることはとてもいいことだと。当然のことですけども、ずっと言い続けたことからいってそうなんですが、ただ1つだけ、もう1回知事として申し上げたいのは、手取りが上がることはいいことなんですけども、その政策をやることで、いわゆる県の財政に大きなマイナスが出て、県民サービス自体が低下してしまうということ。手取りが上がることはいいことだし、それからもう1回言いますが、人手不足が解消されることもいいことだと思いますが、それによって県民サービスが低下してしまって、結果としてあまり県民幸福度に結びつかないという、こういう事態は、大変懸念をしていると。こういうことを少しパリでも言いたかったんですけども、もう正直に言って、ちょっとなかなか時間のない中で、やや私の、何ていうか発言も十分説明を欠いていた、少し誤解を呼ぶようなところもありましたので、今日改めてこの年収の壁に関する知事の見解をですね、丁寧に説明をさせていただきました。私からは以上です。ちょっと最初にする発言、冒頭の発表がなくなりましたが、記者の皆さんから何かご質問があればお受けしたいと思います。

質疑応答

●知事の欧州訪問について

(記者)

 まず欧州訪問の関係なんですけども、具体的に堤ヶ岡飛行場跡地の活用プロジェクトに関して高崎市長とかとですね、話し合って進展とか、具体的に構想とかでですね、こういう方針を打ち出したりとかって話はあったんでしょうか。

 

(知事)

 それはこれからいろいろと協議をして詰めていかなきゃいけないと思うんですけども、少なくとも今日ちょっと申し上げたとおり、もちろん今回の訪問もフランス・ハンガリー訪問もちゃんと高崎市とよく調整をし、相談しながら決めてたわけですけども、高崎市長も非常にスタートアップ、例えばなぜハンガリーなのかということなんですけど、これは群馬県にも訪問してもらったEITというヨーロッパイノベーション技術機構の本部があるということで、今回EITがもう完全にサポートしてくれたってことで行ったんですけども。実はハンガリーのスタートアップ、結構元気なところもあって、これもしかしたら群馬県に、高崎に応用できるんじゃないかみたいな話もあって。フランスの方でもいろいろスタートアップの皆さんのピッチも受けたんですけども、これについては高崎市長も非常に役に立ったとおっしゃってくださってますし、さっき言ったグリーンフィールド型から、あるいは既存のものを生かしてやっていく新しいまちづくりみたいなものも見えましたので、これはやっぱり我々がこれから高崎市と群馬県がより具体的に堤ヶ岡飛行場跡地のプロジェクトを検討していく上では、大変参考になったんじゃないかなと思います。

 

●年収の壁について

(記者)

 続いて年収の103万円の壁の関係なんですけども、知事としていろいろなルートから要望していきたいということでお話をされてましたけども、どういった内容を、どこに対して要望していきたいとかっていうのは具体的にあるんでしょうか。

 

(知事)

 それは今までもいろいろと知事として政府に対してトップセールスを行ってまいりましたので、私の駆使できるルートを使っていろんな形で政府の方には要望させていただきたいというふうに思っています。それはもちろん閣僚の方かもしれませんし、あるいは政府の高官かもしれませんが、それはいろんな形で、このことは、ここからしっかりと政府与党関係者にお願いをしていきたいというふうに思ってます。

 

●日本酒のユネスコ無形文化遺産登録について

(記者)

 案件外で、1つお願いしたいんですけども、ユネスコの無形文化遺産に日本酒の登録が見通しということになったんですけども、そこに関して知事の期待感とかですね・・・

 

(知事)

 これはあれですよね、菅元総理がすごく一生懸命やっておられたことですよね。これは本当に素晴らしいことだと思います。やっぱり、前回アメリカ、今回ヨーロッパ、あるいはこのあいだベトナムに行って思ったことはですね、日本食はもう圧倒的なキラーコンテンツだと思うんですよね。世界中で人気です。今の日本のインバウンドがものすごく増えて、確かまた3,000万人に行くんですが、これだけ今、ポストコロナで日本への旅行が流行っている。私の会った外国の方々はみんな日本に来たがっているので、その理由の1つはやっぱり食文化だと思いますので、これはもう日本食に関わっているすべての皆さん、お酒づくりに関わってるすべての皆さん、それからやっぱり観光関係者も含めて、これはもう本当に素晴らしいことだと思いますし、当然のことだと思いますが、こうやって改めてこの日本酒に対して、ある意味世界遺産というブランドがついたことはとてもいいことだなと。文化的な価値も認められたっていうことなんで。これがさらに日本への興味とか、あるいは具体的に言うと、インバウンドの日本全体の増加に繋がっていくってことについては、大変大きな期待をしています。

 

●トイレコンテナ クラウドファンディング募集について

(記者)

 案件内でトイレコンテナなんですけれども、ちょっと細かい点で恐縮ですが、コンテナはまた、ぐんまちゃんとかでペイントするようなイメージになるんでしょうか。

 

(危機管理課長)

 今回もですね、トイレトレーラーと同様にぐんまちゃんのラッピングをする予定で考えております。以上です。

 

(記者)

 あとクラウドファンディング型のふるさと納税というのは、県民も返礼品はないけれどもできるというようなものだという認識でよろしいでしょうか。

 

(危機管理課長)

 もちろん県民の方からも、広くお願いをしたいと考えております。

 

●年収の壁について

(記者)

 年収の壁の方のお話で、昨日ですね、太田市長と高崎市長の会見の中で、このまま控除額が引き上がるとですね、とてもじゃないけど予算が組めないというふうなことをおっしゃっていまして、この数字を見てもですね、予算編成がかなり厳しいというお話だと思います。360億円減ると、基本的にはかなりの事業を切らざるを得ない、中止せざるを得ないと。

