本文
群馬県にあるシステムセイコー株式会社で活躍しているグエン・チー・フーンさんについて紹介します。
彼は大学卒業後、ベトナムにある日系企業での2年間の勤務経験を通して、日本の会社の働き方に興味を持ち、日本に働きに行きたいと思うようになりました。その後、人材紹介会社を通じた就職活動の中で現在の会社と出会い、2020年から働いています。
彼の群馬県での生活や仕事についての記事をぜひご覧ください。
2017年:ホーチミン市技術教育大学卒業
2017年~2019年:ベトナムにある日系企業で勤務
2019年~2020年:ベトナムにある日本語センターで勉強
2020年11月:システムセイコー株式会社に入社
大学卒業後、電子機器を製造する日系企業で2年間程働きました。その勤務経験を通して、日本の会社のプロ意識の高さや仕事の進め方などに興味を持ち、将来日本へ働きに行くことを考え始めました。日本へ働きに行きたかったので、ベトナムにある日系企業での仕事を辞めた後、日本語センターに通い、日本語を学びながら、日本での仕事を探しました。2020年に人材紹介会社を通じて、現在の会社と出会い、日本で働くことになりました。
大学時代には専攻の授業の他に日本語の授業も受講し、日本語の勉強を始めました。大学卒業後、日系企業で働いていた時も社内の日本語講座に参加したり、日本人の同僚と積極的に会話したりして、日本語の勉強を継続しました。日本に働きに行くことを目指すようになってからは、日本語を集中的に学びたいと思い、1年間程日本語センターに通いました。来日後の現在も日本語の勉強を継続しており、教科書などを使って独学したり、高崎市国際交流協会が開催している日本語講座に参加したりしています。
私の日本語学習のコツは読解、リスニング、作文、会話といった全てのスキルをまんべんなく勉強することです。日本語を勉強する際、もし教科書で読解や作文だけを学んだら、長期間記憶に定着しないし、実際の日本人とのコミュニケーションで使うのも難しいです。そのため、私は教科書での読解や作文の学習の他に、会話やリスニングの練習にも力を入れています。テレビでニュースやバラエティー番組などを見て、リスニングの練習や会話の流れを確認したり、日本人と積極的に話をして、覚えた表現を実際に使ってみる練習をしたりしています。日本人とのコミュニケーションが上手くできると嬉しくなり、学習を続けるモチベーションを維持できます。
日本に初めて来た時、この国の清潔さにびっくりしました。公共の場所では人がどんなに集まっても、ごみが地面に捨てられることを見かけるのはとても少ないです。日本の街ではごみ箱がほとんど置いてないのに、ごみをポイ捨てる人はあまりいないです。その理由を調べてみたところ、日本人は小さいころからごみのポイ捨てはいけないと教えられて高い衛生意識を持っているので、どこに行ってもごみのポイ捨てせず、ごみ箱がないところでは、ごみの持ち帰りをしているとのことでした。これは清潔な国を維持している日本のいい習慣だと思いますので、ベトナムにも広がってほしいです。
日本に来たばかりの頃の写真
初めて来日した時は、日本語でのコミュニケーションに苦労しました。この困難は生活面だけではなく、仕事面でも度々経験しました。例えば、スーパーに行った時、自分が買いたいものを何度店員さんに説明してもわかってもらえなかったり、同僚に相談する時、自分の意見をしっかり伝えられなかったりしました。この困難を乗り越えるために、日本語をより熱心に勉強するようになりました。日本人とのコミュニケーションが上手くできるようにするために学習の重点をリスニングと会話に置き、毎日欠かさず勉強を継続しました。その結果、来日してから2年後には、私の日本語能力は飛躍的に向上し、日本語でのコミュニケーションに難しさを感じる場面も少なくなってきました。
電車などの日本の公共交通機関は定時運行され非常に便利で安全性も高いので、気に入っており、旅行に行く時などよく使っています。
