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■日時 令和6年7月12日(金曜日)15時02分~15時41分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事、副知事ほか
記者:記者クラブ所属記者等14人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
令和6年7月12日定例記者会見動画(You Tube)<外部リンク>
■知事冒頭発言
それでは定例の会見を始めたいと思います。早速ですが会見の中身に移りたいと思います。スライドをご覧ください。本日の会見の主な項目です。今日は、「新財務会計システムの不具合」、それから「異物分析アプリ『Corette』(コレッテ)」、それから「尾瀬登山道整備ツアー」について発表させていただきます。
はじめにですね、群馬県の新財務会計システムの不具合についてご報告をしたいと思います。今年の4月からですね、新しくなった群馬県の財務会計システムについて、利用開始から現在に至るまで、不具合が発生しております。これによって、県民の皆さん、事業者の皆さん、指定金融機関である群馬銀行などに対して、ご迷惑をおかけしております。加えて、システム改修や、不具合の影響を受けた皆様への対応をですね、優先をしたということでご報告が遅れてしまいました。実は私自身もこのことを知ったのが、一昨日だったということもあってですね、知事自身の監督が行き届いておりませんでした。このことについてまず、知事として、県民の皆さんにお詫びを申し上げたいと思います。
それではこの問題について詳しくご報告をさせてください。スライドをご覧ください。そもそも、財務会計システムとは、予算編成から日々の歳入歳出の執行管理、そして決算に至る会計事務処理等を行う、群馬県にとって重要なシステムの1つです。県庁の家計を管理するためのシステムというのが一番わかりやすい言い方かなと思います。そして今年の4月から、これまで使用していたシステムを更新して、コンビニ収納に対応をさせるなどの利便性を向上させた新しい財務会計システムの利用を開始いたしました。ところが、先ほど申し上げた通り、この新財務会計システムにおいてですね、4月の利用開始から現在に至るまで、様々な不具合が生じております。その結果、県民の皆さんをはじめ、多方面に影響が出ているということをちょっと今日申し上げておきたいと思います。次のスライドをご覧ください。
まず県民の皆さん、事業者の皆さんへの影響についてです。群馬県から事業者の方に同じ支払いを2回行ってしまう「二重払い」が3件、それから支払い遅延が2件、源泉所得税などの法定控除金の「控除漏れ」が5件、計10件発生いたしました。合計するとですね、84万3,167円です。これらの不具合については、臨時に手入力で処理を行ったこととか、あるいはプログラムのバグが原因であって、システム化やプログラム改修というものをすでに実施をいたしました。今後同じ原因で発生しないよう1つ1つ対策を講じております。県民、事業者の皆様の影響については、これは減少傾向にあると私たちは考えています。次のスライドをご覧ください。
そして、群馬県の決算への影響についてです。これまでのシステムなら、現時点で決算額の確定はできており、7月末までには決算書は作成をされるということで、9月に開会する第3回前期定例県議会で、決算について付議するというやり方をとってまいりました。ところが新システムでは、決算額の確定に必要な月別の決算額が正しく集計されず、本来一致するはずの群馬銀行との残高とも一致しないという不具合が今発生しています。そのため、いまだ決算額の確定ができておりません。決算書の提出や議会の報告については、地方自治法が定める県の重要な業務の1つになっています。決算できなければ、県民や事業者の皆さんから預かった税金をどのように執行したかっていうことを明らかにできないということで、県議会に対しても報告をすることができなくなってしまいます。例年通りの期限までに決算書作成や、議会への付議を行うため、昨日、会計局にですね、23人の職員を追加配置いたしました。現在決算額の確定に向けて全力を挙げて対応しているところです。
