本文
■会場 記者会見室
発表項目
1.はじめに
2.重点施策1「Well-beingを高める」
3.重点施策2「未来への投資」
4.重点施策3「財政の健全性の確保」
5.令和5年度組織改正
それでは臨時の記者会見を始めさせていただきます。本日は、令和5年度の当初予算案と組織改正に関する臨時記者会見をセットさせていただきました。記者の皆さまには、昨日に続いてお集まりいただきありがとうございます。
予算案の編成にあたっては、年明けから、各種団体の賀詞交換会に出席する合間を縫って、相当の時間をかけて真剣に議論を重ねてまいりました。私自身、群馬の未来を決める予算編成は、知事の最も重要な職務だと考えています。
群馬県が目指すべき大きな方向性を踏まえて、何が一番県民のためになるのか、何が一番群馬県の未来のためになるのか、最後の最後まで妥協することなく考え抜きました。当然、毎年このような姿勢で取り組んでまいりましたが、今年は去年に比べて倍近くの数の事業の検討を行わせていただきました。
これまでは、新型コロナへの対応を優先せざるを得ませんでしたが、今回は群馬の新時代を創っていく事業の検討に、より多くの時間をかけさせていただきました。その結果、群馬県の明日を創る、明るい未来を創る、そういった思い、熱量の多い予算を編成することができました。本日はその内容について発表させていただきます。
令和5年度当初予算案は、名付けて「ポストコロナ新時代創生予算~逆境をチャンスに変え、新たな群馬を実現する!~」と呼びたいと思います。
新型コロナをはじめ、豚熱、鳥インフルエンザといった3つのウイルスとの闘い、エネルギー価格を初めとした物価の高騰など、厳しい状況が続いています。中でも新型コロナは、消費行動や働き方など社会構造を一変させました。それと同時に、構造が変化したことで、今までは弱みだったり進まなかった問題が、逆に強みやチャンスに変えられる、そういう転換期になったという言い方もできます。
加えて、コロナを第8波まで経験する中で、コロナとの共存というものを前提に経済を回していくということができるようになってまいりました。コロナ以前から群馬県が掲げてきた未来ビジョン「誰一人残さず、誰もが幸福を実感できる自立分散型社会の実現」に向けて、本格的に取り組みを進める、そういうタイミングが来たと、そういう時が来たと考えております。
令和5年度は様々な危機、すなわち、逆境に立ち向かい、県民の命と健康、そして暮らしを守る取り組みはもちろん進めていきますが、群馬県が掲げる近未来構想である「リトリートの聖地」「クリエイティブの発信源」「レジリエンスの拠点」など、新しい群馬を創るための取り組みにしっかり投資をしていく予算になっています。
それでは予算の中身についてご説明いたします。すべての事業を説明する時間はありませんけども、ポイントになる点を抜粋して説明をさせていただきたいと思います。
令和5年度の重点施策はこの3つです。1つ目が「Well-beingを高める」。2つ目が「未来への投資」。3つ目が「財政の健全性の確保」です。それでは、それぞれ主な取り組みについてご説明いたします。記者の皆さんにはお手元に資料もお配りしておりますので、そちらもご覧いただければと思います。
最初に、重点施策1「Well-beingを高める」についてです。Well-beingとは「肉体的にも、精神的にも、社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」を意味します。群馬県が実施した県民幸福度アンケート調査においても、幸せを判断する際に重視する事項として最も多く挙げられていたのは「健康状況」でした。県民の幸福度やWell-beingを高めるためには、まずは福祉や医療のさらなる充実が必要であることを、この結果からも改めて痛感いたしました。
第8波は収まりつつありますが、新型コロナは、今なお県民のWell-beingを脅かす存在です。今後もいつ、新たな感染拡大が起きるか分かりません。引き続き、基本的な感染対策をしっかりと行いながら、中長期的には免疫力を高め、より健康な状態を作っていくことが重要な戦略になってくると考えております。
その上で来年度は、県民の幸福度を向上させるという私の原点に立ち戻って、県民の皆さんに健康と幸福を実感していただけるように、様々な施策を展開していきたいと考えています。
スライドをご覧ください。重点施策1のうち「福祉・医療のさらなる充実」に関するスライドです。
先週発表しました、「子ども医療費の高校生世代までの無料化」については、市町村との調整を速やかに進め、調整が整い次第、必要な予算をできるだけ早く措置してまいりたいと思っています。所得制限なし、自己負担なし、窓口での立替払なし、使いやすさでは全国トップの制度を早期に全県で実施できるように引き続き取り組んでまいります。
さらには、「小児医療センター再整備」に着手するとともに、「医療的ケア児等支援センター」の設置など、障害児者の皆さんの支援のさらなる充実にも取り組んでまいります。
次のスライドをご覧ください。全国的にも支援が急務となっている「ヤングケアラー」についても、コーディネーターを配置して相談体制を充実させます。また、「ケアリーバー」と呼ばれる児童福祉施設等を退所した方々への支援も強化します。
さらに、保育の担い手不足が常態化している現状を打破し、必要な保育人材を確保するため、新たに「保育士・保育所支援センター」を設置いたします。
次のスライドをご覧ください。重点施策1のうち「新型コロナウイルス感染症への対応」と「豚熱・鳥インフルエンザへの対応」に関するスライドです。
新型コロナについては、国による類型見直し後の具体的な方針が示されていないため、まだまだ予断を許さない状況だととらえています。引き続き感染拡大に備え、ワクチン接種や相談・検査体制、医療提供体制を確保するのに十分な予算を計上させていただきました。
また、豚熱や鳥インフルエンザに対しても、その発生を予防するための取り組みはもちろんですが、万一発生した場合に備え、速やかにまん延防止対策がとれる体制を整えてまいります。
