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平成26年度普通会計決算の状況

更新日:2015年9月17日 印刷ページ表示

1 収支

(1)決算規模

歳入総額は7,489億8,802万円、歳出総額は7,318億6,014万円で、前年度に比べ、歳入では-66億7,387万円、-0.9%、歳出では-132億2,630万円、-1.8%と、ともに前年度を下回りました。

(2)実質収支

 歳入歳出差引額(形式収支)は171億2,788万円で、この額から繰越明許費など翌年度に繰り越すべき財源125億754万円を差し引いた実質収支は、46億2,033万円の黒字となりました。
(昭和32年度以降、58年間連続で黒字決算)

(3)単年度収支

今年度の実質収支から、前年度の実質収支である36億4,901万円を差し引いた単年度収支は、9億7,133万円の黒字となっています。

(4)実質単年度収支

単年度収支に、財政調整基金への積立額13億8,011万円を加え、取崩額14億8,456万円を差し引いた実質単年度収支は、8億6,688万円の黒字となりました。

平成26年度普通会計決算規模(単位:千円)
区分

平成26年度
(A)

平成25年度
(B)
差引増減(C)
(A)-(B)
増減率
(C)/(B)
1 歳入総額 748,988,019千円 755,661,893千円 -6,673,874千円 -0.9%
2 歳出総額 731,860,142千円 745,086,442千円 -13,226,300千円 -1.8%
3 形式収支(1-2) 17,127,877千円 10,575,451千円 6,552,426千円 62.0%
4 翌年度へ繰り越すべき財源 12,507,544千円 6,926,444千円 5,581,100千円 80.6%
5 実質収支(3-4) 4,620,333千円 3,649,007千円 971,326千円 26.6%
6 単年度収支 971,326千円 863,459千円 107,867千円 12.5%
7 積立金 1,380,114千円 998,016千円 382,098千円 38.3%
8 積立金取崩し額 1,484,562千円 1,140,000千円 344,562千円 30.2%
9 実質単年度収支(6+7-8) 866,878千円 721,475千円 145,403千円 20.2%

2 歳入

(1)歳入構成比

 歳入の中で構成比の高いものは、次のとおりです。

歳入構成比
順位 科目 決算額 構成比(%)
平成26年度 平成25年度 平成24年度
1位 県税 2,442億8,278万円 32.6% 29.0% 28.4%
2位 地方交付税 1,326億2,528万円 17.7% 17.5% 18.3%
3位 県債 1,045億3,940万円 14.0% 14.7% 14.2%
4位 国庫支出金 894億945万円 11.9% 14.8% 11.4%
5位 諸収入 856億3,498万円 11.4% 13.3% 15.6%

(2)県税

 県税(地方消費税清算後)は2,442億8,278万円で、前年度に比べ+250億6,944万円、+11.4%増加し、3年連続の増収となりました。
 税目別では、主に法人の事業税が+116億3,814万円(+32.7%)と法人の県民税が+55億5,878万円(+55.2%)、地方消費税が+79億4,520万円(+20.4%)と大幅に増加しています。

(参考)県税収入の伸び率
年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
決算額(億円) 2,228億円 2,281億円 2,472億円 2,779億円 2,606億円 2,184億円 2,116億円 2,097億円 2,133億円 2,192億円 2,443億円
伸び率(%) 6.4% 2.4% 8.4% 12.4% -6.2% -16.2% -3.1% -0.9% 1.7% 2.8% 11.4%

(3)地方交付税

 地方交付税は1,326億2,528万円で、大雪被害対策に係る特別交付税の増などにより、前年度に比べて+3億1,008万円、+0.2%の増加となりました。

(4)県債

 県債の発行額は、1,045億3,940万円で、前年度に比べて-67億7,680万円、-6.1%の減となりました。主に臨時財政対策債(-58億230万円)が減少したことなどによるものです。
 この結果、県債依存度は前年度から0.8ポイント(平成26年度:14.5%←平成25年度:15.3%)減少しました。
※県債依存度は、歳入総額から市町村に対する利子割交付金、地方消費税交付金、ゴルフ場利用税交付金、自動車取得税交付金、配当割交付金及び株式等譲渡所得割交付金を控除した額に対する県債発行額の割合です。

(5)国庫支出金

 国庫支出金は894億945万円で、前年度に比べて-226億2,262万円、-20.2%の減となりました。
 これは主に、国が平成25年度に経済対策として交付した地域の元気臨時交付金(-174億8,678万円)の減や、普通建設事業にかかる国庫支出金(-33億4,806万円)の減によるものです。

(6)その他の収入

  1. 諸収入の減(-147億7万円、-14.7%)は、主に貸付金元利収入の減(-142億1,340万円)によるものです。
  2. 地方譲与税の増(+60億3,271万円、+18.1%)は、主に企業業績の改善に伴う地方法人特別譲与税の増(+62億4,957万円)などによるものです。
  3. 繰入金の増(+59億7,102万円、+34.2%)は、主に「地域の元気臨時交付金」を積み立てた地域振興基金の取崩額が増加(+89億8,706万円)した一方、減債基金の取崩額が減少(-22億491万円)したことなどによるものです。
  4. 分担金及び負担金の減(-15億8,457万円、-27.6%)は、主に普通建設などに係る市町村からの分担金及び負担金の減(-11億3,948万円)によるものです。