 

(知事)

 そうです。今言ったように、もし360億円減ったら、実際に予算を組むときには今やっている、多分いくつかの事業閉じないといけないと思います。

 

(記者)

 例えば、これをするかどうかは別として、こういう子ども医療費とか、そういうことに影響が出てくる可能性があるということですね。

 

(知事)

 はい。

 

●兵庫県知事選挙について

(記者)

 それとあと、ブログでも書かれてましたけれど、案件外で兵庫県知事選の関係で伺いたいと思います。当初劣勢と思われていた現職の斎藤氏がSNSメディアを通じて支持を広げて再選を果たしました。選挙に果たすメディアの役割とか大きく変わってきたと思いますが、知事の受け止めなんかも伺えればと。

 

(知事)

 きっと記者さんからこの質問が出ると思っていたんですが、いろいろ思うところがあるんですけども、あんまりちょっと思ったことを言うと、また物議を醸して話題になっちゃうので、少し冷静に、少し冷静に、冷静さを保ちながら、私の感じたことを整理して少しお話をさせてください。

 まずですね、兵庫県知事選挙の結果はですね、28年間、国会議員、知事を務めてきた私としてはかなり衝撃的でした。何で衝撃的だったかっていうとですね、今まで28年間、6回全県選挙を戦ってきたと。これはいろいろ後援していただいてる皆さんのおかげではありますけども、すべて圧勝でトップ当選させていただいたと。しかも、いろんな選挙の応援に全国を飛び回った経験もあるんですけど、いまだかつてですね、これだけテレビ、新聞、雑誌、初期にはネットも含めて、あらゆる、特に既存のメディアから、一方的に、かなり攻撃された、批判された候補者が選挙で当選したっていうケースは1度も見たことがありませんでした。その意味では、非常にある意味衝撃的だったという気がしています。例えば、テレビとか新聞、いわゆる既存の、いわゆる今で言う本流のって言っていいのか分かんないんですけど、そういうメディアが、特に間違って報道したと思わないんですけども、やっぱりですね、あれだけ連日、例えばテレビのワイドショーもそうですし、新聞も含めて、今のメディアがパワハラ問題について批判を発信すると。そうなると、やっぱり私の方もどう考えてもこれ影響受けるし、普通大勢のその人たちも影響を受けるっていうのは普通の流れだと思うんですよね。ところがこの中でもですね、斎藤さんがやはり勝ったということは、やはりアメリカみたいな現象がそのまま起こってると思わないんですけども、やっぱり日本国民っていうか少なくとも兵庫県民は既存のメディアの報道とか発信を信じなかったっていうことだと思うんですよね。途中から特にネット見てたら、いや実はそのパワハラ疑惑って言っても本当にそうなのかと。斎藤さんってそんな、知事ってそんな人なのかみたいな。違うんじゃないかみたいなネット世論が起こったわけなんですけども。やっぱり多くの人たちは、いわゆる、これまでずっとマスコミの主流を占めてきた、テレビとか新聞とか、そういうメディアの報道だけに流されることなく、ネットも当然フェイクニュースもあるし、極端な考え方もあると思うんですが、やっぱりそのネットから出てくる新しい情報みたいなものも、しっかり頭に置いた上で判断したと。こういう言い方が正しいかどうか(分からないけれど)、今既存のメディアの報道を信じなかったというよりは、そのままうのみにしなかったと。こういう現象って多分初めてだと思うんです。だから、多分10年後、20年後ぐらいに後で振り返ったときに、これある意味で言うと、1つのターニングポイントになった。少なくとも選挙については、明らかに1つの転換点になった出来事だったというふうに振り返られるんじゃないかなという気はしてます。私は、世界情勢は群馬県の県政にも関係があるという一応信念を持ってるので、コロナの時も宇留賀さんと手分けして欧米のメディアの報道をずっとフォローしてたんですけどね。今でもずっといつもここで話してるNBCのナイトリーニュースっていうのを見てる。レスターフォルトっていうキャスターが一番、多分アメリカで信用できる人だと思って見てるんですよね。CNNを見たりですね、NBCを見たりですね、時々ABCを見たりですね、そんな感じなんですけども。やっぱり今回のアメリカの大統領選挙を見ると、イーロン・マスクの言い方を借りれば、オールドメディアの敗北だと。もうこれからこのオールドメディアは通用しないみたいな話をしてるんで。それはしかしアメリカの政治を見る限り、かなり事実に近い気がすると。例えば、アメリカのテレビで言うと、(記者のみなさんには)釈迦に説法ですけど、いわゆるメジャーだと言われていた、今言ったCNNから始まってNBC、ABCみたいなニュースは本当に主流で、FOXニュースみたいなトランプを応援していたところは、何となく一段格が低いみたいに見られたと。ところがFOXニュースがそもそも、他のメジャー、いわゆるメジャーな、彼らが一流だと自分たちで思っているメディアの視聴率よりも全然高くて、全部多分合わせた以上にFOXニュースが見られてるっていう現象があったとしても、FOXニュースでさえアメリカ大統領選挙では、国民の意思を酌み取れなかったと、みんな接戦だって言ってるわけでしょ。ただやっぱりね、メディアのあり方って相当これから変わってくるんだと思います。昨日NBCなんか見てて、大統領選挙後の反省会みたいなのも、明らかにニューヨークタイムスもワシントンポストも、NBCも、今言ったいわゆるメジャーなニュースは全部反トランプだったから。なんかこう反省会的なことやってたんですけど、全く反省の色がないですよね。だからやっぱり、こういうものなんだなって驚いたんで。やっぱり日本のメディアの方々も、1歩立ちどまって、この結果をよく見て、少しいろいろと考えられた方がいいんじゃないかなという感じがしたっていうことがまず1つです。

