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令和8年8月18日(火曜日)
県庁24階 教育委員会会議室
平田郁美教育長、日置英彰教育長職務代理者、小島秀薫委員、中澤由梨委員、宮坂あつこ委員、都丸千寿子委員
齊藤教育次長、古市教育次長(指導担当)、春田総合教育センター所長、酒井総務課長、角田管理課長、関根福利課長、角田学校人事課長、佐野義務教育課長、高橋高校教育課長、池田特別支援教育課長、長谷生涯学習課長、山藤健康体育課長、鈴木総務課学びのイノベーション戦略室長、須田高校教育課高校未来づくり室長、箱田生涯学習課社会教育主監、高井総務課次長、平田行政係長、高田総務課主幹
午後1時00分、平田教育長、教育委員会会議の開会を宣す。
傍聴人は1名、取材者は3名であることを報告。
平田教育長が今回の会議の会議録署名人に都丸委員を指名。
議案審議に先立ち、平田教育長から、第26号議案は県議会へ報告する案件であるため、第27号議案は教育委員会の表彰に関する案件であるため、第28号議案および第29号議案は人事に関する案件であるため、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。
教育委員会の主要行事及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明。
(平田教育長)
はじめに私から一言報告を申し上げる。
まず、文教警察常任委員会による県外視察についてである。
7月22日から24日の日程で文教警察常任委員会による県外視察が行われ、私も最終日に北海道庁を視察した。
北海道では、令和5年度に次世代半導体の量産製造を目指す企業が千歳市への立地を表明したことを受け、北海道内の半導体関連産業の集積や活性化を促進するため、産学官が連携を深めているところであり、半導体人材の確保や育成に向けて、半導体人材ポータルサイトを立ち上げるなど、様々な施策に取り組んでいる。
本県においても、自動車産業をはじめとした製造業が集積しており、引き続き次世代のものづくり産業を携わる人材の育成が不可欠である。教育分野においては、高校生のキャリア教育や理系人材育成の観点などについて、非常に参考となる視察であった。
次に、本県の高校生の活躍について報告する。
まず、令和8年度全国高等学校総合体育大会(近畿総体2026)である。7月22日に開幕した、同大会では現在も熱戦が繰り広げられているが、陸上の男子800メートルの部で東京農業大学第二高等学校の「布施川大梧」さんが見事に優勝した。また、レスリング女子76キロ級において、前橋育英高等学校の「藤田真妃琉」さんが優勝した。
さらに、現在行われている高校野球では、高崎健康福祉大学高崎高等学校がベスト8に進出するなど、群馬県代表の生徒たちが健闘してくれていることを大変嬉しく、誇らしいことである。
その他の行事について報告する。
まず、地区別教育行政懇談会が7月29日に県総合教育センターで開催され、教育委員の皆様に参加いただいた。私も参加した。
地区別教育行政懇談会は、教育委員の皆様が県内の教育関係者等と意見交換を行い、地域の実態の把握などを目的として実施しているものである。今回は「教育現場における生成AIの活用状況と課題」と題して行われた。
当日は、生成AIの効果的な活用方法や課題について、パソコンを用いた体験などを交えながら、日頃から各地域の教育委員会や学校に研修講師として出向いている県総合教育センター職員から説明を受けた。
教育現場における生成AIの活用については、期待される様々な効果と、懸念されるリスクの両面を考慮しながら、引き続き研究を進めていく考えである。
私からは以上である。
続いて、教育委員からそれぞれ報告をお願いしたい。
(日置委員)
まず、教育長から最後に報告のあった地区別教育行政懇談会についてである。
今回のテーマは「生成AIの活用状況と課題」であり、私も参加した。グループディスカッションの内容を1枚の資料に整理したり、生徒の手書きレポートをテキスト化したりするなど、校務や授業づくりに役立つ最新の活用事例を紹介いただいた。
その一方で、生徒に生成AIをどのように活用させるかという点については、まだ十分な研究が進んでいないようにも感じた。説明いただいた担当者からは、生成AIを活用すれば生徒は質の高い成果物を作成できるため、授業設計そのものを根本から見直す必要があるとの話があった。