次のスライドをご覧ください。重点施策1のうち「災害レジリエンスNo.1の実現」についてです。
激甚化する災害から県民の命と財産を守ることも、Well-beingを高めるためには必要不可欠です。引き続き水害対策や防災インフラの整備、避難のサポートに全力で取り組んでまいります。また、首都圏での大規模災害発生時に、県内の医療機関がバックアップ機能を果たせるように、患者搬送用車両の導入や、DMATの活動資機材のさらなる調達を支援してまいります。さらには、山岳遭難の捜索のためのドローンも県警に配備させていただきます。
以上が、重点施策1「Well-beingを高める」です。
続いて、重点施策2「未来への投資」についてお話したいと思います。未来への投資は、「新たな富や価値の創出」と「人への投資」の2つの柱に分けました。
まずは、「新たな富や価値の創出」についてご説明いたします。
冒頭にも申し上げましたが、3つのウイルスとの闘い、ロシアによるウクライナ侵攻、それによるエネルギー価格をはじめとした物価の高騰など、厳しい状況が続いています。しかしながら、こうした逆境の中にもチャンスがあると我々は考えています。
例えば、新型コロナによって、多くの方が命と健康の危機にさらされました。しかしその中で、東京に近いにもかかわらず、快疎な空間を有する群馬県の魅力が再評価されました。これまでも申し上げておりますが、ふるさと回帰支援センターの移住希望地ランキングで、昨年、群馬県は、過去最高の5位となっております。
さらに新型コロナは、従来の産業構造にも課題を突きつけ、転換を促すことになっています。群馬県としては、経済のデジタル化や脱炭素化を図ることで、成長を促し、新たな群馬県を目指していきたいと考えています。こうした流れを加速させ、若い世代も住みやすい社会を作ってまいります。
観光戦略についても同様です。私は、今後の日本の、そして群馬県の大きな勝ち筋の1つは観光だと何度も申し上げています。新型コロナの教訓を踏まえ、観光戦略も先手を打って転換を促していきたいと考えています。これまでの集団的な旅行形態から、個人で、あるいは長期で、こういう視点に変えていきたいと思います。そして、そこで体験できる内容についても、これも全くレベルの違うものに進化させていこうという考えです。
また、ロシアのウクライナ侵攻の影響によって、燃料価格、原材料価格、肥料価格が上がっています。そうした中で、再生可能エネルギーのポテンシャルが高い群馬県が、再エネの投資を一気に増やして、地産地消モデルを打ち出していくことで、新たなチャンスを生み出せると考えています。
さらに、飼料や肥料の高騰は、有機農業を強く推し進める契機にもなります。豊かな畜産業があり、有機質肥料を作ることができる群馬県の強み、また安全な食品への需要が高い首都圏に位置する、これも群馬県の強みですよね。こうした条件が整っている群馬県でないとできない取り組みだと考えています。
以上のように、大きな危機、逆境の前にただうろたえるのではなく、構造的な変化を冷静に分析し、変化に対応できる新たな仕組みを作っていく。守りには入らず、新たな富や価値を創出し、問題解決のモデルを群馬県から世界に発信していく。来年度はそういった取り組みを加速してまいりたいと考えています。
具体的な内容についても、ご説明したいと思います。スライドをご覧ください。重点施策2「未来への投資」のうち、「新たな富や価値の創出」についてです。
はじめに、「リトリートの聖地」に関するスライドをご覧ください。
先ほども申し上げたとおり、コロナ禍によって、団体から個人へと転換した旅行形態をより魅力的なものにする必要があります。そのため、忙しい日常から離れ、疲れた心と体をリセットする旅、「リトリート」というものを打ち出しています。
群馬県は令和5年度も引き続き、この「リトリートの聖地」を目指して、全国や海外からの誘客を促進していきます。また、高付加価値のサービス体験をこれまでより、滞在期間が長い3泊4日の旅に組み合わせた、群馬県ならではの旅行スタイルも目指してまいります。
県立赤城公園については、民間活力を活用して、キャンプフィールドやインフォメーション棟のリニューアル工事を実施させていただきます。これによって、「赤城ウェルグラウンド構想」に基づいて、特別な体験を醸成することで、持続性とか幸福度を向上させ、地域の魅力を高める空間、高める場所を創造したいと思います。
次のスライドをご覧ください。「新たな富や価値の創出」のうち「デジタルトランスフォーメーション推進」に関するスライドです。
新・総合計画において掲げる「日本最先端クラスのデジタル県」を令和5年度中に実現するため、「ぐんまDX加速化プログラム」に基づいた取り組みをさらに推進してまいります。
ロシアのウクライナ侵攻による燃料高騰は、マイカー保有率全国トップクラスの群馬県にも大きな影響を与えています。この逆境に立ち向かうべく、MaaSの社会実装支援を進め、県内の公共交通を新しく持続可能なものに転換していきます。これによって、公共交通の定義そのものを刷新していきたいと考えています。自家用車から公共交通への転換を促すとともに、教育や住民サービス、交通安全対策などの他分野との連携による、さらなる県民の利便性向上、地域課題の解決を図ってまいります。
次のスライドをご覧ください。「新たな富や価値の創出」のうち「グリーンイノベーションの推進」に関するスライドです。
燃料価格などが高騰している現在の状況は、豊富な水資源や全国有数の日照時間など、再生可能エネルギーのポテンシャルが高い群馬県にとっては、まさにチャンスになっています。再エネへの投資を一気に増やして、地産地消のモデルを打ち出すことによって、企業や個人を惹きつけることに繋がると考えています。こうした問題意識を踏まえて策定した新・総合計画で目指す「自立分散型の社会の実現」のためにも、各地域において「資源の循環を盛り込んだ経済社会システム」の構築が必要不可欠になっています。「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、経済社会全体の変革を促す取り組みを官民競争で進めていく必要があります。こうした考えのもと、グリーンイノベーションの取り組みをより積極的に進めてまいります。