この他に、公金の収納や支払い事務を行う群馬銀行においても、不具合によって本来不要な支払いデータチェック作業とか、緊急的な支払い処理などが今発生しております。不具合の原因については、群馬県と新システムの開発運用の受託者である、株式会社両毛システムズの双方に問題がある可能性があってですね、現在鋭意調査中ということです。群馬県としてはこの不具合を1日も早く解消し、システムが安定して稼働できるようにですね、システムの受託者とも協力して、全庁挙げて対応を進めていきたいというふうに思っています。
私としては、会計事務の適正な執行は、県行政の信頼に関わる非常に重要な業務だととらえています。まずは令和5年度決算額の確定に向けて、皆さんと力を合わせて一緒にこの問題を乗り越えていきたいと、このように考えています。
続いて、群馬県立産業技術センターで開発した異物分析アプリ「Corette(コレッテ)」について発表したいと思います。産業技術センターでは、「技術支援」、「開発研究」、「情報提供・人材育成」を3本柱に県内中小事業者の支援を行っています。このたび事業者の業務効率化の観点でアプリを開発いたしましたのでご報告したいと思います。スライドをご覧ください。
食品工場などで混入した異物をAIで推定するアプリ「Corette(コレッテ)」を産業技術センターが開発いたしました。このアプリは異物をスマホで写真撮影するだけで、混入した異物が何かを推定できるということで、これによって事業者の負担が大きく軽減するというものです。スライドの例では、異物をアプリで分析した結果、甲殻類が、第1候補として推定されたという流れを紹介しています。次にどんな場面で活用できるのかもご説明したいと思います。次のスライドをご覧ください。
例えば食品工場などで製品に異物が混入した場合、事業者はまず製造ラインを一時停止して原因を究明することになります。特に混入した異物の特定には、様々な手法で解析を行う必要があるため、多額の費用、時間、労力がかかるというのが普通です。しかしながら「Corette(コレッテ)」を活用することで、解析の前にその異物が何なのかを推定することができるようになります。推定結果があることでその異物が何か当たりをつけた上でより詳細な解析に回せるということで、事業者の負担を大幅に軽減できます。解析が早期に完了すれば製造ラインをいち早く再稼働させることもできます。
この「Corette(コレッテ)」は本日からAppStoreで販売開始いたします。利用料は月額2,000円ですけれども、アプリの使いやすさを体験していただけるように、異物の分析推定を8回まで無料で試すことができます。スライド記載のこのQRコードからダウンロードできますので、ぜひご利用いただきたいと思います。なおアンドロイド版への展開も現在検討しています。
今回のアプリについて、私が特にお知らせしたいポイントは、県庁職員が、事業者の課題に真摯に向き合い独自に開発したアプリだと、ここが非常に大事なところだと思っています。またアプリ自体についても無料ではなく販売ができる、つまりクオリティがすごく高いということなので、この点にもぜひ注目をしていただきたいと思います。このようなアプリを県庁職員が自前で開発して県で発売する。群馬モデルはいろいろ出てますけれども、これも全国で初めての取り組みだと思っています。改めて、群馬県職員の能力の高さに知事としては感銘を受けています。「Corette(コレッテ)」を実際にお使いいただいた方からのご意見などをもとに、測定精度向上や新しい分析機能の追加などのバージョンアップを順次行っていきたいと思います。ぜひ多くの方々に「Corette(コレッテ)」をご利用いただきたいと思います。
最後に、尾瀬登山道整備ツアーについてご報告をしたいと思います。尾瀬国立公園は日本最大の山岳湿地である尾瀬ヶ原とか、日本百名山として知られる至仏山、それから多様な動植物などを楽しむことができる、これは群馬が誇る自然の宝庫と言っていいと思います。しかしながら、山岳地域であるがゆえに、工事車両が入れないということですね。施設の整備や維持管理には多額の予算が必要になります。例えば木道1メートル整備するのにですね、20万円もの費用がかかります。限られた財源の中で施設や設備を持続的に維持するには、整備のあり方とか新しい財源確保策を検討する必要があると、これもう皆さん申し上げるまでもないと思います。スライドをご覧ください。