OECDの生成AIの教育活用に関する報告書においても、「成果物の質と本当の学びとの間にずれが生じることがある。安易な利用は思考の停滞を招き、深い学びを妨げるおそれがある」と指摘されている。その上で、報告書では、推論する力や説明する力、協働して現実の課題を解決するプロセスを重視した評価へ転換していく必要があるとしている。担当者が話されていた授業設計の見直しも、こうした評価のあり方と授業の再設計を指すものだと理解している。
以上を踏まえると、生成AIについては、思考を深める伴走者としてどのように活用するかという研究や、評価のあり方について現場とともに考えていく必要があると感じた次第である。
続いて、8月7日に前橋東高等学校で開催された前橋地区いじめ防止フォーラムについて報告する。
例年、全体協議に先立って基調提案が行われているが、今回は運営校である前橋東高等学校の生徒会の生徒がその役を務めていた。この提案が大変素晴らしかったため、ここで紹介したい。
その生徒は、まず全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、学校に行くことを楽しいないと感じる児童生徒が一定数存在することを示した。その上で、いじめの定義が、かつての「弱い者への一方的な攻撃」という捉え方から、一定の人間関係の中で誰にでも起こり得るものへと変化していることに触れた。そして、次のように問いかけた。
「いつも一人でいる生徒がいた。誰も話しかけてくれず、無視されている。その子は誰ともつながっていないと感じ、学校を休むようになった。これはいじめだろうか。」
定義に照らし合わせれば、意図的な無視であればいじめに該当する。しかし、単に関わるきっかけがなかった結果であるならば、直ちに判断することは難しく、即答しにくい問いでもある。
しかし、その生徒が伝えたかったのは、「いじめか、いじめでないか」という線引きではなかった。悩み苦しんでいる仲間がいることに対して、その仲間をどのように支えるのかという視点であった。
私たち大人は、「これはいじめに当たるのか、当たらないのか」という判断に意識が向きがちである。しかし、この発表は、定義の枠だけでは捉えきれない仲間の苦しみをどう受け止めるのかという、根本的な問いへと立ち返らせてくれる内容であったと思う。
このいじめ防止フォーラムは長年にわたり継続して開催されているが、改めてその意義の大きさを強く感じた次第である。以上である。
(小島委員)
私は、日程の関係で、いじめ防止フォーラムの方から先に報告させていただく。
7月27日に長野原町住民総合センターで開催された、いじめ防止フォーラムに出席した。今年で4回目の出席となるが、例年と同様に小学生、中学生、高校生が参加しており、長野原高校の生徒が全体の進行をしっかりと担い、それぞれが活発に意見を交わしていたのが印象的であった。
これまでの3回と少し異なっていたのは、「みんなで作る笑顔のピース」というテーマで行われたことである。「自分も相手も笑顔になるためには何が大切なのか」ということを中心に協議が進められていた。
また、「ピアサポート」と呼ばれる活動も取り入れられていた。私自身、詳しくは知らなかったが、参加者同士が向かい合い、どの程度まで近づくと抵抗を感じるかなどを体験しながら、お互いの距離感や気持ちを理解する取組であった。こうした活動を、テーマについてのディスカッションに入る前のアイスブレイクとして実施しており、参加者同士の緊張を和らげ、話しやすい雰囲気をつくる工夫が大変よくできていると感じた。
笑顔になること、あるいは笑顔をつくることは、学校生活だけでなく、社会に出て仕事をしていく上でも非常に重要なことであると思う。本来は、相手への敬意や親しみの気持ちがあってこその笑顔だと思うが、少し現実的な言い方をすれば、笑顔で挨拶ができるということ自体が、仕事をしていく上では一つのテクニックでもある。
少なくとも、本格的な仕事に入る前の段階で、相手との関係をつくるためには欠かせないものである。実際に見ていても、仕事が出来る人は、こうした部分が自然にできているように感じる。その意味で、「どうすれば笑顔になれるのか」「どうすれば相手を笑顔にできるのか」というテーマについて子どもたち自身が考え、話し合うことには、大きな意義があったと強く感じた。
続いて、7月29日に開催された地区別教育行政懇談会について報告する。
内容としては非常に興味深いものであった。この1か月ほどの間に体験した出来事を話し、その内容をもとに生成AIが資料を作成するという体験を行った。すると、イラストやアニメーションを含む資料が短時間で作成され、その出来栄えに大変驚かされた。
それを見ながら、普段、会社で作成されているチラシや案内文なども、「なるほど、こういう形で作られているのか」と実感した。また、PowerPointの資料なども生成AIを活用すれば容易に作成できることが分かった。
