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群馬県農業農村整備計画2020令和5年度実施計画実績
「群馬県農業農村整備計画2020(ぐんま水土里保全整備プラン、以下「プラン」という。)」は、今後10年先を見据えた、令和7年度を目標年度とする農業農村整備の指針です。基本目標である『豊かで成長し続ける安全安心な農業・農村づくり』を目指すこととし、令和2年3月に策定し、令和3年10月に一部改正を行いました。
プランの目標を達成するため、「群馬県農業農村整備計画2020進行管理委員会」を設置して、目標年度を見据えた「実施計画」を毎年度作成し、年度毎の目標を明確に示すとともに、その目標に対する実績をとりまとめ、次年度以降の事業運営に反映します。
群馬県農業農村整備計画2020の基本方針
本プランでは、魅力ある産業として発展し続ける力強い「農業」を実現するため、「農業の収益性向上を図る生産基盤整備」と「持続的な農業用水の安定供給」に係る施策を実施します。また、県民の暮らしを支える活力ある「農村」を実現するため「魅力ある農村の構築」と「地域資源を活かした中山間地域の振興」に取り組みます。
これら「力強い『農業』」と「活力ある『農村』」を実現するためには、安全な環境で安心して暮らせる農村でなければなりません。このため、「安全安心な農村づくり」に必要な施策を推進し、「豊かで成長し続ける安全安心な農業・農村づくり」を目指します。
基本施策の実績
1農業の収益性向上を図る生産基盤整備
(1)担い手への農地集積を図る生産基盤整備
・上細井中西部地区(前橋市)ほか15地区において区画整理などの基盤整備を実施・支援し、担い手への農地集積を促進しました。
単位:ヘクタール | 基準年 平成30年 |
実績 令和元年 |
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 目標年 令和7年 |
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生産基盤整備事業を契機に担い手へ集積する農地面積(累計値) |
256 | 332 |
計画 298 実績 397 |
計画 395 実績 433 |
計画 448 実績 460 |
計画 500 実績 499 |
517 |
・原(高山村)及び野辺地区(館林市ほか2町)において、来年度以降の区画整理工事に向けて、測量や調査設計を実施しました。
(2)営農条件改善のための生産基盤整備
- 榛名西麓2期地区(東吾妻町)において農道の路面補修1.2キロメートル及び橋梁補修1橋を実施しました。
- 飯野北部及び沼郷北部地区(板倉町)において畦畔除去による区画拡大を支援し、多比良地区(高崎市)において区画整理等の生産基盤に係る整備を支援しました。
(3)スマート農業に対応した生産基盤整備の推進
・野辺地区(館林市ほか2町)において、水管理労力の軽減を図るためのスマート農業(自動給水栓等)の導入に向けた実証試験を実施しました。
2持続的な農業用水の安定供給
(1)農業水利施設の長寿命化
・藤川用水2期地区(邑楽町)において、長寿命化対策を完了しました。
単位:地区 | 基準年 平成30年 |
実績 令和元年 |
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 目標年 令和7年 |
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基幹農業水利施設の長寿命化対策工事を完成させる地区数(累計値) |
14 | 17 |
計画 19 実績 19 |
計画 21 実績 22 |
計画 21 実績 21 |
計画 22 実績 22 |
29 |
- 神流川用水地区(藤岡市)において、新たに長寿命化対策に着手しました。
- 大正用水3期地区(前橋市、伊勢崎市)ほか8地区において、長寿命化対策1.3キロメートル、ほか付帯設備更新等の工事を行いました。
(2)土地改良区の体制強化
・「群馬県土地改良区運営基盤強化協議会」において、土地改良区における女性理事登用の推進や複式簿記の導入といった土地改良区の運営基盤強化に向けた指導・助言を行いました。なお、令和5年度における県内女性理事数は10名となりました。
(3)農業水利施設の維持管理合理化
・早急な対策が必要な鏑川水系及び渡良瀬川水系の農業水利施設において、国営事業による施設改修に向け、関係者と協議・調整を行いました。
3安全安心な農村づくり
(1)防災重点ため池の豪雨・地震対策
・防災重点ため池9箇所のハザードマップ作成及び豪雨・地震における詳細調査を完了させました。
(ハザードマップ:3箇所、豪雨・地震詳細調査:8箇所)
単位:箇所 | 基準年 平成30年 |
実績 令和元年 |