 それから、もう1つ言うとですね、知事と県議会のあり方、いわゆる地方自治における二元民主制と言われている首長と議会のあり方、これについてもやっぱりある意味、一石を投じたんじゃないかと思うんですよね。兵庫県議会にも立派な人がいると思うんですよ。きっと優秀な方もいると思うんですが、そもそも驚いたのは、まず、斎藤知事に対してですね、自民党から共産党まで、維新もそうですけど、すべての会派の県議が不信任決議案に賛成したわけじゃないですか。普通ありえないんですけど、全会一致で不信任決議案が成立したわけじゃないですか。それをもって斎藤知事は失職というものを選んだわけですよね。ところが、すべての県議が斎藤知事は知事に相応しくないという、ある意味意思表明をした、そのあとの選挙で斎藤さんが当選したわけでしょう。だから群馬県議会はレベルが高くてよかったと思うけど、おそらくね、県民からは県議会の存在意義って何なんだろうって思われると思うんすよね。不信任決議ってこんなに軽いもんなのかなと思って、結構驚いたし、それぞれ個々の県民の皆さんにも事情があったり、決して兵庫県議会の悪口言うつもりないんですけど。不信任決議を突きつけて失職した知事をですね、応援する県議がいたわけじゃないですか。これ私がその人だったら、有権者にどう説明したのかなと。ちょっとどうやって説明するのかなと。例えば応援するっていうんだったら、まず不信任決議は間違いでしたと、私は間違った行動をしましたって、やっぱりちゃんと有権者に説明してからやるべきなのに、何かよく分からないけど、空気の流れでそっちに行った人もいるみたいな感じで。いや何か申し訳ないんですけど、群馬県は違いますよ。県議会って、この程度なのかと。本当にそういうふうに思って、ある意味がっかりしたし、驚きました。それからもっと言うと、もっと本音を言いますが、なるほどと。知事は勝負できるんだなということが分かった。例えば群馬県はですね、知事としては、いろいろご迷惑をかけてますけども、県議会との関係を重視してます。やっぱり県議一人一人との信頼関係も、もちろん大事にしていると思います。例えば群馬県でですよ、山本知事けしからんって言って不信任決議案が出されたと。少なくともですね、不信任決議案が群馬県議会から山本一太知事に出されたとしても全会一致はありえない。やっぱりね、どんな苦しいときも応援してくれる同志がいるので、全会一致かどうか分かんないですけども、普通審議決議案でぎりぎり通るか通らないかっていうところなのかもしれませんけど、不信任決議が通ったとしますよね。なるほどと。それでも勝負できるんだっていうことは分かりました。つまり不信任決議が通ったとしても、それがやっぱりおかしいと思ったら知事は、今までやった人いなかったんだけど、選挙に出られると。選挙でもう一度ちゃんと自分を選んでくれた、有権者、県民に信をとると。知事っていうのはこういうことができるんだなと。これはもうですね、首長として私は本当に勉強になりました。

それからもう1つ言うとですね、斎藤知事のことをよく存じ上げないんだけど、政治家として1つやっぱりすごいなと思ったのはですね、全会一致で不信任決議を突きつけられた後、これは知事のご性格なのか、戦略なのか、そもそも意外と人格者なのか分かりませんが、一切不信任決議を突きつけた県議の悪口とかを言わなかったですよね。特に斎藤さんは自分の主張は言ったんだけど、周りに対して、それに対して恨みごとみたいなことは言わず、終始冷静に闘っておられたと。これがあったからもしかしたら勝ったのかなと思うんですけど。それは本当にやっぱり、なかなかこれも政治家として勉強になりました。私がもしですね、群馬県で不信任決議案を突きつけられたとして、それはないと思ってますから県議会大事にしようと思ってるし、ないと思いますが、不信任決議が通ったと。そうしたら、記者さんは私の性格をご存じだと思うんすけど、必ず解散しますよ。必ず同日で解散しますよ。そして多分首謀者を徹底的に攻撃しますよ。負けた後も将来多分攻撃しますよ。こういう性格の人間だったら、もしかしたら通らなかったのかもしれないなっていうことで、そこでやっぱりそういう意味で言うと、斎藤知事に会ったことないんですけども、これだけの批判に耐えて、特にそれについて誰か特定の人物の悪口を言うこともなく、やっぱりこう選挙戦に臨んでやったっていうことは、やっぱり本当に勉強になりました。やっぱりある意味政治家としては、そこは大したもんだなというふうに思いました。ただ、選挙の研究家としては冷静に見なきゃいけないので、斎藤さんは勝ったけど、得票率は多分45%ぐらいですよね。それから次点の稲村さんは39.6か7だから4割ですよね。だから、得票率って選挙ですごく大事なので、斎藤知事が再選された、民意を得たっていうことなんだけど、半分以上の人はノーと言ったっていうことは、多分きっとご本人も受け止めざるを得ないと思うし、これからの県議会と、どういうふうにお付き合いをされていくのかっていうのは、これは同じ知事としてですね、非常に関心があるところなんですよね。こういう状況の中で県議会とどんな関係を築いていくのかっていうのは、すごく注視したいと思います。ただ、同じ事実として言えば、この逆境を乗り越えて、どんな、もちろんネットの力、ある意味でいうと今回、既存のメディアではない、ネットの影響力っていうものをすごく世に知らしめたと。いわゆるネット民みたいな言葉もあるんですけど、それは若手だけじゃなくて今回は多分ね50代とか60代の人もネットの影響受けてますから、国民もやっぱりその中に入ってるんだと思いますが、そういう中で本当に選挙のあり方みたいのも考えさせられたし、これから選挙を戦うということになると、一応5回選挙戦って全部勝ったと。なんかどっちかっていうと斬新な選挙戦略をやる人物だとずっと思われてたんですけども、私が勝った5回の選挙であっても何の参考にもなんないなと思います。これから、やっぱりもし2年後に選挙出るってことになると、ネットも駆使していかないと、やっぱり自分の思いっていうのは届かないということをですね、ちょっとよく頭に置いてやっていかなきゃいけないんじゃないかなと思います。