これまで時間をかけて作成していたものが、これほど簡単に作れるのであれば、活用しない手はないと率直に感じた。もちろん、様々な弊害があることは理解しているが、それ以上に利便性の高さを感じたところである。
実際に自分で体験したことで、「こういう活用の仕方をしているのか」ということがよく理解でき、実感する機会になった。以上である。
(中澤委員)
私からは、7月29日に開催された地区別教育行政懇談会と、8月5日に開催された高崎地区いじめ防止フォーラムについて報告する。
まず、地区別教育行政懇談会の生成AIに関する内容についてである。
生成AIの活用状況や課題については、皆様から報告があったとおりであり、実際に体験しながら学ぶことで、多くのことを知ることができた。
小島委員がお話しされたとおり、これからの教育においては、生成AIを使うことを前提としながら、その活用方法や、弊害となり得る部分をどのように調整し、学びを深めていくかが重要になってくると感じた。新しいツールとどのように付き合っていくのかという点に、今後の教育の焦点が当たっていくのではないかと考えている。
実際に活用してみて感じたのは、先ほど日置委員からも話があったように、生成AIが生み出す成果物は非常に質が高く、多くの情報が整理された形で提示されるということである。その一方で、現実社会の中でどのように生かしていくのかということが求められている。画面上に示された情報や成果物をどうやって現実の生活と結び付け、課題解決や行動につなげていくかという教育が、これから先生たちに求められていくのだろうと感じた。
また、数多くの機能を見ていて、特別支援教育の分野への活用にも大きな可能性を感じた。現在、全国的にも生成AIを特別支援教育に活用するための研究や取組が進められていると承知している。例えば、視覚的な情報理解を得意とする児童生徒に対して、文字情報を分かりやすい画像や視覚情報へ変換したり、音やリズムを活用した提示方法を工夫したりするなど、様々な可能性が考えられる。今後は、子どもたち一人一人の学びを支える有効なツールとして活用されていくことを期待している。
続いて、8月5日に開催された高崎地区いじめ防止フォーラムについて報告する。
今回のフォーラムは、吉井高校が事務局となって運営されていた。高崎地区では、「自覚のないいじめに対して、どのように行動するか」という、非常に現実的なテーマが設定されていた。
後に事務局の先生と話をしたところ、このテーマは多くの児童生徒にとって身近であり、誰もが心当たりを持つ可能性のある内容であるため、設定に当たっては迷いもあったとのことであった。
しかし、実際の話し合いを見ていると、参加した子どもたちは皆、自分事として真剣に考えていた。自覚のないまま相手を傷つける側になることもあれば、そのような場面を目撃する立場になることもある。また、傷ついた仲間に接した経験を持つ子どももいる。それぞれが様々な立場から意見を出し合い、非常に核心に迫る議論が行われていたと感じた。その意味でも、勇気を持ってこのテーマに設定した吉井高校の取組は大変意義深いものであったと思う。
また、当日の運営においては、吉井高校の生徒たちが丁寧にアイスブレイクを行い、小物も数多く準備していた。小学生や特別支援学校の生徒を含め、誰もが話し合いやすいよう様々な工夫がなされていた。
自分たちで行動し、参加者のことを考えながら場をつくる姿は大変素晴らしく、非常に有意義な場となっていた。以上である。
(宮坂委員)
私からは、8月3日に参加した太田地区いじめ防止フォーラムについて報告したい。
共通テーマは、「みんなで作る笑顔のピース」であり、「相手も自分も笑顔になるために大切なことは何か」を考える内容であった。太田地区では、小学校から高校、特別支援学校までの児童生徒44名が6班に分かれ、各校の取組を共有した後、より良い人間関係を築くために自分たちに何ができるかについて話し合っていた。
また、ぐんま国際アカデミーの生徒も参加しており、学校種や学年の違いに加え、外国籍や外国にルーツを持つ子どもたちが参加していたことも印象的であった。多様な文化的背景をもつ子どもたちが共に考える場となっていた。
開会宣言は小学生が務め、閉会宣言は中学生が担当していた。さらに、運営は太田高校の生徒が中心となり、アイスブレイクやBGM、ゲームなどを取り入れながら、参加者が話しやすい雰囲気づくりを行っていた。高校生の主体的な運営は大変頼もしく感じられた。
