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平成27年度第2回群馬県産業教育審議会概要の公開について

更新日:2015年10月19日 印刷ページ表示

1 日時

 平成27年9月11日(金曜日)13時30分から16時00分

2 場所

群馬県立前橋工業高等学校

3 出席委員

8名 [梅澤委員(会長)、遠藤委員、飯田委員、茂木委員、古賀委員、朝岡委員、太田委員、根岸委員]
※欠席委員 4名 [宝田委員、松村委員、鈴木委員(副会長)、木村委員]

4 次第

  1. 開会
  2. 群馬県教育委員会教育長あいさつ及び委員委嘱
  3. 委員及び幹事自己紹介
  4. 会長・副会長選出
  5. 群馬県産業教育審議会長あいさつ
  6. 学校概要説明(群馬県立前橋工業高等学校長)
  7. 活動発表
    「群馬県高校生電気自動車大会の歩み」
    機械科2年1名、電子機械科2年1名
    「建築研究部の取り組み」
    建築科3年3名
  8. 授業・施設・設備等視察
    「土木製図」、「機械実習」、「課題研究」「建築実習」
  9. 審議
    「職業教育の充実の在り方について」
    ~社会的要請を踏まえた専門学科のカリキュラムの充実に向けて~
  10. 閉会

議事概要

会長

本日の授業をご覧になった感想からお願いいたします。

委員

生徒の体験発表や授業見学での電気自動車製作や建築の実習などを発表する態度も良く、素晴らしい取り組みでした。
製図等、昔の人は手作業で紙に線を引いていましたが、若い人たちは機械を自由に使い、時間的にも早く、仕上げも綺麗であり感心しました。
工業高校では様々な技術教育を行っていますが、先生に教わりながらしっかりとした専門的な知識や技術を身に付けさせていることが印象的でした。

委員

ものづくりは、完成したときの喜びが何ものにも代えがたく、それが快感となり次へ次へと欲求も高くなり、更に次へとつながるのではないかと思っています。
特に旋盤では、企業は自動化が進んでいる中、工業高校における基本の教育はすばらしく、是非続けていただきたいと思っています。
ものづくりの楽しさを小さい子どもたちに教えていくという活動や自動車を作って大会に参加する取組では、目標に向かって、知恵を出し合ったり、切磋琢磨したり、協力する経験は、とても重要であると思っております。
6割の生徒が高校から就職するという状況の中、働くことのルールを知らなかったため、就職後にトラブルに巻き込まれてしまうといったケースや、困ったときに相談できず、自分だけで受け止めてしまう状況があります。高校でのキャリア教育の一部に労働教育を入れていくことで改善されると考えています。

委員

学校の教育目標に向かって保護者や地域社会に対する理解を想定しながら、安全面に配慮して生徒を育てている印象を受けました。
社会の要請は、雇用など競争力のある地域や群馬ブランドを目指すことであり、その土壌が上手に育てられているという好印象を受けました。
ものをつくり、発表するなど、プレゼンテーション能力を育成し、学科を横断した学習の成果を社会に還元することで、学校の魅力が更に現れてくると思います。

委員

実習は少人数体制であり、先生方も指導しやすく、生徒も分かりやすい状況の中で授業が進められていると感じました。建設や土木業界は人手不足の状況であり、工業高校に期待しているところです。
毎年6,000人の高校生が県内から出ていき、2,000人が戻りますが、4,000人は人口流出し、県の労働力の生産人口は減少傾向にあります。
労働局では、群馬県知事と労働局長で提携を結び、若者応援就職面接会(Gターン)を計画しています。高校教育課からも校長会で紹介していただきましたが、県及び労働局としては、優秀な人材を県に残すという気持ちで取り組んでいるところです。

委員

職業能力開発協会のものづくりマイスター事業では、旋盤以外の指導を受けている事例はありますか。

校長

昨年度、建築科を退職した職員がマイスターに登録されており、このマイスターに指導を受けています。

幹事

高崎工業高校では、旋盤のマイスターに指導を受けています。

幹事

県内の工業高校では、旋盤のほかに溶接のマイスターの派遣が多くなっています。また、県の独自事業として、旋盤、CAD、溶接の熟練技能者を工業高校に配置し、指導をしています。

委員

学校開放講座において、地域のものづくり人材の層を厚くするためには、地域の子どもたちにものづくりに興味をもってもらうことが大切です。目からうろこが落ちるような体験をすることで、将来、前橋工業高校へ行こうと思う生徒が増えるのではないでしょうか。そのような取組は学校として行っていますか。