そこでこの度、尾瀬の利用者が、尾瀬の歴史や植生などを学びながら、木道の修繕など保全活動も行う「尾瀬登山道整備ツアー」なるものを実施いたします。ツアーは8月から10月にかけて行う予定です。各月で異なるテーマを設定して、オンライン講習を5回、現地でのフィールド講習3回実施したいと思います。8月は「尾瀬を知り、みんなで整備を考える」というのがテーマになります。山の斜面や登山道が崩れる原因、あるいは植生等に与える影響など普段と異なる視点で山を見渡して、登山者一人一人ができることを考えたいと思います。9月は「外来種駆除と水場(みずば)整備」をテーマに、尾瀬本来の生態系を脅かす外来種とか、尾瀬の開発と自然保護の歴史などを学びながら、景観に合わせた水場の整備を行うという趣旨です。そしてツアーの最後となる10月は「木道修繕・もっと美しい尾瀬に」ということをテーマにいたします。登山者が無意識のうちにですね、先のとがったストックで傷つけてしまった木道などを、参加者の皆さんに修繕していただくと、そうやって人と自然にやさしい道づくりを自ら行っていただくというような趣旨です。ツアーの対象者は18歳以上で、全プログラムに参加できる人ということで、定員はですね、先着順で15名とさせていただきます。参加費は受講料の他、計4泊分の宿泊費や、飲食代、交通費などを含む9万9千円ということになっています。募集期限はですね、7月31日の水曜日までといたします。申込方法などの詳細はこのスライド記載のQRコードからぜひご確認をいただければと思います。
尾瀬に興味のある方、自然が好きな方など、ぜひですねこの尾瀬登山道整備ツアーにご参加をいただきたいと思います。これまでも尾瀬の関係者がですね、保全活動を行う事例はありましたが、今回はより幅広い方々に、しかも楽しみながら保全活動を行っていただきたいと考えています。同時に、尾瀬の保全と利用の好循環をこれによって創出できるんではないかというふうに思います。このツアーをきっかけに、尾瀬の普遍の価値をしっかり次の世代に引き継ぐ、こういう新たな取り組みが広がっていくことをですね、県としては期待をしています。私からは以上です。
●新財務会計システムの不具合について
(記者)
新財務会計システムについてなんですけれども、知事のお話で不具合の根本的な原因というのは調査中だという話があったんですけれども、現時点で、例えば納期が短かったですとか、その納品されたシステムについてチェック体制や期間が十分にとられていなかったとか、何か関係があると思われるような、現時点で分かっていることはございますでしょうか。
(知事)
会計管理者の方から。
(会計管理者)
原因についてなんですが、先ほど知事からも申し上げたとおり、今、原因を調査しているところでございます。可能性といたしましては、県側あるいは受託の事業者様の両方にあるかと思いますが、先ほど(記者さんが)おっしゃっていたように、そういった視点も含めて、どこに問題点があったかというのはこれから調査していきたいと思います。
●異物分析アプリ「Corette」について
(記者)
アプリの「Corette(コレッテ)」についてお伺いします。結構用途が専門的だと思うんですけれども、県職員の方が開発されたということで、どういったところから開発のきっかけというか着想を得たかを教えていただけますか。
(知事)
どうぞ担当の方から。
(群馬産業技術センター 職員)
きっかけですが、我々は企業様から分析依頼をよく受けることがあります。その中で、電話でこのようなもの(異物)と聞くことが多かったんですが、(口頭では)伝わらなかったり、装置の空き具合などでなかなか予約が取れないということがございました。今回「Corette」を開発したきっかけとしまして、皆さんの手元にあるアプリで、簡単な分析ができて、それが情報としてお互いに共通の認識として持てれば、今まで(課題として)持っていたような時間のロスなどが軽減できると考え、開発を行いました。