班協議では、「目を見てあいさつをする」「ありがとうを伝える」「言葉遣いに気を付ける」「相手のことを知る」「学年や学校を越えて交流する」といった意見が多く挙げられていた。また、太田地区の特色を反映し、「複数の言語であいさつをしよう」という意見も出されていた。
最後に各班で模造紙に意見をまとめていたが、そのまとめ方にもそれぞれの個性が見られた。特に印象的だったのは、「考える→知る→交流する→伝える」という流れを視覚的に整理していた班であり、限られた時間の中でここまでまとめ上げていたことに感心した。
また、「違いをマイナスではなくプラスにつなげる」という意見も挙げられていた。多様な文化的背景をもつ子どもたちが多い地域であり、互いの違いを認め合うインクルーシブな土壌が感じられた。
発表の場面では、上級生が低学年の生徒に発表の機会を譲る姿が見られた。これは会場の先生方も感心していた点であった。
さらに、保護者や教職員が一緒になって意見交換を行う場面もあった。近年のいじめの定義について、自分たちが子どもだった頃との違いに驚く保護者の姿も見られた。例えば、自習している生徒に対して、善意で別の生徒が勉強を教えに来た場合、それをどう捉えるかという事例について議論が行われていた。明らかな暴力ではなくても、本人が嫌だと感じれば笑顔ではいられない。そのような視点から大人たちが真剣に考え、話し合っている姿は大変意義深いものだと感じた。
また、先生方が水分補給の時間や休憩時間の確保など、子どもたちの体調や様子に細やかに配慮していたことも印象に残った。子どもたちを常に気に掛けながら場をつくっている様子が伝わってきた。保護者の立場から見ても、先生方が非常に丁寧に配慮しながら取り組んでいることを実感した。
最後に、他県ではいじめ防止フォーラム自体がなくなりつつある地域もあると聞いている。そのような中で、群馬県ではこの取組を継続しているだけでなく、先生方が「いじめの兆しに気付きたい」という思いをもって取り組んでいることが伝わってきた。そうした姿勢からも、群馬県のいじめ防止に対する意識の高さを強く感じた。以上である。
(都丸委員)
私からは、7月29日に開催された地区別教育行政懇談会について報告する。
今回のテーマは「教育現場における生成AIの活用について」であり、実際に様々な体験をさせていただきながら学ぶ機会となった。
ChatGPTが社会に登場したのは2022年11月であり、まだ4年も経過していない。その短期間のうちに、これほど大きな変化が世界中で起きていることに改めて驚かされた。生成AIは、すでに私たちの日常生活にも入り込みつつあり、大人だけでなく、子どもたちもこれから触れずにはいられない存在になっていくのだろうと感じている。
そうした中で、私たちは生成AIとどのように向き合っていくべきなのかを考えながら研修に参加した。実際に体験してみると、事務処理の効率化などにおいて非常に便利であり、私たちにとって強力な支援ツールになり得ることを実感した。
一方で、気を付けなければならない点もあると感じた。それは、質問をすると瞬時に答えが返ってくることである。体験の中でプログラム作成について説明された講師の方も、指示する言葉や内容によって結果が大きく変わることを話されていた。自分が求める結果を得るためには、言葉の選び方や問いの立て方を十分に考える必要があるということであり、その点は非常に重要だと感じた。
子どもたちにとっても、生成AIは質問すればすぐに答えを返してくれる便利な存在である。しかし、本来大切なのは、私たちが子どもたちにどのような力を育ませたいのかということであり、その目的を実現するために生成AIをどのように活用するかを考えることである。生成AIを使うことそのものが目的になってしまっては、本末転倒であると思う。
これまで辞書や図鑑、本などを活用して調べてきたことを、生成AIがより便利に支援してくれる。図の整理などにおいても大変有効な助っ人である。しかし、何のために使うのかという目的を見失わず、主体的な意思を持って活用していくことが大切であると感じた。
その意味では、教員の役割はこれまで以上に重要になるのではないかと思う。子どもたちと生成AIとの適切な関わり方を見守りながら、正しい使い方を導いていくことが求められる。そのためには、教員自身が生成AIについて学び、実際に活用できる力を身に付けていく必要があると感じた。
また、生成AIは即座に答えを返してくれるため、高校生のように一定程度の判断力を身に付けた年代であれば有効に活用できる場面も多いと思う。一方で、幼児や小学校低学年のような人に言われると素直に受け入れてしまう時期の子どもたちの、例えば、「なぜ月は丸いのか」「なぜ形が変わるのか」といった素朴な疑問に対して、生成AIがすぐに答えを提示することが、子ども自身の探究心や思考の過程にどのような影響を与えるのかは、今後十分に考えていく必要がある。発達段階に応じた生成AIとの関わり方についても研究が必要なのではないかと感じた。