 さっきのに戻りますと、これから、つまり県議会と付き合っていくっていう、斎藤知事がどうやって付き合っていくのかっていうのをよく注視していきたいと言ったし、またネット戦略がやっぱり功を奏したいうか、ネットの力で勝ったとかいろんなこと言う人がいますけど、結果として当選されているので、やっぱ当選されたからには、やっぱ頑張って欲しいなと。同じ知事としては、これだけのギャップを乗り越えたんだから、そこは斎藤知事にはぜひまた再スタートして頑張っていただきたいなと、こういう思いはあります。

 それから長くなるけどもう1つだけ言わせていただきたいんですけどね。今回、斎藤知事のいろんなその行動、発言がパワハラかどうかっていうことが問題になりましたよね。こういうなんか一連のいろんな県議会とのせめぎ合い、県政の中で亡くなられた方がいたと。これは本当にお気の毒だと思うし、これについては心からお悔やみを申し上げたいと思うし、やっぱり人ひとりの命が亡くなられたってのはすごく大きなことだと思うんですね。ただそのことはそのこととして、斎藤知事にパワハラがあったのかどうかっていうことについては、結局最後まで決定的な証拠が出てこなかったじゃないですか。やっぱり今こうやって政治家やってると思うんだけど、28年も、本当に例えばパワハラをやってたんだったら絶対に録音とか残ってるんですよね。それが録音も一切出てこなかったんですよね。今日ちょっとさっき報道見てたら、結局100条委員会の委員長が言ってたのは、7人か8人、6人か7人か分かんないけど、その斎藤知事からパワハラを受けたみたいな問題で証人として招いた職員の方々がいるわけじゃないですか。そしたら委員長の感覚だけど、明確な、斎藤知事から明確なパワハラを受けたという、結局、証拠みたいのはなかったと、そういう発言はなかったと思うというなことを言っているわけですよね。今までのことは何だったのか、庁議でも言ったんですけど、こうやって世の中で生きてて、誰からも評判の良い人なんていないですよ。それは記者の間だってそうだし、政治家でもそうだし、経済人もそうだし、誰からも評判の良い人なんていないわけじゃないですか。その中でやっぱりいろんなことが起きたときにね、私はパワハラ、セクハラ、もちろんなくしていかなきゃいけないと思うし、努力してきました。自分も欠点だけの人間だけど、やっぱりパワハラ、セクハラ、こういうことしちゃいけないと思いながら、やっぱり県の職員にも常にそのこと言ってるんで、それは大事だと思うんですけど、誰かを、この人はパワハラをしたみたいに言うときはちゃんとやっぱりね、証拠がないといけないと思う。このまま、だって斎藤知事が選挙に負けてたら生涯パワハラをした人っていうことになったじゃないですか。だけど今申し上げたとおり、もう1回言いますけど、百条委員会が呼んだ、6人か7人かの職員の方々から、結局明確なパワハラの話がなかったって委員長が言ってるわけでしょう。じゃあ何だったのかと。それから次々にワイドショーとか、週刊誌から出てくる斎藤知事の所業みたいなね、おねだり知事みたいな話で、行き過ぎところあったかもしれないけど、これって知事としての不信任に値することなのかっていう、実は感触も今思えばあって、そういう意味で言うと、私もいわゆる既存のメディアの報道に結構すごく影響を受けてたっていうところがあるかなっていうのは反省してて。私は、テレビや新聞を別に信じないわけじゃないけど、でもやっぱりそうじゃない新しい情報とか、それをね、玉石混交でフェイクもあるかもしれないけど、やっぱりもうちょっとそういうところも知事として、政治家として、しっかりやっぱり情報を、全体を見ながら判断してかなきゃいけないんじゃないかなっていうことはすごく思いました。よく世の中にあるんですよ。何かこう、この人はパワハラだみたいに決めつけて証拠がないのに、伝聞で、この人がああ言ってたとかね、こう言ってたんだとかね、こういうのはねやっぱりよくないと思う。どっかで聞いたような話かなと。もうこれ以上言いませんけど、思ったりして、そのことだけはちょっと申し上げておきたいなというふうに思います。今度の兵庫県知事選挙は、本当に知事として学んだことはものすごくありますので、それはしっかりこれからの県政にも、あるいは政治家としての歩みにも、それから次の選挙にもですね、生かしていきたいと思います。大演説になっちゃってすいません。せっかく記者さんが聞いてくれたんで、これでも相当冷静にしゃべったつもりなんですけど、ちょっと物議を醸した点があったらお詫びしたいと思います。以上です。

 

(記者)

 SNSの影響力改めてこう実感されたということですけれども、現在でもかなりTikTokとか、様々な情報発信、県政含めてやっていられますが、これまたさらに加速させていくというような・・・

 

(知事)