また、日本の景色が好きなので、よく旅行にも出掛けています。2年程の日本での生活の中で、東京や大阪、京都、神戸など色々な観光地を訪れました。各地域は独特な魅力がありますが、私が一番好きなところは京都です。京都は、かつて約千年もの間都が置かれた日本の古都で、17の世界遺産があるなど、神社仏閣を中心に歴史的価値が高い街です。京都には、町家などの日本の伝統的な雰囲気が感じられる街並みがたくさんあるので、非常に興味深いです。以前訪問した時は夏でしたが、今度は秋に訪れて、紅葉がある京都の美しい景色を楽しみたいと思っています。
京都で撮った写真
大阪城で撮った写真
現在、群馬県高崎市に住んでいます。群馬県はとても住みやすいところだと思います。大都市のように賑やかではないですが、スーパーやコンビニ、モールなどの生活に必要施設はたくさんあります。来日前に調べた通り、群馬県は自然災害が少ない県です。近県と比べて大きな地震が発生する頻度が少なく、内陸部に位置しているので、津波の恐れもないので、安心して暮らし、働くことができます。
また、訪れた群馬県内の観光地の中で、強く印象に残っているところは榛名山の紅葉の景色と水上温泉での雪景色です。山全体が色づく榛名山の紅葉は絶景でしたし、水上では人生で初めて見た雪景色に感動しました。
その他、甘党な私は群馬県の名物である焼き饅頭が気に入っています。饅頭を竹串に刺し、甘く濃厚な味噌ダレを裏表に塗って火に掛け、香ばしい匂いがします。群馬県に来る機会があれば、ぜひ食べてみてください。
水上(みなかみ)で撮った写真
2020年11月に、システムセイコー株式会社に入社しました。主に各種省力機械や半導体製造装置などの機械の設計・製作をしている会社です。入社当初は、機械の部品の加工を担当していましたが、現在は、半導体製造装置の組み立てや設計のサポートを行っています。
将来は、設計の業務をメインに担当したいと思っていますが、設計業務を上手くできるようになるためには、部品の加工や組み立てに関する知識は非常に大切だと思いますので、現在担当している業務に精一杯取り組んでいます。
仕事中の写真
入社前にベトナムで待機している時、会社が私の日本語の学習を色々サポートしてくれました。毎週、日本語で会社のスタッフとメールを交換していました。その際、会社のスタッフからのメール内容は日本での生活や文化、会社の規制などについての紹介で、私からの返信内容はベトナムの紹介や家族、自分のことの紹介などでした。日本語の勉強だけではなく、会社に私のことを知ってもらうとともに日本での生活や会社に対する理解も深める良い機会にもなりました。その他、会社負担で日本人講師によるオンラインでの日本語や日本の基本情報に関するレッスンを受けることができ、来日前に日本での生活に向けてしっかり準備することができました。
来日後は、会社がアパートを借り上げてくれたり、家具を用意したりしてくれたので、生活をスムーズにスタートできました。上司と同僚は優しく、困っていることやわからないことがあれば、積極的に教えたり、相談にのってくれたりします。社長も身近な存在で、自身の畑で作った野菜を社員によく配ってくれます。
弊社が製造している機械の種類が多いので、業務を通じて、様々な機械に関する知識を増やしたり、自分のスキルを向上したりすることができます。また、弊社では、入社後数年間は会社の主要業務を経験し、その後本人の適性にあった部署に配属され設計技術者などとして育成されるといったキャリアの流れを明確に示してくれるので、安心して働くことができ、長く働きたいと思います。
当社をはじめ、群馬県には外国人材にとって魅力的な企業がたくさんありますので、日本での就職を希望する方は、是非自分に合った会社を探してみてください。
会社で撮った写真
まずは、近い将来私が希望している設計の業務を担当できるよう、日々の業務に真剣に打ち込み、多くの知識を身につけていきたいです。また、日本での生活や会社の働く環境を気に入っているので、日本で長く働き、会社の業績にも貢献できるよう頑張っていきたいです。