(記者)
事業者さんから何かこういうのができないかという声が先にあったということなんでしょうか。
(群馬産業技術センター 職員)
事業者様から声が上がったというよりは、我々の方から提案する形で開発を進めてきました。
(知事)
何か具体的なきっかけとかはあったんですか。
(群馬産業技術センター 職員)
まずAI(技術の活用)が盛り上がってきていたというのが1つございます。それと、我々が今までやっていたことが、なかなかデジタル化しづらい部分と感じておりましたので、それに対してデジタル化をどのように進めようかと考え、AIとデジタルを組み合わせれば、今までにないものができるかということを考えて、開発を行いました。
(記者)
その中で、この異物混入という題材がうまく合うと(考えて)、ジャンルとして選定されたという感じでしょうか。
(群馬産業技術センター 職員)
やはり事業者様にとって一番問題になるのは、異物とか、自分たちが想定していないものだと思います。そこに対して、AIは強力な武器になると考え、開発を行いました。
●尾瀬登山道整備ツアーについて
(記者)
最後に「尾瀬」のことについてお伺いしたいんですけれども、その講習をオンライン含め8回ということなんですけれども、結構、経費も、交通費も含めてというところなんですけれども、講習を受けることで受講者さんがその先にどうなるのか、どういうところを目指されるのかという、例えばそのガイドを目指す方を想定しているとか、どういった層の参加を想定されていますか。
(環境森林部長)
環境森林部長からお答えします。まず、コアな尾瀬のファンになっていただきたいというのがあります。尾瀬の自然環境を楽しむだけでなく、実際に自分の手で木道を整備するという貴重な体験もできますので、尾瀬を未来に継承することに理解を深めていただける方を募りたいなと考えております。
(記者)
木道の整備とか外来種の駆除を手伝うというところになると、お手伝いという側面も含まれると思うんですけれど。ボランティアというよりは、それも含めて講習だということでしょうか。
(環境森林部長)
そうですね。今回、尾瀬の新しい保全と利用の手法を官民共創で開発する取り組みの1つとして、楽しみながら、学び、そして体験する、尾瀬の環境保全のお手伝いをするということで、(このようなツアーを)組んでおります。
●新財務会計システムの不具合について
(記者)
新財務会計システムの関係なんですけれども、先ほど知事のお話の中で、把握されたのが一昨日とおっしゃっていましたけれども、これは決算額が確定する、この時期になって把握されたという・・・この時期まで遅れた理由というところとですね、報告体制が十分でなかったという話だと思うんですけれども、その辺りのこれからの改善点というところを教えていただければと思います。
(知事)
それは後で会計の担当部からもフォローさせますけれども、基本的に会計局の人たちは日頃から非常に真面目にやってくれているんですね。とにかく本当に頑張ってくれているので、こういう不具合が4月に起きて、その対応に全力を挙げていたということなんだと思います。ただ、なかなかここまで来ても、システムの不具合の原因も分からないという状況の中で、一昨日、私の方に上がってきたということで、そこはもう1回言いますが、ご迷惑をかけている、いろんな関係者に対する対応に全力を挙げていたということで、少し報告が一昨日になったということなので。これは、現場の人たちを責めるというよりは、私の監督責任であって、私がこういう情報を事前に早く掴めなかったということは反省していますので、今の問題を契約した相手としっかりと協力しながら、解決するということに全力を挙げなければいけませんが、当然、反省として、もう少しこういう問題がすぐに(知事のところまで)上がってくるように、しっかりやらなければいけないと思っていますし、そういう指示はいたしました。
●異物分析アプリ「Corette」について
(記者)
続いて、アプリの「Corette」についてお伺いしたいんですけれども、AIを使って判定するという仕組みだそうですけれども、簡単に判定する仕組みというのはどういうものなのかを教えていただければと思うんですが。