それから、生成AIとは別になるが、「つなサポ」の新プラットフォームについても体験する機会をいただいた。
実際に操作してみると、画面が非常に見やすく、親しみやすいデザインとなっていた。自分自身がアバターとなって空間の中で活動できるため、まるでその場にいるような感覚を味わうことができた。また、同じ空間にいる利用者とチャットでやり取りすることができ、対面で話をするよりも気軽にコミュニケーションを取れると感じた。
さらに、自分が移動したい場所へ自由に移ることができるなど、閉塞感のない開放的な設計も印象的であった。学校に通うことが難しい状況にある子どもたちにとって、こうしたオンライン空間の中で他者とのつながりを持ちながら学ぶことができることは、大きな意義があると思う。以上である。
(平田教育長)
ただ今の報告について、補足やご質問等はあるか。
ないようであれば、続いて、関係所属長から報告をお願いする。質問はすべての報告が終了した後、一括して行う。
総務課長、資料1 (PDF:798KB)により報告。
義務教育課長、資料2 (PDF:2.34MB)により報告。
義務教育課長、資料3 (PDF:502KB)により報告。
総合教育センター所長、資料4 (PDF:2.37MB)により報告。
(平田教育長)
ただいまの関係所属長からの報告について、意見や質問があればお願いしたい。
(日置委員)
全国学力・学習状況調査についてである。私は、質問紙調査を大変重要なものと考え、いつも注目して見ている。
今回特に気になったのは、学校質問紙調査におけるICT活用に関する設問である。資料でいうと5ページ中ほどの項目になるが、タブレット端末の家庭での活用状況などは改善が見られる一方で、「ICT機器を活用して児童生徒の心身の状況を把握している」とする回答については、週3回以上の活用割合が全国的にも低い状況にある。
この項目には、例えばLifeLogのようなツールの活用も含まれているのではないかと考えているが、群馬県は全国平均と比べても12ポイントから14ポイント程度低い状況となっている。
全国的に見ても課題のある項目だと思うが、その中でも群馬県の数値が特に低い要因について伺いたい。例えば、LifeLog等の導入が予算面の理由から十分進んでいないことなどが背景にあるのか。
(義務教育課長)
市町村ごとの予算状況が異なり、導入できない自治体もあるのではないかと考える。
(日置委員)
これは群馬県だけの課題というより、全国的にも同様の傾向があるのかもしれないと感じた。
私自身も大学等でAIを活用しているが、現在の生成AIの機能を考えると、児童生徒がその日の心身の状態や気持ちを簡単に入力し、それを自動的に集約・整理してスプレッドシート化することは十分可能だと思う。
特に総合教育センターには高い専門性があるので、こうした仕組みを活用すれば、日々の健康状態や心理状態の変化を可視化し、支援が必要と思われる児童生徒について注意喚起を行うようなシステムも比較的導入しやすいのではないかと感じたため提案したい。
(学びのイノベーション戦略室長)
県から市町村に対して、LifeLogそのものの導入を直接進めるような取組は行っていない。
一方で、県ではポータルサイトを開設しており、その中で教育活動に役立つ各種アプリやツールを紹介している。心の健康観察に活用できるアプリについても掲載している。今後はこうしたポータルサイトや関連ツールの存在について、市町村や学校現場への周知をさらに進めていきたい。
(日置委員)
それは有料なのか。
(学びのイノベーション戦略室長)
無料である。
(日置委員)
そうすると、活用できる環境やツール自体は一定程度整っているものの、その存在や活用方法が十分に周知されておらず、結果として利用が広がっていないという理解でよろしいか。
(平田教育長)
県が作った方が参加しやすいのではないかということか。
(日置委員)
例えば、市町村で既に取り組んでいる事例や課題、改善要望などを集約して、県が共通のフォーマットや仕組みを示すという方法もあるのではないかと思う。
総合教育センターなどの専門性を生かせば、現場が活用しやすい形にまとめることも十分可能なのではないかと感じた。
(平田教育長)
総合教育センターから何かあるか。
(総合教育センター所長)
つなサポでも児童生徒の状況把握に関する取組を進めており、一定のノウハウも蓄積されている。
今後は、先ほど説明のあったポータルサイトに掲載されているツール等の活用状況も見ながら、県として提案できるものがあれば提案していきたいと考えている。