まず、グリーンイノベーション、GI加速化のため、カーボンニュートラルにつながる新たなビジネスモデルの創出とか、地域の課題を解決するモデル事業に対して、これを強力に支援していきたいと思っています。さらに、再生可能エネルギー等の導入促進として、民間企業や大学研究室等が行う脱炭素社会の実現に貢献する取り組みについても支援をしてまいります。引き続き全庁を挙げて、また「革新的環境イノベーションコンソーシアム」などによる官民共創の取り組みによって、グリーンイノベーションの推進に取り組んでまいります。
次のスライドをご覧ください。「新たな富や価値の創出」のうち「群馬モデルの追求」に関してまとめたスライドです。
先ほども申し上げましたが、昨今の肥料価格高騰の中でも、農業の持続的発展と食料の安定供給を進めるためには、原材料の多くを輸入に頼っている化学肥料の使用を低減させ、有機農業を推進していくことが大事です。幸い、群馬県には豊かな畜産業があり、有機質肥料を作ることのできる環境が整っています。その点では、有機農業を推進する上でのポテンシャルはもともと高いと言っていいと思います。
こうした群馬県ならではの強み、安全な食品への需要が高い首都圏に位置する群馬県の強みを最大限に生かして、人材育成や、生産、流通・販売、消費までの一貫した施策に取り組むことで、有機農業の飛躍的拡大を目指してまいります。
群馬県の最大のキラーコンテンツの1つである「ぐんまちゃん」については、アニメの続編を4月から放送させていただきます。また、来年度の2月に誕生30周年を迎えることから、様々なお祝いの企画を実施し、ぐんまちゃんの認知度と好感度を向上させるプロモーション活動を展開してまいります。
このほか、新たなにぎわいの創出に向けて、県庁舎31階や県民広場等の活用を進めるほか、温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組み、あるいは新たにペットとの共生社会実現に向けた事業なども予定しています。
以上が、重点施策2「未来への投資」のうち「新たな富や価値の創出」についてです。
続いて重点施策2「未来への投資」のうち「人への投資」についてご説明したいと思います。新たな富や価値を生み出すのは言うまでもなく「人」です。逆境の中でも自ら考え、動き出し、新しい価値を体現していこうとする人材を、群馬県として力強く後押ししてまいります。群馬県に行けば面白いことができる。群馬県に行けば面白い人たちに会える。こういう活気に満ちた場所にしていきたいと考えています。
次のスライドをご覧ください。「人への投資」のうち「近未来構想のクリエイティブの発信源」に関するスライドです。全産業でデジタル化が進展し、利益を生む価値の源泉がシフトする中で、近未来構想に位置付けたように、群馬県は「クリエイティブの発信源」というものを目指しています。
クリエイティブ人材育成では、若者育成施設「tsukurun」の運営のほか、県内のロケ地などで動画の撮影・編集の制作活動を行える滞在型動画撮影施設を整備し、運営してまいります。
映像クリエイティブ振興では、知事によるロケ誘致トップセールスのほか、映像制作に携わるクリエイターに新たな企画や脚本づくりの場を提供する「クリエイターズキャンプ」の実施によって、映像産業の振興を図ってまいります。
次のスライドをご覧ください。「人への投資」のうち、「始動人育成」に関するスライドです。「教育イノベーション推進」では、国内で唯一群馬県が参加している、OECDが実施する社会情動的スキル(の調査)を県内の高校の全校で実施いたします。さらに、群馬県発の非認知スキルの評価・育成に向けて、専門家委員会を立ち上げ、モデル校を指定した研究も始めたいと思います。
また、高度化、多様化する教育のデジタル化に対応するため、教育DX推進センターに、新たに「教育DXアシスタント」を配置し、市町村立学校を巡回支援してまいります。
また先般、校名が「県立みらい共創中学校」に決定した夜間中学については、令和6年4月の開校に向けて、施設整備やカリキュラムの検討、入学説明会などを実施してまいります。
次のスライドをご覧ください。「人への投資」のうち、「群馬パーセントフォーアート」に関するスライドです。「群馬パーセントフォーアート」では、県予算や民間からの寄附等により安定的な財源を確保し、アート教育による始動人育成や、アーティストが自立できる環境を整えてまいります。これを新たな価値の創造や地域経済の活性化につなげていきたいと思っています。
具体的な事業としては、若手アーティストが滞在し制作活動するのを支援する事業のほか、ワークショップなどの開催をしたいと思っています。さらに、障害者の芸術文化活動支援の拠点となる、「群馬県障害者芸術文化活動支援センター」も設置をさせていただきます。
次のスライドをご覧ください。「人への投資」のうち、「多文化共生・共創」に関するスライドです。多文化共生・共創では、ぐんま外国人総合相談ワンストップセンターで、新たにネパール語に対応するほか、「多文化共生・共創パーク」として、日本人・外国人県民がお互いの文化を知るための交流の場も提供いたします。
以上が、重点施策2「未来への投資」のうちの「人への投資」についての説明です。
続けて、重点施策3「財政の健全性の確保」についてご説明したいと思います。次のスライドをご覧ください。財政の健全化とは、知事就任以来、最も私が重視してきたことの1つです。財政の健全性の確保についてのポイントは、「基金残高の確保」、「県債発行額の抑制」、「県債残高の縮減」、この3つです。それぞれの詳細について説明する前に、まずは今回の予算の総額等についてご説明したいと思います。