(群馬産業技術センター 職員)
判定するシステムですが、化学分析をきちんと行った物質について、それを画像として何枚も何枚も、いろんな角度から、たくさん撮ります。それを、12のカテゴリー、具体的には、石ですとか、プラスチック(など)を12種類、いろんなパターンで学習させまして、人工知能を用いて学習させたモデルを用いて、判定するようにしています。具体的には、異物が見つかったときに、画像をスマホで撮ることで、異物の判定結果を上位3位から推定し、カテゴリー分けしたものを表示するようにしてあります。
(記者)
そうしますと、過去の撮影した画像とか産業技術センターとしての蓄積みたいなものが生かされているという捉え方なんでしょうか。
(群馬産業技術センター 職員)
そうですね。産業技術センターでは、日々企業様の課題に対して、真摯に取り組んでおります。その中で、今回のような開発を行えたと考えております。
(記者)
今回、民間企業で販売されるということになったことは珍しい形かなと思うんですけれど、この辺の経緯とか権利関係というのは、どのようになっているのかを教えていただければと思うんですが。
(群馬産業技術センター 職員)
はい。群馬県としまして、今2件の特許を出願しております。また、「Corette」という名前につきましても、すでに群馬県として商標を登録しております。この商標と特許権につきまして、前橋市にある株式会社リネイルと特許の実施契約を行い、デベロッパーとして、リネイルから販売を行う形になっております。
●東京都知事選挙について
(記者)
先週末、日曜日に行われました東京都知事選挙なんですけれども、知事が以前の会見でお伝えしていましたとおり、(知事の)予想通りといいますか、期待通りといいますか、小池さん当選で、石丸さん、蓮舫さんという順番になりましたけれども、この辺りの受け止めですとか、所感がありましたらお伺いできればと思います。
(知事)
そこでもちょっと申し上げたんですけれども、私にとってのベストシナリオは、小池都知事が再選されて、蓮舫さんが届かず、なおかつ石丸さんが予想以上の大健闘を見せて、地方自治体(の首長)出身の、新たな世代のスターが出てくるということが自分にとってのベストシナリオだと申し上げましたけれども、そのとおりになったということだと思います。小池都知事には再選された以上、しっかり東京のために頑張っていただきたいと思いますし、何度も言いますが、ある意味、北関東の群馬県にとっても、東京の存在が大きいので、私は群馬県には東京にない良さがいっぱいあると思っていますけれども、それでも、これからいろんな形で連携できる分野があれば、東京都とも小池都知事ともしっかり連携をしていければなと思っています。
(記者)
石丸さんについて、新たな世代のスターが誕生されたということでしたけれども、ちょっとテレビ出演時の対応とかで批判されたりというのもあったと思うんです。その辺り、知事は、会見等で慣れていると(思いますので、石丸さんに)ご助言とか・・・
(知事)
前回も申し上げましたけれども、石丸さんは3万人ぐらいの自治体の長だったわけですよね。その方が東京都知事選挙に挑戦して、あれだけの大健闘を見せたと。このこと自体は、私はいいことだと思っているので、大体注目されたら必ず叩かれるので、これからいろんな試練が待っていると思いますけれども、ぜひそういうことを1つ1つ乗り越えて頑張っていただきたいと。やっぱり66歳になって思うんですけれど、経済界も政界もそうですけれども、あらゆる分野で若い人たちに元気になってほしいと。特に、政界においては、次世代がまだ大人しいので、1人でも多く、次世代を担うような、元気な30代40代・・・20代でもいいんですけれど、そういう方が出て来てくれればいいなと思っているので、(石丸さんは)そういう流れの中で、ぜひ頑張っていただきたいなと思う1人です。
●ぐんまちゃんのアニメ・エキスポ参加について
(記者)
ぐんまちゃんが4日から7日にかけて、アニメ・エキスポで、ロサンゼルスの現地に行かれて、テレビでも活躍している様子が流れていましたけれども、実際どんな活動をされてきたのか、成果ですとか、現地の反応ですとか、今後の発展への期待を伺いたいと思います。