(教育次長(指導担当))
補足すると、1人1台端末の整備以降、県としては下仁田小・中学校の実践やLife Noteの活用事例を紹介するなど、情報提供を行ってきた。
一方で、市町村立学校への導入が十分に進んでいないのも事実である。その要因は様々考えられるが、小学校では健康観察カードや生活記録、中学校では生活ノートなど、児童生徒の状況を把握する取組が日常的に定着している。こうした従来の手法が一定程度機能しているため、現場ではデジタル化の必要性が必ずしも高く認識されていないのではないかと推測している。
このため、心身の状況把握をICTに全面的に移行する動きは進みづらく、その傾向は群馬県に限らず全国的にも見られるのではないかと考えている。
(日置委員)
現場では、従来の取組によって児童生徒の状況を十分把握できているということか。
(教育次長(指導担当))
デジタル化が進んでいないということでもあるが、現場では従来の方法で十分に状況把握ができているという認識と推察する。
(平田教育長)
この点については、アナログならではの良さがある一方で、デジタル化によって児童生徒の状況を全体的な傾向を把握しやすいという利点もある。
いただいた提案も踏まえながら、今後、学びのイノベーション戦略室、総合教育センター、義務教育課、高校教育課等とも共有し、検討していきたい。
(都丸委員)
私も全国学力・学習状況調査結果を見ていて、少し気になった点がある。
一つは先ほど日置委員がお話しされた部分であるが、もう一つは「その他の設問」の3つ目の項目である。「前年度までに近隣等の小・中学校と、教科の教育課程の接続や教科に関する共通の目標設定、教育課程に関する共通の取組を行った」とする回答が、全国平均との差でマイナス23.9ポイントとなっている点である。
他の項目ではプラスとなっているものも多い中で、この項目だけ大きく下回っていることが気になった。
国が想定している小中連携の取組と、県内で実際に行われている取組との間に何か違いがあるのか、それとも別の事情があるのか。そのあたりの背景について教えていただきたい。
(義務教育課長)
実際には、この取組は各地域で進められていると認識している。
都丸委員もご存知だと思うが、例えば渋川市では小中合同の研修や授業公開、授業参観などが行われている。他の市町村においても、授業の相互参観や情報交換、中学校区ごとの会議の開催など、小中連携の取組は広く実施されている。
ただ、この設問では「教科の教育課程の接続」や「教科に関する共通の目標設定」といった表現が用いられているため、その文言に引っ張られて、「そこまでは行っていない」と判断して回答した学校が多かったのではないかと分析している。
実際には様々な形で小中連携は行われており、数値が示すほど取組が進んでいないとは考えていない。義務教育課としてもそのように捉えており、実態が正しく伝わるよう、機会を捉えて周知していきたいと考えている。
(平田教育長)
その点については実際にはかなり取り組まれていると考える。
小学校の卒業生が同じ中学校へ進学するわけであり、中学校区を単位とした連携は当然行われている。先生方も日頃から様々な形で連携しているものと認識している。
そう考えると、この結果は実態を十分に表していない可能性もある。設問の文言から各学校がどのような印象を受け、どのように解釈して回答したのかという点も含めて、分析する必要がある。
(日置委員)
全国学力・学習状況調査は結果が公表されたばかりのため、現時点で分かる範囲で構わないのだが、2ページ最下段の、現在の中学3年生と、その子どもたちが小学6年生だった時の結果を比較した部分について伺いたい。
例年、この項目は小学校6年生時より中学3年生時の方が数値が上がる傾向があるように感じている。私自身、この結果をどのように解釈すればよいのか。
(義務教育課長)
この傾向は例年見られるものである。
小学校段階では、様々な体験活動を通して、各教科の基礎的・基本的な内容の定着を図っている。一方、中学校では、それらを土台として思考力を育む学習や課題解決的な学習を積み重ねている。
そのため、中学3年生の段階では、単に知識量が増えているだけでなく、身に付いている学力の質そのものが高まっているものと捉えている。
(平田教育長)
これは子どもへの質問紙調査であったと思うが、「算数が好き」「算数の授業が楽しい」と回答している割合が本県は比較的高い。小学校では基礎・基本をしっかり身に付けさせながら、日常生活と結び付けた具体的な学習を通して、子どもたちが学ぶ楽しさを感じられる授業が行われているのではないかと捉えている。