次のスライドをご覧ください。予算規模に関するスライドです。令和5年度当初予算の予算案の総額は、8,197億円となりました。前年度に比べて0.1%増、10億円増えたということで、平成20年度以降では過去最大の予算規模となりました。そうした中でも、財政の健全性の確保について堅調な成果が出ております。これは順次詳しくご説明させていただきます。
まず「基金残高の確保」です。スライドをご覧ください。重点施策3のうち「基金残高の確保」に関するスライドです。財政調整基金は、気象災害が頻発激甚化する中で、大規模災害の際にも十分な対応ができるよう、一定の基金残高を確保しておくと。そのために、これは設けられているということなんですね。今回、令和5年度当初予算編成後の基金残高は、令和4年度の県税の増収等によって、前年度を上回る219億円を確保することができました。グラフを見ていただくと一目瞭然ですが、かつてはほぼ全額を取り崩して当初予算を編成しておりました。これはもう緊急事態が起きたらとても対応できない、非常にリスキーな危険な状態だったと思っていますが、そういう状況が令和5年度当初予算編成でさらに改善したということを報告したいと思います。
続いて、「県債発行額の抑制」です。スライドをご覧ください。重点施策3のうち、「県債発行額の抑制」に関するスライドです。県債は県民生活に直結する社会基盤整備のための財源であり、将来の世代にも公平に負担していただく観点から発行しています。
ただし、残高が増えすぎると、将来県債の償還に予算が割かれてしまい、その分県民サービスに使える予算が減ってしまうことにも留意をしなければなりません。
そのため、後年度に過度の負担を負わせることがないように、県債発行については適切な活用を図っていく必要があります。「100年続く自立した群馬」を実現させるためには、県債残高を少しずつでも減らしていくことは非常に大事です。こうした中で、令和5年度の県債の新規発行額については、臨時財政対策債の大幅な減により、令和4年度当初と比べて104億円減の486億円ということになっています。
一方で、新たな取り組みとして、グリーンイノベーションを初めとした環境問題の解決に繋がる事業に利用するための県債として、「グリーンボンド」を発行いたします。グリーンボンドの発行を通して「2050年に向けた『ぐんまの5つのゼロ宣言』実現条例」に基づく本県の取り組みを広くアピールしていきたいと考えています。
続いて、「県債残高の縮減」です。次のスライドをご覧ください。重点施策3のうち「県債残高の縮減」に関してご説明したいと思います。県債の発行抑制によって、県債残高は令和4年度決算見込みと比べて全体で439億円減少させることができました。当初予算としては、令和4年度に引き続き、2年連続で全体の県債残高が減少するということになります。以上が財政の健全性の確保です。
ご説明をいたしたとおり、令和5年度当初予算編成では、県債の発行を大きく抑制し、県債残高も減少させながら、しっかりと基金を確保することができました。率直に申し上げると、以前の群馬県はかなり無理な財政運営を行っており、やりくりが非常に厳しかったと考えています。山本県政になってからは、津久井副知事をリーダーとする「熟慮断行チーム」で県有施設のあり方や事業を見直す一方で、新規事業はできるだけ国の財源を活用するなど、いわゆるワイズスペンディングを心がけてまいりました。同時にトップセールスで、県の取り組みを政府に後押ししてもらえるような働きかけも積み重ねてまいりました。これらの取り組みによって、もう少しで、全国平均に届く程度まで基金残高を回復させることができました。その結果、先日発表したとおり、高校生世代までの医療費無料化や小児医療センター再整備の着手について、知事として決断することができたということです。
群馬県はもともと経済活動が盛んな恵まれた環境にあります。身の丈に合った財政運営を行えば、おのずと財政状況が良くなると信じておりました。一方で、これまで3年あまり山本県政の新規施策の展開に加えて、3つのウイルスとの闘いもあって、県の職員には特に大きな負担をかけてきたと、これも事実だと思っています。そうした中にあっても、財政再建策でありがちな職員の給与カットみたいなものは1度も行わずにここまでたどり着けた。これは、県職員のモチベーションの維持に大いに役立ったと考えておりますし、ここは知事として誇ってもいい実績ではないかと自負しています。こうした状況を今後も維持できるように、引き続き事業の見直しの徹底とか、ワイズスペンディングという発想で、財政の健全性の確保に努めてまいりたいと思っています。
最後に、組織改正についてもご説明させていただきます。スライドをご覧ください。組織改正に関するスライドです。令和5年の組織改正では、新たな価値や富を生み出す「群馬モデル」を推進するための組織体制を整備いたします。主なポイントは2点あります。
1点目は、「近未来構想の3つの柱の実現」です。近未来構想の3つの柱、「リトリートの聖地」、「クリエイティブの発信源」、そして「レジリエンスの拠点」、これを強力に推進する体制を整えたということになります。産業経済部に「リトリート推進室」と、それから「eスポーツ・クリエイティブ推進課」というものを設置いたします。総務部には「レジリエンス推進室」というものを作ります。
2点目は、「未来に向けた『群馬モデル』の推進」です。新たな価値や富を生み出す未来に向けて、新しい群馬県を切り開く「群馬モデル」の取り組みを推進するための体制整備を行います。具体的には、知事戦略部に「交通イノベーション推進課」、それから「Web3推進室」というものを設置いたします。また、地域創生部及び健康福祉部にそれぞれ所属長級の「温泉文化推進主監」と「ペット共生推進主監」というものも設置いたします。以上が令和5年度の当初予算案と、組織改正案の中身です。
