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群馬県環境基本条例で私たちの目指すもの
私たちの社会は、人が、都市や道路といった社会基盤を形成し、そこで様々な活動を行うことにより成り立っています。これら人の活動は、環境に対して様々な影響を及ぼしており、生態系の微妙な均衡をも崩しつつあります。
このようなことから、今日の環境問題の根本的原因は「人の考え方」「都市などの基盤」「人の社会経済活動」「環境に関する仕組み」であるととらえ、環境問題のこれら原因側からの解決を図るために、私たちが目指すものとして、次の4項目を群馬県環境基本条例第9条に掲げています。
人づくり
環境に関する情報提供の充実、環境教育及び環境学習の振興により、環境に責任を持つ人づくりを行います。
環境は、人類が存続するために不可欠な生存基盤であり、将来の世代をも含む人類共通の財産として位置づけられます。また、本県の快適な環境を将来の世代へ引き継ぐためには、環境に対する人の意識の面からの改革が求められます。
今後は、県民、事業者、行政のすべての立場の人が、自らの環境を守っていくという責任意識を持ち、積極的に環境保全活動に参加するとともに、自ら取り組んでいる群馬県を目指します。
地域づくり
豊かな自然の保全及び創造並びにその持続可能な利用並びに環境と調和できる地域形成、環境に配慮した社会基盤整備等により、自然と共生できる地域づくりを行います。
私たちは、社会基盤の整備などにより、便利で快適な生活を確保してきましたが、その一方では、自然とのふれあいを失いつつあります。また、今日の環境問題は、都市の配置や地域の構造そのものが原因となっている面もあります。
今後は、環境に配慮した社会基盤の整備などを行い、清らかな河川や湖沼、すがすがしい大気、多様な生態系を育む土壌などの下、自然と人間とが共生できる、うるおいとやすらぎに満ちた環境が保たれている群馬県を目指します。
循環型社会づくり
公害の未然防止、省資源及び省エネルギーの推進、廃棄物の適正処理及び減量化の推進等により、環境への負荷の少ない循環型社会づくりを行います。
私たちは、環境の恵沢を享受しつつ、様々な社会経済活動を営んでいますが、その結果、環境の許容量を超えるほどの環境への負荷を及ぼしています。
今後は、大量生産・大量消費・大量廃棄といったこれまでの社会経済活動を見つめ直し、県民・事業者・行政のすべての立場の人による、環境への負荷の少ない循環型の社会経済活動が行われている群馬県を目指します。
仕組みづくり
行政、事業者及び県民の役割分担と参加のための仕組みづくりを行います。
今日の環境問題は、私たちの幅広い社会経済活動などに起因し、極めて複合的な問題となっています。
このような環境問題の解決に向けては、環境問題別の対応に加え、制度や法令、各主体の協力体制などを充実していく必要があります。
今後は、各主体がそれぞれの役割に応じた取組を行える仕組みが整備されているとともに、これらが連携して環境保全活動に参加するための社会の仕組みが整備されている群馬県を目指します。