 そうですね、県でやっているTikTokとかは公務なんで、これは県のためなんですけど、選挙は政務なんで、これからだから、まだ次の選挙出るか決めてません。本当に決めてません。みんながなんかいろいろ言うんだけど、本当にやっぱり、どのぐらいあればいいのかっていうのはちょっと分からないし、本当に自分が必要とされてるのかっていうのもよく考えながら1年過ごして、それで決めようというふうに思うんですけど、もし選挙に出ると決めたら、その2年間は、政務ですよこれは、やっぱりね、すでにいろいろ自分でも政務の直滑降ストリームとか参議院議員時代にやったし、河野太郎には全く敵わないけれど、まだツイッターのフォロワーは20万にとどまってるんで、こういうのを増やしたりとか、Xとか、あるいはインスタグラムとかもちゃんとやんなきゃいけないし、あるいはポッドキャストみたいなものが日本でできるのか分かんないけど、こういう本当に新たな戦略を駆使していかないと、既存のメディアを通じての発信、これ提灯記事なんて書いてくる人いませんからね、メディアはやっぱり行政をチェックするのが務めなんで。ただ、やっぱ政治家として、既存のメディアだけじゃなくてネットのメディアも活用して、1人でも多くの人に自分の考えを届ける。自分の発言の影響力を増幅させるためのですね、やっぱり戦略をやっていかないと、多分次の選挙は勝てないだろうと。そもそも強敵が出てくるに決まってるんで、勝てないだろうと。もし来年、出るってことなんことが決まったら、その2年間はですね、相当の力をネット戦略に注ごうと、もう決意をいたしました。

 

●知事の欧州訪問について

(記者)

 兵庫県知事選の話じゃなくて恐縮なんですけれど、欧州訪問(の話)に戻るんですけれど、グリーンフィールド型とその企業城下町型っていう、ある意味対称的なまちづくりのところをご覧になって、それぞれどういう特徴があって、どう生かせるか、どういうアイデアを得られたかっていうのを改めてお願いしていいですか。

 

(知事)

 まちづくりは宇留賀さんに。その前にせっかく産経部長に来てもらっているので、まずは産経部長相川さんからお願いします。

 

(産業経済部長)

 それぞれの見てきた街の特徴というようなところでよろしいですかね。まず、ハンガリーなんですけれども、1つはですね、ブタパートというところに行ってきました。ここはですね、大きな企業とかスタートアップ、そういった事務所があったり、あるいは住居とか店舗とか、それから公園とか、それから水辺があるんですけれども、そこでのアクティビティがあったりとか、1つの街として完結しているようなところでした。もう1つは、そこは開発をされるにあたって、やっぱりこういう街にしていこうっていうのを1つ決めて、それに基づいてずっとやってきたっていうところですね。もう1つは、テーマを1つ決めて、そのテーマに沿った大企業、スタートアップっていうところが集積をしているというところでした。ここは住居こそなかったんですけれども、公園とか、緑の場面っていうのがすごく多くて、あるいはアートがあったりとかですね、癒しの空間というのがすごくあって、やはりコンセプトを作ってやっていたっていうところが参考になったかなというふうに思います。

 

(記者)

 それを受けて、知事としては今回(の行き先の)もう1つがミシュランだと思うんですけれど、それを受けて知事は・・・

 

(知事)

 まずは宇留賀さんから、せっかく一緒に行ったから。

 

(宇留賀副知事)

 ちょっと産経部長の話が途中なので。

 

(産業経済部長)

 ミシュランは、またちょっと別になるんですけれども、グリーンフィールドといって、何もないところを開発していくっていう場面っていうのは、なかなか目の当たりするチャンスってないと思うんですね。そもそも、やはり街を開発していくにあたっては、先々週もちょっと申し上げたんですけれども、例えば大きな企業を核にしたりとか、テーマを決めて企業を集めてみたり、あるいはスタートアップを集めてみたり、あるいは住居も含めてですね、いろんなものを合わせた形で開発していくっていうのがあると思いますので、それぞれ特徴があって、それぞれコンセプトがあって、開発としても、いろいろなパターンがあると思いますので、その大きく考えていく上での参考になったと思いますし、あとは高崎市さんも一緒に行っていただきましたので、今後検討していくにあたってですね、「あの」ときの「あれ」っていうので、同じイメージの中でやっていけるっていう、そういうのが今回あったかなというふうに思っています。

 

(知事)

 宇留賀さんどうぞ。

 

(宇留賀副知事)

 まずこの堤ヶ岡については、すでに基本構想っていうのを出していて、ご覧になられているかなと思うんですけれども。まず、どういう産業を呼んでくるかとか、そういったところを決めていません。例えば、スタジオみたいなものを誘致してきて、映像を中心としたような場所にするっていうやり方もあると思いますし、ただ、日本だけじゃなく、海外も含めた大企業と組んで、そういうある意味、大企業のオープンイノベーションの拠点みたいにするような可能性もありますし、逆にもうスタートアップに振っていくっていうやり方もあると思うんですけれども、ただ、そこの中でも今回、特にハンガリーの方で見てきた住居みたいなところ、良質な住居みたいなところと産業政策とをどう組み合わせていくかっていうところは、いずれにしても非常に参考になると思いますし、今回、ヨーロッパ3カ国を見た中で、日本と大分違うオープンイノベーションの考え方っていうのは、とにかく新しいことはスタートアップにやってもらうと。