冒頭申し上げたとおり、様々な危機が取り巻く中ではありますけれども、そうした危機の中から新たな取り組みを進めていくチャンスを生み出していく、この予算の最初のタイトルにもあったように、逆境にこそ、やはりチャンスがあるんだという発想で進めていくことが大事だと思っています。山本県政の最大の目標である県民幸福度の向上という原点に立ち返って、県庁内でもしっかり議論を重ね、群馬県の明日を創っていく、未来を創ると、そういった思いで真剣勝負で議論をして今回の予算案を編成させていただきました。もちろん予算の成立には県議会での議決が不可欠です。この予算をご審議いただく令和5年第1回定例県議会については、2月15日の水曜日に招集をさせていただく予定です。県としても、丁寧に県議会に対して説明をし、この予算案の議決をしっかりといただけるように努力をしてまいりたいと思います。ちょっと長くなりましたが、私からは以上です。何かご質問があれば、どうぞ。
●予算編成のポイントについて
(記者)
まず、知事として今回の予算を編成するにあたって、特に重視した点であったり、また特に思い入れの強い事業がありましたら教えていただければと思います。
(知事)
まず、全体を総務部長から、今回の予算のポイントについて、私の感覚を言う前に(説明を)お願いします。
(総務部長)
今回の予算は、まず編成方針の段階からコロナ対応などの「県民の安全安心」をまず守ることが大前提でした。それに加えて「未来への投資」、これを積極的に進めようというのが2つ目でした。それと3つ目として、そうしたことを取り組みながらも「財政の健全性」、先ほど知事からも説明がありましたけども、それを維持するというのが方針でした。その方針に沿って、予算編成ができたというのが今回一番かなと思います。
(知事)
群馬県が掲げた3つの近未来像、「リトリートの聖地」、「クリエイティブの発信源」、「レジリエンスの拠点」、この構想をしっかりと具体化していくための事業をかなり盛り込めたということにはすごく手応えを感じています。同時に、「パーセントフォーアート」みたいな、たぶん小規模なスタートにはなるかもしれませんけども、全国で初めての取り組みみたいなものもありますので、当然、新型コロナとか、3つのウイルスの脅威から県民を守っていくってことは当然なんですけども、本当にポストコロナに向けた、5月からは(新型コロナ)ウイルス(の感染症法上の分類)も5類に変わって、少し新しい社会状況もできてくると思いますが、その中で未来に向かってかなり攻めの予算編成ができたのかなと思っています。
●予算規模について
(記者)
また、先ほど予算が過去最大規模というお話があって、これが3年連続で最大規模と来ているんですけども、このあたりの知事の受け止めはいかがでしょう。
(知事)
まず総務部長いかがでしょうか。
(総務部長)
必要なものに必要な予算をつけた、その結果でこういった規模になったということで、もちろん規模重視で、(予算規模)ありきでやったわけではありませんので、必要なものをやった結果、さらに事業の見直しもした結果、こうした形になったということは非常にいい予算になったなと思っています。
(知事)
これはもう記者さんはお分かりになっていると思いますが、まず新型コロナ対策に全力を注がなければいけなかった、もっと言うと豚熱もそうですし、今回鳥インフルエンザもあって、3つのウイルスとの闘いにしっかり力を注がなければいけなかったということもありますし、予期せぬロシアによるウクライナ侵攻みたいなものに端を発したエネルギー価格の高騰、いわゆる資材の高騰、費用の高騰みたいなこともありましたので、日本全体が危機的な状況でしたから、やはり予算規模はある程度増えていくというのはやむを得なかったのかなと思います。しかしその中でも、必要な政策をしっかり打ちながら、財政の健全性をかなり確保できたことは、今総務部長も言ったように、かなり頑張っていい予算編成ができたんじゃないかなと自負しています。
●社会保障関係費増加への対策について
(記者)
関連して、やはり社会保障関係費がやっぱり年々増加していて、説明ですと10年間で37%ほど増加しているという話は聞いているんですが、今後も増え続けていくことが想定されるんですけれど、このあたりどう向き合って(財源を)捻出していくかというのが課題になるかと思うんですが、このあたりどうでしょうか。
(知事)
総務部長いかがでしょう。
(総務部長)
社会保障関係経費がやはりこれからも増え続けていくというのは、この社会構造上はやむを得ないことかと思います。そのために、もちろん財政(調整)基金も一定規模を用意しておくというのもありますけれども、あとはやっぱり不断の事業の見直しということですかね、そういうことをやっていく必要がありますし、知事がよく申し上げる劣化東京でないような、未来への投資をすることによって、新しい未来の財源というのも、今から種をまくことによって、生み出していくということによって乗り切っていくということになるかなと思っています。
(知事)
今、記者さんがおっしゃったことはものすごい大事な点で、これ日本全体、都道府県もそうですけども、やはり社会保障のお金は増えていきますから、どんどん高齢化が進んで、それを頭に置いた上で、今言ったように限られた財源の中で、いかに費用対効果のある事業を打っていけるか、いかに未来の富をつくれるか、いかに不断の事業見直しをしていくかということが大事なんだと思います。
今回、いろんな工夫をして財政調整基金は増えましたけれども、ここからまた、今言ったように社会保障の支出が出ることを考えれば、まだまだ体制としては不十分だと思いますし、我々もそこをよく考えながら、不断の事業見直しをしていく必要があるんだと思います。
●財政調整基金について
(記者)
関連するんですけども、先ほど知事がおっしゃっていた基金残高がようやく全国平均に並ぶというような趣旨のニュアンスの話をされたと思うんですけど、もし分かるようでしたら、その全国平均の数字というのがどれぐらいのものなのか教えていただければと思います。
(総務部長)