(7)自主財源、依存財源の状況

自主財源(県税、分担金負担金、使用料手数料、諸収入など)と依存財源(地方譲与税、地方交付税、国庫支出金、県債など)の構成割合は50.9%対49.1%で、自主財源比率は前年度より2.6ポイント増加しました。これは、主に自主財源である県税が増加(+250億6,944万円)したことや、依存財源である国庫支出金が減少(-226億2,262万円)したことなどよるものです。

(8)一般財源の状況

一般財源のうち県税(地方消費税清算後)、地方譲与税、地方交付税及び地方特例交付金の合計額は4,170億218万円で、前年度(3,856億1,834万円)に比べると+313億8,384万円、+8.1%増加しました。これら4つの合計額の歳入全体に占める割合は55.7%(平成25年度:51.0%)で、前年度を4.7ポイント上回りました。

3 歳出

(1)目的別分析

1 構成比の高い費目は次のとおりです。

目的別分析(構成比の高い費目)
順位 科目 決算額 構成比(%)
平成26年度 平成25年度 平成24年度
1位 教育費 1,802億5,224万円 24.6% 23.5% 24.4%
2位 民生費 1,120億7,582万円 15.3% 14.7% 15.2%
3位 公債費 1,014億6,021万円 13.9% 13.2% 12.7%
4位 土木費 952億4,737万円 13.0% 13.5% 11.2%
5位 商工費 750億6,925万円 10.2% 12.0% 14.4%

2 増減率の高い費目は次のとおりです。

(増加)
順位 費目 増減率 平成25年度 平成24年度
1位 災害復旧費 85.0% 総務費 38.0% 災害復旧費 27.1%
2位 警察費 6.7% 土木費 21.5% 民生費 5.0%
3位 農林水産業費 4.3% 農林水産業費 8.4% 公債費 3.0%

 平成25年度に発生した台風、集中豪雨等の災害復旧費の繰越により、「災害復旧費」が増加。「警察費」は主に渋川警察署庁舎の工事費の増加。「農林水産業費」は平成25年度の大雪被害対策の増加によるものです。

(減少)
順位 費目 増減率 平成25年度 平成24年度
1位 労働費 -38.5% 災害復旧費 -54.5% 衛生費 -24.9%
2位 総務費 -24.4% 労働費 -30.8% 労働費 -24.1%
3位 商工費 -16.2% 商工費 -16.0% 商工費 -15.4%

 「労働費」は、主に緊急雇用創出基金積み立て及び緊急雇用創出基金事業の減少によるもの。「総務費」は平成25年度に国が経済対策として交付した地域の元気臨時交付金の地域振興基金への積立が減となったもの。「商工費」は制度融資に係る貸付金の減少によるものです。

(2)性質別分析

1 義務的経費の状況

 義務的経費は、人件費が2.2%の増、扶助費が3.3%の増、公債費が2.8%の増となり、全体としては前年度比+83億6,187万円、+2.5%増の3,493億6,958万円となりました。
 なお、歳出総額に占める義務的経費の割合は47.7%(平成25年度:45.8%)となり、前年度に比べて1.9ポイント増加しました。

  • 人件費
     人件費は2,232億3,250万円で、前年度に比べ+47億5,599万円(+2.2%)増加しました。これは、主にH25年度に実施した国の要請を踏まえた給与削減分の復元や給与改定等により、職員給与及び共済費が増加したことなどによるものです。
  • 扶助費
     扶助費は、248億7,188万円で、前年度に比べ+8億333万円、+3.3%増加しました。これは、主に奨学のための給付金制度が開始されたことなどによるものです。
  • 公債費
     公債費は1,012億6,521万円で、前年度に比べ+28億254万円(+2.8%)の増加となりました。これは、主に臨時財政対策債の元利償還金が増加(+34億120万円)したことによるものです。

2  投資的経費の状況

 投資的経費は1,243億8,309万円で、普通建設事業費は減少しましたが、災害復旧事業費は増加し、全体として前年度に比べ-26億3,615万円(-2.1%)の減少となりました。

  • 普通建設事業費
     普通建設事業費は1,231億3,517万円で、前年度に比べ-32億937万円(-2.5%)の減少となりました。これは、単独事業費は、前年度に比べ+56億9,964万円増加(+17.8%)し、376億5,010万円となったものの、補助事業費については、-66億6,849万円(-7.8%)減の792億5,265万円となったことによるものです。
  • 災害復旧事業費
    災害復旧事業費は12億4,793万円で、前年度に比べ+5億7,321万円(+85.0%)の増となりました。これは、平成25年度に発生した台風や集中豪雨等による被害の復旧に係る繰越事業が多かったため増加したものです。