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 目標年 令和7年 |
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ハザードマップの作成及び豪雨・地震における詳細調査を完了させる防災重点ため池数(累計値) |
45 | 60 |
計画 126 実績 113 |
計画 129 実績 134 |
計画 157 実績 157 |
計画 168 実績 166 |
197 |
- 大谷池(藤岡市)において地震対策工事を実施し、大谷の堤(渋川市)において豪雨対策工事を実施しました。
- 和見堤(みなかみ町)において豪雨対策工事に向けた詳細設計、長手第1溜池、長手第2溜池及び西長岡ため池地区(太田市)において地震対策工事に向けた詳細設計をそれぞれ実施しました。
(2)ため池の管理体制整備
- 「群馬県ため池保全整備連絡会」を開催し、ため池の適正な管理手法等について検討しました。
- 「ため池サポートセンターぐんま」による現地パトロールを43箇所で実施し、ため池管理者に対して適正な管理について指導・助言を行いました
(3)農村の防災減災対策
- 榛名東部地区(榛東村、吉岡町)ほか5地区において、石綿セメント管を撤去し、2.2キロメートルの塩化ビニル管等を布設しました。
- 河振地区(甘楽町)において、地すべり対策工事を実施し、わらび峠地区(中之条町)ほか7地区において、地すべりの前兆を早期把握するため、地域住民と連携した監視を行いました。
- 「田んぼダム」のシミュレーションを行い、成果を市町村等に対して周知しました。
4魅力ある農村の構築
(1)地域の協働活動による多面的機能の維持・発揮
- 活動の終了年度を迎える107組織が、継続して活動を行い、引き続き多面的機能の維持・発揮が図られるようフォローアップを行いました。
- 農業生産基盤等の整備を検討している地区において、活動組織の立ち上げを推進しました。
単位:ヘクタール | 基準年 平成30年 |
実績 令和元年 |
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 目標年 令和7年 |
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農地・農業用施設の維持・保全が図られた農地面積(累計値) |
17,748 | 17,553 |
計画 17,909 実績 17,890 |
計画 18,255 実績 18,951 |
計画 19,210 実績 18,869 |
計画 19,431 実績 19,467 |
20,000 |
・前橋市ほか5市2町1村の19地区において、活動組織の設立を支援し、新たに活動が開始されました。
(2)農村生活環境の保全整備
- 農業集落排水施設では、前橋東部地区(前橋市)において、最適整備構想に基づき、計画的な改築・更新を支援しました。
- 楽間行力地区(高崎市)において、施設の調査診断を支援しました。
- 荒砥北部地区(前橋市)において、最適整備構想策定を支援しました。
- 前橋第1地区(前橋市)ほか2地区において、持続可能な施設の稼働と維持管理の効率化・適正化に向けた「維持管理適正化計画」の策定を支援しました。
5地域資源を活かした中山間地域の振興
(1)グリーン・ツーリズム、農泊の推進
・地域資源を活かした新たな農泊モデル地区 のプロモーション動画「ぐんま農泊 養蚕編」を制作し、ぐんま農泊のPRと県内各地域への展開に向けた情報発信を行いました。
単位:地区 | 基準年 平成30年 |
実績 令和元年 |
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 目標年 令和7年 |
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「農泊モデル地区」の支援数(累計値) |
0 | 0 |
計画 1 実績 1 |
計画 1 実績 1 |
計画 2 実績 2 |
計画 2 実績 2 |
3 |
- 農村地域の魅力を伝えるプロモーション動画6本を、動画スタジオ「tsulunos」から配信しました。
- 農村地域の魅力を伝えるコンテンツ「農泊を語る」インタビュー記事を8件、ホームページから発信しました。
(2)中山間地域の農業生産活動の支援
- 農業事務所や市町村担当者を参集した担当者会議を開催したほか、制度の基本を解りやすく説明したリーフレットを作成配布し、集落の担い手等へ中山間地域等直接支払制度の周知を図りました。
- 中山間地域(18市町村、175協定、交付面積1,416ヘクタール)の農業生産活動に補助しました。
(3)中山間地域の特性を活かした整備構想策定
・原第2地区(高山村)において、村と協力し「農地整備を契機とした有機農業に繋げる元気な地域づくり」を目指す、中山間元気創生基盤整備構想を作成しました。