すみません、今手元にデータがないのですけれども、感覚で言いますと、かつて標準財政規模という、都道府県の一般的な財政規模に比べた残高の割合でいくと、確か下から5番目ぐらいだったのが最低だったかと思います。その後、下から8番目ぐらいになって、今、先ほど中位と申し上げましたけれど、まだ平均に至ったわけではございませんので、平均よりもやや下のところまで何とか来たかなということかと思います。ちょっと具体的な数字はないんですけれども。あと、近県、栃木県とか茨城県に比べると、やっぱりまだちょっと見劣りするなというところはありますので、まずはその辺のところを目指していくのかなというふうに思っています。
(記者)
具体的な数字は後で伺えればと思います。
(総務部長)
はい。
●令和5年度予算案に対する知事の思いについて
(記者)
いろいろお話を伺っていて、去年も一昨年もこの予算の取材させていただく中で、知事が思い入れのあるというか、意識しているところをしっかりとやって、種を蒔いてきたものがようやく出てきて、それをここで伸ばしていくような予算にも見えたんですけども、改めて知事としての思いをお聞かせいただければと思います。
(知事)
先ほど申し上げたとおり、やはりこの3年半というのは、かなり守りに徹しなければいけない部分があって、それも何といっても最大の理由は新型コロナだったんですね。これは群馬県だけじゃないと思うんですけども、コロナ対策についても、もちろんまだまだ気を抜けないし、いつも言っているように医療提供体制をしっかり整えて、将来のその(感染拡大の)波に対しても、県民の命と健康をしっかり守る体制を作りながら、しかしながら、この5類に象徴されるように、本当の意味でコロナと共生する新しい社会に突入するという状況なので、ここからは今まで以上に本格的にやろうと思っていたことができるんじゃないかなと思います。
全体として言うと、前回の会見でも確か聞いていただいたと思うんですけれども、コロナ対策でかなり忙殺された面がありますけれど、群馬県は3年半で大きく変わったと思います。まず、ちょうど今から3年半前に知事選に出馬する時に言ったんですけど、どんな指標も全国で中庸なわけですよね。とにかく周りの状況を見ないと(群馬県は)動き出さない。こういう状態だったらもう埋没してしまうという危機感から知事選に出たんですけど、やっぱりね、群馬県独自のものっていうのが生まれてきているし、群馬県のポテンシャルを生かした強みみたいなものも出てきているし、例えばさっきもちょっと言ったように、移住ランキングが5位だったりとかね。例えば、デジタルワクチン手帳を全国で最初に開発したとか、(全国)初めてのこととか、(全国)トップクラスのことをずっと並べられるようになったというのは大きいのかなと。
群馬県は、いろいろありましたけど、(こうした取り組みが)音を立てて動き始めたので、この動き始めた群馬県の歩みをしっかりと後押しして定着させる予算だというふうに思います。県民を守りながら、しっかり未来に向けた攻めにも転じていくと、こういう感じじゃないでしょうか。
●県民の幸福度向上について
(記者)
先ほどのお話にもありましたけど、予算見ると、県民幸福度のアンケートで幸福の判断基準の大きな要素となった健康に関することにかなり力を入れてらっしゃるのかなと思います。そこら辺の医療・福祉に対する思いというか、重点的にした理由を伺えればと思います。
(知事)
今記者さんがおっしゃったように、県民の幸福度を上げることが、まさに知事になったときの原点であって、これはまさしく究極の目標だと思うんですよね。今年は特にそういう原点に戻りたいと(思っています)。それを考えたときに県民の幸福度を上げることは、群馬県が開発した県民幸福度の指標で、令和2年度に初めて行ったアンケートで、最も重視するのが、幸せどうかは「健康」を重視するということもありますので、健康寿命を延ばしていくことには、しっかり力を入れていきたいと思いますので、今回の予算では特に、県民の幸福度を上げる、すなわち健康をしっかりと支えていく。こういうことを意識した中身になっていると思います。
●財政健全化について
(記者)
県債発行を抑え、財政調整基金を積み立てています。健全化への思いについて、改めてどうして必要なのかについて伺えればと思います。
(知事)
山本県政が始まるまで、財政再建とは口では言ってても、ほとんど動きとしてはなかったと思うんですよね。県議会の質疑もずっと見てきたんですけれども、1人の県議がちょっと質問したのが見つかったんですけども、実際は、今までは財政健全化への意識は低かったと(思います)。実際群馬県の財政状況を見れば、先ほどご説明があったとおりだと思うんですよね。
知事選に出る前に書いたブログを記者さんも読んだとおっしゃっていましたけども、財政調整基金が10数億円しかなかったわけですよね。そこで5、6年前に福井市で起こったような大雪が(県内で)起こったら(財政が)破綻しますから。どういうことかというと、本当に群馬県が財政が回らなくなって、おそらく知事が記者会見でお詫びをして、今あるいろいろな事業を一旦止めなければいけないみたいな可能性がかなりあるなと思って、もうその時から財政を何とかしなきゃいけないという、ものすごい危機感があったんですね。
財政調整基金は、毎年苦労しながらも、いろいろ支出もありましたけど、何とか伸びてきたと。まだまだ近県の、先ほど総務部長が言ったように、茨城県とか栃木県に比べると低いんですけれども、それでも平均に近くなってきたと、ワースト5ぐらいから、平均に近くなってきたというのは、すごく大きなことだと思いますし、未来の世代のことを考えれば、やはりこの財政の健全化は、これからもすごく必要だと思いますし、先ほど言ったように、医療費も増えてきますので、ここはしっかり頭に置きながら、しっかりと県政を運営していきたいと思いますし、予算編成の際にも、ここはしっかりと抑えていきたいポイントだと思っています。
(記者)
関連して、事業見直しについて、昨年までは一覧表みたいなものをいただいたと思うんですが、今回ありませんでした。その理由と事業見直しへの思いについて伺えればと思います。
(総務部長)
事業見直しは今回も行っておりますので、財政課の方で用意をして、改めてお配りしたいと思います。
●グリーンボンドについて
(記者)
