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第14回群馬県行政改革評価・推進委員会の議事概要
1 開催日時
平成26年7月31日(木曜日)10時20分~16時00分
2 場所
群馬県立東毛青少年自然の家
群馬県生涯学習センター
3 出席者
佐藤委員長、青木委員、板橋委員、木村委員、高草木委員、忠永委員、田中委員、茂木委員(8名)(青木委員は午前のみ出席)
4 議事概要
(1)あり方検討委員会の答申を受けた青少年自然の家(北毛・妙義・東毛)の取組状況について
- 施設概要説明(北毛、妙義、東毛)
- あり方検討委員会の答申内容
- 施設調査
- 答申後の青少年自然の家(北毛、妙義、東毛)の取組状況
- 討議
1 施設概要説明(北毛、妙義、東毛)
- 東毛青少年自然の家(要覧により東毛青少年自然の家所長から説明)
(東毛青少年自然の家所長)
東毛青少年自然の家は昭和54年に開館し、35年が経過している。利用者は主に東毛・伊勢崎・前橋地域の小学校、青少年団体、幼稚園・保育園、新入社員研修等で利用する民間企業である。
施設の運営については、平成22年度にトイレの洋式化、地下通路、プレイホール等の大規模な改修工事を行った。
平成25年度の利用状況については、331団体、30,419人の利用があった。繁忙期は5~7、10、11月となっている。通常月曜日が休館日となっているが、繁忙期については休館日を設けずに運営を行っている。2月は、大雪のため団体のキャンセル等もあったことから、利用者数が少なくなっている。
利用団体の活動内容については、様々な野外体験活動を行っている。主な野外体験活動としては、キャンプファイヤー、登山、うどんやピザ作りなどの野外炊事が行われている。登山については、一般の登山客にも利用いただいている。開所以降の利用人数については、今年度延べ120万人に達した。
平成26年度の主催事業については、青少年ボランティア養成、親子キャンプなど予定しており、今後も学校や家庭では得られない野外体験活動を提供する場として、また、東毛地域の青少年の育成の場として取り組んでいきたい。
- 妙義青少年自然の家(要覧、資料3-1により妙義青少年自然の家所長から説明)
(妙義青少年自然の家所長)
昭和46年に「少年自然の家」として設置され、43年が経過している。利用者は主に西毛地域の小学校であり、その他、県内外の小中学校、幼稚園・保育園、特別支援学校、少年スポーツ団体、民間企業の新規採用研修などにも利用されている。もう一つ事業の柱として青少年の自然体験、自立支援、青少年ボランティア養成などを目的とした主催事業を実施している。平成26年度は19の主催事業を予定している。
敷地については、富岡市から無償で借り受けている。組織体制としては、6人の職員(所長1人、管理係2人、指導係3人)と2人の臨時職員で運営している。周辺の施設としては、妙義神社、さくらの里、貫前神社、富岡製糸場、鉄道文化むらなどがあり、自然史博物館とは連携を行っている。
- 北毛青少年自然の家(要覧、資料2-1により北毛青少年自然の家所長から説明)
(北毛青少年自然の家所長)
昭和43年に開設され、平成22年4月から名称を「北毛青年の家」から「北毛青少年自然の家」に変更した。また、福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響により屋外施設の一部が利用できない状況にあったが、除染を行い平成25年7月からすべての施設が利用可能となった。
土地は、高山村から無償で借り受けている。研修プログラムとして、野鳥観察や植物ウォッチなど自然の中で体験することができる。
組織体制は、総人数9人(正規職員6人、嘱託1人、臨時2人)となっている。
平成24年度の利用者数が大きく減少しているのは、福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響により学校のキャンセルがあったためである。また、利用者数で「その他(民間企業等)」が増えている理由は、民間の企業研修などを積極的に受け入れたためである。
