本文
【平成26年6月24日付け】金井下新田遺跡に関する報道提供資料
更新日:2016年10月11日
印刷ページ表示
金井下新田遺跡の弥生時代の周溝墓について
1 出土遺跡の概要
- 遺跡名:金井下新田(かないしもしんでん)遺跡
- 調査要因:国道353号金井バイパス(上信自動車道)道路改築に伴う調査
- 委託者:渋川土木事務所
- 調査主体:公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団
- 調査期間:平成26年4月から平成26年8月まで(予定)
2 内容
(1)弥生時代の周溝墓について
「甲を着た古墳人」の発見で話題となった金井東裏遺跡の南に位置する金井下新田遺跡で、周りを溝で囲んだ周溝墓が2基検出されました。時期は、周囲から出土した土器から弥生時代中期から後期と考えられます。
1号周溝墓は、幅30センチメートル、深さ20センチメートルほどの溝で径8メートルほどの円形に囲んだ中に4基の埋葬施設が造られています。埋葬施設の構造は、長方形の穴の内側に板材で木棺を組み、周囲に礫を配置した「木棺墓(もっかんぼ)」と見られるもので、底面に礫を敷いたもの(礫床墓(れきしょうぼ))もあります。埋葬施設の規模は、160センチメートル×70センチメートル、50センチメートル×45センチメートルなど大小があります。
2号周溝墓は、溝を方形に廻らせたもので、中に1基の礫床墓が確認されています。
3 要点
- (1)規模の大きな木棺墓は、渋川市の有馬遺跡などでも確認されていますが、1号周溝墓のような小規模な木棺墓は極めて珍しいものです。
- (2)金井下新田遺跡で発見された周溝墓の埋葬施設は、長野県の弥生時代中期から後期に認められるものと同じ構造であることから、弥生時代に長野県と交流があったことがわかります。
4 公開について
調査工程上、一般公開は行いません。
5 問い合わせ先
公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団
〒377-8555 渋川市北橘町下箱田784-2 電話:0279-52-2511
弥生時代の周溝墓の全景
円形の溝で囲まれた1号周溝墓の全景(北西から)
1号周溝墓の埋葬施設(礫床墓)
1号周溝墓の埋葬施設(木棺墓)
方形の溝で囲まれた2号周溝墓の全景(西から)
2号周溝墓の埋葬施設(礫床墓)
「金井遺跡群(金井東裏遺跡・金井下新田遺跡)(渋川市)の概要・経緯について」に戻る
公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団<外部リンク>