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観光・世界遺産に関する特別委員会(平成26年12月10日)
1.開催日時
平成26年12月10日(水曜日)10時01分開始 11時24分終了
2.開催場所
403委員会室
3.出席委員
委員長:岩井均、副委員長:星名建市
委員:関根圀男、委員:塚越紀一、委員:星野寛、委員:塚原仁、委員:岸善一郎、委員:大手治之、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:藥丸潔
4.欠席委員
なし
5.主な質疑
(1)リピート率や観光消費額に着目した観光施策について
塚越委員
「しなやかな日本列島の作り方」(藻谷浩介著)では、地域を潤す観光は、今までの入込客数ではなく、リピート率や消費額に着目すべきと指摘しており、また、行政だけでなく、地域を巻き込んで群馬の観光を考えていってもらいたいが、こうした考えについての感想や今後の方策について伺う。
黒澤観光物産課長
本では、住民誰もが自分たちの住む場所を愛し、生き生きと暮らしている姿が観光客を惹きつけ、ひいては地域の魅力を高め顧客満足度を高めているとし、地域にある質の高い資源の魅力を的確に活用して育てるべきと訴えている。温泉地をはじめ各観光地がきめ細かな質の高いサービスを提供し、それに見合う対価を受ける資源や施設が「核」となり、地域を牽引していくことは重要と考えており、世界遺産登録をはじめとした強い追い風が吹く中で、より多くのお客さまに利用いただけるよう観光PRにしっかりと取り組み、地域資源の活用策に対して積極的に支援し、住民の誰もが誇れる観光地づくりを促進していきたい。
(2)世界遺産効果の継続などへの諸課題への対応について
塚原委員
世界遺産効果を継続させ、県内各地に波及させるため、どのような対応を考えているか伺う。
黒澤観光物産課長
より多くの人に世界遺産の価値をしっかり認識してもらうことが大切であり、歴史的意義と魅力を積極的に発信し、今後も、世界遺産の重みとネームバリューを最大限活用し、県内全域・近県の観光素材を取り込んだ広域の情報発信及び一層の誘客促進、受入体制整備について、市町村や観光団体などと一体となって取り組んでいきたい。
塚原委員
世界遺産登録後の課題への対応はどうか。
黒澤観光物産課長
世界遺産の観光面に係る諸課題に対応するため、関係市町村、観光団体、交通事業者等を構成員とした会議を設け、取り組んできており、また各市町での取組も支援していきたい。
(3)観光サービスの認証制度について
塚原委員
宿泊施設の設備やサービスを評価する取組を制度化した県や、海外でも、星の数で評価することにより、特に外国人旅行者に対しての判断目安を提供しているが、このような制度の導入について検討状況はどうか。
黒澤観光物産課長
認証制度としては、旅館ホテル生活衛生同業組合と観光物産国際協会が実施する、群馬を訪れた方々が、宿泊施設で安心・快適に過ごしていただくための「ぐんま安全安心のお宿登録制度」があり、法令で定める衛生管理の積極的な推進と、事故の未然防止を目的として、基準に適合している旅館等に対して、登録証を交付している。
塚原委員
認証制度による評価を世界に発信し、外国人旅行者のための判断基準とする取り組みは、非常に良いと考えるが、どうか。
黒澤観光物産課長
利用客にとっては利便性が高いと考えるが、県が各施設をランキングするようなことは難しいと考える。旅館ホテル等団体とも話をしたい。
(4)外国人観光客の増に対する、本県の対応状況について
塚原委員
円安の影響で訪日外国人が増えているが、本県の対応状況はどうか。
黒澤観光物産課長
平成25年の本県への外国人宿泊者数は9.7万人泊と過去最多で、26年も、前年並みか、それ以上の宿泊者数を期待できる状況であり、円安の効果も反映しているものと考える。観光庁の調査によると、訪日外客の約5割が東京を訪れており、これを本県へ誘客するため、台湾でのトップセールスでも、東京から近いというメリットを前面に出した旅行商品の販売を行った。観光にとっては追い風であり、今後も、東京から近いというメリットを活かした誘客に取り組んでいきたい。
(5)台湾旅行会社への土産について
岸委員
日台議連で台湾の旅行会社と意見交換をした際に、ダルマをお土産とし、好評であったが、本県からはどのようなお土産を持って行っているのか。
黒澤観光物産課長
台湾ではダルマが好まれるので、今回は名入れダルマを渡した。県にゆかりのある絹織物、桑細工、県産の羽子板等、その都度検討し、本県物産のPRもしている。
(6)東国文化周知事業について
岸委員
古代東国文化サミットは、平成24年に高崎市、25年に前橋市、今年は太田市で開催されたが、その成果と今後の方針についてはどうか。
飯塚文化振興課長
今年は「グンマはクルマから始まった」をテーマに、太田天神山古墳の近くにある、ぐんま国際アカデミーとイオンモール太田を中心会場に開催した。地元の休泊小学校児童による古代劇などを実施し、1万2千人が訪れ、民間企業と一緒に古代東国文化サミットの開催に取り組めたことが大きな成果であり、今後も、県民や企業にも関わってもらい、東国文化の発信に取り組んでいきたいと考えている。来年度は北毛地域の沼田市を予定しており、利根・吾妻地域の市町村と協力して開催したい。