2 あり方検討委員会の答申内容
- 資料1(あり方検討委員会答申抜粋(青少年自然の家(北毛、妙義、東毛))により事務局から説明。
(事務局)
「(1) 施設の必要性について」は、野外体験活動や集団宿泊活動の主要施設として、数多くの小学生に利用され、青少年の健全育成を図る上で大きな役割を果たしており、施設の設置目的は失われておらず、継続すべきとの判断をいただいた。
また、広域圏臨海学校などの市町村立施設が廃止されており、施設へのニーズは高まってきているが、利用状況が一定の時期に偏らざるを得ないことから、年間を通じての稼働率を高める方策について検討が求められた。
「(2) 管理運営方法について」は、学習効果を高めるため、近隣の県有施設や県事業と連携し、各地域の特色を生かした学校利用プログラムの開発に取り組む必要があるとされた。
また、主催事業や各種の体験プログラムについて、ボランティアとの協働及び地域の団体等との連携に努める必要があるとされた。
最後に「(3) 管理運営主体について」は、引き続き県直営による管理が適当ではあるが、民間のノウハウを活用する観点から、指定管理者制度について、他県での活用状況の情報収集に努めるよう求められた。
3 施設調査
- 研修室
- 宿泊棟
- プレイホール
- 食堂
- 第一営火場
- 野外炊事場
4 答申後の青少年自然の家(北毛、妙義、東毛)の取組状況
- 資料4-1(公共施設のあり方検討委員会答申後の取り組み状況等について)により東毛青少年自然の家所長から説明。
(東毛青少年自然の家所長)
閑散期(4月、9月、12~3月)における利用促進として、企業の新入社員研修や大学のゼミ・サークル活動等の利用促進を図るため、訪問したり、具体的活動事例等を紹介した「企業のための利用案内」、「大学・短大等のための利用案内」をWebページに新たに追加掲載した。また、閑散期を利用して中学生を対象とした「出前うどんづくり」を実施している。
施設利用者や登山・ハイキング利用グループ等の利用促進として、近隣の幼稚園・保育園に登山案内のチラシを配布したり、園児の励みとなるよう「登山証明書」を発行し、野外活動を奨励した。また、閑散期を中心に「利用団体指導者研修会」、「焼きまんじゅうづくり」などの主催事業を行っている。さらに、Webページに施設の話題や主催事業の案内等を掲載した。
使用時期や使用目的による差別化の実施については、平成22年度に青年自然の家と少年自然の家を青少年自然の家に変更するとともに、減免区分の見直しを行った。
学習効果を高めるための近隣県有施設との連携による学校利用プログラムの開発については、学習効果をより高めるため、近隣県有施設の他、連携可能な近隣施設について、主に県外の学校・利用団体に情報提供を行った。
主催事業や各種体験プログラムの充実に向けたボランティアとの協働、地域の団体等との連携について、県内の大学や高校等とのネットワーク強化により、平成25年度は329人のボランティアの方々に主催事業に参加いただいた。
施設・設備にかかる計画的な改修については、平成22年度に大規模改修工事を行った。
主な実施事業として、「ぐんまいきいきチャレンジ」があり、不登校の児童・生徒に野外炊事等の体験活動を提供するもので、平成25年度は10回実施し、472名に参加いただいた。
- 資料3-1(公共施設のあり方検討委員会答申後の取り組み状況等について)により妙義青少年自然の家所長から説明。
(妙義青少年自然の家所長)
学校利用受入れを中心とした体制整備として、9月上旬に各市町村教育委員会、各学校等に申込み要領の配布等を行い、希望期間が集中するが、希望学校はすべて利用できるように調整を行っている。閑散期(4月、9月、12~3月)における利用促進として、高崎の校長会、高崎・安中の子ども会育成会などに利用促進広報を行った。また、主催事業を7回行い、利用促進を行った。閑散期の利用者数は、平成22年度は約2,700人であったが、平成23年度~25年度の平均利用者数は約4,000人となった。利用者の満足度も重要であると考えているため、職員全員で入所者の迎え・見送りに心がけるなど、利用者の満足度の向上にも努めた。