先ほど、グリーンボンドを発行されるということだったんですけど、県民債では初めてになりますでしょうか。
(総務部長)
群馬県として発行するのは初めてになります。
(記者)
他の都道府県との比較だとどうでしょうか。
(総務部長)
他の都道府県では実際例がございます。
ただ、なぜ今回初めて発行したのかということなんですけれども、今までもグリーンボンドを発行しようという検討をしてきました。ただ、昨今の金利が低い時代ですと、グリーンボンドを発行しても、金利のメリットがあまり発生しないということがありまして、実は他県で発行してもそんなにメリットが生じてなかったんですね。ここにきて、やや金利も上昇基調にあるということで、金利のメリットが発生するであろうと。
発行するには認証の若干の予算が必要になりますので、それを上回る金利のメリットも出てくるだろうということで、今回チャレンジしてみようということになったわけです。
(記者)
ちなみにどれくらい金利の差があるものですか。
(総務部長)
具体的な数字については、財政課の方にお問い合わせいただければと思います。
(記者)
知事のグリーンボンドへの思いを伺えればと思うんですが。
(知事)
総務部長の言ったとおりですね。
●組織改正について
(記者)
組織改正について伺いたいんですけれども、今回、総務部の方にレジリエンス推進室、知事戦略部の方に交通イノベーション推進課を新設ということで、これまでの体制と一番の違いや狙いといったものが、どういうところにあるのかを伺いたいんですが。
(総務部長)
交通イノベーション推進課につきましては、現在交通政策課という名称で、県土整備部にございます。なぜ県土整備部にあるかというと、やはり交通といえば、都市計画ですとか、まちづくりに密接に関連するということで、現在県土整備部で所管しております。
ただ、ここに来て、MaaSを推進するということになりますと、都市計画とかまちづくりだけではなくて、福祉の分野にも関係してきますし、県民サービスに関係してきますし、観光にも関係してくるし、交通安全とか、いろいろな分野に関連してくるということで、今回、総合的に取り組むために、知事戦略部に、名称も新たに「交通イノベーション推進課」という形にしたということであります。
それと、「レジリエンス推進室」につきましては、知事がよく申し上げている、「レジリエンスの拠点」の推進ということで今年度も随時進めてきております。危機管理課の中で進めてきておりますけれども、より強力に進めるために、危機管理課の中に「レジリエンス推進室」を作って推進していきたいという思いで、その2つについてはそういうことで、新たな組織を作ったということになります。長い説明になってしまって申し訳ありません。
●「レジリエンスの拠点」推進について
(記者)
そういうレジリエンスとか、結構災害も激甚化が進んでいる中で、レジリエンスの強化というところに関して、ちょっと知事の思いというのも伺えればと思ったんですが。
(知事)
「レジリエンスの拠点」というのは、先ほども申し上げたとおり、群馬県が掲げた3つの未来イメージの中の1つで、大きな柱だと思うんですよね。
レジリエンスの拠点化が何で必要なのかというのは、言を俟たないと思うんですけど、これだけ災害が頻発してるわけなので、群馬県はそもそも、災害の非常事態宣言みたいのをやりましたし、水害対策とか、防災のこともかなり今まで予算で力を入れてきました。
特にこれから群馬県の強みを生かしていく上でいうと、レジリエンスは、やはり大きな売り物の1つにしていきたいと思います。それは何度も言ったように、群馬県は自然災害が少ないという強みがあるからなんです。
ただ、自然災害が少ないと言っても、いつ何が起こるかは分からないし、それからパンデミックみたいな困難にも強い、そういう群馬県を作ると目標に掲げるのは、とても時宜にかなっているんじゃないかなと思っています。
●建設業の担い手の確保について
(記者)
そういった災害の対応の時に出てくるのが建設業とかの業界なんですけれども、例えば群馬県では建設業協会さんとかが、担い手の確保とかの動きをやってますけれども、県としてはそういったものにはどのように取り組んでいきたいと思われてますか。
(知事)
担い手の確保。県土整備部長から。
(県土整備部長)
担い手確保につきましては、今建設業協会からもいろいろ要望等いただいてございまして、いろいろ意見交換をする中で、高校等への教育、体験学習だとか、いろいろそういうことにも取り組ませていただいておりますし、そういうことで、いろいろ資格を取る時の優遇だとか、そういう形で支援をさせていただいてございます。また、週休2日制の導入だとか、そういうことについても、県としてもできる支援を今させていただいているところという形になります。
(記者)
知事も意見交換に出席されてましたけれども、何か思いのようなものをいただければと思うんですけれども。
(知事)
建設業協会とは、もちろんその中央の幹部会、青柳会長をはじめ、皆さんといろんな意見交換をしましたし、今回12支部全部行きましたので、各地域。この中で、今、県土整備部長からもあったように、今の建設業界が抱えるいろんな課題とか、問題意識みたいなものを皆さんからいろいろと拾い上げて、今記者さんがおっしゃったような人材育成みたいなものにも皆さん一生懸命なので、こういうものは県を1つ1つ後押ししていきたいなと思っています。
●少子化対策について
(記者)
今、国の方だと、政府が異次元の少子化対策ということで、改めて少子化対策が見直されている中で、群馬県の予算としましても、医療費という形で、高校生へも無償化を拡充していくということとか、あるいは2月の補正予算でも、子育て支援に関するような予算が組み込まれているんですけれども、知事の中で、子育て支援について、どういう思いで取り組まれてこられたのかということと、なかなかこの少子化に、成果がすぐに出てこないという面もあると思うんですけど、今後どういうふうに取り組んでいくことが大切だと思われてるのかということをお聞かせください。
(知事)