 大企業だったり、中小企業はどうしても既存の事業があるので、革新的なことできないと。なので、スタートアップにどんどん革新的なことをやってもらって、そこの成長を一緒に享受する。出資をしたりとか、M&Aで買収したり、吸収する手もあるし、協業していく中で一緒にやるような点もあって、ただこうスタートアップが活動しやすく、すごい領域をどんどん広げていってもらって、そこと連携する。非常に明確に戦略を持っていたので、少し僕らもどちらかというと、既存の事業、既存の企業に対して支援というのが、行政、日本の場合多いんですけれども、そういう新しい企業にどんどん成長してもらうようなフィールドづくりっていうのは大企業特化、例えば、映像産業特化よりスタートアップを中心するにしても、そういう仕掛けっていうのは必要なんだと思いますし、堤ヶ岡に100ヘクタール近い、非常に新しいまちづくりができるって、なかなか群馬でもないような場所になるので、そこを考えるときにも、スタートアップがいかに活動しやすくなるか、そこに我々が一緒にパートナーとして組むようなデベロッパー、または企業さんとどういうような役割分担でやっていくかっていうのが非常に参考になりましたし、今回の訪問を踏まえて高崎市と一緒に計画を、これから4年後ぐらいに造成をしていくときに、実際にはどういう資金計画かも含めて考えていかなきゃいけないと思いますが、非常に参考になる部分があったかなと思います。

 

(知事)

 最後に、もうほとんど言い尽くされているんだけど、(その上で)言うと、ヨーロッパのまちづくり、今回はとにかくそのイノベーションの拠点みたいなところを視察してきたんですけれど、それが、ある意味堤ヶ岡の目指すところなんで、そういうところなんですけども、基本的にやっぱりなんかヨーロッパの考え方、さっき宇留賀さんが言ったみたいに日本と違うところもあるんだけど、すごく似たところもあったりして、特にまちづくりは、やっぱりですね、ヨーロッパから学べることってすごく多いんですよね。

 私の感覚で言うと、ヨーロッパの街って、路面電車が走ってて、それでその車も道を走っているんだけど、自転車がいっぱい走っている、自転車道とかすごい整備されているじゃないですか。アムステルダムは行ったことがないんだけど、公共交通の中に自転車が入ってるみたいな感じのところまでやっているから、そういう意味で言うと、これから堤ヶ岡のまちづくり(の参考に)していくと。それは、単なるシリコンバレーみたいにIT企業、ベンチャー企業が集まっているっていうだけじゃなくて、今、宇留賀さんが言ったようにもうちょっと広いコンセプトで、居住空間も含めて、ものを生み出してくるようなエコシステムのある街を作るっていうことでいうと、今回のまちづくりの視察ってドンピシャだったと思うし、高崎市長もその点はすごく喜んでいただけたんじゃないかなというふうに思っています。それから、もうこれはまちづくりにも関係するんですけれど、ベンチャーっていうものの考え方がちょっと違ってて、もうシリコンバレーに行ったら、政府の役人とか大臣だとか言っても、誰も会いたくないんですよね。政府っていうのはそもそも自分たちの邪魔をする存在であると。なんかもう「入ってくんなよ、行政なんか」みたいな感じで。(シリコンバレーは)すごく民間主導のマインドセットは強いけれど、ヨーロッパはちょっと違ってて、やっぱり中央行政とか政府の支援とか、補助金ということはないですけれど、支援の枠組みとかを結構受け入れてやっているっていう感じがしたから、そういう意味で言うと、イノベーションの政策については、アメリカよりも少しヨーロッパの方が参考になる点もあるかなと思います。いずれにせよ、行かないと分からないんで。堤ヶ岡やりますと言っても、ずっと日本に留まっていても何もないので、じゃあIT企業、どういうスタートアップいますかって、シリコンバレーに行って、ヨーロッパも回って、少なくともいろんなPRができるルートを作らなかったら何もできないんで。そういう意味で、本当に今回は結構11日間で大変だったんですけれど、行ってよかったと思います。

 

●トイレコンテナ クラウドファンディング募集について

(記者)

 次に、トイレコンテナの関係でお伺いしたいです。3,400万円募集するっていうことですけれども、これ集まった場合には何か、予算自体は補正予算で確保していると思うんですけれども、集まらなかった場合は影響があるのか、あるいは集まった場合は、今まで補正予算で想定したものから何か仕様が変わるのかとか、ちょっとそういうことについてお願いします。

 

(危機管理課長)

 目標達成まで頑張りますけれども、集まらなかったとしても、買うものについて変わるっていうことはないです。予算としては確保されていますので、(目標より多く)集まったからといって、またなんかグレードが上がるとかそういったことでもないです。

 

(記者)

 集まったら、予算はそのまま浮くっていうことになるんですか。既存の確保した予算で、使用しない分が出てくるっていう考え方でいいんですか。

 

(危機管理課長)

 一旦はですね、起債で充てて、集まった部分は寄附として受け入れるっていう形になると思います。

 

●年収の壁について

(記者)

 あと、年収の壁についてお伺いしたいんですけれど、自民党と国民民主党のやりとりの中で、自民党の合意案には地方財政への影響を留意するっていう文言があったんですが、それが国民民主党との折衝の中で、最終的には合意案から無くなったという報道があるんですけれども、それについては知事として受け止めがもしあればお願いいたします。

 

(知事)

 もし報道が正しいとすると、ちょっと心配かなと思うんですが。そこは三党ともしっかり国益を考えてやっていることだと思うので、最終的には石破さんも慎重にとおっしゃっていますので、そこは書かれていようが書かれていまいが、しっかりそこを配慮していただけると信じています。

 

(記者)

 分かりました。あと、103万円の壁の見直し自体は、手取りが増えて、人不足の解消にも繋がるっていうメリットはあるっていうご発言もあったんですが、今、106万円の壁とか130万円の壁っていう社会保険の関係で(議論が)存在していて、税と社会保障っていうのがそれぞれの大きな課題になっています。今、106万円の壁、厚生労働省の方で議論しているところではあると思うんですけれど、こういった税と社会保障の全体のグランドデザインの見直しの必要性については、知事としてお考えがあればお願いします。