新たな利用プログラムの開発として、平成25年度からガラス製のコップ等にコンプレッサーを使い砂を吹き付け模様をつけるサンドブラストの導入、平成24年度から地域の方と協力した門松・水餃子づくり、平成23年度から焼きまんじゅう作りなども行っている。近隣施設(自然史博物館等)とも連携しており、利用者のプログラムの選択肢を増やしている。
ボランティアとの連携・協働については、妙義アウトドアスタッフや青少年ボランティアとして各高校等に協力をいただいている。
- 資料2-1(公共施設のあり方検討委員会答申後の取り組み状況等について)により北毛青少年自然の家所長から説明。
(北毛青少年自然の家所長)
閑散期における利用促進の検討については、年間予約状況を提示しながら利用可能日を相談したり、使用施設・道具の要望などにできるだけ応えるようにし、新入社員研修等を行う県内外の企業の利用促進を図った。
近隣県有施設との連携による学校利用プログラムの開発については、ぐんま天文台と連携し、学校及び青少年団体の教育的ニーズに応えている。また、時間や人数により天文台に行けない場合は、天文台の職員を派遣してもらい天体講座を開催している。フラワーパークとの連携では、フラワーパークの職員の訪問指導を受けながらプログラムの開発に取り組んだ。
主催事業や各種体験プログラム充実に向けたボランティアとの協働、地域の団体等との連携については、北毛青少年自然の家友の会などとの協働や国立赤城青少年交流の家との連携を図った。
施設・設備にかかる計画的な改修については、平成24年度にキャンプ場各サイトのトイレ洋式化を行った。
閑散期(4月、9月、12~3月)における利用実績の推移(平成21~25年度)としては、閑散期の利用者数が年々増加傾向にあり、平成18~20年度の3年間を平均した利用者数を上回った月が年々増加している。
平成25年度の主催事業については、学校利用の少ない閑散期を中心に様々な事業を実施した。
5 討議
施設の概要について
(忠永委員)
平成18年度までに県立の青少年教育施設が12施設から4施設になったが、その時に市などへ移管した施設は、その後どのような状況になっているか。
(東毛青少年自然の家事務局)
東毛地区については、金山青年の家を太田市へ移管したが、平成26年の3月に廃止になった。廃止になった理由は老朽化である。金山青年の家を利用していた方には東毛青少年自然の家を代わりに使っていただくよう案内している。なお、伊勢崎青少年育成センターのように市が運営し、現在も残っている施設もある。
(忠永委員)
各施設はある施策に基づいて設立されたものであり、このような建物をたくさんつくってきたわけであるが、現在は少子高齢化により需要は縮小傾向にあるため、今後は整理していくことも必要ではないか。
あり方検討委員会の答申を受けた取組結果について
(田中委員)
老朽化対策については、対策をしっかり行ったため耐用年数が延びたと思うが、どの程度耐用年数が延びたのか。また、環境も変化してきており今後の必要性も含めて検討していかなければいけないが、長期的な視点として耐用年数が過ぎた後の方針は現在どのように考えているのか。
また、閑散期の取組については頑張って取り組んでいるという印象を受けるが、各施設で共通して良い取組は同じように行っていると思うが、各施設の連携はどのように行っているのか。
(生涯学習課)
耐用年数については、60年が目安になっている。現在まで残すべき施設は残してきている。市町村の海の家などの施設は減ってきているため、現在は必要最低限の施設の数となっており、このような施設の必要性はあると考える。しかし、今後建て替えを行う際に、予算措置がされるかは現時点では判断ができない。
(田中委員)
あと20年くらいは耐用年数があるということでよろしいか。
(生涯学習課)
耐震化対策も行っているため、それぐらいの年数は大丈夫だと思う。
(田中委員)
国立の青少年教育施設もあるため、国、県、市が2重行政とならないよう一体となって見直しを行っていく必要がある。