(知事)
ありがとうございます。その質問をしていただいて。担当部の方から。
(メディアプロモーション課長)
成果のところでございますけれども、詳細な分析につきましては、現在進めているところで、これからでございますが、昨年度より(規模を)拡充して取り組んでまいりましたので、昨年度以上の手応えを感じているところでございます。2、3エピソードを申し上げますと、例えばですね、昨年度も出展したんですけれども、昨年度の出展でぐんまちゃんを知って今年も来てくださった。また、(開催期間は)4日間ございましたけれども、毎日毎回ステージを見に来てくださった方がいらっしゃったと。群馬県のブースは、ほぼ途切れることなく、多くの方々にお立ち寄りいただいたと。今回、観光パンフや物産等を持って、空輸の都合上、あまり持っていけなかったんですけれども、観光パンフ等5,000部を持ってまいりまして、全部配り終えたというところでですね、まだエピソードベースなんですけれども、事務レベルとしてはそのように受け止めているところでございます。
(知事)
また、ゆっくり宇佐美メディア戦略アドバイザーにお話を聞こうと思いますが、私が聞いているところで、今(担当課長から)報告があったように、結構反響があったと。そもそも、アニメ・エキスポに行けるのは、ぐんまちゃんだけなんですよね、いわゆる(ご当地)マスコットキャラクターで。なぜなら、ぐんまちゃんだけが本格的なアニメになっているということで、シーズン1、シーズン2を放送して、何度もXのトレンド入りしているんですけれども。ここから、クランチロールで(配信されて)、アメリカでももちろん見れますので、こういうことを契機に、特にアメリカはブルーオーシャンに近いと(思いますし)、ほか(のご当地マスコットキャラクター)は行っていませんから、こういうところで、ぐんまちゃんの人気をどんどん盛り上げていくという意味で言うと、(参加は)2回目ですけれども、準備の段階からフラッグの方向に向かっていくのかなという感触がありますので。ぜひこれも生かしてですね、アメリカでもぐんまちゃんの認知度を高めていければと思います。
●異物分析アプリ「Corette」について
(記者)
「Corette」について伺いたいんですけれども、AIということで、結構多くのサンプルを用意しないと作れないものかなと思うんですけども、大体、どれぐらいのデータ数を集めてやったのか教えてください。
(知事)
どうぞ、Corette担当者。
(群馬産業技術センター 職員)
データ数ですが、およそ1,000枚ずつ準備しております。ただ、枚数が多すぎますと、今度は誤学習とか間違った学習をすることが認められましたので、枚数を絞って厳選して作るようにしております。
(記者)
1,000枚ずつというのは先ほどおっしゃっていた12カテゴリーで1,000枚ずつということですか。
(群馬産業技術センター 職員)
はい。なので合計すると、1万2,000枚程度ということになります。
(記者)
ちなみにこれは田島さん(群馬産業技術センター職員)が主だって開発されたものに当たるんですか。
(群馬産業技術センター 職員)
はい。私が立案とか計画、またどのように進めるかを考えました。一方で、町田(産業支援センター職員)がプログラミングやAIへの学習などを行って、2人でタッグを組んで開発を行いました。
(記者)
もう本当に開発自体は県の職員さんが、完全に担って開発されたと・・・
(群馬産業技術センター 職員)
はい。
(記者)
それとこれで、具体的にどういったことにメリットがあるのかというところなんですけど、例えば工場で異物混入が発見された場合、それが今までは県に電話で問い合わせがあったってことなんですよね。
(群馬産業技術センター 職員)
そうですね、もし(異物混入が)認められた場合には第三者機関に連絡が入りまして、分析等を行っていると考えます。
(記者)
その結果を、今までは画像とかでは見せられなかったけど、それを表示できるようになるってことですか。
(群馬産業技術センター 職員)
はい。分析結果として、12カテゴリーのうち上位3位までを表示いたします。それは保存もできますし、画像自体を保存して、メールなどでやりとりすることで、分析の担当者が見たら、この分析機を使えばすぐ分析できるんじゃないかなどの、要はデジタル化が行えると考えております。