 

(知事)

 それは、宇留賀さんからまず答えてもらおうと思います。

 

(宇留賀副知事)

 私は、基本的にこういう問題、これまでの制度改正の中で、ただ制度が複雑になりすぎちゃっている部分があると思うんですよ。なので今回、国民民主党の議論を契機に、そういうものがよりシンプルになって、分かりやすく、あと時代に合った形に変わっていくっていうのは非常にいいことだと思いますし、ただその代わり、その制度の存在っていうのは、いろんな配慮がされていた、地方も含めて、いろんな配慮がされていたところが、一気に無くなってしまうと、激変緩和はやっぱり必要だと思うので。そういった意味で地方の財源というところもしっかり配慮していただきたいですし、特に激変される部分については、例えば106万円の壁についても全部、企業からは入ってもらうというところ、多分経済界からそこはいきなり急にルールを変えるのはどうだって話も出ていると思います。こういったところで、ちゃんと激変緩和措置等をあるべき姿、よりその我々一人一人の働くものが分かりやすい制度にしていくっていうところは、ぜひやっていただくのは非常にいい流れかなと思っています。

 

(知事)

 こうしてきちっと政策的に整合性のあることを言ってもらった上で、私の話をしなきゃいけないと思ったんで、1回なんか全部やめたらいいかなというか、本当に見直して、本当にもっとすっきりさせた方が絶対いいと思うんですよね。でね、103万円とかあんまりもうこれ以上この話はしないけれど、どのくらいの人が対象になっているかって分かんないじゃない。103万円の壁の影響を受ける人の数って分かる?

 

(宇留賀副知事)

 分かるんじゃないですか。

 

(知事)

 いや分かんないと思うよ。

 

(宇留賀副知事)

 いや、所得一人一人である程度・・・

 

(知事)

 そのなんか数字って出てる?総務部長分かりますか。103万円の壁の問題で、どのくらいの人に影響が出るかっていう、そういうデータってありますか。

 

(総務部長)

 いわゆる103万円までで、例えば大学生で103万円までで(働くのを)抑えようとかっていう人数っていうのは、それは出ないんですね。推計で今日、新聞報道等もありますけれども、それは推計にしか過ぎないと思うんですね、本当にそこ(103万円)でやめている人というのは。

 

(知事)

 でしょ。それはね、推定なのよ。いいんだけど、だからそういうこともちゃんと含めて、まだ本当の影響っていうのは分からないんですよ、政策的に言えば。だってないでしょ、推定だよね、それ。

 

(総務部長)

 本当に103万円でやめているのか、本当にたまたま103万円以下で収まっているのかっていうのは、そこは分からない。

 

(知事)

 だから、そういうのはちょっと私にとってはやや違和感なんですけれど、ただ、宇留賀さんの言ったことに尽きると思うんだけど、こういうことを機会に、せっかく国民民主党からこういう問題意識が出て、今こういう議論をしているので、やっぱり全体をもうちょっと分かりやすく見直すっていう議論はちゃんとやった方がいいんじゃないでしょうか。という乱暴なことを言っても、宇留賀さんがちゃんときちっと言っているからいいかなと思って。

 

●兵庫県知事選の候補者について

(記者)

 ちょっと兵庫県知事選についての・・・

 

(知事)

 しゃべることはないと思うんですけれど、あれだけの大演説をしちゃったから。

 

(記者)

 1点だけ、もしよろしければ。

 

(知事)

 どうぞ。

 

(記者)

 政治団体党首の立花孝志氏が当選を目的としないと公言しながら、兵庫県知事選に出馬した上で、斎藤知事を応援する選挙戦というのを、ネットと現実の両面で展開しました。自身ではなくて、他の候補者の当選を目的として、選挙に出馬ということについて、知事のお考えがあれば。

 

(知事)

 いろんな考え方があると思うんですけれども、ある意味、こういうことがあると、今の制度が、なんか今の制度の欠陥っていうか、足りないところっていうのがいろいろ明らかになってきたりするところもあると思うので。ただ、今の制度上だと多分可能なんだと思うので、そこら辺よく議論したらいいんじゃないでしょうか。

知事メッセージ

 それでは最後にですね、県民の皆さまに、知事の方から少しお話をさせていただきたいと思います。会見でも申し上げましたが、ブログにも書いたんですけれども、今回、群馬県知事としては最長となる11日間、海外出張してまいりました。今日ご報告したとおり、イギリス、そしてハンガリー、フランスと行ってまいりました。毎回、こうやって記者会見で、目的をすごく明確に説明をさせていただいて、その成果もここでご報告をさせていただいています。そうは言ってもですね、なかなか県知事でここまで海外出張が多い人っていないのかもしれないんで、いろいろまたこれは私の方でも常に説明していかなければいけないと。知事がここまで海外出張する必要があるのかという方々もおられると思うので、これは会見の場を通じて、あるいはこの「山本一太の気分はいつも直滑降」っていうブログ、今日もなんかアメブロランキング、政治家(でアメブロをやっている人)は700人ぐらいかもしれませんがトップでした、視聴数。例えば、自分のブログで発信したりとか、ありとあらゆる機会で、県議会が大事ですから、一般質問とか、あるいは委員会質疑でもお話をしていきたいと思いますが、まずですね、群馬県がやっている出張に、なんか物見遊山みたいなものは一切ありません。本当に真剣勝負で、毎回海外に足を運んでいると。このことだけは、ぜひ県民の皆さんに分かっていただきたいというふうに思っています。