(生涯学習課)
国、県、市の連絡協議会の中で話し合いの場を設けており、今後の施設のあり方について議論していきたい。
(佐藤委員長)
生涯学習課として、中長期的な視点でどこの地域にどのような施設を持つのかという計画があるか。また、10~20年後の青少年人口減少の推移を見通した計画等はあるか。
(生涯学習課)
現在は具体的な検討まではしていない。青少年の人口が減少するからといって、需要までリンクして減っていくかはわからない。例えば現在5割の小中学校等しか利用していなければ、人口が減少しても6割の学校が利用するようになれば需要は減らないので、一概に青少年の数が減ったら需要も減るとは言い切れない部分がある。以前はこのような施設をたくさんつくり、現在まで整理を行い施設の数を減らしてきた中で、このような施設を全くなくすということはできないと考える。
(佐藤委員長)
施設の体験学習機能は大変重要な役割を果たしてきているため、現状でどのくらいの生徒が利用しているのか分析して、今後利用者数を減らさないために利用率を高めていかなければいけない。
(生涯学習課)
閑散期の取組に関する連携については、担当者会議を行い、意見交換を行っている。ただし、地域によってその地域の特色やお客様の特徴の違いなどもあるため、それぞれの場所・状況に応じて対応している。
(田中委員)
担当者会議はどれくらいの頻度で行っているのか。
(生涯学習課)
必要に応じて行っている。
(田中委員)
定例的に担当者会議を行っても良いと思う。
(忠永委員)
体験型の学習プログラムにおいて、家庭・学校では体験できないようなプログラムの内容を考えるべきである。施設などの建物は少なくなってきても、学習プログラムの内容はより充実させていかなければいけない。家庭・学校・行政という3者が連携して、現在の様々な状況に対応していかなければいけない。
(東毛青少年自然の家事務局)
野外炊事では、地域の食文化を伝えるためにうどん作りなどを行っており、魅力ある施設にしていくためには新たな学習プログラムの開発は必要である。現在は例えば環境学習として、薪を使った炊事やソーラーを使った炊事など、時代に即した新たな学習プログラムの開発に取り組んでいる。
(高草木委員)
近隣県との連携はどのようになっているのか。同じような規模の県と比較すると良いと考えるが、栃木県での同じような施設との比較等は行ったことはあるか。
(佐藤委員長)
他県ではどのような施設があるのか。また、照会などは行っていないか。
(生涯学習課)
全体的な他県の様子は確認している。そもそも青少年自然の家という前提概念で良いのかという問題もある。世の中は非常に多様な問題を抱えてきている。現在は自然の体験だけではいけない部分も出てきている。例えば、お金の金利等については学校では教えてくれない。したがって、今の時代に求められるものは変わってきている。そういった状況の中で、他県の具体的な取組の把握については、現在は十分ではない状況であるため、他県がどのような取組を行っているか今後は調べていかなければいけない。実際に起こっている問題に対して、このような施設がどのように役立てるのか研究していかなければいけない。
(高草木委員)
青少年のためのものだけで良いのかという問題は確かにある。設置当初の理念があるので大きく理念を変える必要まではないが、今後はターゲットを変えていくことも時代の流れではないか。東毛青少年自然の家において6企業が利用しているが、実際に北毛青少年自然の家を若年層の教育や人材育成において利用させていただいたことがあるが、もっと民間の企業研修等でも活用できるのではないか。
(妙義青少年自然の家事務局)
企業参加を含め、利用促進を行っていきたい。
(木村委員)
2~3万人の施設の利用者数は、県の人口と比較すると約1%程度であるため、学習効果を上げるための取組が必要である。こういった施設によって、どれくらいの学習効果が得られているのか。
(生涯学習課)