(記者)
例えば、タンパク質であったり、石が見つかったら、どの工場の過程でそれが発生しやすいかを瞬時に判断しやすくなるというイメージでしょうか。
(群馬産業技術センター 職員)
そうですね。一番工場に詳しいのはそこの工場で働かれてる方だと思います。データベース化も行えると思いますので、過去のデータからどこで発生しやすいかという情報を蓄積できるようになろうかと思います。
●選挙のあり方について
(記者)
知事に1つ伺いたいんですけども、案件外なんですが、都知事選ではその候補者ポスターの掲示板をめぐって、ポスターを張る権利を売るなどして、結構選挙法の抜け道というのが垣間見えたこともあったと思うんですけれど、今後どのように選挙があるべきかというところについてお考えがあれば伺えますでしょうか。
(知事)
それはしっかり国政の方で考えていただければいいことだと思いますけども、やっぱり立候補する権利っていうのはあると思うので、大勢立候補するってことはいいと思うんですけど、今おっしゃったようにいろんな問題があるので、ここはしっかり運営できるような仕組みを、何か小池都知事が岸田総理に要請されたらしいですけれど、そういうことをしっかり国会の方で考えていただければいいんじゃないでしょうか。
●県議会各会派との面談について
(記者)
知事は副知事の件をめぐって各会派と協定を結ばれた会派と面会をされてますけれども、直近だとリベラル群馬と・・・
(知事)
はい、今日昼食会で。
(記者)
ブログで拝見しました。あと、つる舞うさんですね。具体的にどのようなお話でしたか。
(知事)
まず当然自民党と、食事をしながら自民党の執行部の皆さんと、まず意見交換して、そのあとつる舞うとリベラルの皆さんと会食をしたんですけれども、基本的には、今ちょっと問題になっていることやこれからのことについて少し県の立場をお話をさせていただきました。例えば、今群馬県がいろいろやっている水力発電のプロジェクトの現状とか展望とか、あるいは国スポの話とか、いろいろ今問題になっているような、あるいはいろいろ議論なってるような話について、県としてこんなことを考えていますと。それから県がこれから進めていこうと思っている政策についても言及したり、向こうから、例えば県の事業のことについて問い合わせがあったり、そういう形で意見交換をさせていただきました。
やっぱりご飯食べながら、リラックスした形でこういうことができるというのはとってもいいと思うんですよね。今日のブログにも書いたんですけども、特に最大会派の自民党の県議の皆さんのことは初当選から知っているんですが、やっぱりその他のリベラルとか、例えばつる舞うの方々とは、今まであんまり距離は近くなかったんですけれど、ああいう形でちゃんと協定を結んで、しっかり連携を取っていきますという約束でこれを始めたということはいいことだと思います。
やっぱり相手の人柄とか、これまでやってきたこととか、こういうことをお互いに知ることで親近感も増すので。県議会とは、ある意味切磋琢磨しながらっていう役割分担なのかもしれませんが、県議会との信頼関係を作るのは、一人一人の県議との信頼を作っていくってことなので、そういう意味で言うと、私は基本的に人を観察したりとか、人間自体にとても興味があるので、こういう会合っていうのはとっても意味があるなと思っていますし、これからも、今までは自民党だけだったんですけども、他の会派とも、こういうふうに定例でいろんな意見交換をしていくと。それから要望も今までよりも、しっかりと聞いていくということはやっていきたいと。いずれにせよ、あそこの一応合意文書の中で決めたことはしっかり守っていきたいと思います。
