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【平成26年11月21日付け】金井下新田遺跡に関する報道提供資料
更新日:2016年10月11日
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金井下新田遺跡の囲い状(かこいじょう)遺構と馬引き(うまひき)の痕跡について
1 出土遺跡の概要
- 遺跡名:金井下新田(かないしもしんでん)遺跡
- 調査要因:国道353号金井バイパス(上信自動車道)道路改築に伴う調査
- 委託者:渋川土木事務所
- 調査主体:公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団
- 調査期間:平成26年4月から平成26年12月まで(予定)
2 内容
金井東裏遺跡の南に隣接する金井下新田遺跡で、6世紀初頭の榛名山の噴火に伴う火砕流によって倒壊した「囲い状遺構」と馬引きの痕跡が発見されました。
- (1)囲い状遺構は、重要施設を囲っていたと考えられるもので、今回検出した部分は方形に囲った施設の北東コーナー部と考えられます。囲いの構造は、幅20センチメートルほどの溝に1.8メートルほどの間隔に角材の柱を立て、これに植物の茎を編んだ網代を壁面とした「網代垣(あじろがき)」と考えられ、柱材や網代、横桟(よこさん)が炭化した状態で良好に残っていました。コーナー部の内側にはL字状に溝がみられ、東側から道が続いていることから、ここに出入口があったと考えられます。こうした遺構は、これまで奈良県の秋津遺跡などで確認されていますが、祭祀・儀礼などの神聖な空間を囲む施設と考えられており、これを表現した「囲型埴輪(かこいがたはにわ)」が5世紀の有力古墳から見つかっています。
- (2)馬引きの痕跡は、6世紀初頭の榛名山の最初の噴火の火山灰が堆積した道の上を、西から東へと一人の人物の足跡と1頭の馬の蹄跡が平行して続いていました。
3 要点
- (1)金井下新田遺跡の囲い状遺構は、重要な空間を囲ったものと考えられ、県内で初めての発見です。また、網代垣の構造を完全な状態で確認できるものは、内では初めてです。
- (2)馬引きの痕跡が遺構として発見されたのは、国内では初めてです。
4 公開について
- (1)平成26年11月25日(火曜日)午後2時から報道機関に現地を公開します。
- (2)一般公開はしません。
5 問い合わせ先
公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団
〒377-8555 渋川市北橘町下箱田784-2 電話:0279-52-2511
図1 金井下新田遺跡と金井東裏遺跡の位置関係
写真1 金井下新田遺跡4区全景
写真2 囲い状遺構の構造
写真3 囲い状遺構全景(東から)
写真4 炭化した柱材と網代垣(東側の囲い 西から)
写真5 炭化した網代垣
写真6 倒壊した北側の囲い(西から)
写真7 炭化した網代垣の一部
写真8 東側囲いの柱穴
写真9 馬引きの状況
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