もちろん学力の向上は大切であるが、どれだけ力があっても教科を嫌いになってしまうと、その後の伸びにつながりにくい。その意味では、「算数が好き」と答える子どもが多いという結果は大変意義深いものだと思う。
小学校段階で学ぶ意欲や興味・関心を育んでいただいていることに対して、本県の小学校の先生方に感謝したいという思いがある。
(日置委員)
そうすると、ある意味では中1ギャップをできるだけ小さくするための取組が機能していると捉えることもできるということか。
小学校で基礎・基本や学ぶ楽しさをしっかり育み、その上に中学校で思考力や課題解決力を積み上げていく。その結果として、小学校でまいた種が中学校で花開いているような教育の流れになっていると理解した。
(義務教育課長)
国語や算数が好きだと答える子どもが多いことから、学ぶ楽しさや授業への前向きな意識が土台にあるのではないかと感じる。その積み重ねが、中学校での学力の伸びにもつながっているのだと思う。
(日置委員)
教育は最終的な子どもの成長が重要である。そのための過程で様々な学び方や取組があってよいと思うし、とても素晴らしいことだと感じる。
(中澤委員)
「学校を長期欠席している児童生徒の学びを考える会」についてである。
参加者が非常に多く、関心やニーズの高さがうかがえる。毎年開催しているものなのか、あるいは定期的に実施している取組なのか。
この会の位置付けやこれまでの開催状況について教えていただきたい。
(総合教育センター所長)
この会は、もともと義務教育課が所管していた「GMN協議会(ぐんま学び場ネットワーク)」を前身としている。
当初は、教育関係機関同士のネットワークづくりを目的に始まった取組であったが、令和6年度に所管が総合教育センターへ移って以降は、児童生徒の学びを中心に据え、より実践的な情報交換を行う場として発展してきた。
現在の名称となって3年目を迎えており、フリースクール等とのつながりも年々深まっている。当日も5つのフリースクールに参加いただき、分科会で活動報告や意見交換を行うことができた。
このように、関係機関の連携が着実に深まっており、今後も周知を進めながら、さらに充実した取組となるよう継続していきたいと考えている。
(中澤委員)
まだ悩みを抱えている保護者や、子どもの学びを今後どのようにつないでいけばよいのか模索している方も多いと思う。
そうした方々のためにも、引き続きこの会を広く周知しながら、継続して充実させていただければ大変ありがたいと思う。
(総合教育センター所長)
資料4中の1から3までは令和7年度から開始した取組である。一方、4については10年ほど継続して実施している。
ただ、まだ十分に周知されているとは言えない面もある。そのため、今後は市町村教育委員会とも連携しながら、より多くの方に活用してもらえるよう周知を進めていきたいと考えている。
(平田教育長)
保護者からの評判も大変良いと聞いている。「参加してよかった」「こうした場があって助かった」といった声も多く聞く。
(中澤委員)
本人の体験談やリバースメンターの話を直接聞くことができるのは、大きな意義があると思う。
当時どのようなことを考え、どのような支えがあったのかを知ることは、保護者にとっても子どもとの関わり方を考える上での大きなヒントになる。
とても意義のある取組だと思うので、ぜひ多くの方に知っていただきたいと感じた。
(平田教育長)
他にご質問やご意見がなければ、教育長事務報告を以上とする。
特別支援教育課長、第24号議案原案 (PDF:66KB)について説明
異議なく、原案のとおり決定
特別支援教育課長、第25号議案原案 (PDF:106KB)について説明
異議なく、原案のとおり決定
ここで、平田教育長から、これからの審議は非公開で行う旨の発言があり、傍聴人及び取材者は退室した。
総務課長、第26号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
生涯学習課社会教育主監、第27号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、第28号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
学校人事課長、第29号議案原案について説明
異議なく、原案のとおり決定
教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明。
午後2時23分、平田教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。