このような施設は民間で行うと採算が合わないため、県で運営を行っている。県の人口200万人に対して2~3万人の施設の利用者数が多いのか少ないのか判断が難しい。効果については、利用者である青少年に何を提供するかによる。40年の間に子供も大きく変わってきている。そのような中で、どのようなメニューを提供していくか考えていかなければいけない。最低限何をしなければいけないのか子供に教えていかなければいけない。
(東毛青少年自然の家事務局)
学校・家庭では得られない体験学習を提供している。具体的にはカレー炊飯を行っている。手順は、最初に薪と新聞とマッチを渡し、火をつけるところから始まる。マッチを使って火をおこす経験は学校では体験できない内容となっている。
(佐藤委員長)
あり方検討委員会の答申において、民間のノウハウを活用する観点から、指定管理者制度について、他県での導入・活用状況など、情報収集に努められたいとあるが、指定管理者制度についてどのように考えているか。
(生涯学習課)
全国の状況は調べている。全国では約4割が指定管理者制度を導入している。指定管理者制度導入の検討は、合理化を図ることや民間のノウハウにより柔軟な運営を行うことを目的としている。しかし、指定管理者制度を導入すれば問題がすべて解決するわけではないと考える。現状のままであっても職員体制を柔軟にすることや新しく再任用制度を利用することで、現在よりもうまくやれる部分は残っていると考える。指定管理者制度は膨大な手間や準備が必要となる。導入までの手間が効果につながっていくのかという気持ちもあるため、様々な面から検討していかなればいけないが、現在は現状の方針ということになっている。
運営コスト・職員数等について
(板橋委員)
3施設に共通した事項であるが、平成24年度の決算額に対して平成25年度予算額の人件費が増えている理由は何か。
(妙義青少年自然の家事務局)
6人の職員と2人の臨時職員がいる。2人の臨時職員については単価は変わらない。常勤職員6人については、それほど変わらないと思う。病休職員の有給の期間があったため、その分が増加している。
(北毛青少年自然の家事務局)
常勤職員の人件費は予算額では5,600万円となっているが、決算数値では5,200万である。
(東毛青少年自然の家事務局)
平成25年度は予算額ということでこのような数字(約6,600万円)になっている。平成25年4月の人事異動等により職員が変わり、それに伴い給与額も変わってくる。なお、平成25年度の常勤職員の決算数値は約6,800万円である。
(田中委員)
平成25年度において、北毛と東毛が利用者数が増えているのに予算額が増えていないが、予算はどのように積算しているのか。
(北毛青少年自然の家事務局)
歳入予算の使用料については、過去3年間の実績の平均を基に積算していたが、今年度予算から直近の数字を基に積算するように変えた。
(忠永委員)
使用料の減免を受けた人はみなし収入として記載した方がわかりやすい。
(生涯学習課)
行政の考え方として、サービスしたものを収入としてはっきりとみせない部分もある。県内への子供を健全育成するための施設であるため減免としている。
今後の取組について
(田中委員)
県内の小中学校はどれくらいが利用しているのか。
(妙義青少年自然の家事務局)
平成24年度は県内に小学校が333校あり、その中で272校が利用しており、利用率は82%となっている。これは林間学校のものであり、臨海学校の利用率はまた別である。
(青木委員)
うどん、ピザを作るような体験はやってみたいと感じたが、利用できる団体の条件はあるのか。また、今後の取組として、民間企業の新入社員等の研修を増やすことで利用率を高めることができ、県民への認知も広がっていくと考える。
(生涯学習課)
施設の利用は、県内の小中学校を優先させている。次に空いている日程があれば県外の小中学校を、最後に企業という優先順位になっている。
(青木委員)
企業に案内等は行っているのか。
(東毛青少年自然の家事務局)
企業に案内等は行っていないが、ホームページに掲載している。研修等を行っている企業は毎年ほとんど同じ企業であり、また研修期間が長いため新しく企業が入ることが難しい状況にある。
(青木委員)