今記者さんからお話ありましたけれども、岸田内閣が次元の違う少子化対策をやるということをもう宣言されているんですけれども、方向としては大変正しいと思っているんですね。人口を増やすのは、本当に大変で、何度も言っているとおり、多分半世紀ぐらいかかってしまうんだと思います。トレンドを変えるためには。
でも、今からやれることをしっかりやっていかなきゃいけないということから言うと、国がこれだけ本気で少子化対策に取り組むという大きな流れを受けて、県としても今度の高校生までの無償化に踏み切ったということで、何度も言うように、全国で最も手厚い制度になるので、結構いろんなところから問い合わせもあるので、これは群馬県にとっても、とても意味のあることだろうと思います。
何度も言うように、どんな時も一番大事なのは人材育成であって、そう考えてみると、子どもの育成みたいなことをサポートするのは、どんな時代でもおそらく最も大事なことなんだと思います。
そういう意味で言うと、少なくとも子どもの医療という分野で群馬県がトップランナーになったというのは、とても大きいと思いますし、こういう視点はこれからもしっかり頭に置きながら、しっかり県の事業というか政策を作っていきたいなと思ってます。
●組織改正について
(記者)
組織再編の関係なんですけれども、何室作って何課を廃止したみたいな言い方はできますでしょうか。
(総務部長)
今(データを)持ってこなかったので、総務課の方にお問い合わせをいただければと思います。
(知事)
先ほど言わなかったんだけど、Web3推進室という室は、多分全国で初めてだと思うんですよね。やっぱり組織を作るというのは、すごく意味があって、例えばこの「eスポーツ・クリエイティブ推進課」。このeスポーツという名前を冠した課を持っているのは、群馬県だけで、名は体を表すじゃないんだけど、相当群馬県は後発だったんだけど、注目されているんですよ。eスポーツがすごく進んできていると。
eスポーツの名前を冠した課を作ったことも、実はものすごいデモンストレーション効果があったので、そういう意味でいうとこのWeb3についても、全国で初めてこういう推進室を作ったというのは、群馬県が本気で、この問題にも力を入れていこうという意思の表れなので、ここら辺もちょっと注目していただければと思うんですね。
温泉文化も多分(他県には)ないですよね。ユネスコ無形文化遺産を意識していて、この間環境省に行ったら、温泉室長がいるから。温泉室長とも、よくここで連携していくということで。主監ですから温泉文化の。これもないと思いますね。ペット共生推進主監も(他県には)ないでしょう。これは犬猫を、ペットの殺処分の問題だけじゃなくて、もっと広い意味でペットと共生する地域というか、社会を作るということでいうと、こういう名前のところってないんですよね。(設置は)食品・生活衛生課なんだけど、ペット共生、この中身は、さっき言ったように、コロナ探知犬、新しい犬の活用みたいなものも(所管に)入っていて、群馬県の場合はこの「ペットとの共生」という分野が幅広いんですよね。
だから、例の温泉文化じゃないですけど、フィンランドに視察に行ったときもこの話をしてきたので、これもちゃんと予算に入ってるので動き出します。コロナ探知犬は、なかなか日本では簡単にいかないかもしれませんけども、がん探知犬とか、人間のパートナーである犬の能力を最大限に発揮して社会に貢献してもらうみたいな流れを作っていきたいと思います。
他にはない「ペット共生推進主監」、「温泉文化推進主監」ですから、これはちょっとぜひ注目していただければと思います。
(宇留賀副知事)
1個だけ追加すると、昨日鳥取県の平井知事と一緒に東京で記者会見して、メタバース課みたいな課を鳥取で作るみたいなんですけれども、メタバースは、Web3じゃなくてWeb2技術で、(Web3と)親和性がいいということはあるんですけれども、特に行政として政策的に(Web3を)やるのは、群馬が全国で初めてだと思います。
●保留にしていた質問への回答について
(総務部長)
先ほどのご質問の何課及び何室(が減ったか)というお話ですけれども、数で申し上げますと、まずワクチン局が今回廃止になり、局が1つ減になります。課・室で言いますと、課が2つ減で、室が2つ増になっています。合計しますと、そういう数字になってます。
新しい課を作っても、廃止するところもございますので、そういった数字になっております。
(知事)
先ほど質問が記者さんからあった、(財政が全国で)何番ぐらいになったかという(データは)ありますか。一時ワースト5ぐらいだったものが、まだ平均までいってないけど近くまで来たというの(データ)があれば。
(総務部長)
今データを見て確認させていただきました。全国の数値が分かるのが、まだ令和3年度の決算ベースまでしか分からないものですから、その状況でございますけれども、先ほどワースト5位と申し上げたのは、「標準財政規模」という、各都道府県ごとの標準の規模に対しての基金残高の割合ですけれども、令和元年度が下から5番目。それから令和2年度が下から8番目で、令和3年度には、決算で言いますと、下から19番目ということです。真ん中よりやや下辺りに来ているという状況であります。
全国状況が分かるのは、決算だとすれば(令和)3年度までの(データ)ですが、そんな数字になっています。
(知事)
他によろしいでしょうか。
最後に申し上げますが、この予算は、地方自治のもう1つの主役である議会から、しっかりと議決してもらわなければいけないということなので、これは我々が作った案ですけども、しっかりと議会の議決が得られるように、これから常任委員会、一般質問がありますけれども、これは説明をして、この予算を成立させたいと思います。その点、しっかり努力していくことも、お約束したいと思います。
よろしいでしょうか。それではこれで予算に関する臨時会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。
( 以上で終了 )
文章中の()内については、メディアプロモーション課において加筆したものです。