岸委員
第5回国分寺まつりで実施した天平衣装行列について、もう少し規模を大きくしてみてはどうか。
飯塚文化振興課長
今年は文化庁補助金を活用して、天平衣装を100着制作し、行列を行ったところ、昨年を大きく上回る5千人が訪れた。来年度は規模をもっと大きくしていきたいと考えており、文化庁補助金が採択になれば、国分寺周辺の地元自治会を中心に盛り上げていきたい。
(7)西毛広域幹線道路の進捗状況について
岸委員
旧群馬町地域で開催されるイベントにおいては、西毛広域幹線道路が前橋方面からのアクセス道路となるが、西毛広域幹線道路の元総社蒼海工区の進捗状況はどうか。
清野道路整備課長
現在、問屋町交差点付近の2車線開通済み区間の4車線化工事と、前橋市が事業主体である元総社蒼海地区区画整理事業を実施中であり、平成27年度上期までに、車道4車線での開通を目指している。
(8)世界遺産センター構想の大枠について
大手委員
富岡製糸場における世界遺産センター構想の進捗状況は、どうか。
松浦世界遺産課長
世界遺産センター、いわゆる拠点施設の整備については、昨年度に有識者委員会を設置して方向性を検討し、場所は、富岡製糸場の場内または、その周辺という意見が示され、具体的な場所を富岡市と調整をしているところであるが、既に多くの見学者が来ていることから、暫定展示により、世界遺産の価値を伝えているところであり、今後、更に内容を充実させて参りたい。
大手委員
世界遺産センターの面積は、どの程度のものを想定しているのか。
松浦世界遺産課長
有識者委員会では、展示室、講義室、収蔵庫、事務室などで800~1,000平方メートル程度は必要との意見であり、設置場所などの条件により変動があると思うが、あまり簡易ではないものにしたい。
(9)免税店制度の活用について
原委員
10月に免税店制度の大幅緩和が行われ、観光へも効果があると思うが検討状況はどうか。
黒澤観光物産課長
外国人観光客の買い物を促し、誘客にも資するため、県内でも免税店を増やす必要があると思われるので、どのようなことができるのか研究していきたい。
(10)境島小学校における世界遺産展示の検討について
原委員
田島弥平旧宅近くの境島小学校の統廃合が検討されている一方で、田島弥平旧宅の展示施設がないことから、学校を廃校させずに、学校と世界遺産展示の複合施設として活用してはどうか。
松浦世界遺産課長
当方の権限だけで答えられる案件ではないが、島村地区には歴史資料など地域の宝を持つ家が複数あり、資料展示に境島小を使用することは一つの考えではあると思う。
(11)平成25年観光客数・消費額調査について
金子委員
調査では入込客数が増加している一方で観光消費額が減少しており、来県してもらうだけでなく、消費してもらうためには、新たなお土産の開発や、地元等との勉強会の開催などの取組が大事であると思うが、どうか。
黒澤観光物産課長
増加傾向にある観光入込客数を観光消費につなげていくことが課題であり、観光資源の一層の魅力アップへの取組支援とともに、世界遺産を核とした県内周遊観光を促進することで消費・宿泊につなげたい。また、物産品の認知度向上などにより、本県全体の観光消費拡大に努めていきたい。
藥丸委員
外国人の入込状況や消費額は調査しているのか。
黒澤観光物産課長
観光庁の宿泊旅行統計調査で把握しているのみであり、特に調査は行っていない。外国人の消費額についても、調査していない。
(12)冬季国体に合わせた観光PRについて
金子委員
来年1月に開催される冬季国体に合わせ、県としてどのような観光PRを考えているか。
黒澤観光物産課長
「ぐんま冬国体」に関連して4~5千人の来訪者が見込まれ、これを観光に活かすため、JRの県内主要駅への案内所設置を、生活文化スポーツ部と連携して計画している。また、競技会場や開始式会場においても観光宣伝を考えているほか、監督、選手、役員などの関係者への観光宣伝物の個別配布を計画している。
(13)冬の夜遊びスタンプラリー事業について
金子委員
渋川行政県税事務所が主体となって「冬の夜遊びスタンプラリー」を開催中であるが、県はどのように関わっているのか。
黒澤観光物産課長
当該スタンプラリーは「ググっとぐんま観光宣伝推進協議会」県央地域部会の取組として実施されており、経費の一部を協議会で支援している。
金子委員
当該スタンプラリーに対する評価はどうか。
黒澤観光物産課長
市町村や観光団体、交通事業者などで構成される地域部会としての観光誘客に係る取組であり、夜のイベントということで宿泊につながる面もあると思われ、非常に良い取組と評価しており、ネーミングも魅力的だと思う。
(14)外国人留学生の活用について
藥丸委員
本年10月に決算特別委員会で質問したが、その後の進展はあるか。
佐藤国際戦略課長
来年度当初予算において具体的な取組を検討しているところである。現状では、外国人留学生は県内企業への就職が少なく、企業にもグローバル人材として知ってもらうことが大事だと考え、経済団体等へのヒアリングや就職説明会に出向くなど、関係機関との調整を始めている。来年度は、本県に残りたい外国人留学生と、グローバル人材を活用したい企業の両面から取組を進めていきたい。