 そして、産経部長、よくここに出てくる産経部長がおられましたけれども、産業経済部と、それから知事戦略部、ここによく出てくる知事戦略部長がいますけれど、古仙さんっていう、ここの関係のスタッフがですね、知事の会談1つとっても、大変な努力をして、本当に睡眠時間を削って、現地でも頑張り抜いて、そのおかげで毎回出張が成立しているということもですね、皆さんにご報告をしておきたいと思います。

 今回、いろいろご質問があってお答えをしましたが、イギリスに行ったのはですね、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートっていう、世界ナンバーワンの美術系大学院との連携を探るためであって、これ本当に地方自治体ときちっと連携できたら、すごく画期的なことなんです。これは、群馬県が目指すクリエイティブ産業の人材育成にも繋がってくるっていうことなので、行ってよかったと。知事が行かなかったら、副学長とか出てこないんですね。ハンガリーとフランスはですね、(高崎市の)富岡市長さんと高崎市職員たちと一緒に行ってきました。市長さんも「大変勉強になった」と言って、喜んでいただきましたけれども、こちらも真剣勝負でやってきました。ちなみに、高崎市の皆さんがいれば申し上げておきたいと思うんですけれど、富岡市長は本当に「辣腕」の方だなと思ったのは、いろんなところで、ベンチャー企業とのいろんな意見交換があったんですけれど、本当に1つ1つの質問がリアリティがあって、鋭いということでさすがだなと思ったこともちょっと付け加えたいと思いますが、フランスとハンガリーはまさに堤ヶ岡飛行場(跡地の活用)プロジェクトを意識して行きました。これを成功させるためにはですね、やっぱりトップが行って、やはりIT企業を呼んでくる、あるいはいろんな企業を誘致してくる、あるいは最先端のまちづくりを見てくる、こういうことがなければできません。そのことだけはですね、県民の皆さんに分かっていただきたいと思っています。

 最後に短く言いますが、何でベトナムに何回も行っているのか、ベトナムが群馬県にとって非常に大事だからです。群馬県に今来ている外国籍県民のうち、一番多いのはベトナムの人で、いい人にやっぱり来てもらわなきゃいけないということで、前の外務大臣に会いに行って、いわゆるこうブローカーに引っかかってくるような、その研修生が少なくなるように制度改正してもらいました。これだけでも大きな、私は成果だと思っていますけれども。2回3回行く中で、群馬県の30社近い企業を全部一緒に連れて行って、そこで、例えば群馬県、今向こうに進出して頑張っておられる、向こうに工場を出している企業も、群馬県は結構あるんですね。その中で、今回はベトナムのマーケットに自ら今度は進出したいという企業の皆さん、興味のある皆さんを連れて行ってですね、向こうの首相の前で、群馬県の企業をよろしくって言ってきました。普通だったら会えない、いわゆる投資大臣の前で、個別に群馬県のことをお願いしてきました。そのおかげで、宇留賀副知事の活躍もありましたが、群馬県の企業が何十億という投資をもう決めましたので、知事と一緒に行ったからこの投資を決めたんですね。群馬県で本当にトップで、各分野、場合によっては日本で最もシェアを持ってるような会社がベトナムへの進出投資を実際に決めた。それは知事と一緒に行ったから、その流れの中で決めたということで言うと、ある意味で言うと、私はよく何か、出張にはどのぐらいのなんかこう定量的な成果があるのかみたいなことを言う人がいますけども、これだけの投資をまず群馬県の企業が決めたということだけでも行った甲斐があると思いますし、今ベトナムもどんどん経済発展して、素晴らしいIT企業があるんですよ。FPTっていうね。ここが群馬県への進出を決めました。栃木県には投資してるんですけども、群馬県にはなかったんですが2回、3回行くうちにですね、こちらにオフィスを設けるか、拠点を設けるってことを決めてもらった。どのぐらいになるか分かりませんが、ここが投資する額もですね、ベトナムの訪問に費やす金額のたぶん何倍にもなってくるというふうに思っています。そういう意味でいうとですね、これからもぜひ県民の皆さんのご理解もいただいて、県議会のご了解もいただいて、このトップ外交は精力的にやらせていただきたいと。そして、その成果をしっかりと皆さんにご報告をして、ミシュランの帽子を買ったっていう細かいことまで全部ご報告して、突っ込まれても平気なんで、全部ちゃんと説明できますから、誰を連れていったっていうことも、そのことも何かご質問があればどんどんいろんなところでやっていただいてですね、このトップ外交は続けていきたいというふうに思っています。今ベトナム成果をお話しましたが、この知事の実績の裏には、やっぱり一緒に行った県庁職員が、本当に血のにじむような努力っていうか、涙ぐましい努力をしているということだけは申し上げておきたいと思います。今までいろんな出張に行きましたが、土日を休んだこともないし、観光旅行みたいなこともしたこともないし、はっきり言ってお土産買った事も1回もないし、ミシュランの帽子と寒かったので買ったトレーナーと、ハンガリーで買った靴下だけは許していただいて、そういうことも一切やってないと、このことだけは申し上げて、随分今日は長くなっちゃいましたけども、記者の皆さん、今日は特に兵庫県知事選挙の話が長かったんで、大変街頭演説になっちゃって申し訳なかったんですが、これも大事なことだったんでお話をさせていただきました。今日は1時間20分にわたる会見になってしまいましたが、記者の皆さんには大勢今回も最後まで残っていただきまして、ありがとうございました。来週からもしっかり真剣勝負でやりたいと思います。以上、定例会見を終わりたいと思います。

 

 

( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。