校長

地域の学校開放講座は、群馬県の県民カレッジという講座の中で、本校も平成23年度から毎年実施しています。今年度は子どものLEDライト作りを行うなど、身近な題材を扱うようにしています。技術家庭科が中学校ではありますが、さらに幅広いものづくりの魅力を伝えていく必要があると思います。

委員

県内大学の学生のキャリア相談を受けていますが、学んだ専門知識を生かせる地元の就職先がないというインフラの問題があります。前橋工業高校では、そのような状況はありますか。

校長

本校では生徒の6割が就職をします。その大多数は地元に就職します。地元の企業に前橋工業の卒業生がいるというのが強みだと思っています。県外からの求人もありますが、地元に就職する生徒が多い状況です。

委員

大学生等のUターンやキャリアサポートを行っている中では、学んだ専門性を生かせる企業が群馬県にはなく、東京で就職してしまう事例があります。

校長

本校の生徒にも自分が学んだ専門以外の企業に就職することがありますが、ものづくりで学んだことや人間関係などが生かせる職場を選んで就職しています。

委員

授業を拝見しながら、「モチベーション3.0」という本を思い出しました。モチベーションの1.0は生存のためのモチベーション、2.0はあめとムチで、20世紀のモチベーションです。3.0は21世紀のモチベーションで、わくわく感だと書いてありました。生徒に、「自動車好き?」と聞くと「好きです」と目をきらきらさせて答えていましたし、地縄の実習に取り組んでいた生徒は、片付けをしながらも笑顔が輝いて見え、モチベーション3.0はこういうことかと思いました。自分の未来がある程度見えている高校生は、毎日が楽しいし、授業も楽しく躍動感を感じます。企業研修では、学習の5段階ステップ(知る、分かる、行う、できる、分かち合う)を意識しています。電気自動車の取組では、ノウハウの共有、建築研究部では、実際に地域の方に技術を提供するなど、分かち合うという学習の5段階ステップの最後の段階までフォローしていると感じました。働くことは、社会への貢献であり、だれかに喜んでもらっているとか、ありがとうという言葉が、わくわく感やもっとやってみようという内発的な動機付けにつながり、そのサイクルができていると感じました。

委員

生徒は興味をもって様々なことにぶつかっていることがよく分かりました。私も技術屋として様々な経験を積み、企業経営をしてきました。現代は「企業社会」であり、デジタル技術を巧みに利用し、生産性や効率性を求め、人をいかに使って、成果を上げるかということが求められており、働く中におもしろさを見つけることとは違った方向に進んでいると感じています。生徒が汎用旋盤に体でぶつかって物を加工する姿を見て、なかなか良いものだと思いました。側溝の図面を描くのにコンピュータを利用していましたが、基礎・基本を重視し、体でぶつかって図面を描く経験が大切であると感じました。人間は体でぶつかって、経験として身に付け、行動していき、その中でおもしろさを見つけることが大切だと思います。工業高校は、ものづくりの基本を学ぶところですので、体でぶつかるアナログを大切にし、その中におもしろさを見つける教育を行ってもらいたいと思います。

会長

商工会議所として、地域に残ってくれる子どもたちを多くしたいということを目標に取り組んでいます。工業高校から製造業に進み、地域に残りたいと思う子どもが多いですが、受皿がないということや、受皿があっても自分自身の仕事のポテンシャルを維持するのが難しい社会なのだと感じています。このような状況の中で、地域で子どもたちが生きていくにはどのようにしたらよいか悩んでいます。

委員

学校は特徴のある取組をされていますが、日本の製造業の競争力の問題で、企業が外国に出ているということもあります。安い労働力を背景に、新興国が伸びていることを考えると、例えば富岡製糸場付近へのあずまやの提供は素晴らしいと思いますが、外国の方へ前橋工業高校が作成したと分かるようにプレゼンしたり、群馬や前橋がやっていることをPRするなど、これからはトラディショナルなものをつくる技術があることをさらにPRしていくとよいと思います。

会長

工業団地を粘り強く県内に誘致するための取組を行っていますが、地域で生きたい子が、地域で生きる、生活の場を用意することが大切だと考えます。「職業教育の在り方について~社会的な要請を踏まえた専門学科のカリキュラムの充実に向けて~」というところにもヒントがあるのではないかと思います。

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