北毛青少年自然の家において、閑散期(3、4月)の利用者数が急激に伸びているが理由はあるのか。
(北毛青少年自然の家事務局)
3、4月は学校の利用が非常に少ない時期である。もともと利用者が少なかった時期に、企業研修等で利用者数が増えたため、増加率が大きくなったものである。
※ 以上で午前の審議を終了し、生涯学習センターへ移動。
(2) あり方検討委員会の答申を受けた生涯学習センターの取組状況について
- 施設概要説明
- 施設調査
- あり方検討委員会の答申内容
- 答申後の生涯学習センターの取組状況
- 討議
1 施設概要説明
- 要覧により生涯学習センター館長から説明。
(館長)
本館は、昭和62年に開館し、今年で27年目となる。本県の生涯学習推進の中核的施設として、関係機関・団体と連携を図りながら、県民の多様な学習ニーズや社会の要請に応えられる事業を総合して行っている。また、少年科学館を活用した少年科学教育の推進など、あらゆる世代の人々が学ぶ喜びを実感できる社会の形成に向けて、多様な生涯学習活動の支援に努めている。
運営の重点事項として以下の4つがある。
- 生涯学習環境の整備…「ぐんま県民カレッジ」「まなびねっとぐんま」の普及・定着を図る。また、学習拠点となる社会教育施設等の人材育成やICT活用支援を進める。
- 社会の要請への対応…県民の課題解決や社会参加を促進する学習機会を提供する。
- 少年科学教育の推進…少年科学館を利用して子どもの科学する心や学ぶ意欲を育てる。
- 施設の活用促進…学習・交流・発表の場として施設のより一層の活用を図っている。
2 施設調査
- 第1研修室
- 教育工学室
- 視聴覚室
- 機械棟
- 多目的ホール
- 創作活動展示室
- プラネタリウム
- 情報相談フロア
- 育児学習室
- 創作実習室
- 第2趣味教養室
- 第1趣味教養室
- 体育館
- 光の道
- 科学展示室
- 天文コーナー
- 相談員室
- 音楽スタジオ
3 あり方検討委員会の答申内容
- 資料1(あり方検討委員会答申抜粋(生涯学習センター))により事務局から説明。
(事務局)
「(1) 施設の必要性について」は、本県の生涯学習の拠点施設として、学習情報提供、指導者養成等、市町村や各種団体等に対する指導的な役割を担うべき施設であり、施設の設置目的は失われておらず、継続すべきとの判断をいただいた。
ただし、貸館事業については、市町村の役割である公民館的な要素が強いため、県と市町村の役割分担の観点から、県の施設としての必要性について検討する必要があるとされた。
「(2) 管理運営方法について」は、貸館事業において、開館時間の見直しも含めて、職員体制の分析、見直しの検討が必要であるとされた。
また、施設の有効活用を図るべく、管理運営の徹底した見直しと利用者増加の積極的な努力が求められた。
「(3) 管理運営主体について」については、引き続き県直営による管理が適当ではあるが、民間のノウハウを活用する観点から、指定管理者制度について、他県での活用状況の情報収集に努めるよう求められた。
また、貸館事業の必要性の検討を踏まえた上で、部分的な指定管理者制度の導入について検討する必要があるとされた。
4 答申を受けた生涯学習センターの取組状況
- 資料5-1~5(あり方検討委員会答申後の取り組み状況等について)により生涯学習センター館長から説明。
(館長)
- 基本的な運営について
この施設について十分認識されていない部分もあるので、今まで以上に必要な情報の開示を行ってきた。また、外部の声の把握・反映については、外部の声を聞きながら求めに応じた施設となるよう改善すべく、アンケートを実施するなどした。
効率的な運営を行うため、施設全体で経費の削減に努めてきた。特にエスコ事業の実施により、光熱水費を削減してきた。
ボランティアの確保と質の向上については、子育て支援ボランティアを活用したり、 また、そのボランティアの方々の知識向上のために、講座などを開催した。また、少年科学館においては大学生ボランティアを中心に解説員として活躍いただいた。
視聴覚センターのあり方については、時代やニーズの変化に対応した教材・機材を充実させた。 - 生涯学習振興について