それでは最後に、知事の方から県民の皆さんに少しお話をさせてください。今日、産業技術センターの開発した「Corette」の話をさせていただいて、随分記者の皆さんからもご質問をいただきました。産業技術センターには知事に就任してからずっと注目をしています。ここはかなり優秀な人たちがいて、実は中小企業のために様々な開発をやっていまして、これまでいろいろ形になったものもあるんですけれども、今回の「Corette」は、またそことはちょっと違う次元のものだ思っているんですよね。それはなぜかというと、この産業技術センターのスタッフが開発した仕組みがアプリになって、それを販売しようと。これはやっぱり、こういうレベルまできたということを私は大変心強く思っておりまして、これが「Corette」のアプリを販売するっていう流れになってきたときには、県としてもしっかり後押しをしていきたいと思いますし、今日産業技術センター関係者の2人が来てくれましたけれども、こういう人たちがのびのび仕事ができるような県庁の雰囲気を作り上げていきたいなと改めて思っています。
それから今日、例の群馬県の新しい会計システムの不備について、県民の皆さんに率直に少しご報告をさせていただきました。実は4月に新しいシステムにしてから、いろんな不具合が続いていたんですけれども、知事として報告を受けたのは一昨日なんですね。ただ、さっき記者さんの方から、何か報告が遅れたんじゃないかという話があったんですけども、先ほど申し上げたとおり、会計管理者を含めて会計関係の部署の皆さんは本当に真面目に頑張ってくれているんですね。少し、今回についての報告が遅くなったのか、一昨日になったっていうのは、いろんな問題がそこで起きていて、その問題にまず対処するのに全力を尽くしていたっていうことなんです。
あと、改めて昨日思ったんですけれども、いつ担当部局は知事に報告するのかというのは、なかなか難しいところがあって、例えば問題の原因が分からないみたいな段階で、上に報告するよりも、まずしっかり原因を突き止めて、ある程度知事に説明ができるようになったところで持って行こうみたいな、こういう心理が常に働いているので。みんな私がいかに忙しいかということを分かっているので、各担当部局は、もちろんこれは知事に緊急でも報告しなきゃいけないこととか、これはまだちょっといいんじゃないかとか、そういう判断もあるし、なんか本当忙しそうなので、何でもかんでもこの段階で持ってくのはどうかなみたいにみんな思ったりしているので、そういう中で報告が一昨日になってしまったということです。ですから、県民の皆さんにはこうやってちょっと不備が起きていることは、知事としてお詫びをしなきゃいけないんですけれども、担当部局は本当に一生懸命にやっていたので、その点はぜひ誤解のないように申し上げたいと思いますし、今回のような理由で一昨日の報告というのはちょっと遅かったと思う方がいるとすれば、それは知事である私の監督責任ということなので、そこはぜひ県民の皆さんにご理解をいただければと思います。いずれにせよ、こういう状況になってしまっていることは、県民の皆さんにご迷惑をかけているので、改めてお詫びをしたいと思います。今、契約者である両毛システムズともしっかり協力をしながら、まずはとにかくこのピンチを乗り切っていくということに全力を尽くしていきたいと思います。30人近い職員を(対応作業に)張りつけてありますので、何とか決算の方にも影響が出ないように全力で頑張ってまいりたいと思います。残念ながら今日は、今分かっている時点の報告しかできなかったんですが、私の方から、やっぱりこういうことは一刻も早く、まだちょっとなぜこうなってるのかという話はいろいろ分析中ではあるんですけども、まずやっぱりしっかりとこういうことが起こってるということは、県民の皆さんに伝えると。ある意味で言うと、県民の皆さんの声を受けている、このメディアの皆さんに伝えるためにこの記者会見で今日取り上げるべきだということを強く言って、今日お話をさせていただきました。また順次、この状況については、会見等々で報告をさせていただきたいと思いますし、何とかシステムの不備の原因を突き止めて解決できるように、県庁挙げて全力を尽くしていきたいと思っていることも申し上げておきたいと思います。
今日は(会見時間が)40分ということなんですが、メディアの皆さんには最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。これにて本日の記者会見を終わりたいと思います。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。