3  その他の経費

  • 維持補修費の増(+7,249万円、+2.5%)は、砂防施設維持管理費などの増によるものです。
  • 補助費等の増(+95億7,709万円、+6.9%)は、主に大雪被害対策の増、地方消費税等市町村交付金の増、就学支援金制度の開始に伴う増などによるものです。
  • 積立金の減(-132億1,557万円、-63.1%)は、主に地域の元気臨時交付金の地域振興基金への積み立てにかかる減(-108億6,300万円)などによるものです。
  • 投資及び出資金の増(+20万円、+70.4%)は、水道事業会計繰出金の増によるものです。
  • 貸付金の減(-148億1,051万円、-16.9%)は、制度融資に係る貸付の減によるものです。

4 財政構造を表す各種指標

 財政構造を表す各種指標については、経常収支比率は1.9ポイント減少(改善)し、93.7%となりました。これは分子である「経常経費に充当する一般財源の額」については、人件費、補助費、公債費などの増により増加したものの、県税や地方譲与税の大幅増により分母である「経常一般財源等総額」が大きく増加したためです。
 県債の元利償還金や公営企業債の元利償還のための繰出金などを加えたものが標準財政規模に占める割合を示す実質公債費比率は0.2ポイント上昇(悪化)して12.2%となりました(全国順位は9位)。
 一般会計等が将来負担すべき実質的な負債額が標準財政規模の何年分であるかを示す将来負担比率は、6.2ポイント下降(改善)して162.8%となりました(全国順位は12位)。
 また、公債費負担比率は前年度と同じ19.7%、県債依存度は、前年度から0.8ポイント下降(悪化)して14.5%となりました。
 財政の基礎的収支を示すプライマリーバランス(臨時財政対策債除き)は483億4,142万円の黒字となり、15年連続の黒字となりました。

過去10年間の各種指標の推移(単位 %)
年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
経常収支比率 92.7% 92.3% 97.9% 97.8% 96.1% 91.5% 96.7% 97.4% 95.6% 93.7%
自主財源比率 54.7% 58.3% 65.0% 61.4% 52.7% 51.6% 52.9% 52.1% 48.3% 50.9%
実質公債費比率 10.5% 10.2% 9.9% 9.5% 9.9% 10.6% 11.4% 11.6% 12.0% 12.2%
将来負担比率     202.2% 198.6% 194.0% 179.4% 177.0% 174.3% 169.0% 162.8%
公債費負担比率 18.9% 17.8% 16.8% 17.2% 16.8% 16.9% 18.6% 19.3% 19.7% 19.7%
県債依存度 10.8% 9.1% 9.2% 11.3% 14.5% 15.7% 13.8% 14.7%

15.3%

14.5%

※経常収支比率は、減税補てん債、臨時財政対策債、減収補てん債を経常一般財源に加えた数値です。

過去10年間の各種指標の推移(単位:百万円)
年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
プライマリーバランス 49,085百万円 54,294百万円 41,120百万円 24,641百万円 18,751百万円 43,741百万円 45,589百万円 43,144百万円 41,411百万円 48,341百万円
プライマリーバランス(臨財債含み) 25,977百万円 37,047百万円 29,825百万円 10,761百万円 -19,667百万円 -22,564百万円 -1,855百万円 -2,120百万円 -2,290百万円 13,844百万円

※プライマリーバランス=(歳入-県債)-(歳出-公債費)

5 まとめ

 決算規模は、国の緊急経済対策に関連した投資的経費の増加のあった前年度を歳入・歳出とも下回りました。実質収支は、昭和32年度以降、58年間連続して黒字となりました。
 地方交付税の振り替えである臨時財政対策債の年度末残高は増加しましたが、建設事業の財源等となる臨時財政対策債以外の県債残高は6,993億円となり、前年度末に比べ-219億円と着実に減少しました。
 なお、臨時財政対策債を含めた県債残高は1兆1,890億円となり、臨時財政対策債の増加により、前年度末に比べ+181億円増加しました(臨時財政対策債の26年度発行額607億円対前年度比-58億円)。
 積立基金(財政調整基金、減債基金)の年度末残高は、前年度末に比べ-1億円減の273億円となりました。(なお、平成27年度中に188億円を取り崩す予定であるため、現時点での平成27年度末残高見込みは103億円程度となる見込みです。)
 県税収入(地方消費税清算後)については、県内景気の回復基調の中で、前年度比+11.4%の2,442億8,278万円(+250億6,944万円)を確保することができました。
 県債残高の増加、財調・減債基金の残高減少により、今後は、より厳しい財政運営が見込まれます。一方で、地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり、誰もが安全で安心できる人づくり、産業活力の向上・社会基盤づくりを基本目標とする「はばたけ群馬プラン」の着実な推進に、しっかりと取り組んでいく必要があります。
 県としては、これからも事業評価を徹底し、事業の見直しを適切に行うとともに、地方税収入はもとより、未利用地の売却や広告収入など新たな歳入の確保を図り、中長期的な視点に立って、健全な財政運営に努めていかなければならないと考えています。

平成26年度普通会計決算の状況(PDFファイル:189KB)