市町村の支援及び指導者の養成のため人材育成の強化を行った。具体的には地域機関において、社会教育セミナーを行うなど講座内容を充実させた。調査研究機能の強化については、地域の課題を解決するための学習プログラムを開発したり、市町村職員の人材育成のための学習プログラムの開発に向けた調査を実施した。また、大学や 高校等と連携推進を行った。
主催事業の参加者の増加については、広報による事業の周知を行った。また、講座定員数を増やすとともに、各講座が意図する対象者への広報活動に努め、参加者の増加を図った。
センター独自の取組については、新しい地域づくりや地域の活性化のため、課題解決を担う人材の育成を目的として、講座を企画・開催した。 - 少年科学教育の推進について
県有施設(ぐんま天文台・ぐんま昆虫の森・自然史博物館等)との連携を強化し、イベントを開催した。
開館時間の変更については、経費削減のため開館時間の変更を提言されたが、現在の開館時間を変更することは難しいため、開館時間の変更は実施しないこととした。 - 貸館事業について
有効に施設を利用してもらうために利用者を増加する取組を行った。
料金の改定については、センターの目的が県民の生涯にわたる学習活動を促進することであるため、生涯学習活動を行う団体とそれ以外の団体で利用料金を区分することは、政策的に有効な手段であるため、料金体系の一本化は行わず現行の二段階の料金体系を維持することとした。
指定管理者制度については、他県の施設の状況を調査し、導入した場合のメリット、デメリットを検討した結果、現行どおり継続することとした。 - 今後の取組の方向
基本的な運営として、時代の要請に沿った施設のリニューアルを検討する。また、生涯学習振興として、人材育成及び資質の向上を図っていきたい。
少年科学教育推進については、プラネタリウムや科学展示物の更新等を行い、子どもの科学する心や学ぶ意欲を育てていきたい。
5 討議
施設概要について
(木村委員)
施設そのものをすべて新しく建て替えた場合どのくらいの金額になるのか。
(センター事務局)
全体の額は把握していないが、プラネタリウムの建て替えだけでも2~3億円はかかる。
(忠永委員)
県民の多様なニーズに対応していくとあるが、この施設の設備はその多様なニーズに対応できるものとして設置されたものなのか。また、各教室は講師がいる教室なのか、それとも、貸館のようにグループで活用するものなのか。当初の設置段階での考え方はどうであったか。
(センター事務局)
設置当初は趣味や創作実習などの講座を主催して学びの推進の役割を果たしていた。英会話の講座なども開催していた。当初は県としてリードしていた施設であったが、市町村単位で実施できるようにしてきたため、講座を主催することまではしなくてよいということになってきた。そうして、現在はこのような施設を利用してもらう形になっている。講師などの派遣の相談にはのっており、講師を見つけてきてサークルを作っている。現在はそのようなサークルを育てていくことが必要であると考えている。
(忠永委員)
他では文化教室や通信講座などたくさんの講座がある。そういった講座は個人でアクセスして学習することができる。現在のこの施設の状況は貸館事業ということになってしまう。時代の流れの中で設置当初は必要であった設備も現在はあまり需要がない設備もでてきてしまうため、設備の中身を変えていく必要がある。
(木村委員)
利用者数が約20万人となっており、その利用者の6割が前橋地域である。富岡には学習センターがあるが、ほかの市町村でもこのような学習センターはあるのか。
(センター事務局)
利用者が距離的なことから前橋地域に偏るのは仕方のないことである。また、生涯学習センターは富岡のみにある。社会教育センターという名称のものであれば、市レベルで持っているところもある。
(茂木委員)
貸館事業の利用率はどのくらいか。
(センター事務局)
利用率が高いのは、体育館で92.9%、低いところは会議室の7.4%である。
(佐藤委員長)
生涯学習センターができた当初と社会は変わってきている。当初は、レクリエーションということで余暇をどのように過ごすかという観点で様々な教室がつくられた。現在の生涯学習センターの中で、最も中心的な機能は何か。
(センター事務局)
趣味の場として県が推進していくような役割はある程度果たしてきた。今後は、講座を行う人材を育てることが重要になってくるのではないかと考えている。
(田中委員)
育成する対象は絞られているのか。市町村等の職員は異動があるので対象が絞られる可能性はある。貸館事業は、その地域に住んでいる人しか利用できない状況となってしまうため、その役割は終わりつつあると感じる。
(センター事務局)
育成する対象は、行政職員だけでなく、地域の住民も広く含めている。例えば、地域の安全をテーマにした講座を開催して、基本的な情報を提供したり先進的な取組事例を学ぶことにより、理解を深めてもらうような取組も行っている。また、行政職員に限った話では、経験年数の少ない職員に研修等を行っており、今後も広げていきたい。
(田中委員)
科学、防災、安全などのテーマは、県としてどこまで広げていくか決めておかないと範囲が広がってしまい、生涯学習センターとしての機能があいまいになってしまう。
(忠永委員)
専門のスタッフを登録制にしていないのか。指導者になった人がきちんと県民のために指導しているのか。スタッフを養成するだけではなく、その育成した人を活用していかなければいけない。
あり方検討委員会の答申を受けた取組結果について
(板橋委員)
県立女子の大学生をインターンシップで受け入れているが、他の大学の学生は受け入れていないのか。
(センター事務局)
群馬大学の学生も受け入れている。
(板橋委員)
インターンシップの募集は行っていないのか。
(センター事務局)
県の人事課で全体で募集している。
(佐藤委員長)
答申を受けた取組により、改善する前と改善した後でどのような効果があったか。
(センター事務局)
市町村職員の人材育成について、今までは趣味・教養の講座が多かったが、最近では課題解決や地域づくり型の講座が増えている傾向がある。学校利用のプログラムについて、プラネタリウムなどの少年科学館の利用を学校に薦めた結果、プラネタリウムの学校利用数が、平成22年度に45校であったものが、平成25年度には60校まで増加した。また、天文コーナーの小学生の利用者数が平成22年度は約600人だったものが、平成25年度には約2,000人まで増加した。実験コーナーの利用者数も平成22年度は約600人だったものが平成25年度は約2,000人まで増加した。
(高草木委員)
利用者アンケートにおいて、この施設を利用した経緯が、会員、友人・知人による紹介が70%以上であるため、今後は広報のあり方を検討する必要がある。
(忠永委員)
通りすがりの人でも気づいて寄っていってもらうような工夫をすることも必要である。
今後の取組について
(木村委員)
この施設のユーザーは学校の先生ではないかと考える。このような施設で得たことを教育現場で生かさなければいけない。
(佐藤委員長)
施設の必要性についてアンケートを行っているが、施設利用者からのアンケートであるため必要性は高くなるのは当然である。そのため、広く県民にアンケートを取る必要がある。また、施設の必要性はアンケートで問われているが、県営の施設として必要かまでは調査を行っていないため、県営施設として必要かどうか調査を行った方がよい。
(3) その他
次回委員会は9月に開催予定。議題は、今回審議いただいた施設に対する意見の取りまとめと行政改革大綱の評価についての意見聴取を予定している。
(参考)第14回委員会資料
- 第14回群馬県行政改革評価・推進委員会次第(PDFファイル:50KB)
- 資料1 あり方検討委員会答申(平成21年10月23日)抜粋(PDFファイル:124KB)
- 資料2 北毛青少年自然の家の概要・取組状況(PDFファイル:480KB)
- 資料3 妙義青少年自然の家の概要・取組状況(PDFファイル:788KB)
- 資料4 東毛青少年自然の家の概要・取組状況(PDFファイル:556KB)